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2005年~2009年あたりの『脳トレ』ブーム・Wiiブームは何だったのか

 Nintendo Switchで発売された『世界のアソビ大全51』に収録されているゲームをすべて遊んだので、紹介記事を書いていたのですが……この話を紹介記事の中に書くと文量がトンデモないことになるし、『アソビ大全』シリーズに興味のない人にも読んでもらいたいなと思ったので、別の記事に分割して書くことにしました。


 『アソビ大全』シリーズの1作目:『だれでもアソビ大全』は、『脳トレ』『もっと脳トレ』と同年の2005年11月にニンテンドーDS用ソフトとして発売されました。
 昔ながらのボードゲームやカードゲームを収録したゲーム集ですが、ニンテンドーDSのタッチパネルだけで操作が出来て、ニンテンドーDSのダウンロードプレイにも対応しているため1本のソフトと人数分のDS本体があればみんなで遊べるなど、ニンテンドーDSの機能を活かしたソフトとなっていました。


 ただ、この時期は、ニンテンドーDSをインターネットにつなげるサービス:ニンテンドーWi-Fiコネクションが始まる直前だったため、オンライン対戦は出来ませんでした。
 その1年後の2006年、一部の収録ゲームを変更して海外で発売された『42 ALL-TIME CLASSICS』『CLUBHOUSE GAMES』は、既にニンテンドーWi-Fiコネクションが始まっていたためオンライン対戦にも対応していたことから―――それを逆輸入する形で、更に1年後の2007年に日本でもオンライン対戦が可能な『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』が発売されました。



 このDS版の『アソビ大全』2作が発売された2005年~2007年頃というのは、『脳トレ』ブームで「ゲームらしくないゲーム」が大ヒットしていた特殊な時期です。あの時代のことをゲーマーが振り返ると「一過性のブームだった」「どうでもいいゲームが山ほど発売されてウザかった」みたいに済まされがちなのですが、私は「脳トレブームとは何だったのか」をもうちょっと考えたいと常日頃思っていました。

 そこに来ての『アソビ大全』の復活―――
 「脳トレブームとは何だったのか」を語るには今しかないと思ったので、ここに記していこうと思います。



◇ 「大作志向」と「アンチ大作志向」と
 時代は更に遡って、1990年代後半~2000年代前半あたり。
 ゲーム業界は「大作主義」による「開発費の高騰」が深刻になっていました。『ファイナルファンタジーVII』のようなお金をかけたムービーを収録したゲームが主流になったり、NINTENDO64でのソフト開発がとにかく難しくかったり、が分かりやすい例ですね。そのため、大手のソフトメーカーも倒産したり、合併したり、吸収されたりも多かった時期です。

 『大乱闘スマッシュブラザーズ』の1作目を発売した直後(1999年4月)、当時HAL研究所の社長だった岩田さんのインタビューがほぼ日刊イトイ新聞に残っています

<以下、引用>
 最近は1本のソフトを作るのに、本当にたくさんの人手と時間がかかるようになっています。
 ハードの性能が上がっているので当然ですし、ソフトのクオリティを高めるうえでも、ある程度はそれは必要なことだとも思っていますが、今までの文法をなぞりつつ、より複雑で、より大規模で、より豪華になっていくいっぽうのソフト群が作り出す未来が明るいとは誰も言えませんよね。

 大作であるために作業量は膨大で、スタート時に見込んだ開発期間よりも遅れて完成するのは半ば慣例化していて、企画が生まれたときの、新鮮なアイディアや特長を鮮度の良いうちにお客さんに届けることが非常に難しくなっているんです。

 また、ゲームにおける、あらゆるジャンルの開拓はすでにし尽くされたかのように言われているほどの現在の状況のもとで、まだ誰も手がけていない土地を発見し、開拓するのは一筋縄ではいきません。
 大作志向の延長に、これからのゲーム作りの答えがあるとは私は思っていないんです。

 この閉塞しつつある循環をどうにか変えるためにも、物量に頼らずともお客さんに満足していただけるものを志向したい、という強い気持ちが、私にはあります。「スマッシュブラザーズ」を作るうえでも、次に紹介する「ポケモンスナップ」を作るうえでも、そのことはとても強く意識していました。

 ただ、物量ではない部分で満足していただくためには、その代わりになるもので勝負できなくてはいけません。
 もちろん商品ごとに違う方法で構わないから「他人と違う角度でアプローチする」ということをこれからもますます大事にしたいと思っています。だからこそ、チャレンジのしがいがあるのだと思いますし、言い換えれば、「他人がしないことをする」、「他人がしないやりかたをする」ということかも 知れません。

</ここまで>
※ 改行や強調など、一部引用者が手を加えました


 岩田さんがここで語っている危機感は、後に彼が任天堂の社長になってDSやWiiを展開していく時や、WiiウェアやDSiウェアなどのダウンロード専用ソフトを展開していく時にも語られていることです。“物量に頼らずともお客さんに満足していただけるものを志向したい”からこそ、他社がXbox360やPS3を作っている間、任天堂はDSやWiiを作ることになるんですね。


 ただ、当時こうした危機感を抱いていたのは岩田さんや任天堂だけではありません。
 アンチ「大作主義」、「開発費の高騰」が問題になっているからこその逆転の発想と言えば―――1998年10月に始まったSIMPLEシリーズを忘れてはいけないでしょう。機能を詰め込んだり版権キャラを載せたりするのではなく、「麻雀が遊べるだけ!」「将棋が遊べるだけ!」と削り落とすことで開発期間と開発費を抑え、その結果1500円という低価格の定価でこれらのソフトは売られました。

