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『ミシシッピー殺人事件』を「ゲームの歴史」の中で考える

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<画像はファミリーコンピュータ版『ミシシッピー殺人事件』より引用>

 4月のゲーム実況は、ファミコン版の『ミシシッピー殺人事件』に挑戦していました。

 2000年代前半の「レトロゲームを面白おかしく紹介するホームページ」で笑いものにされることの多かったゲームです。確かに難易度は高いし、『スペランカー』や『アトランチスの謎』のように「遊び方さえ理解すれば面白いんですよ!」とは言いませんけど、当時言われていた「クソゲー評」はどうなのかなって思います。


◇ 「海外のゲーム」を日本語に訳すこと
 このゲームは元々1986年にコモドール64やApple IIで発売されたアクティビジョンのゲームです。要は、元々はアメリカのPCゲームなんですね。
 日本のファミコンでは、1985年11月に堀井雄二さんの『ポートピア連続殺人事件』が発売されて大ヒットしていたからでしょう。恐らく「ウチもアドベンチャーゲームを出そう」と思い、ジャレコはアクティビジョンとライセンス契約を結び、1986年10月に“ファミコンのテキストアドベンチャーゲームとしては2作目”になる、この『ミシシッピー殺人事件』を発売します。

 それまでにも「海外のゲームを日本のファミコン用に移植して発売する」ものはありました。1985年の『スペランカー』だってそうですね。でも、それらのゲームは「テキスト量の少ないアクションゲーム」がほとんどでした。
 つまり、この『ミシシッピー殺人事件』は日本のゲーム機で初めて「大量の英語テキストを日本語に翻訳した」ローカライズゲーになるんです(PC用ゲームでは『ウィザードリィ』等これ以前にもありますが)

 そう考えると「society」を「社交界」ではなく「社会」と訳している箇所が1つあるくらいで、鬼の首を取ったように「誤訳だ!」とクソゲー判定するのはどうかなと思いますよ。『火吹山の魔法使い』とか、Nintendo Switchで発売されているダウンロード専用ソフトにはもっとひどい翻訳のゲーム未だにたくさんありますが、その元祖みたいなものですよ!(だからイイって話にはならない)


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<画像はファミリーコンピュータ版『ミシシッピー殺人事件』より引用>

 PC版では「ジョセフ・ゴールデンが鉱山を失い、失意のあまりに自殺した」となっている新聞の文章が、日本語版は「その人はゴールデンである」としか書かれていないのマジですごいと思いますけどね。でも、これが日本のゲームローカライズの歴史ですよ!



◇ ファミコンに「アドベンチャーゲーム」が大量にやってくる前夜
 また、1986年当時のファミコンキッズ達は恐らく現在ほど「テキストアドベンチャーゲーム」というものがよく分かっていなかったのでしょう。1985年に『ポートピア』は出ていますが、アドベンチャーゲームが増えるのは1987年です。分かりやすく、有名どころのファミコンのアドベンチャーゲームを並べてみましょうか。

・1985年11月『ポートピア連続殺人事件』
 …ファミコン初のADV。
・1986年10月『ミシシッピー殺人事件』
 …ファミコン初の海外ローカライズADV
・1986年11月『デッドゾーン』 ※ディスクシステム
 …SFADV
・1987年4月『さんまの名探偵』
 …実在の芸能人が登場するADV
・1987年4月『探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』 ※ディスクシステム
 …長期シリーズの第1作目
・1987年9月『ファミコンむかし話 新鬼が島』※ディスクシステム
 …任天堂初のADV
・1987年12月『中山美穂のトキメキハイスクール』※ディスクシステム
 …ファミコン初の恋愛アドベンチャー
・1988年4月『ファミコン探偵倶楽部~消えた後継者~』※ディスクシステム
 …任天堂初の推理ADV


