fc2ブログ

やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

『鳴かせてくれない上家さん』全3巻紹介/マージャンがある高校生活と、ちょっとのラブコメ!

kamiya-1.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>


【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
ゲームのマージャンとはちがう、実際に人と集まって打つとはこういうことだ!
大会に出るとかではない、「いつも同じメンバーとマージャンを打つ」日常を描く
マージャン×ラブコメは、どちらも「相手の気持ちを考える」ので実は相性が抜群


【紙の本】


【キンドル本】




【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:×
・恥をかく&嘲笑シーン:△(嘲笑ではないけど、仲間内で恥をかくシーンはある)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:○(ギャグのように描かれてるけど竹原→上家はガチ)
・BL要素:×
・ラッキースケベ:△(勢い余って密着するタイプの、羨ましい)
・セックスシーン:×


↓1↓

◇ ゲームのマージャンとはちがう、実際に人と集まって打つとはこういうことだ!

 この漫画は、KADOKAWA・メディアファクトリーブランドの「月刊コミックフラッパー」にて2020年~2021年に連載されていた学園ラブコメです。全3巻で完結済。

 タイトル『鳴かせてくれない上家さん』の「上家さん」はヒロインの名前で、「かみやさん」と読みます。ただ、マージャン用語で「上家」と書けば「カミチャ」と読み、「自分より一つ前の順番の人」という意味があります。『古見さんはコミュ症』みたいなカンジで、上家(かみや)さんが上家(カミチャ)に座っているという言葉遊びですね。ややこしいわっ!

kamiya-2.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 ということで、マージャンを題材にした学園ラブコメ漫画です。
 年末に私は、キンドル本の新刊『マージャンも打てる!~超初心者のための麻雀講座~』を発売しました。このブログを読んでいる人は全員買って読んでくれていると思うので、マージャンに興味を持ってくれる人も増えたこのタイミングで、マージャンを題材にしたオススメの漫画を紹介します。

 「そうは言っても、まだ2章までしか読んでいないから全然マージャンのことが分からないや……」という人でも大丈夫だと思います。
 マージャンに一切興味がなくて、私が書いた本も読んでくれなかった母に、この漫画を読ませたところ「面白い」と言ってくれました。マージャンが分からなくてもラブコメとして読めると思いますし、むしろラブコメ目当てで読んで、マージャンに興味を持ったらそこから私の本を買って読んでくれてもイイんですよ!(宣伝)


kamiya-3.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 主人公は、ひたすら一人でゲームのマージャンをプレイしていた麻野イサムくん、高校2年生です。学校でも一人(Wi-Fiが入るという理由で)階段に座って、マージャンのネット対戦を続けていたところ……部長が怪我をしてしまい、3人しかいなくて困っていた麻雀部に誘われます。
 麻雀部のある高校! 全自動麻雀卓もある! そして、美少女が4人も在籍している! 何その羨ましい環境!


kamiya-4.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 同じマージャンではありますが、「ゲームで遊ぶマージャン」と「リアルに人が集まって遊ぶマージャン」では勝手がちがいます。ゲームのマージャンを遊びこんでいた主人公も、リアルなマージャンは初めてで、そのちがいに戸惑います。対戦相手は話しかけてきて、こちらの顔を見てきて、うっかりしているとどんどんどんどん進行していってしまうのです。そうした「ゲーム」と「リアル」のマージャンのちがいを描くところから始まっています。


 私は自分の本に、「この本を読めばゲームのマージャンくらいならすぐに打てるようになります」と書きました。「ゲーム」と「リアル」でマージャンが別物なら、ゲームでだけ打てても意味がないんじゃない? と思われるかも知れません。

 ですが、だからこそ私は「ゲームでだったらマージャンが打てるようになった皆様」にこの漫画をオススメしたいんですね。「ゲームのマージャン」は、「リアルのマージャン」を一画面に収めたものです。それもすごいことなんですが、ゲームだけだとどうしても「人間に対して麻雀卓はどのくらいの大きさ」だとか、「4人がどんな風に座っているのか」とか、「どんな動きで牌を捨てているのか」とかが描かれません。

 そういう「ゲームのマージャン」では省略されてしまう「リアルのマージャン」のサイズ感が、この漫画だと分かりやすく描かれているんですね。「ゲームでならマージャンが打てる」となった人の、次のステップとしてオススメです!


