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2016年7月の活動報告

 本家サイトを閉鎖させました……
 というつもりで、7月中に死にもの狂いでこのブログに書いた全記事からの「閉鎖する本家サイト」へのリンクは極力外しました。リクエストのあった「キャラ紹介のページ」のサルベージなんかも行い、その作業が大変で通常の記事がなかなか更新できなかったのですが。

 衝撃の事実です。
 本家サイトのサーバーは「3か月更新」の契約になっていたそうで、解約手続きが終わったのだけど8月いっぱいは見られるみたいです。何のために7月末までに間に合うようにと頑張ったのか!!


<2016年7月の購入金額>
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 先月は上限を大きく越えてお金を使いすぎてしまったため、今月は下限ギリギリの範囲内でやりくりをしました。夏休み期間なのでダウンロードゲームのセールもたくさん行われているのですが、WiiソフトのWii Uダウンロード版が大量に投入されてマイニンテンドー会員は2週間限定で30%オフというクレイジーなキャンペーンが行われるのでそちらに集中しようと思います。

 しかし、Wii Uの積みゲーがどんどん増えて、どうするんだろうこれ……


<2016年7月の購入本数>
◇ 本・雑誌(電子書籍も含む):9冊
 紙の本:5冊
 電子書籍:4冊
 電子書籍(無料の本):0冊

◇ ゲーム(ダウンロードのゲームも含む):1本
 パッケージソフト(ダウンロード版含む):0本
 過去ソフトのデジタル販売(バーチャルコンソール等):1本
 ダウンロード専売のゲーム:0本
 amiibo:2体

 amiiboはどうするべきか悩んだのですが、「ゲームの追加コンテンツ」という側面もあるのでゲームの購入金額に加えましたが「ゲームの本数」には数えないことにしました。積みゲーの計算をする際に邪魔になってしまうでしょうからね。


<2016年7月の読了数>
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◇ 本・漫画・雑誌(電子書籍も含む):32冊(再読21冊)
 紙の本:27冊(再読20冊)
 自炊した本:1冊(再読1冊)
 電子書籍:4冊(再読0冊)

◇ ゲーム(ダウンロードのゲームも含む):4本
 パッケージソフト(のダウンロード版含む):1本
 過去ソフトのデジタル販売(バーチャルコンソール等):2本
 ダウンロード専売のゲーム:1本

<積み電子書籍:漫画191冊、小説27冊、その他2冊
 → 積み電子書籍の合計は現在220冊です>
<積みゲー:Wii U&Wiiが18本+7本、3DS&DSが22本+3本、PCが1本
 → 積みゲーの合計は現在51本です>


 今月から「積み電子書籍」「積みゲー」の数もカウントすることにしました。
 紙の本もいつかカウントしたいのだけど、読む時間がないけどとりあえず新刊が出たから買って本棚に入れておいたという場合「何巻まで読んだか覚えていない」のでカウントは不可能かなぁ……

 読書は『おおきく振りかぶって』を既刊全て読み返したので再読が多かったのですが、再読を抜いても「9冊購入で11冊読了」は悪くない数字だと思います。
 ゲームも1本購入で4本クリアなので良い消化率なように見えますが、購入した1本がプレイ時間が100時間は軽く越えるゲームなので……「NX(仮)購入までにWii Uの積みゲーを全部なくす」ことを考えると重くのしかかってきそうですね。



【今月のピックアップ】
バケモノの子 (スタンダード・エディション) [Blu-ray]
バケモノの子 (スタンダード・エディション) [Blu-ray]

 今月は『おお振り』以外にほとんど本が読めなかったので、金曜ロードショーで観た映画『バケモノの子』についての話を書いておきます。

 まず最初に私のスタンスを書いておくと、これまでの細田守作品と同様に「観る前はあまり気乗りしていなくて」「観始めた序盤もあまりテンションが上がらなくて」「中盤からどんどんのめり込んで」「最後は号泣している」といういつものパターンでした。まぁ、だから「好き」というのが大前提で。

 この作品の視聴前に、Twitterのタイムラインでヒロインについて「無理に女を出さなくても」「何のために登場させたのか分からない」「魅力を感じない」といったカンジにぼろくそに言われているリツイートがすげえ飛んできていて。どんなにひどいんだろうと恐々と観たのですが……
 私が観た限り、この作品におけるヒロインは「裏主人公」とも呼べる重要なポジションのキャラなので、「何のために登場させたのか分からない」って感想が出てくることにビックリしてしまいました。


 あんまり書くとネタバレになっちゃうので、濁して書きますが……
 この作品は、「人は一人では生きてゆけない」という言語化してしまえばチープになってしまうテーマを、「人は“教える”ことで強くなれるんだ」と描いているんだと思うんですね。「師匠→弟子」や「親→子」は分かりやすいですが、その逆に「弟子→師匠」だったり、そうでない関係だったりでも、「“教える”ことで自分が強くなれる」し「“教える”ことを経験していない人は弱い」と描いているんです。

 そういう意味で、ヒロインは登場した時点では「“教える”ことを経験していない=弱い人」として描かれていて、しかし主人公に“教える”ことで考えが変化していって……彼女が家を出るシーンの表情でその変化が読み取れるようになっているんですね。

 「人は“教える”ことで強くなれるんだ」というのは、熊徹とか九太といったバケモノの社会の中の話に限ったことではなく。私達視聴者に近い「人間の社会」でだって言えるんだよ―――と描いているので、「裏主人公」とも言えるキャラだと私は思いました。


 つか……『おおかみこどもの雨と雪』と対になっているような話で、『おおかみこどもの雨と雪』を分かりやすく、エンターテイメントにしたような作品だったと思うので。「また同じような話だ!」とは正直思いました(笑)。
 斬新さとか予想外の展開とかがあるワケではなく、派手で分かりやすくて誰にでも魅力が伝わりやすい作品の方向に進んだと思うので、そういう意味での批判ならちょっと頷けなくもないかな……自分は「分かりやすい作品を作ること」も大事だとは思うので、この作品も好きですけど。