 特に最初の『THE 麻雀』はプレステを持っている人がついでに買う定番ソフトとして100万本を超える大ヒットをしましたから、ユーザーの方にもそういう需要があったことが証明されたとも言えます。
 この時期のプレステは「再販価格維持」や「中古品売買禁止」を小売に強制していたため、安くゲームを買うためには廉価版や低価格ソフトが重宝したという側面もありますね。


 セガも、ドリームキャストの時代は開発期間を短くして定価を抑えるアイディア勝負のゲーム(『チューチューロケット』とか)を出していたり――――1990年代後半~2000年代前半は「大作主義による開発費の高騰」が深刻化する一方で、各社がそのアンチテーゼとして「アイディア主義の低価格路線」「物量ではない方法でユーザーを楽しませる方法」を模索していた時期だと言えるのです。



 さて、任天堂はというと……
 この時期の任天堂は、セガやSCEとちがって「据置ゲーム機」と「携帯ゲーム機」の2つのハードがあったため、「据置ゲーム機」の方で大作を作っていても、「携帯ゲーム機」の方でアイディア優先の低価格路線を展開しやすかったんですね。元々、任天堂の「携帯ゲーム機」の路線は横井軍平さんのアイディア主義が根付いていたのでしょうし(そのため、ゲームボーイは長く白黒だったのだけど……その話は、まぁイイか)。

 ということで、ようやくこのゲームが出てきます。

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<画像はWii Uバーチャルコンソール版『メイド イン ワリオ』より引用>

 2003年『メイド イン ワリオ』です。
 ゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売されたこのゲームは、1つ1つは数秒で終わるプチゲームを連続でクリアしていく「ゲーム集」なのですが、テンポの良さや演出の上手さで大人気シリーズとなりました。


 もちろん「ミニゲームを連続で遊んでいくゲーム」は以前からありました。

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<画像はメガドライブミニ版『タントアール』より引用>

 例えばセガの『タントアール』はアーケード版が1993年に稼働しているので、ちょうど『メイド イン ワリオ』の10年前ですし、スーファミの時代は「ミニゲームで対戦するパーティゲーム」がそこそこ出ていました。64の時代になると任天堂も『マリオパーティ』シリーズを展開しますしね。


 『メイド イン ワリオ』の絶妙だったところは「組み立て方」だと思うんですね。1つ1つのプチゲームはぶっちゃけそれを1つずつ延々と遊んでいたら1分で飽きるようなものですが、それが次々とランダムで出てくることで全体的にはハチャメチャなゲームとして仕上がっていました。

 ミニゲーム集で大事なのは、「1つ1つのミニゲーム」だけでなく「どう仕上げるのか」―――「どうプレイヤーに遊ばせるのか」のパッケージングなんだと『メイド イン ワリオ』が決定づけたことで、これ以降の任天堂はいくつかのゲームがたくさん収録されたミニゲーム集をキラーソフトとして展開していきます。


 2005年 『脳を鍛える大人のDSトレーニング』。
 DSのタッチペンを「数字を書かせるペン」として使い、簡単な計算やミニゲームを毎日遊ばせることによって、スコアが上がっていくことを「脳が鍛えられている」と置き換えたゲーム集です。全世界で大ヒットしました。

 2006年 『Wii Sports』。
 Wiiリモコンを振ることによって、自分が実際にスポーツをしているように体感できるシンプルなスポーツゲームです。収録されているのは「テニス」「ベースボール」「ボウリング」「ボクシング」「ゴルフ」の5つで、全世界で大ヒットしました。

 2006年 『はじめてのWii』。
 Wiiリモコンの機能を活かし、その特徴を順々につかめるミニゲームを9つ収録していました。Wiiリモコンが1つ付いているので、実質1000円で遊べるミニゲーム集として全世界で大ヒットしました。

 2007年 『Wii Fit』。
 上に乗った人の体重やバランスを測定するバランスWiiボードが同梱し、「筋トレ」「ヨガ」「有酸素運動」に加えて楽しく体を動かす「バランスゲーム」も収録されていました。全世界で大ヒットし、バランスWiiボードは「世界で一番売れている体重計」としてギネスに認定されました。


 これらは全部、言ってしまえば「ミニゲーム集」なんです。
 「どうプレイヤーに遊ばせるのか」をしっかり考えてパッケージングされたこれらの作品は、「大作主義」どころか「ゲームなんて難しくて分からない」と言っていた高齢者層や、「最近のゲームにはついていけない」とゲーム離れをしていた人達にも、「これなら遊べそうだ」と受け入れられたのです。

 『アソビ大全』の1作目もそうです。
 「定番のボードゲームやトランプゲームを収録」していることや、ダウンロードプレイで1本のソフトがあればみんなで遊べることから、「旅先にこれ1本持っていけばみんなで遊べる定番ソフト」とパッケージングされたんですね。


 ということで、2005年以降の『脳トレ』ブームやWiiブームとは―――

・1990年代後半からの「大作志向」に対する、「ミニゲーム集」という揺り返し
・新しい操作デバイスを手に入れたDSやWiiとの相性の良さ
・ゲームのダウンロード販売が普及していなかったため、「ミニゲーム集」のパッケージ販売が受け入れられた


