定期的に語りたくなる「昔のゲームを今遊んでも楽しめるのか」問題
1989年に発売されたファミコン用ソフト『クインティ』は明らかに時代に逆行したゲームだったけれど、当時に流行していた「マリオの後追いで出たゲーム」や「ドラクエの後追いで出たゲーム」よりも、20年以上経った今遊ぶのならばむしろ『クインティ』の方が斬新で新しいゲームに思える―――という話をあの記事では書きました。
あの記事では『クインティ』を紹介することが目的でしたからそれ以上は踏み込みませんでしたが、自分の中でふと思ったことがあったのです。「というと、『マリオ』と『クインティ』はどちらが斬新だ?」「『ドラクエ』と『クインティ』では?」「『マリオ』と『ドラクエ』は?」
今の子どもでも、『マリオ』や『ドラクエ』は新作が出続けているからそれなりに遊んでいるみたいです。そういう子どもが、初代の『スーパーマリオブラザーズ』や初代の『ドラゴンクエスト』を遊んだ時、『NewスーパーマリオブラザーズU』や『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』と比較して「なんかショボイ……」と思ったりするのだろうかと。
いや、子どもはどうでもイイや。
どうせこのブログを子どもは読んでくれていないだろうし。
私のような鼻毛に白髪が混じり始めているオッサンであっても、「このゲーム、昔遊びたかったんだけど遊んでなかったんだ!バーチャルコンソールで出るなら買っちゃおう」とプレイして楽しめるゲームと楽しめないゲームはあるなぁって思うのです。 『クインティ』は「思い出補正」とかじゃなくて今初めて遊んでもガチで面白いゲームだと言えますが、そうでないゲームもたくさんあると思うのです。
この記事を書く前に、ちょっと書こうと思って没にした記事があって―――それは「ファミコンで出た『ガンダム』のゲーム全部集めて『Jレジェンド列伝』みたいに一まとめにして出してくれないか」という内容の記事でした。バーチャルコンソールに出してくれない『ガチャポン戦士3 英雄戦記』とか『ナイトガンダム物語2 光の騎士』を遊びたい!と思ったからなんですけど……
それらのゲームを今遊んで、ホントに楽しめるのか?と自分でも疑問に思ってしまったのです。実際にバーチャルコンソールで出た『ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』と『ガチャポン戦士2 カプセル戦記』はほとんど起動しませんでしたし!
(関連記事:美化されていないファミコン時代の思い出を語ろう!)
(関連記事:昔の名作ゲームを今遊んでも100%の面白さを味わえるワケがない)
以前にこれらの記事を書いたこともありますけど、それらの記事とは違うアプローチで「昔のゲーム」を“今の自分が実際に遊ぶこと”を想定して考えていこうと思います。
「昔のゲーム」の定義にみなさん言いたいこともあるでしょうが、この記事の中では「ファミコンのゲーム」で統一しようと思います。こないだ某所でチラッと読んで度肝抜かれたものに、「昔のゲームでも今遊んで面白いゲームはたくさんあるよ!例えば『428』とか!」ってのがあったのですが……そういう世代の人達からすると今日の記事は「それってマンモスのいた時代の話?」レベルのことなのかもなぁ。
1.「アクションゲーム」ならば、全然イケる
グラフィックを気にしなければ。
まぁ……「最新のグラフィックじゃないと気が済まない人」だったら、どんなジャンルだろうがもうどうしようもないですからね(笑)。
『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)だろうが、『ダウンタウン熱血物語』(1989年)だろうが、『クインティ』(1989年)だろうが、今遊んでも見劣りせずに面白いです。
というか……演出面やグラフィック面を除けば、2Dアクションはこの時点でそれなりの完成形に到達してしまっていて。プレステや64が出てくる90年代中盤に「3Dアクション」という新たなジャンルを生み出して、いわゆる“最新のゲーム”として進化しまくるのは「3Dアクション」なので。2Dアクションはファミコン時代からあまり変わってないんですよね。だから、ファミコンのゲームでも全然面白い。