<2016年7月のゲームプレイ時間>
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 大ハマリした『レイマンレジェンド』と、毎日起動しないと強制的にゲームオーバーになるので死ぬ思いで睡眠時間を削ってプレイした『千年家族』と……『レイマンレジェンド』は今月中にクリアしたかったので、最後に一気に進めましたが、こちらの方がプレイ時間が長いというのは意外でした。

 あんまりゲームの批判は書きたくないんですけど、『千年家族』はどうしてあんな凶悪な難易度にしたんでしょう?
 こういうゲームだったら「1週間ぶりに起動したら一族がものすごく代替わりしていて全然知らん人ばっかになってた」みたいな遊び方が一番楽しいはず。イベントの量もそんなに多くないので、それくらいの起動頻度でちょうどイイと思うんですけど、「毎日起動しないと強制的にゲームオーバーになる」という仕様のせいで全部台無しになって「義務的に毎日起動しなくてはならないゲーム」「とにかく同じイベントを何十回と見続けるゲーム」になっちゃっていて。すげーもったいないと思っています。


【今月のピックアップ】
レイマン レジェンド
レイマン レジェンド

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<画像はWii Uソフト『レイマン レジェンド』より引用>

 『レイマン レジェンド』はクリアしました!!
 全てのティーンシーを救助して、全コースの金トロフィーを獲りました。
 ただ、マスターレベルはオンラインで3か月ずっと毎日金トロフィーを獲るペースじゃないと最大までいかないそうなので諦めて(プレイ人数が多かった頃はまだマシだったみたいですが)、ラムを大量に手に入れないと出せないヒーローも諦めました。


 すっげえ面白いゲームだったんですが、モヤモヤするところもあって……
 『レイマン レジェンド』用に新規に作られたコースが80以上あって、それらをクリアしてチケットを削って出れば『レイマン オリジン』のコースが40以上オマケとして出てくるのだけど。『レジェンド』のコースに比べて『オリジン』のコースはあまり面白くなくて……

 『レジェンド』のコースは1コースがそれほど長くなくてギュギュっと詰め込まれている上に、ミスした後のリトライポイントが多いのですぐ手前からになるのでやり直しも苦ではないし、ティーンシーを探索するために同じコースを何度もプレイするのも楽しかったのですが。
 『オリジン』のコースは1コースが長くて、リトライポイントも少ないのでミスしたときのやり直しが長くて、ティーンシーを取り逃してクリアしてしまった際に「またこのコースを1からやり直さなくちゃならないのか」という憂鬱が大きかったです。シューティングステージは面白かったですけどね。


 つまり、同じキャラの同じ操作性の同じアクションであっても、「コースの長さ」とか「リトライポイントの数」で面白さが全然変わるんだなぁと痛感しました。
 『オリジン』のダメなところが『レジェンド』で直っているとも言えるんですけどね。人にオススメする時は、とりあえず「コンプ目指すんじゃなくてワールド5までのクリアまでだけでも楽しめばイイと思うよ」と薦めるべきかなぁと。『レジェンド』のコースは(クリアまでなら)本当に遊びやすくて楽しくて愉快なゲームだと思いますから。


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<画像はWii Uソフト『レイマン レジェンド』より引用>

 ゲームとしては、『スーパーマリオブラザーズ』のような横スクロールアクション。
 ちがうのは「Yボタンで攻撃」「ZRボタン(等)でダッシュ」となっていること。残機が無限なこと。リトライポイントが多いので、ミスしてもすぐ手前からやり直しになること(『レジェンド』のコースは)。

 各コースに隠されているティーンシーを探すのは「マリオでいうスターコイン集め」に近いですし、各コースで規定数以上のラムを手に入れるとトロフィーがもらえるのは「マリオのコイン集め」に近いです。壁キックやヒップドロップなんかもあるし、デフォルトで「マントマリオ」のようにジャンプボタン押しっぱなしでゆっくりと落下することも出来ます。
 すっごくざっくりとしたオススメ文を書くとしたら「マリオを遊びやすくしたようなゲーム」といったところです。


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<画像はWii Uソフト『レイマン レジェンド』より引用>

 とにかくコースのバリエーションが多彩で、Wii Uゲームパッドを活かして、自動で動くキャラを導くコースもあって、これが良いアクセントになっています。『マリオとワリオ』とか『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』みたいなイメージですけど、こちらは完全にアクションゲームなのでパズル要素はそんなにはなくて、「オートで進み続けるキャラがティーンシーを取り逃さないようにステージギミックに注意する」必要があります。

 『NewマリオU』同様に「4人同時プレイ+Wii Uゲームパッドを使ったお助けプレイ」という5人プレイが可能みたいですし、1人で遊ぶ分には「テレビを使わないゲームパッドだけのプレイ」にも対応。ゲームの途中でも切り替え可能(コース中だったらリトライポイントまで戻るっぽい)。

 色々あって多機種に展開されたソフトですけど、元々は「Wii U独占」として作られただけあってWii Uの機能をフルに活かしてある良作アクション。とりあえず『レジェンド』のクリアまでだけでも。



<2016年7月のブログ>
【創作】
「電子書籍」を「紙の本」にして届けてくれる製本直送.comさんを使ってみました!
ブログ主が描いてきた漫画など、創作物のリスト

【哲学】
アナタたちはオナニーを過小評価していないだろうか

【漫画】
『おおきく振りかぶって』1~27巻が面白い!/続いている「もう一つの世界」の高校野球

【アニメ】
アニメ『うしおととら』各話感想メモまとめ(27話~最終話)
アニメ『クロムクロ』各話感想メモまとめ(1話~13話)

【ゲーム】
積みゲーをなくさねばならない(切実に)
「週末に決まった時間にだけプレイ」でゲームはクリア出来るのか?
『ゼルダ』も『マリオ』も『Splatoon』も―――3Dアクションは「壁を登る」ようになった

【ニコ生】
『ロマンシング サ・ガ』の実況プレイ告知


 記事の冒頭に書いたように今月は本家サイト閉鎖に伴う作業が多くて、更新できた記事が少なかったです。しかし、それも今月までのことで、6月・7月と整備を重ねて「創作物一覧」「漫画レビュー一覧」「アニメ感想一覧」「ゲームレビュー一覧」と目次になるページを作れたので今後につながると思っています。