↓2↓

◇ 大会に出るとかではない、「いつも同じメンバーとマージャンを打つ」日常を描く

 「マージャンの漫画」は既に世にたくさんあります。「近代麻雀」なんていう、マージャンの漫画に特化した雑誌まであるくらいですからね。

 私も流石にマージャンの漫画全般に詳しいワケではないのですが……たくさんあるマージャン漫画の中で、この漫画の立ち位置は「初心者に向けて」「マージャンをやってみたいと思わせられるような作品」を目指して描かれたそうです。
 なので、この漫画―――大会に向けてがんばるぞとか、命を賭けた真剣勝負とかではなく、放課後いつも(ほぼ)同じメンバーで集まってただ楽しくマージャンを打っているだけなんですね。でも、そこがイイのです。


kamiya-5.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 私の高校にはマージャンの部活はありませんでしたが、こんな風にマージャンをいっしょに打てる友達がいる高校生活(そして放課後にマージャンを打っても怒られない環境)って最高だなーと思わせてくれるんですね。


kamiya-6.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第2巻より引用>

 ただひたすらマージャンを打つだけじゃなくて、昼の学食とか。


kamiya-7.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第2巻より引用>

 朝の通学バスとか。
 高校生活の中に「マージャンのことを話せる友達」が溶けこんでいるのが、すごく楽しくて、すごく羨ましいんですよね。俺もこんな高校生活を送りたかった!



 また、監修にMリーグ(2018年から始まったマージャンのプロリーグ)のプロ雀士:内川幸太郎さんが就いていて、各話の終わりには「その回に出てきた役などの解説」が1ページで詳しく書かれています。私の本の解説と読み比べてみるのも、マージャンを多角的に知れて面白いと思いますよ!

・役牌
・字一色
・ドラ
・清一色
・四暗刻
・チーとポン
・ロンとツモ
・七対子
・天和
・リーチ
・カン
・チャンタ・純チャン・タンヤオ
・河について
・メンタンピン
・何切る問題
・フリテン
・絞り

 別にマージャン入門書ではないので、初心者が覚えられる順番ではないと思いますが(2つ目が字一色とは!)……これらの役が出てくるように話を作り+もちろんお話としても面白くなるように描かなくちゃならないんだから、ストーリーを練るのも大変だったろうと思います。


kamiya-8.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第2巻より引用>

 難点は「もっとこの日常を見ていたい」と思うところで終わってしまうことです。
 「これから色々イベントがあります」と言いながら、夏合宿はやったけど、文化祭まで届かずに終わってしまいました。お話としてはキレイに完結しているとは思うんですけど、もっともっと彼ら・彼女らの日常を見ていたかったと思ってしまいます。

 麻雀部って文化祭は何やるんだろう……
 そもそも、対外試合とかもあるんだろうか。毎日同じメンバーでひたすらマージャンを打っているだけなんだけど、それで部活って成り立つものなのかな。


↓3↓

◇ マージャン×ラブコメは、どちらも「相手の気持ちを考える」ので実は相性が抜群

 この漫画のヒロインは3人―――

kamiya-9.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 一人目はタイトルにもなっている上家(かみや)サクラさん。
 主人公の1コ下で、明るく元気な巨乳キャラです。

 マージャン始めて1ヶ月の初心者ながら、主人公を麻雀部に引き込んだ、麻雀部のムードメーカーですね。タイトルの『鳴かせてくれない』とは、マージャンの用語で「ポン・チーをさせてくれない」という意味で、何故か主人公はこのコからポン・チーが出来ない(欲しい牌を捨ててくれない)のです。
 チーは特に自分の一つ前の相手からしか出来ないため、この上家さんがチーをさせてくれないことで主人公はなかなか勝てません。


kamiya-10.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 二人目は、筒井マドカさん。
 主人公は気付いていなかったけど、主人公と同じクラスの黒髪ロングのお嬢様タイプです。上家さんとちがって薄着ではないため目立ちませんが、彼女もかなりの巨乳。

 こどもの頃から家族でマージャンをしていたため、リアルな牌の扱いに慣れているし、強いです。


kamiya-11.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第2巻より引用>

 三人目は竹原スズメさん。
 上家さんの幼馴染で、彼女も小学生の頃からマージャンを打っている実力者です。そして、上家さんのことが大好きで、上家さんのことを何よりも優先するタイプのキャラです。ありがとうございます、ありがとうございます。