ファミコン以前のゲームですが、『スペースインベーダー』とか『パックマン』だって今でも面白いですもんね。
ただ、「ボリューム」はありません。
「『スペースインベーダー』とか『パックマン』だって今でも面白いですもんね」と書いた私ですけども、10~20分くらいなら「俺が生まれるよりも前にこんなにも面白いゲームがあったのか!」と思えますが、それらを10~20時間遊べるとは思いません。リアルタイム世代には申し訳ないですが、後の「たくさんのステージ」や「色んなモード」を備えたアクションゲームを知っている身としては長時間のプレイは少しキツイかなぁと。
『スーパーマリオブラザーズ』の4×8=全32面(+裏面)って、当時としてはとてつもないボリュームだったんですよね。だからワープ土管が重宝されたのですし。
後は……ファミコン時代のアクションゲームはセーブもパスワードもないものが多く、電源付けたら常に1面からというのも辛かったですが。それは「いつでも中断」「まるごとバックアップ」のあるバーチャルコンソールならばそんなに問題でもないと思います。
「昔のアクションゲームは難しかった」という問題もありますが、今でも難しいゲームは難しいですし、それこそ「まるごとバックアップ」があるなら何とか……
(関連記事:3DSやWii U等で、「昔クリア出来なかったゲーム」へのリベンジのススメ)
2.「テキストアドベンチャー」「RPG」はちょっと遊びづらい
ファミコン後期の80年代後半に大流行したジャンル。
それこそ『クインティ』のインタビューで、当時はストーリー重視のゲームが流行っていた(けど『クインティ』はその流れに逆行した)という話がされていましたね。
ただ、この手のジャンルの昔のゲームは今遊ぶとちょっと厳しいです……
「テキストアドベンチャー」は文字の表示スピードが遅かったり、UIが使いにくかったり、漢字がなかったり、選択肢を総当りさせたり……「RPG」はキャラの移動速度が遅かったり、「Aボタンでコマンドを出して“はなす”を選ぶ」などの手順が面倒だったり、キャラの成長が一軸な上に必要経験値が多くてレベル上げが大変だったり。
当時からそうした不満がなかったワケじゃないんですけど「まぁ、そういうものだし……」と割り切っていて、たまに移動速度の速いRPGや、Aボタンだけで「はなす」も「しらべる」もやってくれる『FF』に出会えると感動したのですが。
スーファミ以降そうした不満点を解決したゲームが主流になっていくと「便利が当たり前」になってしまい、ファミコン時代の「テキストアドベンチャー」や「RPG」には戻れなくなってしまっていたという。数年前にファミコン版の『ドラクエ1』をプレイして、「こんなにレベル上げに時間かかるゲームだったっけ……」と打ちひしがれたのを思い出しました。
「長ったらしいパスワード」とか「よく消えるセーブデータ」なんかは、バーチャルコンソールでプレイすると無問題で助かるんですけどね。
ファミコン時代のゲームはスーファミのゲームとしてリメイクされることがありましたけど、『ドラクエI・II』とか『ファミコン探偵倶楽部』とか「RPG」や「テキストアドベンチャー」はファミコン→スーファミに変わっただけで劇的に遊びやすくなりました。
逆に言うと、「スーファミくらいのスペックがあれば十分じゃね?」とこの手のジャンルには思わなくもないんですけど(笑)。
3.「スポーツゲーム」はある意味面白い
ファミコンのゲームじゃないですけど、PCエンジンの『パワーリーグ4』をWiiのバーチャルコンソールで友達と遊んだ時はムチャクチャ盛り上がりました。デストラーデ、原、オマリーなど、1991年当時の現役バリバリのプロ野球選手が偽名で登場するため、懐かしさ半端なかったです。
バーチャルコンソールやゲームアーカイブスには、「昔のゲームを歴史資料のように保管する」側面があると思うのですが……スポーツゲームは更にそこに「当時の選手達のデータを保管する」側面が加わって、更に意義深いものになると思うのです。
『ファミスタ』とかもバーチャルコンソールで出して欲しいし、カルチャーブレーンは『スーパーチャイニーズ』や『飛龍の拳』だけでなく『超人ウルトラベースボール』もバーチャルコンソールに出すべきだと思います。新作(なのか、アレは)も出たことですし!