 
<2016年7月の創作活動報告>
・ブログをまとめた電子書籍、漫画21ページ完成
・ブログをまとめた電子書籍、イラスト40枚完成
・ブログをまとめた電子書籍、文章&ネームは10章まで終了

 今月中には発売させたかったんですけどねー!
 時間が足りなくて、睡眠時間を削って作業をして、そうしたら体調を崩して―――と散々な1か月でした。うん、まぁ……正直「『千年家族』さえなければ……」とは思うのですが、そこはもう言っても仕方ないので来月の早い段階で発売できるように頑張ります。

 あとまぁ、今年の初めに目標にするといった「小説を書く」ですけど、時間のない時に限ってやる気があふれてくるのでお話はかなり(頭の中では)出来てきました。公開できる形になるのは当分先でしょうけど、「やる気がなくなった」ワケではないので、そこそこ期待していただけるとありがたいです。

| ひび雑記 | 18:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『おおきく振りかぶって』1~27巻が面白い!/続いている「もう一つの世界」の高校野球

 毎年、夏の高校野球の時期になると「1巻から読み返したいなぁ」と思っていながらなかなか読む時間が作れなかったのですが、今年は7月に入ったタイミングで1巻から読み返してそのまま「買っていたけど読んでいなかった巻」「買っていなかったのでこの機会に買った巻」も一気に読みました。
 今月22日に発売された最新27巻も読んだので、「この漫画が面白い!」というカテゴリーで紹介しようと思います。


【三つのオススメポイント】
・あたかも「もう一つの世界」があるかのような描写の細かさ
・野球漫画の面白さって「読者だけが全てを知っている」情報戦なんだ!
・描かれているのは実は「負け犬たちのワンスアゲイン」



【キンドル本・まとめ買い】
[まとめ買い] おおきく振りかぶって(アフタヌーンコミックス)

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、実験的にリスト化しました。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:○(青春に挫折はつきものだけど、三橋の過去の話はつらい…)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(三橋の普段の行動を「恥をかく」と言ってイイのか…)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:△(私は「チームメートとの絆」くらいだと思いますけどね)
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×


◇ あたかも「もう一つの世界」があるかのような描写の細かさ
 「え?今更この漫画を紹介するの?必要なくない?」と思った人もいるかも知れません。
 この作品は2003年から月刊アフタヌーンで連載されているひぐちアサ先生の高校野球漫画で、2016年7月現在までにコミックスは27巻まで発売されていて、2007年にはテレビアニメ1期、2010年にはテレビアニメ2期が放送されていました。監督は後に『ガールズ&パンツァー』や『SHIROBAKO』を手がける水島努さんでした。

 言ってしまえば超人気作だし、超有名作なのですが……
 どんな有名作だって知らない人・食わず嫌いをしている人はいますし、長く続いている作品ほど「後から入る」のは難しいものですし。テレビアニメの2期からもう6年が経っているので、テレビアニメが放送されていた頃には夢中になっていたけどその後は読んでいないという人もいるんじゃないかと思います。

 コミックスは現在27巻まで出ていますが、テレビアニメでやったのは恐らくコミックスの14~15巻あたりまでだったと思います。そこで終わるのは確かに非常に「区切りが良い」と思うのですが、「テレビアニメで描かれた話」と「テレビアニメ以降の話」がそろそろ同じくらいの量になりますから、「テレビアニメでやったところまでしか知らない」という人にも是非その続きを読んでもらいたいなと思います。
 「この後こんな展開になるんだ!」とか「あのキャラって初期から顔だけは出ていたけどちゃんとガッツリ出番あるんだ!」と驚くと思いますから。長期連載の宿命で、7年前に張った伏線をようやく消化!とかザラにありますからね(笑)。



 さて……この漫画の特徴を一言で説明すると「すげー細かい」です。
 試合の描写も一球一球丁寧に描かれるのですが(この話は二つ目のオススメポイントのところに書きます)、キャラの設定、世界観の設定の作り込みも半端ないです。一キャラごとに家族構成やクラスが設定されていて、例えば「このキャラの親は試合の応援に来ていなかったけど何故か」とか「このキャラとこのキャラはクラスが一緒なので行動を一緒にしていることが多い」とか、膨大な量の設定に裏付けされた各キャラの行動が描かれているのです。


 まー、長い連載なので「この設定は後付けなんでは……?」と思うところも正直あるんですけど(笑)、作者がこの作品の世界を好きで細かいところまで設定を考えているため、メインストーリーにはさほど絡まないところでも人間が生きているのがしっかり分かって……『イチゴーイチハチ!』を紹介する時にも使った表現ですが、「実際にこの世界があるんじゃないのか」と思わせる圧倒的な実在感を持っているのです。

 高校野球の漫画ですが、父母会とか、応援団とか、チアリーダーとかまでしっかり描かれていて……
 例えば、父母会が分担して他校の試合をビデオで撮影、その配球をマネージャーがデータ化して、バッテリーがそれを覚えて試合に活かすという描写があって。試合に出ている選手以外のキャラのおかげで、如何に試合が成り立っているのかが分かるという。
 メンタルトレーニングや栄養学とか故障しないためのトレーニングとか……「試合に入る前」の描写も数多く。私は子どもの頃から野球漫画をたくさん読んできましたけど、こんなところまで描写されている作品は初めて読みました。



 私はこの漫画、連載開始当初から大好きで新刊が出るたびに1巻から読み返していたのですが……流石に10巻を越えたあたりから「新刊が出るたびに1巻から読み返す」時間はなく、しかし前巻の内容は覚えていないということで、ここ最近は「数年に1回1巻から読み返して読んでいなかった巻も全部読む」というサイクルにするようにしました。
 今回は27巻まで読みましたけど、前回はどうやら2012年に20巻まで読んでいたようで、21巻以降は今回が初めて読む内容でした。

 こういう楽しみ方が正しいファンの楽しみ方なのかは賛否両論ありそうですが、私はそうすることで「自分の見ていないところでも彼らの高校生活は続いていて、知らない間に成長しているんだな」という感覚がして、それがすごく楽しいんです。「もう一つの世界」があって、久しぶりにそこを覗いてみたら随分と人々が成長していた―――みたいな。