 これらの要因が重なった時代的な背景が大きかったと思うんですね。
 同じことを1990年代でやろうとしても、2010年代でやろうとしても上手くいかず、あの2000年代中盤という「時代の転換点」だからこそ起こったブームなんだと私は思うのです。



◇ 「ゲームのダウンロード販売」と、苦境に立たされた任天堂
 『脳トレ』ブームも、Wiiブームも、いつかは終わるものです。
 この終わった理由を「スマホが普及したから」と一言で済ませるのは、ある意味ではあっていると思いますが、言葉足らずだと私は思います。私は、ゲームをダウンロードする時代になったことこそがその要因だと思っています。


 それは、スマホの普及も一因でしょう。
 ですが、例えばSteamのようにPCゲームをダウンロード購入して楽しめるプラットフォームが普及したこともあるでしょうし、任天堂機も含めたゲーム機でも「ダウンロード専用ソフト」がたくさん出るようになったのも大きいんじゃないかと思うのです。

 例えば4800円を払って5つのゲームが入っているパッケージソフトを遊ぶのなら、1000円で1つのゲームを遊べるダウンロード専用ソフトで十分じゃないかって思う人もいて。それがスマホだと「広告が付いているから基本無料で遊べる」とか、Steamだったら「セールの時に買えばさらに半額」みたいになっていって――――

 「ミニゲーム集」の価値がどんどん下がっていったんですね。


 その要因に任天堂だって無関係ではなくて。
 2008年に始めたDSiウェアでは、元々パッケージソフトで売っていた「ミニゲーム集」のばら売りも行っていたんです。

 『アソビ大全』のパッケージ版は42種類のゲームが収録されていて4000円弱の定価でしたが、DSiウェアというダウンロード専用ソフトで発売された『ちょっとアソビ大全』は「ばばぬき、スピード、7ならべ、神経衰弱、ダウト」の5つ、「ブラックジャック、ページワン、アメリカンページワン、だいふごう、ポーカー」の5つ、「リバーシ、将棋、はさみ将棋、五目並べ、花札」の5つを、それぞれ500円で販売していました。

 今思うと笑ってしまうようなことかも知れませんが、恐らくニンテンドーDSiは「世界で最も売れている携帯ゲーム機」のポジションを活かして、今でいうスマートフォンの位置を狙っていたんじゃないかと思うんですね。電卓とか時計みたいな実用アプリや、るるぶとかクロスワードとかも低価格で販売していましたし。その流れで『脳トレ』や『アソビ大全』のばら売りをしたんでしょうが……


 ニンテンドーDSiはスマートフォンになれなかったし。
 「ミニゲーム集」の価値を下げていることに、任天堂自身も気づいていなかったように思えます。




 「ミニゲーム集」の凋落の象徴は、Wii Uのスタートダッシュ失敗です。
 Wii Uと同時発売の『Nintendo Land』(2012年)は、Wii Uゲームパッドを活かしたミニゲームを12コ収録したもので、『Wii Sports』の夢再びといったゲームでしたが―――売れませんでした。

 任天堂は、Wii U1年目に『Nintendo Land』だけでなく『ゲーム&ワリオ』『Wii Party U』『Wii Fit U』『Wii Sports Club』といったミニゲーム集を展開したのですが、どれもまったくもって売れず、任天堂の経営もかなり苦しい局面に入りました。結果論ですが、この時期の任天堂は「時代の変化」を読み取れていなかったと言えます。

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<画像はWii U用ソフト『Nintendo Land』より引用>


 この時期、任天堂が苦境に立たされたことによって「ゲーム機不要論」「これからのゲームはスマホで遊ぶもの」「任天堂は業績回復のために早くスマホに進出しろ」といった声がムチャクチャ上がっていました。スマホがゲーム機に取って代わるものだと本気で言っている人がムチャクチャたくさんいたんですね。

 しかし、スマホが普及して売れなくなったゲーム機用のゲームなんて「ミニゲーム集」くらいです。「大作志向」のアンチテーゼとしてブームになった「ミニゲーム集」は、スマホを始めとしたダウンロード販売のゲームにその役目を奪われるのですが、逆に「大作志向」のゲームはゲーム機で売れ続けました。


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<画像はWii U用ソフト『Splatoon』より引用>

 1年目の「ミニゲーム集」がまったく売れなかったWii Uですが、2015年に発売した『Splatoon』は大ヒット、『スーパーマリオメーカー』もミリオンセラーを達成するなど、「大作志向」にシフトチェンジした3年目はゲームが売れたんですね。ハードのシェア争いとしては、もう時すでに遅しでしたが。

 「スマホがあればゲーム機なんかいらない」なんて言っていた人達はどこに行ってしまったのか、PS4もNintendo Switchも世界中で大ヒットしました。『あつまれ どうぶつの森』が世界中で売れまくっていることを知らない人はいませんよね?



 ということで、現在のゲーム業界は―――
 「大作」はゲーム機用のパッケージソフトで、「ミニゲーム的な軽いゲーム」はスマホを含めたダウンロード販売で展開していくのが吉(ソシャゲは大作ではないのか?の話もしたいけど、それはまたいつか要望があれば語ります)。イイ感じに棲み分けが出来ましたねー、めでたしめでたし。



 と思っていたら、Nintendo Switchのパッケージソフトで『アソビ大全』が復活したという。

 「えっ!!!!!!? 今更、ミニゲーム集!!!!!??」と正直思いました。しかし、大ヒットとは言いませんが、定番ソフトとしてゲームソフトの売上ランキングではTOP10に残り続けています。実はNintendo Switchにこういう需要があると見抜いて、このソフトを作っていたとは任天堂おそるべしです。「時代の変化を読み取れていなかった」とか言ってゴメンナサイ。

 どうして今更『アソビ大全』が売れているのか―――
 は、『世界のアソビ大全51』の紹介記事に書くのでここでは書きません!乞うご期待!