野球ゲームと比較するとサッカーゲームはファミコン時代よりもスーファミ時代が盛んだったので、ファミコンのソフトよりもスーファミの『スーパーフォーメーションサッカー‘94』とかバーチャルコンソールで出て欲しいんですけどね。Jリーグ初期の『エキサイトステージ』とかも面白そうだけど、実名のゲームは厳しそう。いずれにせよ、今日の記事の主旨からズレているのでこの辺で。
「リアルを追求する」という点で言えば、野球ゲームもサッカーゲームも最近のゲームに比べてものすごくショボショボだとは思うのですが……「野球の面白さ」「サッカーの面白さ」を凝縮して当時のスペックで伝えようとしたゲームもあるので、意外に侮れないんじゃないかと思います。
けど、これも「ボリューム」に難はありますね(笑)。
チーム数が少ない、モード数が少ない、インターネット対戦なんてもちろん出来ない―――友達が遊びに来た時に30分遊ぶくらいなら超盛り上がるけど、一人で何十時間と遊ぶには流石に今は厳しいですかね。というか、スポーツゲームは『パワプロ』のサクセスにしても、『ウイイレ』のマスターリーグにしても、「一人で長時間遊べるモード」を開発して商品寿命を延ばしていったんだなぁと今更ながらに思いました。
4.「シミュレーションゲーム」は若干厳しい
シミュレーションゲームはハードのスペックに相当依存するジャンルで、ファミコン時代も今も「パソコンで遊ぶもの」が主流で「家庭用で遊ぶもの」はそのお下がり傾向が強くて……だから、ファミコンみたいな昔のスペックのゲームを今遊ぶのは厳しい―――という話をしたいワケではありません。
私は「それはそれで」だと思うんですね。
例えば『ファイアーエムブレム』シリーズはゲームとしての面白さはファミコン時代も3DSになった今も変わらない面白さだと思いますし、ファミコン時代に出ていたシミュレーションゲームは「シミュレーションゲームの面白さの根源」をしっかり持っていたと思います。
ただ、画面が見づらい。
『ガチャポン戦士1』のWiiのバーチャルコンソール公式サイトのページとか見てもらうと分かりやすいですけど、数字とアルファベットだらけで情報がごちゃごちゃ。
『ファミコンウォーズ』のファミコン版とDS版を見比べると、今では漢字で説明されているパラメータが当時は小さなイラストで説明されていて。これは解像度の問題なのか「漢字を読めない小さな子でも楽しめるように」という配慮なのか分かりませんが、正直どの数字がなんのパラメータなのかよく分かりません。
これは別に「今の自分が昔のゲーム画面を見て思うこと」というだけでなく、子どもだった当時から「だからシミュレーションゲームってとっつきにくいんだよなぁ」と思っていました。光栄の歴史シミュレーションゲームも、ファミコン時代は手を出さず、スーファミになってから手を出したのですが……それはスーファミになって画面が見やすくなったからかなと。
5.「パズルゲーム」こそが古典
『テトリス』の大ヒットで、いわゆる“落ちモノパズル”が大流行して「くにおくん」までもがおでんでパズルゲームになってしまったほどなのは1990年代。その『テトリス』のヒットもファミコン版よりもゲームボーイ版が大ヒットしたため、「ファミコンの落ちモノパズルゲームって何があったっけ……」と思ってしまうところではあるんですが。『Dr.マリオ』や『ヨッシーのたまご』など侮れない作品も結構あります。
しかし、ファミコンのパズルゲームと言えば、『テトリス』以前のアクションパズルが全盛期―――『ロードランナー』『ナッツ&ミルク』『ソロモンの鍵』『バベルの塔』。言ってしまえば『ゼルダの伝説』だってこの系譜か?
この手のジャンルは「クリアしてしまえば終わり」なところがあって、「とにかくステージ数を増やす」とか「自分でステージを作れる」などの策でどの作品も商品寿命を延ばそうとしていましたが。『テトリス』の大ヒットで全てが一新され、パズルゲームという言葉からは“落ちモノパズル”だけが想像されるようになってしまいました。
この辺の話は、『不倒城』さんのこの記事が私の人生観を変えたほどの見事な考察なので一読あれ。
レトロゲーム万里を往く その47 テトリス
「クリアしたら終わり」のアクションパズルゲームは、現在ダウンロードソフトなんかで実は人気のジャンルで『ラビ×ラビ』みたいのもあるワケですが。現在の最新技術を投入してどうのこうのというジャンルではありませんから、ファミコンのアクションパズルを今遊んでも全然楽しめるんじゃないかなぁと思うのです。
逆に、ファミコンの「落ちモノパズル」を今遊ぶと……もちろんインターネット対戦なんか出来ないし、一人で長く遊べる「なぞぷよ」みたいなモードもないし、ちょっと物足りないところはあるかも。
○ 結論
流石にファミコンのゲームは今遊ぶとキツイかも。
もちろん例外もあるんですけど……「アクションゲーム」はステージ数の少なさ、「テキストアドベンチャー」「RPG」「シミュレーション」はスーファミ以後の遊びやすさに比べて遊びづらく、「スポーツゲーム」や「パズルゲーム」は一人でずっと遊べるモードがない、ってカンジですかね。
スーファミ→64の変化は「ゲームが別の物になった」変化だったので特に比較もしませんでしたけど、ファミコン→スーファミの変化は「どのジャンルも正統進化した」ためについついスーファミと比較してしまうのかも知れません。
今でも全く問題なく遊べるファミコンのゲームというのは、逆に言うと「その後あまり進化していないジャンル」なので、それはそれで寂しい話なのかもって思います。『クインティ』なんかはまさにそうだし、「くにおくん」シリーズなんかも一時期そうだったと思うんですけど、似たようなゲームがその後出なかったワケですしね。
とすると……「シミュレーション」や「RPG」が多かったファミコンのガンダムゲームを一まとめに集めても、今遊ぶと結構微妙かも知れませんねぇ。どちらもその後の進化が凄かったジャンルですし、「思い出補正」抜きでは厳しいかも。
よし、じゃあ次は「スーファミで出た『ガンダム』のゲーム全部集めて一まとめにして出してくれないか」という記事を書きますか!(永遠に終わらん)
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