 『さんまの名探偵』『神宮寺三郎』、ディスクシステムで『新鬼ヶ島』や『トキメキハイスクール』……これら全部1987年です。そこから1989年まではファミコンでアドベンチャーゲームむちゃくちゃたくさん出ているんですね。
 この時期はディスクシステムが「大容量」「セーブ可能」を実現した時期なのでアドベンチャーゲームがたくさん発売され、そしてそこからROMカセットの進化がその両方を可能にしてしまってROMカセットでもアドベンチャーゲームがたくさん発売されました。

 『ミシシッピー殺人事件』が発売された1986年はまだアドベンチャーゲームブームの夜明け前で、しかも『ミシシシッピー』はサイドビューのゲームだったため、「マリオみたいなゲームだと思ったら全然ちがうやんけ」と遊び方が分からなかった子が多かったんじゃないかと思います。
 「穴に落ちたら死ぬ」「ナイフが飛んできて死ぬ」なんてレビューしか出てこないの、明らかにマトモにゲームを遊べていませんもの。



◇ 「死んだら終わり」だったゲーム
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<画像はファミリーコンピュータ版『ミシシッピー殺人事件』より引用>

 2000年代前半の「レトロゲームを面白おかしく紹介するホームページ」では、とにかくこの「穴に落ちたら死ぬ」「ナイフが飛んできて死ぬ」部分がネタにされていました。スタート地点の隣の部屋に即死落とし穴があるため、「殺人事件が起こる前から主人公が死ぬからクソゲー」みたいに言われていたんです。


 でも、その論理だと私の大好きな『慟哭 そして…』もクソゲーになっちゃうんですよ! 断固として認めるワケにはいかない!(大抵のプレイヤーは、弓矢を取ろうとして死ぬので)


 そもそもゲーム開始直後に死んだところで、すぐにタイトル画面からやり直しになるだけだからプレイヤーとしてはダメージが少ないです。
 “スタート地点の隣の部屋に即死落とし穴がある”のは日本版オリジナル要素らしく、それで「ジャレコはどうかしている」みたいに書いているレビューも多かったのですが……ゲーム開始直後に即死トラップを置くことで、「このゲームには即死トラップがある」「だから、その場所を覚える必要があるんだよ」とプレイヤーに教えてあげているだけだと思うんですね。『スーパーマリオブラザーズ』の最初のクリボーのようなものです。


 ダメージの大きさとしては、終盤に即死トラップに引っかかった方が遥かに大きいからか……「ゲーム終盤にうっかり部屋を間違えてナイフに当たって死んで最初からやり直しになったからクソゲー」と言っている人もいたんですが、それもどうかと私は思います。「うっかり間違えて死んだからクソゲー」が通るならほぼ全てのゲームがクソゲーになりませんか?

 うっかりジャンプボタンを押し間違えて落下して死んだから『マリオ』はクソゲー?
 うっかり回復魔法と攻撃魔法を間違えて死んだから『ドラクエ』はクソゲー?
 うっかり敵陣の中に突っ込んで死んだから『ファイアーエムブレム』はクソゲー?


 ファミコン版の『ミシシッピー殺人事件』の即死トラップは決まった部屋でしか発生しないから、その場所を覚えておくだけで回避できます。しかも、たった3箇所です。それに対して、元となったApple II版では「扉を開けた際にランダムにナイフが飛んできて回避できないと即死亡」だそうです。もっとやべえじゃん!!


 ただし、海外のコモドール64版やApple II版にはセーブ機能があったので、終盤に即死したとしてもセーブしたところからやり直しが出来たそうです。それに比べてファミコン版はセーブ機能がなくなっているので、即死したら最初からやり直さなくちゃならないからクソゲー! というレビューを、そこらで見かけるのですが……

 1986年のファミコンのゲームに、「セーブ機能」はないんですよ。

 『ファミリーベーシック』のような例外を除けば、ファミコンのROMカセットにセーブ機能がついたのは1987年4月の『森田将棋』が初めてです。それ以前のゲームだと、1987年1月の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』でも52文字という恐ろしく長いパスワードを書き写させるしかなかったんですね。
 つまり、『ミシシッピー殺人事件』が発売された時点では「セーブできないのなんて当たり前」だったし、「セーブできないからクソゲー」だなんていうのは、このゲームに『ドラクエ』以上のものを求めることになります。少なくともリアルタイムで遊んだ人の感想ではないなと思いますよ。


 Q.「セーブ機能」はムリだったとしても、「パスワード」で途中からやり直せるようすれば良かったのでは?