 『脳トレ』もそうなんですが、ここに来て任天堂はDS時代の「ミニゲーム集」を復活させているんですね。とすると、この次に復活するのは……『メイド イン ワリオ』か『メイド イン 俺』辺りじゃないかと私は予想しています。
 いっそのこと、DS・Wii時代に発売された任天堂の「ミニゲーム集」を集めた「ミニゲーム集集」とか出してくれないかなぁ。Nintendo Switchなら、タッチパネルもモーションセンサーもあるワケだし。

 

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『ペーパーマリオRPG』紹介/パラメータ1の増減が生死を分けるビター味マリオ

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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
『スーパーマリオRPG』の流れを汲む、2つの「マリオのRPG」シリーズ
ランダム要素のない、ガチ戦略バトル(ただしアクションコマンドあり)
ドラゴンの棲む古城、天空闘技場、海賊の財宝の眠る島……様々な冒険がここにある!


『ペーパーマリオRPG』
・発売:任天堂/開発:インテリジェントシステムズ
公式サイト
 ゲームキューブ用ソフト:2004年7月22日
・アクションRPG
・セーブ方法:町やダンジョンにあるセーブブロックを叩くと任意セーブ完了


 私のクリア時間は31時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:○(基本は明るいけど、仲間達に見捨てられるダークな展開もある)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(ルイージやクッパのイジリ方は苦手な人もいるかも)
・寝取られ:○(寝取られというか、仲間に裏切られる展開がある)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:△(今の感覚だと、トランスジェンダーイジリはちょっと…)
・動物が死ぬ:○(モグラを叩きすぎると死ぬらしい)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:△(観客を食ってダメージ回復するドラゴンとかいる)
・グロ表現としての虫:△(大量の虫ーーーー!ぎゃーーーー!)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 『スーパーマリオRPG』の流れを汲む、2つの「マリオのRPG」シリーズ
 「え? ペーパーマリオのレビューだって!? 7月17日発売のはずなのに、もう?」と思われたかも知れませんが、誤解しないでください。この記事は「2020年7月17日発売のNintendo Switch用ソフト『ペーパーマリオ オリガミキング』の紹介記事」ではありません、「2004年7月22日発売のゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』の紹介記事」です。

 「どうしてこんな紛らわしい時期にそんな昔のゲームをレビューするんだよ! 間違えてクリックする人を狙ったアクセス数稼ぎかー? 死ね!」と思われたかも知れませんが、昨年の2月にプレゼントされたものを今年の1月から遊び始めたところ、あまりに難しくてクリアに半年かかってたまたまこの時期になっただけです。本当は1月中にクリアしたかったんですよ!


 プレゼントされたゲームなんで、「難しい難しい」と愚痴るくらいなら、黙って途中でギブアップして二度とこのゲームについては触れないくらいの方がイイかなと途中までは思っていたのですが……ステージ4をクリアした辺りで、ふと気づいたことがあったのです。
 そうか、俺はこのゲームについて重大な勘違いをしていたぞと。恐らくこのゲームを遊んだことのない人も、ビジュアルなどのイメージから誤解している人も多そうなので語っておこうと考えました。

 私が今までクリアしてきたRPGの中では、『ソウルハッカーズ』に続いて歴代2位くらいに難しかったです(アレも自力クリアしたワケじゃないけど)。『オクトパストラベラー』の裏ボス戦がずっと続くようなゲームでした。
 「は? このゲームそんなに難しくねえだろ、やっぱオマエはゲームが下手というより頭おかしいんだよ! 死ね!」と思った人なら『オクトパストラベラー』の裏ボス戦くらい余裕だと思うので、買おう! 『オクトパストラベラー』!



 さて、このゲームについて語る前に「マリオのRPG」の歴史について語りましょう。
 『マリオ』本編はバリバリのアクションゲームですが、そんな「マリオのRPG」が登場したのはスーパーファミコンの時代である1996年3月です。
 その名も『スーパーマリオRPG』で、当時『FF』や『ロマサガ』などの大ヒットRPGを連発していたスクウェアの開発でした。このゲームも大ヒットして今でも「一番好きなゲーム」に名前を挙げる人が少なくないくらいの名作です。私はちょっと、あまり肌に合わなくて、ラスボスに勝てずにギブアップしちゃいましたが……

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<画像はWiiバーチャルコンソール用『スーパーマリオRPG』より引用>

 しかし、このゲームの発売直前の1996年2月にスクウェアは『FF』の新作である『FF7』を任天堂機ではなくプレイステーションで発売すると電撃発表しました。『スーパーマリオRPG』を置き土産に任天堂とスクウェアは絶縁関係になり、これ以降スクウェアは基本的にプレイステーション独占でタイトルを発売していきます。

 最近のゲームの売上ランキングからするとイメージが出来ないかも知れませんが、当時の日本のゲーム市場は「RPG」が一番の人気ジャンルでした。たくさんの大人気「RPG」を抱えていたスクウェアのプレイステーション独占はゲーム機のシェア争いを一気に動かして、『ドラゴンクエスト』もプレイステーションに出ることが決まるといよいよ決着したカンジです。