 読書メーターとかメディアマーカーのコミックス1冊ごとの登録者数を見ると、1巻~16巻までは安定した人数が続いていたのに対して、17巻以降や21巻以降でグッと人数が減っている傾向があります。アニメが終わってから原作も追わなくなっちゃったという人も結構いるみたいなんですね。

 そういう人も、続きを読んで久しぶりに「おおきく振りかぶっての世界」を覗いてみましょう!「今こんなことになっているんだ!」「高校生なんか、しばらく見ない内に随分と変わるんだなぁ」と思えるでしょうから。



◇ 野球漫画の面白さって「読者だけが全てを知っている」情報戦なんだ!
 一つ目のオススメポイントは「青春モノ」の部分に焦点をあてましたが、二つ目のオススメポイントは「野球漫画」としての面白さについて語ろうと思います。


 私は漫画ではないリアル野球の試合を観るのも好きなのですが、「リアル野球」と「野球漫画」の最大の違いは「キャラクターの心理」が分かるところです。この選手は今こういうことを考えているんだなということが、野球漫画では知ることが出来るのです。しかも、両チームの。

 例えば、ピッチャーのキャラが「ストレートを投げるぞ」と考えているとします、バッターのキャラが「カーブを待つぞ」と考えていたとします、読者である我々は「いやいやいや!来るのはストレートだよ!カーブ待ちじゃ打てないよ!」とやきもきさせられるのです。つまり、野球漫画というのは「読者だけが全てを知っている」ことでハラハラさせられるのが面白いのです。

(関連記事:「視聴者だけが全てを知っている」というシチュエーションに私は弱い


 また、野球というのは「情報戦」です。
 相手ピッチャーの球種、相手バッターの得意なコース・苦手なコース、作戦、選手のコンディション……などなどなどなどが重要で、如何にして「手の内を隠すか」と、どうやって「相手の手の内を読むのか」が勝敗を左右します。


 あんまり書きすぎるとネタバレになってしまうので、一つだけにしますが……
 『おおきく振りかぶって』を「野球漫画」として分類していくと、「豪速球」も「魔球」も投げられない貧弱なピッチャーが「配球」で相手を打ち取っていくという野球漫画です。そのポイントとなるのが「遅いんだけど浮いたように感じる」=「ストレートではないまっすぐ」というクセ球。

 クセ球なので、慣れてしまったり、カラクリが見破られてしまったりすれば簡単に打たれてしまうのだけど……相手はそんな球を持っていることを知らないので、「配球」によってそれに気付かせないように、それでいてここぞという時に打ち取るために使うのです。
 読者は「主人公チームの会話」も「敵チームの会話」も両方知ることが出来るので、この「ストレートではないまっすぐ」がいつバレるのかとか、バレていないのにバレているんじゃないかと疑心暗鬼になって投げられなかったりとかにハラハラさせられるのです。


 今のはあくまで一例ですが、この作品の試合はいずれも「相手の手の内に気づくか」がポイントとなっています。
 そのため試合のシーンは一球一球細かく描写され、「この打者には1打席目に何と何と何を投げて何を振って何を振らなくて、2打席目に何と何と何を投げて何を振って何を振らなくて―――」という過去のデータから、バッテリーとバッターの読み合いが行われて……ということを細かくやっているから、1つの試合を描くのに膨大な時間がかかって、13年も連載が続いているのに作中時間はまだ数か月しか経っていないという(笑)。

 ここまで来たら「何十年かかっても構わないから、このキャラ達が3年生になって夏の大会で引退するまで描いて欲しい」「中途半端なところで打ち切らないで欲しい」と私は思っているのですが……単純な「作中で経過している時間」と「それを描くのに使ったリアル時間」を計算すると、3年の夏の大会まで描こうとすると60年くらいかかるという(笑)。

 「打ち切られるかどうか」とか「漫画雑誌という媒体がそれまで生きているかどうか」どころか、私が生きていられるかどうかも微妙だぞこれ!



◇ 描かれているのは実は「負け犬たちのワンスアゲイン」
 一つ目のオススメポイント、二つ目のオススメポイントはともに「この漫画が持っている“この漫画にしかない魅力”」を書きましたけど……三つ目のオススメポイントは「みんなが大好き」な王道な話を書こうと思います。この『おおきく振りかぶって』を久々に1巻から読み返して思ったんですけど、『おおきく振りかぶって』という作品は「王道中の王道」を突き進んでいるからこそ面白いんです。


 構造的には「弱小チームが、強豪チームに挑む」話ですからね。
 主人公チームとなる西浦は「1年生が10人だけいるチーム」な上に、この選手だけは全国レベルだからこの選手の力だけで勝てるみたいな選手もいません。


 エースピッチャーの三橋はコントロールは良いけど球速は遅く、クセ球である「まっすぐ」と「配球」で何とか何とかかわして打ち取っていくことしか出来ません。
 三橋は中学時代に「経営者の孫」ということでヒイキでピッチャーをやらせてもらい、それによってチームが負け続けたことでチームメートからは「いないもの」のように扱われるイジメを受け、野球をやめるつもりでエスカレーター式ではない別の高校(西浦)に入学してきました。

 キャッチャーの阿部は、中学時代にシニアで1つ上の榛名というスーパーピッチャーとバッテリーを組んでいたのだけど、問題を抱えている榛名は「今」よりも「将来」を考えて野球をしていたので「今の試合」に全力になってもらえず。榛名のいる武蔵野第一ではなく、野球部が新設されたばかりの西浦に入学してきました。


 二人とも「中学時代」には悔しい思いがあって、一念発起して“別の高校”に進んだことで出会い―――三橋にとって阿部は「ダメな自分でも勝たせてくれるリードをくれるキャッチャー」として、阿部にとって三橋は「自分の求めた通りに投げてくれるピッチャー」として、お互いに足りない部分を補いあっているんです。

 女性的な絵柄だとか、非常に理論的な描写ばかりに気を取られて、今まであまり意識してこなかったんですけど……この漫画、根っこにあるのは「悔しい思いを抱えた男たちが集まって、“高校野球”で今度こそ!」と強豪校に挑んでいくという泥臭い熱血要素なんですよ。