 A.このゲームは「誰の」「誰に対する」「どの発言」をメモしておくのかプレイヤーが自分で決められて、それを3つ×7人のキャラ分と、記録しておかなくちゃならない要素が多いんですね。もちろんそこに加えてアイテム取得やフラグ管理なども記録しなければならないので、もし「パスワード制」だった場合はそれはそれで「パスワードがクソ長ぇ!」と叩かれていたと思います。


 Q.では、「セーブ機能」がなかったファミコンのゲームに「セーブ機能」を付けるために任天堂が出したディスクシステムで発売したら良かったのでは??

 A.そんなこと私に言われても困る。



 そもそもこのゲーム、「攻略順」さえ分かっていれば1時間くらいでクリアできるゲームですからね。「セーブ」や「パスワード」がなくても、そこまで問題ではなかったんじゃないかと思いますよ。



◇ 自力では絶対攻略不可能だからこそ
 とは言え、その「攻略順」を自分で見つけるのは相当困難です。
 「落とし穴に落ちたら即死」とか「ナイフが当たったら即死」なんてものはどうでもイイんですよ。一度聞いた証言を二度は言ってくれない「もう いいました」も、もうイイでしょう。そこはこのゲームの難しさの真の理由ではありません。移動速度が遅いのは腹立つけど、そこもガマンしてください。


 このゲームで本当にヤバイのは、プレイヤーが取れる「選択肢」の多さなんですよ。

 容疑者は7人いて、最初から全員に会いに行くことが出来ます。
 その容疑者1人1人に、「○○についてどう思う?」と(被害者も含めた)8人のキャラについて証言を聞けて、それをメモすることが出来ます(メモが取れるのは1容疑者につき3つまで)。そして、そのメモを7人のキャラ全員に突きつけることが出来るので―――選択肢は7×8×7=392通り!?

 いや、どうやらこのゲームはストーリーの進行具合によって3段階に証言が変わるという話も聞いたので、7×8×7×3=1176通り??


 しかもしかも、この「メモを突きつけるタイミング」も決まっているらしくて……私が実況した際に、「同じメモ」を「同じキャラ相手」に突きつけたところ、自力でプレイしていた2日目は何の反応もなかったのに、攻略サイト通りにプレイしていた3日目ではストーリーが進行するという謎の現象が起こっていました。

2日目の動画


3日目の動画



 突きつけるタイミングも「3段階で変わるストーリーの進行度」に依るんだとしたら、7×8×7×3×3=3528通り!? しかも、その「ストーリーが進行したタイミング」がよく分からないという……


 更には、「容疑者についてきてもらって連れ歩ける」とか「アイテムについて意見を聞く」とか、そもそも船中を探索してアイテムを見つけなくちゃならないので……日本のアドベンチャーゲームのような「コマンド総当たり」でどうにかならないんです。


 アドベンチャーゲームは元々「コマンド入力式」といって、例えば「LOOK ○○」といったカンジにキーボードに自分で“作り手が想定した行動”を打ちこまないと話が進まないジャンルだったそうです。流石に私はリアルタイムでは知りませんが、あまりに難しかったので「単なる言葉探し」と言われることもあったらしいです。

 そこから「誰でも遊べるように」と、事前に用意してある「はなす」「みる」などの選択肢からプレイヤーが選ぶだけの「コマンド選択式」のアドベンチャーが生まれたのが1984年のPC版『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』だとか。作者は堀井雄二さんで、同じ堀井さんの『ポートピア連続殺人事件』も1985年にファミコンに移植された際にこのシステムが採用されて、これが日本では「一般的なアドベンチャーゲーム」として認知されていきます。