 『FF』を含めたスクウェアの人気RPGと『ドラゴンクエスト』を独占するプレイステーション陣営に対して、それらの「RPG」を持たない任天堂、セガ、そしてマイクロソフトは「どうにかしてRPGをウチに持ってこなければ」と苦労していきます。NINTENDO64に『シレン2』が出たり、ドリームキャストで『グランディア2』が出たり、Xbox360で『ブルードラゴン』が出たり、この流れは2009年に『ドラゴンクエストIX』がニンテンドーDSで発売されるまで続きました(そして、2010年代になるとスマホゲーの時代になるので、相対的にゲーム機用のRPGの位置が落ちてくる……)。

 そんな風に「RPG」タイトルが戦略的に必要な時代でしたから、任天堂は絶縁状態にあるスクウェアとは別の会社に『スーパーマリオRPG』の続編を作らせます(アーカイブ参照)。開発はインテリジェントシステムズで、『スーパーマリオRPG2』という仮タイトルが付けられていたこの作品は、2000年に『マリオストーリー』というタイトルでNINTENDO64用ソフトとして発売されます。




 アクションコマンドなどの一部のシステムだったりシンボルエンカウントのコマンドバトルなことは継承されたものの、クォータービューだった『スーパーマリオRPG』とはちがい、ペラペラの紙のようなマリオを主人公にして絵本のような世界を描いたこの作品は新たなシリーズを生み出します。『マリオストーリー』の海外名が『Paper Mario』だったことから、このシリーズは「ペーパーマリオ」シリーズと呼ばれ、その2作目である今作が『ペーパーマリオRPG』というタイトルになるんですね。


 ということで、スクウェアの作った『スーパーマリオRPG』の代わりに、マリオのRPGとして「ペーパーマリオシリーズ」が生まれて現在でも続いているんですね~めでたし、めでたし―――という話なら分かりやすいのですが、実はそうではないという。


 任天堂がRPG不足に苦しんでセカンドパーティにいろんなRPGを作らせていた2000年前後、実はスクウェアの方にもいろんなことがあって「元○○を作っていたスタッフ」が次々と独立して会社を作っていました。
 『ゼノギアス』を作っていた人達のモノリスソフト(1999年設立)、『聖剣伝説』シリーズを作っていた人達のブラウニーブラウン(2000年設立)、そして『スーパーマリオRPG』を作っていた人達が集まったと言われるアルファドリーム(2000年商号変更)――――『スーパーマリオRPG』の続編を作りたいけどスクウェアとはもう関われないからインテリジェントシステムズに作ってもらってたら、『スーパーマリオRPG』を作っていた人達がスクウェアを出てしまうという(笑)。

 そのため、『スーパーマリオRPG』を作っていた人達によるアルファドリームが、もう一つマリオのRPGのシリーズを作ることになります。それが、2003年にゲームボーイアドバンスで発売された『マリオ&ルイージRPG』です。こちらもシリーズ化されて、リメイクも含めると7作発売されたそうです。


 そちらのシリーズとの差別化のためか、インテリジェントシステムズの「ペーパーマリオシリーズ」は、この次のWii用ソフト『スーパーペーパーマリオ』以降はRPGではなくアクションアドベンチャーにジャンルが変わりました。私はシリーズの中では唯一この『スーパーペーパーマリオ』だけは遊んでいたため、「前作まではRPGだったの!?」と驚きました。

 ということで、スクウェアの作った『スーパーマリオRPG』の代わりに、マリオのRPGとして「ペーパーマリオシリーズ」が生まれたのだけど、アルファドリームが「マリオ&ルイージRPG」シリーズを手がけるようになったため、「ペーパーマリオシリーズ」はRPGじゃなくなったんですね~めでたしめでたし――――と言いたかったのだけど、実はこのアルファドリームは2019年に破産。

 「マリオのRPG」の路線が消滅した2020年に、インテリジェントシステムズが「ペーパーマリオ」の新作をNintendo Switchで出すという。


 むっちゃややこしいと思うので、図にしてみましたー。

keifu2.png


 「ゲームの歴史なんかどうでもいいよ、さっさとゲームの中身の話をしろよ!」と思われたらゴメンなさい。しかし、この歴史こそが私がこのゲームを勘違いしていた原因でもあるので説明しなくてはいけなかったんですね。
 『スーパーマリオRPG』の後継となるべく生まれたシリーズなのだけど、『スーパーマリオRPG』とはまったくちがうゲームだと思わなければならなかったのです。

↓2↓

◇ランダム要素のない、ガチ戦略バトル(ただしアクションコマンドあり)
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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 このゲームを始めたばかりのころは……絵本のようなグラフィック、漢字にはルビが振ってあって、「悪の組織」と戦う勧善懲悪のストーリー、そして何より「攻撃力・防御力はどのキャラも一桁の数字」「HPも大体二桁の数字」と―――計算がまだそれほど得意でもない小学校低学年のこどもでも楽しめるゲームなのかなと思っていました。

 この次作である『スーパーペーパーマリオ』をクリアしている私でもそう思っていたので、このシリーズをまったく遊んでいない人にはそういうイメージを持っている人も少なくないんじゃないですかね。「可愛らしいグラフィックの、こども向けゲーム」だと。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>