 三橋と阿部以外のキャラも……
 例えば、チームのムードメーカーで4番である「田島」は抜群の野球センスで誰もが一目を置いているんだけど、体が小さいことでホームランが打てないと自覚していて、そこにコンプレックスがあって。
 キャプテンの「花井」は体が大きくて攻守の要になれるはずの素質を持っているにも関わらず、「田島」という輝かしい才能の前にコンプレックスを抱えていて―――と。


 みんなどこかしらに「悔しい思い」を抱えていて。
 ストーリーが進んでいくと、それは決して主人公チームだけの話じゃなくて、対戦している敵チームだったりの中にも色んな思いを抱えているキャラが登場していて。そういう思いがぶつかりあうからこそこの漫画は面白いのだし、理論的な部分だけでなくて、熱血的な要素があるからこそ「王道の高校野球漫画」として君臨しているのだと思います。





 27冊もコミックスが発売されていて、その上ストーリー的にも「まだまだ続きそう」なので、この記事を読んで「今まで食わず嫌いで読んでいなかったけど読んでみようかな!」と思った人もなかなか手を出しづらいかも知れませんが……
 目安として、テレビアニメの1期は8巻まででしたし、2期は14~15巻までだったので、そこらを区切りとしてひとまずその区切りまで読んでみるのも手かも知れませんね。「テレビアニメ以降の話は知らない」という人は20~21巻あたりで区切りがあって、26~27巻あたりにも区切りがあるのでそこを目安にすればいいかなぁ。


【紙の本】
おおきく振りかぶって (1) おおきく振りかぶって (2) おおきく振りかぶって (3) おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(5) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(6) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(7) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(8) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(9) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(10) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(11) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(12) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(13) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(14) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(15) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(16) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(17) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(18) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(19) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(20) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(21) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(22) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(23) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(24) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(25) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(26) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(27) (アフタヌーンKC)

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『ゼルダ』も『マリオ』も『Splatoon』も―――3Dアクションは「壁を登る」ようになった

 Twitterでは「書いても炎上するだけだろうからブログには書かない」と言っていたんですが、当時考えていたアプローチとはちょっと方向を変えて書いてみようと思います。


 先月のE3で任天堂は、Wii UとNX(仮)用に発売を予定していた『ゼルダの伝説』最新作の正式名称を『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と発表しました。



 「ゼルダの当たり前を見直す」と宣言されていた今作は、「オープンエアー」と呼ばれる広大な世界での自由度の高い冒険が特徴で、様々な服に着せ替えられたり、様々な武器を使っていたり(槍を使うリンクにびっくり!)、料理をしたり……映像だけでも今までとは違う『ゼルダ』になっていることが一目瞭然だったのですが。


 私が一番「あ、そうか。そうなるんだ」と注目したのは、「壁を登れる」という要素です。

 2016年7月21日現在の公式サイトの「ムービー&スクリーンショット」のページを開くと、右に大きく「崖を登っているリンク」の絵が写りますし、スクリーンショットの1枚目が「崖を登っているリンク」です。上に貼った映像でも、リンクが木や寺院(?)の壁面や崖を登っている姿が映っていますし……「今度の『ゼルダ』の見どころは壁を登れるところですよ!」と言わんばかりの推しっぷりです。

 20年前に『スーパーマリオ64』を発売して以降、「3D空間を舞台にした3Dアクションゲーム」を作り続けてきた任天堂が行き着いたのが「壁登り」だったという話は今このタイミングで書いておかなければならないと思ったのです。



◇ 『ゼルダ』も『マリオ』も『Splatoon』も「自由に壁を登れる」ように
 「3Dアクションゲーム」で「壁を登れる」というのは、もちろん『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が世界初というワケではありません。『ブレス オブ ザ ワイルド』のように「どこにでもつかまって登れる」ゲームは稀有かも知れませんが、「つかまれるところがあればポンポン登れる」ゲームはたくさんあると思います。
 『アサシンクリード』シリーズは「壁登り」などのエクストリームなアクションが有名ですし、日本では任天堂から発売された『レゴシティアンダーカバー』シリーズも「つかまれるブロック」から建物の上に登って屋上から屋上に移動みたいなことを頻繁に行うゲームでした。


 なので、「任天堂がすごい画期的なことをやろうとしているよ!」という話をしたいワケではないのです。
 「何故、今このタイミングで『ゼルダ』は壁を登れるようになったのか」という話をしたいのです。



 正直なことを言うと……「壁を登れる」のが『ブレス オブ ザ ワイルド』だけだったら私は何とも思わなかったと思います。それこそ『アサシンクリード』などのオープンワールドのゲームがそうしているのだから、オープンエアーの『ゼルダ』新作でも真似してそうするのかなくらいに思ったかも知れません。

 しかし、最近の任天堂は様々な作品で意図的に3Dアクションゲームに「壁を登れる」機能を組み込んでいるのです。



 2013年に発売された『スーパーマリオ 3Dワールド』では「ネコマリオ」に変身した際に、壁を登れるようになります。この「ネコマリオ」を見て、「『アサシンクリード』のパクリだ」と言う人はいませんよね多分(笑)。
 『マリオ 3Dワールド』に影響を受けたのか、宮本さんの指示なのか、それとも任天堂の中に「3Dアクションゲームのブレイクスルーは壁登りだ」という共通の認識があったのかは分かりませんが……『マリオ』と『ゼルダ』が同時期に「壁を登れる」ようになったのは偶然ではないと思うのです。


 当時の「社長が訊く」には、「何故壁を登れるようにしたのか」は書かれてはいないのですが……


<以下、引用>
元倉「今回はもともと「走る」「ジャンプする」といった気持ちよさを求めた検証を先にしていて、その過程で通常のマリオにはない「4本の脚で駆けるアクション」と「壁を登るアクション」のネタが、きっかけになっているんです。」

岩田「ということは、もともと別だった2つのネタを、くっつけてひとつにしたんですね。
 それで「これが当てはまるのはネコだ」になったんですか?」

元倉「そういうことですね。」

岩田「ああ・・・「機能が先」なんですね!
 そうだ、忘れてましたよ、ここはそういうチームでした。
 ネコという表現自体は、機能が決まったあとで決まるんですね。」

</ここまで>
※ 改行・強調は引用者が行いました

 「ネコ」ありきではなくて、まず先に「壁を登るアクション」ありきでアイディアが練られていったことが語られています。当時は特段何も思わずにここを読んでいて、私は『マリオ 3Dワールド』をプレイしていないのですっかり忘れていたのですが、『ゼルダ』の新作が「壁を登るアクション」をしているのを見て真っ先にこれを思い出したのです。