 ちなみに「コマンド選択式」のアドベンチャーゲームは「コマンド入力式」に比べてはるかに簡単になって短時間でクリア出来てしまうことを危惧し、PC版『オホーツクに消ゆ』には「間違った行動をするとその後にクリア出来なくなる“詰み”」が意図的に入れられていたらしいので……
 『ミシシッピー殺人事件』の「メモを取り忘れたら、もういいましたとしか表示されずに詰んだ!クソゲーだ!」というレビューは、アドベンチャーゲームに革命を起こした『オホーツクに消ゆ』でさえもクソゲー認定しちゃうことになるんですよ。というか、この時期のアドベンチャーゲームとしては至極一般的なシステムじゃないかと思うんですね。


 閑話休題。
 ということで、アドベンチャーゲームって元々は「ムチャクチャ難易度が高いジャンル」だったのだけど、日本では堀井雄二さんがそのハードルを下げた結果、アドベンチャーゲームは「コマンド総当たりすれば誰でも最後までストーリーが読めるジャンル」になっただけで……海外には堀井雄二さんがいなかったんで、海外製のアドベンチャーゲームは「クリアできるもんならやってみろ!」くらいの難易度のものが依然として多かったのかなと思うんですね。

 いや、そもそも1986年当時のゲームって日本製であっても「クリアできるのが当たり前」では全然なかったですよね。ファミコンのアクションゲームなんてクソ難しいし。『メトロイド』とか『パルテナの鏡』とかだって、(攻略本なしの)自力クリアできる人は化け物ですよ。
 だからこそ、そのカウンターとして「時間をかけてレベルを上げれば誰でもクリア出来る」と思われた『ドラクエ』式のRPGが人気になるのだし、それも『ドラクエIII』が出る1988年以降のことであって、『ドラクエII』すら出ていない1986年の『ミシシッピー殺人事件』が難しくてクリア出来なかったとしても「クリア出来ないからクソゲー」とはならなかったと思うんですけど。


 『ミシシッピー殺人事件』には攻略本が出ているのですが、このゲームが「誰にでもクリア出来るようになった」のは2000年前後のインターネットの普及によって「レトロゲームの攻略サイト」が数多く作られた時期じゃないかと思われます。アクションゲームとちがって、「攻略順」さえ分かればその通りに行動するだけでクリアできるワケですからね。

 攻略サイトによって、初めて結末を見ることが出来たゲームの代表例だと思うのですが―――そうすると、今度は「何だこのストーリーは?」「最後までプレイしたけど、やっぱりクソゲーでは?」という評が溢れるようになるという。




◇ これは「有名ミステリー」のオマージュなのか?
 ここからは『ミシシッピー殺人事件』のエンディングまでのネタバレを含みます。
 また、この作品のオマージュ元という説もある『オリエント急行殺人事件』のラストシーンまでのネタバレも含み、ここではその2作の似ている点・ちがっている点を検証しようと思います。



 まずは、『ミシシッピー殺人事件』の結末です。

 被害者のブラウンは、かつて「ゴールデンという男から鉱山の採掘権を奪って自殺に追い込んだ」。そして、この船に乗っているテーラーという女が、実はゴールデンの娘であることが分かった。主人公はそれを暴き、テーラーを犯人だと推理して追いつめる。
 すると、他の乗客が一斉に主人公を非難し始める。それまでは別に仲が良かった風でもなかったのに、次々と「彼女は悪くない」「彼女を追い詰めたアンタはヒドイヤツだ!」と言い始めたのだ。

 そして、船長は「悪いのはブラウンだから彼女は無罪だ」と言う。
 主人公も「そうだな、我々も反省しなければならないな」と言い、終了―――



 せっかく犯人を追い詰めたのに、主人公が乗客全員から非難され、そして主人公が犯人を見逃すエンディングに「ワケが分からない」と、2000年代前半の「レトロゲームを面白おかしく紹介するホームページ」ではクソゲー判定されることが多かったんですね。