 そしたらどっこい、ステージ1のザコ敵である「その辺をトコトコ歩いているノコノコ」ですら恐ろしい強さで、あっという間にゲームオーバー直前まで追い詰められました
 「レベルや装備が整っていない序盤が一番キツイ」RPGもあるのでこのゲームもそういうことかと思いきや、このゲームは「レベルが上がっても攻撃力・防御力は上がらない」「装備などない(アクセサリ的なバッジはある)」ため、ゲームが進んでもちっとも楽になりません。むしろ、敵の攻撃がどんどん過酷になるのでゲームバランスもどんどん過酷になっていきます。


 「初代『ポケモン』に続いて、こども向けのRPGでもマトモにクリアできない俺は、もうRPG向いていないのかなぁ」「もう何もかもが向いていない気がする」「死のう」くらいに落ち込んでいたのですが、ブログのコメント欄で「私もこのゲーム、クリア出来ませんでした」という声をいただいたことでハッと気が付いたのです。


 このゲームを開発している会社って、インテリジェントシステムズだ……と。『ファミコンウォーズ』や『ファイアーエムブレム』を作っている会社ですよ。

 最近はかなり方向性が変わりましたが、この頃の『ファイアーエムブレム』は「死んだ仲間は死んだまま進む」「ステージの途中ではセーブできない」ため―――ステージの後半でうっかり仲間が死ぬと「もうこの仲間は死んだまま進む」のか、「1時間のプレイが台無しになるけどリセットボタンを押してステージの最初からやり直す」のかを、血の涙を流しながら悩まなきゃいけないゲームで。だから、ありとあらゆる手でうっかり仲間が死んでしまうような罠をはりめぐらしている「手ごわいシミュレーション」でした。そんなゲームを作っている鬼畜会社ですよ!


 だから、この『ペーパーマリオRPG』も難しいゲームなんですよ。
 しかも、一般的なRPGとはかなりちがう独特のルールで出来ているゲームなため、一般的なRPGのつもりでプレイすると相当苦戦することになるという。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 例えばこのゲーム、「攻撃力5」の味方キャラが「防御力3」の敵キャラに攻撃を仕掛けた場合、ダメージは必ず「2」になります。何回やっても「2」になります。アクションコマンドの成否によってダメージが変わる技や、攻撃を回避する状態異常もありますが、基本的なルールとして「同じ味方キャラが同じ敵キャラを攻撃すると毎回同じダメージになる」があるんです。ダメージが倍増するクリティカルとか、(状態異常や煙幕がなければ)回避とかも発生しません。


 一般的なコマンドバトルRPGで、こういう仕様のゲームは多くないと思います。
 「同じ味方キャラ」が「同じ敵キャラ」を攻撃すると、毎回ダメージが変わる“ゆらぎ”が発生するのが普通です。というのも、『ドラゴンクエスト』にしろ『ファイナルファンタジー』にしろ、日本のコマンドRPGのほとんどは元をたどると『ダンジョンズ&ドラゴンズ』というアメリカのテーブルトークRPGに行き着きます。攻撃が当たるかどうかや、そのダメージ量がいくつになるのかを、サイコロを振って決めていたんですね。それ故に、日本のコマンドRPGには「ランダム要素」が多かれ少なかれ入っているんですね。

 分かりやすい例えを言うと、『ドラゴンクエスト』シリーズにおける「ザオラル」です。「死んだ仲間にかけると仲間が生き返る魔法」というRPGにおいて重要な魔法でありながら、伝統的に成功率が50%で、失敗すれば何も起こらない仕様……こどもの頃は意味が分からなかったのですが、元が「サイコロを振るゲーム」と考えると納得できます。『ルドー』の「6が出るまで出撃できない」に比べればマシだ!
 「いのりのゆびわ」(使用するとMPを回復するが約1割の確率で壊れるアイテム)、「パルプンテ」(複数の効果の中からランダムで選ばれる魔法)など、この他にも『ドラクエ』シリーズには「ランダム要素」の強い魔法やアイテムが結構あるんですよね。



 しかし、『ペーパーマリオRPG』はちがいます。
 先ほども書いたように、このゲームの開発は『ファミコンウォーズ』や『ファイアーエムブレム』シリーズを作っているインテリジェントシステムズです。んで、これらの元祖をたどるとウォーシミュレーションゲームという、テーブルトークRPGとはまた別のボードゲームで、更に突き詰めると将棋やチェスに行き着きます。

 ウォーシミュレーションゲームが「ダイス」を使わなかったわけではないですし、『ファイアーエムブレム』シリーズには「クリティカル」や「命中・回避」といったランダム要素はありましたが……『ファミコンウォーズ』には、こういったランダム要素はありませんでした。「同じ味方キャラが同じ敵キャラを攻撃すると毎回同じダメージになる」し、「クリティカル」や「命中・回避」もありません。そりゃ、将棋やチェスだったら「おっとー!飛車が敵の歩兵の攻撃を避けた―」とか起こりませんものね。


 ということで、この『ペーパーマリオRPG』―――
 『ファミコンウォーズ』をコマンドRPGにしたようなゲームなんですよ。

 一般的なRPGとちがって「ランダム要素」はほとんどなく、敵のHP・攻撃力・防御力、こちらの攻撃力や相性なんかを全部頭に入れて、一手一手しっかり考えて「敵の攻撃回数を1回でも減らす」ことをしないとザコ戦でもあっという間にゲームオーバーになってしまう詰将棋的なバトルなんですね。

