コマンドRPGとアクションRPG、どちらが「メンドウクサイ」?
友人「でも、協力プレイなのに順番にコマンドバトルってどうなんだろうね?」
やま「あー、言われてみれば。同時に色んなことが出来るからこそ協力プレイの意味があるんだもんなぁ。だからこそ、堀井さんはアクションバトルにしたかったのか……」
友人「RPGにアクション要素とかマジクソゲーだよ」
やま「そう?(笑)オマエは『ドラクエ9』がアクションバトルのままだったら買わなかった?」
友人「うん、買わない」
やま「一度訊いてみたかったんだけど、どうしてそんなにアクションRPGが嫌いなん?」
友人「アクションRPGって面倒くせえじゃん」
いやー、“自分以外の人の意見”って本当に面白いと思いましたよ。
自分は「コマンドRPGが遊びたい時」もあれば「アクションRPGが遊びたい時」もあるので、友人にそこまで反論する気も起きなかったんですが……その後に『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』をプレイしていて、全く逆の感想を持ったんですよ。
コマンドRPGと違って、ザコ敵を無視出来るから面倒くさくない!と。
『ゼルダの伝説』をアクションRPGとして紹介するとファンから怒られそうですけど……自分は「ドラクエが国内ではムチャクチャ売れるけど海外ではそんなに売れない」のと、「ゼルダが海外でムチャクチャ売れるけど国内ではそこまでではない」のは表裏一体じゃないかと思っているのです。
なので、『ドラクエ』大好きなその友人と『ゼルダ』好きな自分を対比してみると、コマンドRPGとアクションRPGの裏表が分かるんじゃないかなーと考えてみることにしました。
● コマンドRPG(『ドラクエ』)の場合。
ランダムエンカウントだろうがシンボルエンカウントだろうが、ザコ戦は避けられませんよね。「シンボルエンカウントだからザコ戦を1回もせずにクリア出来る」ゲームというのは、あまり一般的ではないと思います。
で、自分は―――「あれ?ダンジョンのあっち、まだ行っていないっけ?」とウロウロすることが多いので、そうした際にザコ戦にエンカウントされるのが非常にイライラします。だからもう、さっさと「逃げる」を選ぶのですが。コマンドRPGの場合、「逃げる」の成功率は“運”で決まるものが多いので。ますますイライラするんですよ。自分の手に委ねられていないところで、ザコ戦に数分間を奪われてしまうかが決められてしまうというのが。
もちろん、「逃げる成功率を上げられる」要素とかがある作品も多いんでしょうけど、そういうことじゃないんです。命中率50%を80%に上げたところで外れるものは外れるんです。否、命中率80%なんて『スパロボ』の世界では命中率40%みたいなもんです。いや、『スパロボ』の話は今関係がないんですけど。
● アクションRPG(『ゼルダ』)の場合。
フィールドを切り替えてしまえばザコは追いかけてきませんし、特定の場所(部屋内のザコを全部倒すと鍵が出てくるとか)以外はザコ戦は無視して構いません。もちろん逃げるより倒した方がダメージが少なく済むケースも多いのですが、それは自分の操作次第。戦うのが面倒だったら、自分の腕で逃げればイイのです。
要は、「ザコから逃げられないのは自分の腕のせい」と思えるという話。
なので、自分は「コマンドRPGの方が面倒くさい」という認識を持っていたんですよ。
もちろん、それでもその面倒くさい「コマンドRPGが遊びたい時」があるんですけどね。焼肉を食べたい時もソバを食べたい時もあるよね、みたいな話。
でも、友人の発想も分からんでもない。
多分ソイツは「ザコ戦はAボタン連打」しているから面倒くさいとは思わないんですよ。アクションRPGのように移動やら間合いやら攻撃やらをイチイチ操作せずとも、「攻撃」コマンドや「逃げる」コマンドを選ぶだけで行動してくれるコマンドRPGの方が面倒くさくないと感じているそうなんですよ。
結局は、「ゲームに何を求めているのか」「ゲームの何が面倒くさいのか」には個人差があるというだけの話ですね。“色んな人がいるから世界は面白い”というそこに行き着くという。
○ 『ドラクエ』好きな友人→イチイチキャラを操作しなきゃいけないアクションRPGが面倒くさい
○ 『ゼルダ』好きな自分→“自分の腕”以外のせいで時間を消費させられる(ランダムエンカウントとか逃げるが成功するかとか)コマンドRPGが面倒くさい
しかしです。
自分は最近のRPGには疎いんで自信がないのですけど……最近の“和製RPG”って、「エンカウントはする」「バトルはアクション操作」のものが多くないですか?友人が思う「面倒くさい」部分と自分が思う「面倒くさい」部分を合わせたような、『ドラクエ』と『ゼルダ』の「面倒くさい」部分を抽出して作ったようなゲームというか―――
流石に今のは言いすぎか、ゴメンなさい。
そうした“和製RPG”が好きな人からすると「やってもいないのに文句言うな」と思われるでしょう。その通りだと思います。でも、何故「やってもいない」のかというと、なーんかこういうゲームって面倒くさそうなんだよなぁと感じてしまうからなのです。こうした感覚って、言えば叩かれるから言わない人がほとんどなんだけど、実はものすごい大事なことだと思うのですよ。
これはRPGに限った話じゃないですけどね。
「ゲームを買わなくなる時」って、この「なんか面倒くさそう」が強くなっていった時だと思うのですよ。濃いぃファンを大事にすることはそりゃ商業作品なんだから当然なんですけど、その結果としてゲームがどんどん「面倒くさそう」になってしまって、濃いぃファンでない人が手を出せなくなってしまったのが「ゲーム離れ」現象だったんじゃないかなぁと。
でもでもでも。
その「ゲーム離れ」を食い止めるために作られたのが『Wii Sports』ですよね。ザコ敵にエンカウントしないのはもちろん、テニスの移動とか、野球の守備・走塁とか、従来型ゲームの「面倒くさそう」と思われる要素を極力廃したゲームだったと思うのですよ。
でも、反対にそこから「リモコン振るのなんか面倒くせえしぃ」という人も出てきたワケです。
「面倒くさそう」な要素を削っていくと、新たに「面倒くさそう」と思う要素が生まれるという。
もうこうなったら「ゲームをしない」のが一番面倒くさくないんじゃないかとか、禅問答だ!