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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 任天堂と「壁登り」という話をするのなら、2015年に発売された『Splatoon』も忘れてはいけません。このゲームは、自軍のインクに塗った壁ならばイカになってそこを泳ぐことが出来るというアクションがあります。このゲームをプレイするには知っておかなければならない基礎中の基礎のアクションです。
 「インクが塗れる壁」と「インクが塗れない壁」があるというのは要注意なのですが、このアクションによってこのゲームは「床を横に移動する」のも「壁を縦に移動する」のも同じスピードで移動できるので高台への移動がスムーズになっただけでなく、壁に潜伏したり、逆に壁が塗られているかどうかで相手の位置を考えたりすることが出来ました。

 こちらも当時の「社長が訊く」を読んでみましょう。

<以下、引用>
野上「はい。「イカ」は、ずっと前からキャラクターの案としてはあったんですが、「これでいこう」と言える形にはなっていませんでした。
 で、ちょうどこのころ、ひとつのキャラクターにするのではなく、“インク生命体”と“ヒューマン体”を切り替えられるようにしようという話が出てきたんです。」

岩田「つまり、変身できるようにしようと。」

天野「そうです。“インク生命体”というのはその名のとおり、ぺったんこのインク状になって、同じ色のインクの上に乗ると・・・。」

岩田「豆腐のときと同じく保護色で見えないんですね。」

天野「で、“ヒューマン体”のほうはインクを発射するといったアクションができたり、ヒトのような形をしていて、ファッションをカスタマイズできるようにすれば思い入れのあるキャラクターになるだろうと考えていました。」

阪口「そこで、散らかっていた機能を“インク生命体”でできること、“ヒューマン体”でできることを整理しなおすことにして、ZLボタンで“インク生命体”になり、ZRボタンで“ヒューマン体”がインクを発射する、というように機能を振り分けました。
 “インク生命体”でインクのなかに入ると、速く移動するようにしようとか、“ヒューマン体”で敵のインクを踏んだら、足が取られるようにしようとか、トレードオフになるようにしました。」

野上「さきほど「壁は塗るべきだ」「塗るべきじゃない」ということで議論をした、という話をしましたけど、“インク生命体”でインクのなかを移動できるわけですから、壁をインクで塗って、のぼれるようにすれば・・・。」

岩田「壁を塗る意味が出てくるんですね。」

野上「そうなんです。壁問題はその時、一気に解決しました。」

</ここまで>
※ 改行・強調は引用者が行いました

 『Splatoon』の話で面白いのは、このゲームはまず「インクを塗り合うゲーム」というところから始まって、「床は塗った面積で勝敗が決まるからイイけど、壁は塗っても意味がないの?」という議論が行われて、“ヒト”と“イカ”を切り替えるゲームにしようという話になった時に「塗った壁は登れるようにすればイイんじゃない?」と行き着いたところです。

 つまり、「壁を登る」というアイディアありきではなくて、「壁を塗る」というアイディアから「壁を塗ったら登れるようにしよう」ということになって――――それで恐らくああいう立体的なステージが出来ていったのであろうということです。


 部署が違うので『マリオ 3Dワールド』の影響を受けているのかは分かりませんが(時期としては既にこの議論が行われている時点で『マリオ 3Dワールド』は発売されているみたいです)……
 2013年の『マリオ』、2015年の『Splatoon』、2017年の『ゼルダ』がそれぞれ「壁を登る」アクションを取り入れてるというのは、やはり任天堂の中にそういう意識があったからなのかなと思うのです。



 しかし、ですよ。
 3Dアクションゲームにおいて「壁を登る」アクションを入れるというのは、本来なら御法度になりかねない要素です。
 極端な例を考えると、『ゼルダ』のダンジョンは「1階を解く」→「2階に上る」→「2階を解く」→「3階に上る」と一つずつ攻略していくものなのですが、外壁を登っていきなり最上階から入ることだって出来てしまいかねません。それを防ぐためには、一つ一つの建物の「壁」をしっかり計算して登れないように設計したり、入れる窓・入れない窓をちゃんと考えたりしなければならず……今まで気にしていなかったことまで考えてマップを設計しなければならなくなるんですね。

 「壁を登れるようにする」と「3Dアクションゲーム」はガラッと変わってしまうのです。
 ましてや、『ブレス オブ ザ ワイルド』は登れるポイントが決まっているワケではなくて、「どこにでもつかまって登れる」ゲームみたいですからね。



◇ 「そんなことしたらゲームにならへん」がブレイクスルーを起こす
 ちょうどこの頃『スペランカー』をプレイしていたこともあって、私はこの時に『マリオブラザーズ』のことを思い出していました。

 宮本茂さんは『ドンキーコング』の頃から「地形を作る人」だと私はずっと思っています。遊びがいっぱい詰まったアスレチックな地形を作って、そこを通過するだけで楽しい―――そういうゲームを作るのがものすごく上手い人だと思うのです。
 『ドンキーコング』も『ドンキーコングJr.』も、『スーパーマリオブラザーズ』もそうですし、『ゼルダ』シリーズだってそうですし、宮本さんはそれほど関わっていないらしいですがそのイズムが継承された若手によって作られた『Splatoon』だってそうだと思うのです。


 そんな宮本さんの作品において、『マリオブラザーズ』はかなり異質なゲームだと思うんですね。『ドンキーコング』ですら宮本さんが直訴して「地形のちがう全4面のゲーム」だったのに、『マリオブラザーズ』は全ステージが同じ地形です。どちらかというと横井軍平さんのイズムが強い作品だと思います。

 宮本さんは以前の「社長が訊く」でこのように仰っています。

<以下、引用>
宮本「はい。『マリオブラザーズ』も横井さんとのコラボなんです。横井さんが「対戦タイプのゲームをつくろう」という話をして開発をはじめました。
 『ドンキーコング』ではマリオが自分の背よりも高いところから落ちると、グギッとなって、ミスになっていたんです。で、横井さんから「もっと高いところからピョンと落ちられてもいいのになあ」と言われて、「そんなことしたらゲームにならへん」と思ったんです。