 HPや攻撃力・防御力の数値が二桁・一桁なところや、「ノコタロウは地上の敵には強いけど空中の敵を攻撃できない」や「チビヨッシーののみこむは相手の防御力を無視して攻撃できる」みたいにユニットごとの相性があるところも『ファミコンウォーズ』っぽい。


 そのため、このゲームにおいて「攻撃力や防御力の1の差」はムチャクチャ重要です。攻撃力2だったら防御力2の敵には何百回攻撃しても0ダメージですが、攻撃力3なら1ダメージずつ与えられますからね。そう言う計算をしていくゲームなのです。
 しかし、先ほども書きましたが、このゲームは「レベルアップ」や「装備」によって攻撃力・防御力が上がりません。バッジの中には攻撃力・防御力を上げてくれるものもありますが、出てくるのは中盤以降で数も限られています。「レベルを上げて物理で殴る」では突破できないようになっています。しっかり頭を使わないとダメなんです。

 あと、このゲームには回復魔法はありません(※1)。スペシャルゲージを貯めて使うスペシャル技か、アイテムでしか回復できないのですが……お金を貯めて回復アイテムを買いこんでゴリ押し出来ないように、アイテムが持てる数も10コとかなり少ないです(※2)ありとあらゆる手段で「ゴリ押しでクリアすることは許さん!」と道が絶たれているの、シミュレーションゲームを作っている会社らしいですよね。

(※1、2:クリア後に攻略サイトを読んで知ったのだけど、やりこみ要素をやると回復魔法が使える仲間が入ったり、アイテムの所持数の上限を上げたりも出来たらしい。そういうのをやりこみ要素のご褒美にするなよ……)


 スクウェアの『スーパーマリオRPG』は、ラスボスを倒せずにやめた私が言うのもアレなんですが、『FF』を作っていた会社のRPGなだけあってオーソドックスなRPGで難易度もそこまで高くありませんでした。私はクリア出来ませんでしたが、私の母が後に「レベルを上げて物理で殴る」で無事にクリアしていましたからね。
 その『スーパーマリオRPG』の続編と思ってこのゲームを遊ぶと、全然ちがうゲームなんで上手くいかなくて当然なんですよ。「スゴロクだ」と思ってゲームを始めたら「将棋」だったみたいな話ですよ。ということで、私は悪くない!


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 とまぁ、基本的にはシミュレーションゲームを作っているメーカーらしい「詰将棋的なコマンドバトルRPG」なんですが、これにスクウェアの『スーパーマリオRPG』から継承した「アクションコマンド」が融合したことで厄介なことに……

 「アクションコマンド」とは、攻撃時にタイミング良くボタンを押すとダメージが1プラスされたり、防御時にはタイミングよくボタンを押すとダメージが1マイナスされたり、魔法的なものを使う際にはQTEに成功した分だけ威力が上がったり……要は、「見てるだけ」だったコマンドバトルRPGの戦闘にプレイヤーの操作を加えようというものなんですが。私は、『スーパーマリオRPG』の頃からこれがすごく嫌いなんですね……


 というのも、「タイミング良くボタンを押す」の「タイミング良く」ってのが納得いかないんですね。俺にとっては今のタイミングが「タイミング良い」んだよ、どうしてオマエが勝手に「タイミングが良いかどうか」を判断するんだよ!例えば、「ボールがバットに当たる瞬間にボタンを押す」とかだったら私にも「良いタイミング」は分かるのですが、ブレス的なものを浴び続けているその1秒の間のどのタイミングでボタンを押すかなんて分からないじゃないですか。

 でも、このゲームはアクションコマンドを成功することが前提のゲームバランスになっているところがあって、防御時のアクションコマンドに成功しないと「毒」「睡眠」「混乱」「氷付け」などの状態異常を防ぐことが出来ず、それらの状態異常を直す手段も少ないため、難易度が跳ね上がるんですね。全員睡眠でタコ殴りとか、全員氷付けでタコ殴りとか、何度経験したことか……


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 更にそのイライラに拍車をかけるのが、劇場を模したバトルの舞台。
 「観客の盛り上がりによってスペシャルゲージが溜まる」といったプレイヤーのメリットはあるものの、観客が攻撃してくるのを察知して事前にボタンを押さないといけなかったり、敵の攻撃とは別に舞台装置が落下してきたり、氷付けにしてくる噴射がいきなり起こったり、プレイヤーのマイナスになることが頻繁に起こり。それに突発的に対処しなくちゃならないので、「詰将棋の最中に突然QTEをしなくちゃいけない」みたいなゲームになっているんです。

 「アクションコマンドをさせるな」とは言いませんけど、「アクションコマンドに成功すればプレイヤーに得がある」くらいに留めておいて、「アクションコマンドに失敗するとどんどんプレイヤーが不利になって難易度が跳ね上がる」のは勘弁して欲しかったなーと思います。


↓3↓

◇ ドラゴンの棲む古城、天空闘技場、海賊の財宝の眠る島……様々な冒険がここにある!
 ………

 ………ヤバイ!

 今日の記事は「愚痴らずに書けるはずだ」と思ったから書き始めたのに、結局ずっと愚痴っている気がする!