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<画像はファミリーコンピュータ版『ミシシッピー殺人事件』より引用>


 しかし、これがアガサ・クリスティーの名作『オリエント急行殺人事件』のオマージュなのでは?という説が出てくるんですね。『オリエント急行殺人事件』の原題は『Murder on the Orient Express』なのに対して、『ミシシッピー殺人事件』の原題は『MURDER on the MISSISSIPPI』なのはそれを意識したのだろうと。


 ということで、こどもの時以来、超久々に『オリエント急行殺人事件』を読み返したので、その結末を書きます。

 被害者のラチェットは、かつて「アームストロング家の3歳の娘を誘拐し、身代金を奪い、殺した男」だった。大金を積んだことで彼は無罪になり、名前を変えて外国で優雅に暮らしていたのだ。主人公は、この列車に乗っている乗客が、実はみなアームストロング家に関わった者たちであることに気づく。主人公はそれを暴き、乗客全員が共犯の犯人だと推理して追いつめる。
 すると、乗客の一人であるハバード夫人が「私一人の犯行ということにしてください」と懇願する。

 そして、鉄道会社の重役であるブーケは、主人公が予め用意してあった「もう一つの仮説」を支持する。「時差で犯行時刻を間違えていたため、前の駅で犯人が既に下りてしまって逃亡されていた」「乗客の誰も犯人ではなかった」という説を―――



 似ている点をピックアップしていきましょう。

・被害者は、かつて誰かを死に追いやったことがある極悪人
・犯人(達)はその復讐のために被害者を殺した
・同情の余地のある事件のため、権威ある人間がその犯行を見逃す
・主人公もそれに同意する

 ―――この辺りですかね。

 「よくあること」と思われそうなものも含めると……

・『オリエント急行殺人事件』で誘拐されて殺された3歳の娘の名前が「デイジー(Daisy)」と、『ミシシッピー殺人事件』のキャラクターの一人「ディジー(Daisy)」と一緒
・「列車」と「船」という乗り物を舞台にしたクローズドサークルものであること
・その乗客に「貴族」から「労働者」まで幅広い人が揃っていること

 この辺も挙げられます。

 要はですね、『ミシシッピー殺人事件』が『オリエント急行殺人事件』のオマージュだった場合、乗客全員がグルだったということになるんですね。落とし穴やナイフなどの罠を用意したのは誰か、直前までお互いを疑い合っていたはずの乗客が最後に一致団結して主人公を非難するのは何故か、など……そう考えれば、説明が付きます。

 もちろん、『オリエント急行殺人事件』では最後に「乗客全員が犯人だった」と明らかにされるのに対して、『ミシシッピー殺人事件』では特にそのような説明はありません。それを推測してオマージュと言い張るのはムリがあるような気がするのだけど……そもそもこのゲームのタイトルが『MURDER on the MISSISSIPPI』なことを考えると、アメリカ人の感覚からすると「もうこのゲームを始めた時点で『オリエント急行殺人事件』のオマージュだと分かっている」可能性もありえます。

 「Murder on the」でGoogle検索すると、『オリエント急行殺人事件』に関するページがズラッと出てくるので……「Murder on the○○」というタイトルを付けた時点で「『オリエント急行殺人事件』のオマージュ」だと分かるんじゃないかと思うんですね。その場合、いちいち最後に「乗客の全員がグルだったんだよー!」なんて明らかにするのも野暮な気がします。


 でも、それが日本語タイトルだと『ミシシッピー殺人事件』というありふれたタイトルになってしまったことで、これが有名ミステリーのオマージュであることに気が付かれずに、「意味不明な結末! クソゲーだ! こんなもん、クソゲーだ!」と言われるようになってしまったんじゃないかと考えられます。