 なので(?)、主人公のことを敵視してくるのが緊張感あってイイですね。



 「筒井」「竹原」と来たから、あと1人いるのではと思った人は鋭いですね。「筒=筒子(ピンズ)」、「竹=索子(ソーズ)」のことなので、あと1人「萬田」先輩という人物がいます。ですが、登場巻の前の巻の予告にシルエットしか載っていないので、これから読む人には姿は見せない方がイイのかなと思い、ここには載せません。



kamiya-12.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第1巻より引用>

 そして、何か背景によく映っている猫:コータロー(♂)!
 近所の飼い猫が、部室にふらっとやってきてマージャンをしている4人の周りをうろうろしたりするという。主人公には懐いているが、上家さんにはあまり懐いていません。この猫の、かわいいんだけどちょっと憎たらしいカンジがイイんですよ!



 さてさて。
 ラブコメが心理戦であることは、『からかい上手の高木さん』(2013年~)や『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(2015年~)といった作品達が明白化してしまったと思います。「相手が自分のことをどう思っているのか」と相手の心理を読んでいるのを、読者は神の視点で見られるのがラブコメの面白いところなんですね。

 そして、マージャンとは―――「相手の心理を読む」ゲームです。
 まだ私の本の序盤を読んでいるという人には難しい話になってしまいますが、相手にロンされないために「相手が何を集めていて」「何を欲しがっていて」「何を捨てちゃダメなのか」と、相手の気持ちになって考えることが重要なんですね(格闘ゲームで言う、ガードのタイミングをはかるみたいな話)。

 主人公が上家さんからポン・チー出来ないのも、麻雀部の面々に勝てないのも、彼女らの心理を読めていないから―――ラブコメ的な文脈で説明すると、まだ彼女らの個別イベントを通っていないからなんです! だから、彼女らをラブコメでもマージャンでも攻略できていないんですね。


 つまり、ラブコメもマージャンも似たようなものなんですよ!

 実際、ラブコメとマージャンの相性の良さに気付いている人は少なくなくて、去年1巻が発売された『一色さんはうまぶりたいっ!』なんかも「ラブコメ×マージャン」漫画ですね。
 こちらは「マージャンが超上手い先輩(男)」に近づきたくて、初心者ながら頑張ってマージャンをうまぶろうとしている女のコのラブコメです。こちらの方がより高度な心理戦ですが、ある程度マージャンが分かっている人向けの作品だと思われます。




 これらの作品の弱点は「マージャンが分からない人」にとってはハードルが高く、「自分には関係ない作品だ」と手に取ってもらえないところです。実際、『上家さん』も『一色さん』も、マージャンをまったく知らない人が読んでマージャンが打てるようになる漫画ではありません。
 でも、今はもう、このブログを読んでいる人は全員『マージャンも打てる!~超初心者のための麻雀講座~』を買って読んでいるはずなので(二度目)、すぐにはムリかも知れませんが、少しずつマージャンのことも分かるようになってこれらの作品に対するハードルも下がってくるでしょう。

 特に『上家さん』はマージャンが分からない人でも楽しめると思うので、『上家さん』を読んでラブコメとして楽しんで、『マージャンも打てる!』を読んでマージャンを学んでから、『上家さん』をもう1回読めば「ここの場面はこういう意味だったのか」とマージャン部分も分かるようになって二度楽しめると思います!



◇ 結局、どういう人にオススメ?
kamiya-13.png
<画像は『鳴かせてくれない上家さん』第3巻より引用>

 ラブコメが好きな人、かつ少しでもマージャンに興味がある人ならオススメです!
 誰もが最初は初心者なんですから、ここからマージャンに入っていっても全然構わないと思います。私の本だったら嬉しいですが、私の本以外にも「初心者がマージャンを覚える一歩目」はたくさんありますからね。この漫画からマージャンへの興味が大きくなったら、お好きな手段でマージャンを覚えていけばイイんじゃないかと思います。

 みなさんの人生に、マージャンが彩りを加えてくれることを期待しています!

| 漫画紹介 | 18:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

https://yamanashirei.blog.fc2.com/tb.php/2874-b1dedec3

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT