『のんのんびより』における一条蛍の役割を考える
秋アニメが始まる前に書いた視聴予定ラインナップの記事で、私の期待度1位に挙げたアニメが『のんのんびより』でした。あの頃に期待していたのとはちょっと違ったのですが(笑)、『のんのんびより』が面白いことに変わりはないので「みんなも観ようぜ!」記事です。
1話完結のアニメで、ストーリーは繋がっていないようなものなので、キャラさえ把握しておけば「次回から」いきなり観ても大丈夫だと思います。
それでも「いきなり6話から観るのはちょっと……」という人はバンダイチャンネルで第1話だけは無料で観られますし、有料会員ならば最新話(テレビ放送の1話前かな?)は1週間限定で観られます。正直なところ、自分がハマったのは2話からなんですけどね。2話のタイトル「駄菓子屋に行った」の、これで30分やるの感すごい。
田舎を舞台にした日常アニメ。
視聴前は、『けいおん!』が軽音部を舞台にして女のコ達がキャッキャウフフしている様を描いていたとか、『たまこまーけっと』が商店街を舞台にして女のコ達がキャッキャウフフしている様を描いていたのと同じようなカンジだと思っていました。何故この二つを例に出したかというと、シリーズ構成の人が同じ人だからです。
んで、その予想は別に外れたワケではなくて、夏海視点の3話とか、れんげ視点の4話なんかはまさにそんなカンジだったんですが―――蛍視点の2話や5話の破壊力ヤバイ。蛍が可愛すぎるから「一条蛍は俺の嫁」とかそんなカンジではなくて、蛍が小鞠と結婚するためにはどうすればイイのかを真剣に考えてしまうカンジでヤバイ。
まぁ、そんな百合脳は置いといて……
『のんのんびより』における蛍は、“異物”として描かれていて。それが「田舎を舞台にした日常アニメ」を際立たせているスパイスになっているのが面白いなと思うのです。
今日の記事ではその辺を書いていって、『のんのんびより』を観ていない人に興味を持ってもらえたら嬉しいし、『のんのんびより』を観ている人には蛍と小鞠が結婚するためにはどうすればイイのかを考えてもらえたら嬉しいです。
1.東京からやってきた「初心者視点」
このアニメは、舞台である田舎に東京から蛍が転校してくるところから始まります。
“東京”という響きがこのアニメでは“天竺”くらいの漠然とした「なんかすごいところ」として語られているんですけど(笑)、言ってしまえば蛍は初めて田舎暮らしをするという初心者ポジションのキャラクターで、田舎暮らしを知らない視聴者は蛍の視点でこの世界を見ていくことになるのです。
例えば『けいおん!』には平沢唯という初心者キャラがいて、彼女がギターを買いに行くところから始まります。読者&視聴者の全てが軽音楽経験者というワケではありませんから、軽音楽を知らない人は彼女の視点で「軽音楽ってこんなカンジなのか」を知ることが出来るのです。
ということで、蛍は唯ポジションなのか……というとそうでもなくて。
初めての田舎暮らしに目をキラキラさせながら、みんなが当たり前にやっていることをイチイチ楽しそうにするカンジが可愛くて、どっちかというとムギちゃんポジションかなーと思います。駄菓子屋に行くとか、ラジオ体操をするとか、そんな些細なこと一つ一つに感動してくれるのを見て、田舎暮らしをしたことのない自分も嬉しくなれるというか。
「田舎」というものを相対化するための、「都会」から来たキャラクター。
それが蛍の一つ目の役割だと思います。
2.「大人に見える小学生」と「子どもにしか見えない中学生」
このアニメに出てくる学校は、小学1年生、小学5年生、中学1年生、中学2年生、中学3年生と―――小学生も中学生も一つの教室で授業を受けています。授業というか、ほぼ自習をしているだけみたいですが(笑)。この田舎特有の「小学生も中学生も一つの教室で」という設定を上手く活かしているのが、実は蛍というキャラだと思うのです。
蛍は発育がイイです。
小学5年生ですが、見た目は高校生くらいに見えますし、おっぱいもバインバインです。ある一点を除けば精神的にも成熟しているし、落ち着いているし、メインキャラの中では最もしっかりしているキャラだと思います。
それに比べて、小鞠は小ちゃいです。
中学2年生ですが、身長は130cmちょっとくらいみたいですし、おっぱいもぺたんぺたんです。メインキャラ4人の中では最年長なのでお姉さんぶろうとすることが多々ありますが、パニックに弱いので全然頼りないです。
普通の学校だったら中学2年生は同級生の中学2年生と比較されますが、このアニメは小学生も中学生も一つの教室に集まるので中学2年生と小学5年生が比較されて、より一層小鞠の小ささを際立たせているのです。
「中学生に見えない小鞠」の幼女感を強めるための、「小学生に見えない蛍」。
これが蛍の二つ目の役割だと思います。
3.「好き」を持ち込むキャラクター
アニメが始まる前や、1話の放送後に『のんのんびより』の話題をTwitterで呟いたら、百合好きクラスタの人に捕捉されていて……その時は何故だろうと思ったんですが、『のんのんびより』ってガチ百合作品だったんですね。『のんのんびより』が百合漫画というか、蛍だけが百合キャラというか。『あずまんが大王』におけるかおりんみたいなものというか。
蛍以外のキャラクター―――田舎にずっと暮らしている人達は、確かに女のコ同士でキャッキャッしているけれど。小鞠と夏海は“家族愛”だし、れんげとほのかちゃんも“初めて出来た同い年の友達”というカンジで(れんげにとって)、百合とはちょっと違うんですよね。
なんですが、東京からやってきた蛍は割とガチな百合キャラで、小鞠のことが好きすぎて小鞠のぬいぐるみを自分で縫っているくらいで。
何かにつけて「先輩」「先輩」と小鞠を慕っていて―――見た目は、大人っぽい女性が幼女にハァハァしているようにしか見えないんですけど、あくまで蛍の中身は小5なので中2の先輩をプラトニックに好きなカンジが出ていて、そのいじらしさが「あー、早くこの二人は結婚しねえかな」と思わせるという。
んで、これが重要な話なんですけど……
蛍以外のキャラには「百合」の概念がないので、作中のキャラは誰も蛍の気持ちに気付いていないんです。一見すると女のコが何人かで集まってキャッキャッウフフしている健全な日常アニメなんだけど、一人だけ邪な気持ちを秘めているコがいて、しかもそれが小5女子!相手は幼女にしか見えない中2女子!
という屈折に屈折に屈折を重ねた結果、真っ直ぐに見えている―――というアニメ。
「恋愛」のない田舎の日常に、「好き」という感情を一人だけ加えている。
これが蛍の三つ目の役割だと思います。
多分、蛍がいなかったら自分はここまでこのアニメを好きになっていなかったと思うし、蛍あってこその『のんのんびより』だと思うのです。それは蛍のことをキャラとして好きかどうかという話ではなくて、この作品には欠かせない1ピースだろうと。
自分は「女のコだらけの日常アニメ」はしばらくハマっていなかったのだけど、この作品で久々に「女のコだらけの日常アニメ」にハマりました。この記事に書いたことを思い出すと、ということは今の自分は精神的に相当キてるということになっちゃうんですけど(笑)。
とにかく、まだ知らない人には知ってもらいたいし、自分と同じようにハマっている人には「のんのんびより面白いよね!」と言いたかったので記事に書きました。
アニメが終わったら原作漫画も読んでみるつもりだったんですが、現在のところ紙の本はAmazonだと新品が品切れているみたいで……ヤバイ!人気がありすぎるのも困りものだ!つか、今が一番コミックス売れるタイミングだろうに、何してんの!
【紙の本】
【キンドル本】
| アニメ雑記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
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