西尾維新『ヒトクイマジカル』読了
昔からよく言うでしょう。信じる者は儲かるです」
「それは漢字の覚え方だ」
ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹 | |
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というワケで、買ったまま読んでいなかった『ヒトクイマジカル』を読みました。
昔からの常連さんには繰り返しになってしまいますが、僕が維新の作品に対して“買ったまま読んでいなかった”と言っているのは最上級の賛辞であって。大袈裟に言えば「戯言シリーズを読み終わったら、もう人生でやりたいことがなくなっちゃうから大事に読もう」という意味です。
図書館で借りた本を読み終わって、新しい本を借りる余裕が時間的にも移動的にも荷物的にもなかったので、『ヒトクイマジカル』を移動時間に読んでしまいました。積んである他の本ではなく戯言シリーズを手に取ったということは、自分では気付かなかったけど相当ダメージ喰らっていたのかも知れんね。もう『ネコソギラジカル』しか残ってないや…
ということで、ややネタバレ含む簡易感想はこちら↓
実は前作『サイコロジカル』を読み終わった時、数箇所「え?どうしてそうなったの?」と思うところがあって―――ついでに他の人の感想も読みたいなーとネットサーフィンしていたのですが。
「サイコロジカルは面白いよ。その次のは最悪だけど」と、友人から薦められた。という感想にその際出会っていて。『サイコロジカル』の感想を読むつもりが、『ヒトクイマジカル』のネタバレ喰らっていたのでした。
えぇ、僕にとっては「良い/悪い」という他人の意見すらネタバレだという話で、一般的にもコレがネタバレだとは流石に思っていませんけどね。
でまぁ―――そういうことがあるので、用心しながら読み始めました。
あれ?面白いじゃん…と、嬉しい誤算でガシガシ読み進めていきました。姫ちゃん可愛いなぁ、姫ちゃん可愛いなぁ、俺もセクハラしてぇなあと堪能していたらウギャア――!!
あぁ、なるほど。「最悪」というのはそういうことか。
まぁ、伏線張りまくられていたし、上述の「最悪」という意見が頭の中に入っていたから予想はしちゃっていましたけどね。不快にさせようと思って書いている作品に「最悪」という感想は、カレーを「辛い!」と怒り出すようなこっ恥ずかしさはあるけど。分からんでもない。
今回は怖くてネットの感想読んでないけど、評判は良くなさそうですね。
トリックなんてあってないようなものだし、パッと見で大きなカタルシスがあるワケでも(いやホントはあるんだけど)、何かを成し遂げることもなく、大きな虚無感だけが残るお話―――ハン・ソロがカーボンになって「ハイ!次回も映画館に来てねー♪」みたいな終わり方と言いますか。
でも、僕は今作の話は結構好きなんですよ。
僕は元々『金田一少年』的な「どこそこに皆で出かけて、そこで殺人事件が起こってさぁ困った!」な話があまり好きじゃないんですよ。旅行って最初から非日常なある意味でファンタジーな時間であって、そこで殺人事件があっても非日常の中の非日常だから全然リアリティを感じられないというか。血の臭いがしないというか。
だから僕は『ジョジョ』で好きなのは4部だし、戯言では『クビシメロマンリスト』です。日常の中にある、リアリティを伴う死臭―――この『ヒトクイマジカル』も大半の時間は日常であって、だからこそ、でなければこんな描写は出来なかったはず。
さきほど「大きなカタルシスはなかった」みたいなこと書きましたけど、そんなことはない。ここまでの戯言シリーズを受けて、一気に跳ね返すほどの強い力がありました。あぁ、そのたった一行にここまで強い力があるとは。その一行に崩れ落ちるように泣きました。
それでも世間の受けが良いとは思わないんですけどね。個人的には戯言シリーズの中でもかなり上位に来るほどの震え上がりっぷりでした。楽しかった。だから、『ネコソギラジカル』は当分読まないようにしようっと。
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