 ただ、『オリエント急行殺人事件』のすごさって、決して「乗客全員が犯人という奇抜な真相」だけじゃないんですね。
 全員が他人だと思われた乗客達が、実はみな「アームストロング家の関係者」だと次々と明らかになっていくカタルシスや。12の刺し傷が、12人の犯人がそれぞれ恨みを持って刺していたこと、それが(ヤツを無罪にした)アメリカの陪審員と同じ数だったという納得感と。それまではわめきちらす迷惑な老人だったハバード夫人が、自分一人で罪を背負おうとする感動のシーンと。それを前もって分かっていた主人公ポアロが、予め「誰も犯人にしない仮説」を用意しておいたスマートさ―――――こういった部分が、『ミシシッピー殺人事件』には見られないんですね。

 仮にオマージュだったとしても、オマージュ作品としての出来は良くないと私は思います。



Q.じゃあ結局「クソゲー」ってことでイイの?

A.結論は遊んだ人それぞれが出すものなので、その人がそう思ったならしゃあない。ただし、「落とし穴に落ちたら死ぬからクソゲー」「ナイフが飛んできて死ぬからクソゲー」みたいな低次元なことを言っている人は、明らかにこのゲームをちゃんと遊ぼうとはしていないので、インターネットに踊らされた可哀想なエアプ勢なんだなと私は思います


| ゲーム雑記 | 21:00 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

昔、ファミコンで遊んでクリアできなかった人間からいわしてもらうとやはりクソです(一度聞いた証言を再確認できないとこなど)

| 降間 | 2021/05/07 22:47 | URL |

>降間さん

 例えばアナタが職務質問を受けたときに、同じ質問を何度も何度も何度もされたら「それさっき言ったよ!」「ちゃんとメモっておけよ!」ってなりません?

| やまなしレイ | 2021/05/08 00:28 | URL | ≫ EDIT

警察はボロを出さないか、矛盾がないか調べる為に同じ質問するのでその言い分は無理筋では…?

| ああああ | 2021/05/08 04:51 | URL |

>ああああさん

>警察はボロを出さないか、矛盾がないか調べる為に同じ質問する

 普段どんな格好で歩いていると、そんな職質をされるの……?

| やまなしレイ | 2021/05/08 10:42 | URL | ≫ EDIT

同じ質問を何度も何度も…って言ってるのははやまなしさんの方なんですが…
それを自分で疑問持っちゃうんですか?

| ああああ | 2021/05/11 05:17 | URL |

>ああああさん

 ここまでの流れをまとめますね。

・降間さん
 「一度聞いた証言を二度聞けない(もう いいましたと返される)からこのゲームはやっぱりクソです」

・やまなし
 「現実の職務質問でも、同じことを何度も聞かれたらイヤでしょ?(だからゲームでも出来なくなっているんじゃない?)」

・ああああさん
 「警察はボロを出さないか、矛盾がないか調べるために同じ質問を何度もするものですよ。」

・やまなし
 「そんな職務質問、普通はされないでしょ。」

・ああああさん
 「それを言い出したのは、やまなしさんです」

・やまなし
 「?????」



 なるほど、全部分かりました。
 僕は「そんなのは現実にないから、ゲームで出来なくても当然では?」という意味を込めて、「職務質問で同じことを何度も聞かれたらイヤでしょ?」と書いたのですが。

 ああああさんは“文章に書いてあることだけ”を読んで、「職務質問は同じ質問を何度も何度もされるものだ」「それはイヤなことだ」と僕が書いたと思われたのですね。


 「文系・理系の差」とか「脳の使い方」によって、「裏に込められた意図」や「暗喩」や「比喩」などを読まず、「書かれている文章だけ」を読む人がいる―――という話を、Twitterで見たことはあったのですが。それが今日の今日まで、僕にはどういう現象なのか分かっていませんでした。