 けれど、考えているうちに「そのくらいスーパーなことができてもいいか」と。そこでモデルをつくって、ピョンピョン走ってみたら、これがけっこう楽しかったんです。」

岩田「そこで、『ドンキーコング』よりもさらに高いところまでジャンプできるようになったんですね。」

</ここまで>
※ 改行・強調は引用者が行いました

 『ドンキーコング』や『ドンキーコングJr.』のキャラはジャンプ力が低く、自分の背丈より高いところから降りると死んでしまうゲームでした。その頃はまだマリオもスペランカーも同じ強さだったのだ!という記事は以前に書きましたね。

 『ドンキーコング』も『ドンキーコングJr.』も『スペランカー』も当然「低いジャンプ力」「自分の背丈より高いところから降りると死んでしまう」というキャラ性能を元にステージが設計されています。だからこそゲームとして成立していたので、「「もっと高いところからピョンと落ちられてもいいのになあ」と言われて、「そんなことしたらゲームにならへん」と思ったんです。」という宮本さんのお気持ちはすごく自然なことだと思います。

 極端な例を言いますと……
 『スペランカー』を全然進めない時、私も「このスペランカーの性能が『スーパーマリオブラザーズ』のマリオくらい高かったら良かったのに……」と思いましたよ。でも、そうしたら超簡単になってしまって全然面白くなくなると思うのです。キャラの性能を上げてなんでも出来るようになったら、それで歯ごたえのあるステージをどうやって作るのだと。


 しかし、実際に横井さんの提案通りに作ってみたら「けっこう楽しかったんです。」というものが出来て、『マリオブラザーズ』も大ヒットしました。『マリオブラザーズ』以降はピョンピョン飛び回れるゲームもたくさん出てきて、「高いところまでジャンプできるようになったマリオ」+「『ドンキーコング』以上のアスレチックなステージ」が合わさった『スーパーマリオブラザーズ』は全世界的な社会現象ソフトになります。

 キャラの性能が上がりまくった『スーパーマリオブラザーズ』ですけど、そのキャラ性能に合わせた歯ごたえのあった面白いステージはちゃんと作れましたし―――そのブレイクスルーは「マリオシリーズ」のみならず、「アクションゲーム」の基準を大きく変えたと思うのです。

(関連記事:Bダッシュなしで、本当に『スーパーマリオブラザーズ』はクリア出来るか


 「3Dアクションゲーム」における「壁登り」もそれに近いと思うのです。
 「そんなのでゲームになるの?」とか「それをやるとマップ作るの超大変にならない?」という要素だし、そもそもあんなにポンポン登れるのは現実的ではないのかも知れませんが……「そのくらいスーパーなことができてもいいか」と、3Dアクションゲームを新たな領域に引き上げてくれると思うのです。

 ということは……「壁登り」の出来る「3Dアクションゲーム」を既に遊んでいる人にとっては「今更何を言っているんだ」と分かりきった話かも知れませんが(笑)。しかし、あまりこういう話が言語化されているのは見たことがないなぁと思ったので、今日はこの話を書いているのです。


◇ 『スーパーマリオギャラクシー』の憂鬱
 さて、『ゼルダ』の前に『マリオ』の話から。

 2010年に発売された『スーパーマリオギャラクシー2』の「社長が訊く」にて、宮本さんはこんなことを仰っていました。


<以下、引用>
岩田「世の中には「2Dマリオと違って、3Dマリオだと迷う」とか「3Dマリオは2Dマリオより難しいので自分の手には負えない」というような声があるようなんですけど、宮本さんはそういった声に対して、「いつかオレが何とかしてやる」と考えているんじゃないかとわたしは以前から感じていたんです。」

宮本「そうですね。でも、3Dマリオが抱えている問題に関しては前作の『マリオギャラクシー』でかなり解けたと思っているんです。球状地形なので、走っていると必ず元の場所に戻りますから。」

岩田「だから迷いようがないんですね。」

宮本「はい。で、今回の『マリオギャラクシー 2』をつくっていて、気がついたことがあるんです。
 よく3Dマリオって言いますけど、実は3Dでつくられた世界で遊んでいるだけで、遊び自体は平面が面白いんです。

岩田「平面が面白いというのはどういうことですか?」

宮本「つまりフィールド自体は3Dでできていても、そこにモノがあって、マリオがいて、上から見ると実は平面の遊びなんですよ。」

岩田「なるほど。
 つまり、カメラが真上や真横にあれば2Dのゲームのように遊びやすくできるんですね。」

宮本「そうなんです。
 しかも、2Dのマリオゲームでは横からのシーンだけですが3Dでは奥行きがある平面の遊びが新鮮です。」

岩田「そういった平面的な遊びにしようという意識は、前作より強くなったんですか?」

宮本「ええ。前作のときよりも、ハッキリ。
 前作のネタを見直してみても、追っかけ合いとか、やっぱり平面で遊んだほうが面白いものが多いという結論になったんです。」

</ここまで>
※ 改行や強調は引用者が行いました


 この話を読んだ当時の私は「……え?」と思ったんですね。
 確かに『スーパーマリオギャラクシー』の遊びは「平面の遊び」だったと私も思いました。カメラアングルが場面によって変わるだけで、遊び自体は「見下ろし型の2Dアクションゲーム」に近いと思いました。ファミコンとかスーファミとかゲームボーイの頃の『ゼルダ』みたいな感覚。

 しかし、じゃあ「3Dにする意味」がなくない?と思ったのです。

 『マリオギャラクシー』も『マリオギャラクシー2』も、そしてその後の2011年に発売される3DSの『スーパーマリオ 3Dランド』も、「2Dマリオは遊べるんだけど3Dマリオはちょっと難しくて……」という人のために、「2Dゲームのように遊べる3Dアクションゲーム」の方向に進んでしまっていて……確かにこれらの作品は大ヒットしたし、私のように3Dアクションゲームが好きじゃない人にはありがたい方向性だったのですが、「2Dゲームのように遊べる3Dアクションゲーム」を遊ぶくらいだったら「2Dアクションゲーム」を遊べばイイのでは?と思ってしまっていました。