 確かに難易度は高かったし、「もうペーパーマリオシリーズはこりごりだよ~」と思うくらいに大苦戦したのだけど、決して手を抜いたゲームではなくて「隅々まで作りこまれた気合の入ったゲーム」だったと思います。今からそういった話を書いていきます。


 「RPGに何を求めるのか」は人それぞれちがうと思いますが、私の場合は何といっても「冒険」です。溶岩が溢れる火山、灼熱の砂漠とピラミッド、凍てつく氷の大地、古代図書館だったり、たくさんの人が行き交うマーケットだったり、現実では絶対に行けないような場所を冒険できるシチュエーションがRPGの魅力だと私は思っています。

 だから、「いろんなところに行けるか」が私にとってのRPGの評価ポイントになりがちで、「変な異空間みたいなところでずっと戦っている」RPGはあまり好きじゃないし、スマホのソシャゲは戦闘や育成がRPGっぽくても「冒険」している感がほとんどないので全然ハマれないのです。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 その点、『ペーパーマリオRPG』は「冒険」している感の強いゲームでした。
 拠点となるのは、スラム街っぽい「ゴロツキタウン」―――今作のマリオは、「7つのスター」を集めるために「ゴロツキタウン」から7つのステージに冒険していくという形になります。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 ドラゴンの棲む古城を冒険したり。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 海賊の宝を求めて大海原を航海したり、という王道の展開から。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 天空闘技場のチャンピオンを目指してひたすらバトルするとか。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 豪華列車の中で事件に巻き込まれるとか。


 様々な場所、様々なシチュエーションで、様々なストーリーが展開されていきます。
 特にストーリーに関しては「マリオのパブリックイメージ」からすると禁じ手じゃないかと思われる際どい展開もあったりして、この次の『スーパーペーパーマリオ』ともども「攻めてるなぁ」と思いました。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 また、単純にいろんなところに行ってスターを集めるだけでなく、同じようにスターを集めている「悪の組織」が登場します。この「悪の組織」と戦いながらスターを探す展開が、レッドリボン軍と戦いながらドラゴンボールを探す展開みたいでワクワクしました(この例え、通じる?)。



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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 その様々なシチュエーションを楽しませるため、このゲームには色んな要素が入っています。クイズだったり―――


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 『ゼルダ』的な謎解きだったり―――


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 マリオなんで、道中はアクションゲーム的なジャンプアクションだったりも求められます。



 うーん……
 『スーパーマリオRPG』がそういうゲームだったから、この『ペーパーマリオRPG』も「基本はコマンドバトルRPGだけど、道中でアクションの腕」も求められるとしているんでしょうが……この時代に何故「RPG」が一番人気のジャンルだったかというと「アクションゲームが苦手な人でもじっくり遊べるから」であって、RPGにアクションの腕も求めるのは「アクションゲームが苦手だからRPGが好き」な人を取りこぼすだけじゃないかなぁと思うんですね。

 「アクションが得意な人なら、コマンドバトルRPGが苦手な人でも補える」みたいなバランスにしているならともかく、アクションもアクションコマンドも戦略的なコマンドバトルも全部こなさないとならないバランスにしているので、様々なジャンルのゲームスキルが高くないと苦戦するゲームになっていて……


 それらのジャンルが全部得意なら「このゲーム1本買えば色んな味が楽しめる!」んだけど、1つでも苦手なジャンルが混ざっていると「ぐえー、マヨネーズ入ってるから食えないー」みたいになってしまうという。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 「作りこんでいる」と言えば、このゲームで最初に仲間になるクリスチーヌはXボタンを押すことで「ありとあらゆる場所」「ありとあらゆる人」の解説をしてくれるという驚異の作りこみ! 要は、その辺を歩いているモブにも名前があって、設定があって、その解説のテキストが用意されてるってことですよ。マジで、実質『オクトパストラベラー』じゃん!

 しかし、このゲームの仲間キャラクターは一人しか出せなくて、他のキャラならスイッチが押せたり、移動速度が上がったりするので……クリスチーヌの出番はあまり多くありません。そのため、私はこの解説をほとんど読んでいません。膨大な量のテキストがあっただろうけど、それを読むのが面倒くさい!


 「ものすごく作りこんでいるからこそ面倒くさい」仕様は、無視すれば別にイイんですけど、ストーリー面でもその弊害を感じることがあって……終盤かなりテンポが悪いと感じるところはありました。スタッフ側は1人1人のモブキャラまで愛していて丁寧に描いているつもりなんだろうし、そうしたモブキャラまで大好きな人には最高のゲームなんでしょうけど、自分はあまりノれませんでした。


 あれ?
 結局、愚痴ってない!?



◇ 結局、どういう人にオススメなの?
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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 かわいらしい見た目とは裏腹に、システムも難易度もストーリーもビター味な大人向けマリオだと思われます。
 「大人向け」って言葉だと「CERO:Z」指定みたいに思われるかもですが、作品のコンセプトとしては「えー? マリオとかこども向けでしょー」と背伸びし始めたくらいの年代のコ――小学校高学年~中学生くらいを狙って苦めに仕上げたんじゃないかなと思います。言うても、それでもストーリーは勧善懲悪ですからね。

 詰将棋的なコマンドバトルと、突然のQTEと、アクション要素と、謎解き要素と―――色んな要素で出来ているゲームなので、様々なジャンルのゲームのスキルが高い人には溜まらないゲームでしょう。逆に言うと、どれか一つが苦手だとそれだけで私みたいに大苦戦することになるのですが……


 あぁ! 私がゲームが上手かったら、色んなゲームをもっと楽しめたんだろうな!
 そんなことを考えてしまいました。

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『ペーパーマリオRPG』の実況動画、10週目をアップしましたー

 いよいよ最終決戦です! (二度目)


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