 ああああさんがまさにそういう人でしたし、恐らく今日までああああさんが「このやまなしってヤツはいつも言っていることが支離滅裂だ」と思ってきたのは、これが原因です。
 僕は「そういう人」がブログを読んでいるだなんて考えてこなかったので、配慮が足りていませんでした。ゴメンなさい。



 ただ、本文は今後もこれを続けます。
 ああああさんにとっては意味不明なことばかりを書き続けるブログに思われてしまうでしょうが、このブログを今でも読み続けてくれている人の大半は「僕の文章が好きだから」読みに来てくれているのです。ああああさんには申し訳ないですが、そこを変えることは出来ません。


 その代わり、今後コメント欄の返信は「書き手の意図を読まないと通じないような文章」は書かないように気を付けます。
 意図が通じることが分かっている常連さん相手への返信は別ですが、匿名の人や初めましての人への返信はなるべく「平坦な文章」で「書き手の意図を読んだりしなくても分かる文章」を心がけます。


 なので、ここからは僕からのお願いなのですが……
 「他の人への返信」に、横から割り込んでくるのはやめてください。
 その返信は「その人に向けた文章」なので、「その人に喜んでもらう」ために書いています。だから、「裏に込められた意図」や「暗喩」や「比喩」も含んだ文章になります。

 ああああさんにはそれが意味不明で支離滅裂で矛盾だらけに思えるかも知れませんが、それは「ああああさんに向けた文章」ではなく、「意図が通じる人に向けた文章」だからです。
 それはその人と僕の「共通言語」で書かれた文章なので、それを持たないああああさんに通じないのは当然なのです。



 それでは、今まで配慮が足りていなくて本当に申し訳ございませんでした。今後は気を付けます。

| やまなしレイ | 2021/05/11 11:32 | URL | ≫ EDIT

職務質問を基準に考えると、同じ話をもう一度聞けないことよりも捜査中にメモを捨てちゃうってのがヤバいですよねー。

| 機序 | 2021/05/11 15:22 | URL |

>機序さん

 あぁ……確かに(笑)。

 「1人あたり3つしかメモを取れない」「4つ目をメモ取ると1つ目が消える」ことから考えると、限られた紙しかないので鉛筆と消しゴムで何とかやりくりしながらメモしている姿が目に浮かびます。

 そりゃ、旅行のつもりで船に乗っていたら突然殺人事件に巻き込まれたのだしメモ帳のストックがなかったのも仕方ないかな……と思ったけど、船の中に便箋があったな確か。それ使ってくれよ!(笑)

| やまなしレイ | 2021/05/12 00:29 | URL | ≫ EDIT

当時の小学生「ミシシッピ難しすぎるから攻略書いてある本買ってもらったで!」

当時の小学生「よっしゃ!犯人当てた!!」
ヘンリー「彼女は身を守るためだったんだよ!」ガチギレ
せんちょ「彼女は無罪。いいね?」
当時の小学生「えっえっ」
主人公「われわれも反省しなくては」
当時の小学生「(´;ω;`)」
ゲーム「げーむおーばー」

ミシシッピがオリエンタルのオマージュだったのは初耳でした
それを知るとナイフ飛びクソゲーって言われるのは少しだけかわいそうかも?

ただ当時の小学生は当時かなり高額だったファミコンソフトを買って、苦労の先にそんな作者の思惑(しかもあんまり上手じゃない)を無理やり口にねじ込まれるようなスカッともすっきりもしないオチを食わされてちょっとかわいそうだなぁとw
彼らだけはハッキリとクソゲーって言っていいはず…
面白い記事ありがとうございます

| のん | 2021/08/06 22:02 | URL |

>のんさん

 そうですね。

 そもそも海外のPCゲームを移植されても、日本のこども達にはチンプンカンプンだったりしますもんね。ファミコンを遊ぶこども達の需要に応えられていなかったという点では、こども達にはクソゲーと言われてもしょうがないかなと思います。

| やまなしレイ | 2021/08/08 00:37 | URL | ≫ EDIT















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