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話がズレまくった……コマンドRPGとアクションRPGの違いに話を戻そうと思います。
以前、どこかの書き込みで読んですっごく感銘を受けたものがありまして。でもどこで読んだのか思い出せないので、「こんなカンジだったかなー」と記憶の限りに再現してみます。
コマンドRPGは、欧米ゲームからしてみれば「アクションRPGの代用品」でしかなかった。
ロールプレイングの名の通り、自分の分身をゲーム内で自在に動かしたいという欲求があって、それが“自由に動けるアクションRPG”に越したことはなかった。だけど、昔のゲーム機のスペックでは“自由に動ける”には制約があったため、仕方なくコマンドRPGで代用してきただけだ。
今のゲーム機のスペックならば、コマンドRPGで出来る動きをアクションで表現することなど簡単なので、欧米人からすると「どうして日本はいつまでもコマンドRPGなんて作っているんだろう?」と疑問でしかないのだ。
こんなカンジ。
正確に言うと、「アクションRPG」という言葉自体が、“RPG=『ドラクエ』っぽいゲーム”という日本独自の等式にアクション要素を足したという日本独特の言葉じゃないかと思うんですけどね。『ドラクエ』ブームのファミコン時代なんて、経験値やレベルの概念があるゲームは「RPG要素もあるよ!」と言われていましたしね。欧米とはまずRPGという言葉の捉え方が違うんじゃないかと。
『ドラクエ9』の話で言うと……
アクションバトルからコマンドバトルに変更した経緯について、堀井さんは「アクションバトルだとゲームが単調になってしまったから」とクリエイターズボイスで仰っていました。
一部では「ファンからドラクエはコマンドバトルを続けろ!と不評だったから」なんて囁かれていましたし自分もそう思っていたのですが、堀井さんの説明はなかなか頷けるものがあるなーと。
喩えば『ゼルダの伝説』シリーズって、アクションバトルを単調にさせない工夫に満ちたゲームだと思うんですよ。
最初は出来ることが少ないけれど、ゲームが進むに当たってアイテムが増えて多彩な攻撃が出来るようになるし、ハート(最大HP)も増えるし剣も強化されるから「強くなっている」感があります。『トワプリ』だと、道中で奥義を覚えて攻撃手段が増えますしね。経験値やレベルの概念はないけれど主人公がどんどん強くなっている感覚がするのです。
同じことは『ドラクエ』には出来ない。
ホークアイで敵に気付かれないように遠くから弓矢で射殺すとか、『ドラクエ』っぽくないじゃないですか(笑)。レベルが上がっただけとか、新しい武器を買っただけなんだけど、それだけで物凄く強くなった感がするのが『ドラクエ』の魅力であって。それをアクションRPGで表現するには、DSで、しかも多人数協力プレイで表現するには難しかったんじゃないかと思います。
ふむ。書いていて頭が混乱してきました。
自分で付けた記事タイトルを全否定しますけど、「コマンドRPG」と「アクションRPG」という2つに分けられる問題じゃない気がしてきました。
ザコ敵にエンカウントするか←→ザコ敵を無視できるか
戦闘中にじっくり考えられるか←→戦闘がせわしないか
戦闘は単純作業(ボタン連打)で構わないか←→考えないとザコ敵にもやられてしまうか
戦闘を繰り返すことでパワーアップするか←→戦闘以外でパワーアップするか
超超超超大ざっぱな話ですけど、左が『ドラクエ』的で右が『ゼルダ』的という対立軸で考えてみました。もちろん他のゲームをこれに当てはめようとすると、それぞれの項目に細かいグラデーションが存在するんですけど……(『ドラクエ』がボタン連打で何とかなる、というのもしっくりは来ないか)
「RPGの戦闘に何を求めているのか」「何が面倒くさいのか」を考える際に、この対立軸で考えると分かりやすいんじゃないかと思い。でも、どこで使うんだコレ(笑)。
とりあえず、「ザコ敵にエンカウントする」んだけど「戦闘以外でしかパワーアップしない」RPGがあったら一番イライラするなーと思いました。御褒美のないザコ戦を延々と繰り返させられるなんて、単なる拷問でしかないもの。
(もちろん、ザコ敵を倒してもらったお金で強化パーツ買うみたいなのは「戦闘を繰り返すことでパワーアップする」ゲームね)。
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余談。
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「中古ゲームは利用しない」と公言している自分にとってはこれが最安値かも知れないし、当分遊ぶ時間はないんだけど確保しておこうかと悩み中です。
| ゲーム雑記 | 18:08 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑
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