 マリオが3Dアクションゲームになったのは、1996年の『スーパーマリオ64』です。
 1981年の『ドンキーコング』以降「ゲームに合わせた地形」を作り続けてきた宮本さんですから、『スーパーマリオ64』は「アクションゲームが3Dという立体空間になって出来る遊び」をたくさん組み込んでいました。その一つが「高さ」の概念です。

 最初のステージからして「山の頂上まで登る」ステージですし、逆に「雪山から滑り下りる」ステージとか、「地上と空中のリフトを行ったり来たりして仕掛けを解く」ステージとか、高さを意識するステージが多かったんですね。「高いところに登る」のは大変だけど、足を踏み外したりすると「下まで一瞬で落っこちる」みたいなことを痛感するゲームでした。



 しかし、それ故に「2Dマリオは遊べるんだけど3Dマリオはちょっと難しくて……」という人をたくさん生み、その後のマリオは「どうしたら3Dアクションゲームも遊んでもらえるんだろう」というテーマが中心になっていきます。
 そこから10年が経過した『マリオギャラクシー』『マリオギャラクシー2』『スーパーマリオ 3Dランド』といった作品はそれほど高さを遊びに組み込んだゲームではなく、「一本道」でかつ「平面の遊びが中心」のゲームになっていました。

 3Dになって「高さ」を手に入れた『スーパーマリオ64』からガラリと変わり、2D寄りのゲームになっていって「平面の遊び」に特化していった『マリオギャラクシー』以降というのは……確かに「2Dマリオは遊べるんだけど3Dマリオはちょっと難しくて……」という人を取り込むことには成功したのだけど、2Dのゲームに近づけていった結果それは「3Dアクションゲームならでは」の面白さなのか?とも思うのです。



 んで、2013年の『マリオ』、2015年の『Splatoon』、2017年の『ゼルダ』がそれぞれ「壁を登る」アクションを取り入れているという話に繋がるのです。
 2010年の『スーパーマリオギャラクシー2』や2011年の『スーパーマリオ 3Dランド』は「3Dであっても2Dのような感覚で遊べる」でしたが、それを複雑化させることなく、でも「高さ」の概念を加えて高低差のあるステージを楽しめるようにしよう―――というのが、「壁登り」なんじゃないのかと思うのです。

 つまり、「床」という平面と、「壁」という平面を合わせて、立体的なステージが出来るのだろうと。


 『マリオ64』でせっせと山を登っていたことを考えると、「壁登り」なんか出来ちゃったら「そんなことしたらゲームにならへん」となりかねない要素です。「登るのは大変、落ちるのは一瞬」なことで“高さ”を意識させていたのに、「壁を登る」のも「床を走る」のも一緒となってしまったら“高さ”の意味がないだろうと思われるかも知れません。

 ですが、『マリオ64』以降、3Dだからと毛嫌いしてきた人達を何とか取り込もうと『マリオギャラクシー』や『マリオ 3Dランド』で「高さを捨てた平面の遊び」に特化してきた歴史を考えると、「壁登り」によってようやく「2Dゲームのように楽しめる高さのある遊び」にたどり着いたと言えるのではないかと思うのです。


 
◇ 2Dなのに3Dのような感覚で遊べる『神々のトライフォース2』
 あぁ……ようやくここまで話がたどり着きました。
 この話を書きたくて走り始めたのですよ、今日の記事は。

 『マリオギャラクシー』『マリオギャラクシー2』『スーパーマリオ 3Dランド』といった作品は「3Dであっても2Dのような感覚で遊べる」ゲームとして、高さを活かした遊びというより平面の遊びが中心になっていきましたが……その逆で2Dアクションゲームなのに立体空間の遊びを取り入れたのが、2013年の3DSソフト『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』でした。

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<画像はニンテンドー3DSソフト『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』より引用>

 このゲーム、ゲームとしては完全に2Dアクションゲームで……ファミコンやスーパーファミコンなどの『ゼルダ』と同様の見下ろし視点でボタン操作のシンプルな『ゼルダ』となっているのですが。


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<画像はニンテンドー3DSソフト『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』より引用>

 「壁を登る」どころか、「壁画になる」ことが出来ます。



 このシステムによって、このゲームは「壁を意識する」ゲームになっているんです。
 壁画になっても上に登ることは出来ず横に移動するだけなんですが、「あの遠い足場は壁伝いにで行ける」とか「壁を移動すればあの窓から外に出られるな」といったカンジに、ダンジョンやマップの「壁」を意識するようになったのです。

 2Dアクションゲームは、言うまでもなく「平面の遊び」です。
 壁は移動を邪魔する障害物でしかなく、プレイヤーは「床」だけを見ていれば良かったのです。


 それは言ってしまえば、「平面の遊び」と言われた『マリオギャラクシー』などもそうだったし、カメラアングルが3Dになっても歩く場所が「床」である以上は3Dゼルダだってそうだったのかも知れないのですが――――『神々のトライフォース2』は「壁」を意識して、このダンジョンやマップの「壁」がどう繋がっているいるのかを見なければならず、私が今まで遊んだどんなゲームよりも「立体的な空間把握」が楽しめるゲームでした。2Dのゲームなのに。


 「社長が訊く」を読むと、この「壁画になるリンク」というアイディアは2010年に出ていて、その後に開発チームは一時解散状態になるのでソフトとして形になるのは2013年になるのですが……「壁を登る」ネコマリオと同じ年に出てきたというのは、何たる運命なのかと。



 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「壁登り」も、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』の「壁画リンク」と同様かそれ以上の面白さになるだろうと期待しています。
 今まで見てこなかった「壁」を意識して、壁がどうつながっているのかを観察して、ダンジョンやマップがどういう構造になっているのか立体的に把握するのが楽しいゲームになるのだろうと思います。「壁画リンク」は横にしか動けなかったけど、「壁登り」は縦にも動けますから、これを活かしたダンジョンの仕掛けが用意されていることは間違いないでしょうし。今からワクワクしています。


 というか……ホント、ダンジョンはどうなるんですかね?
 「壁を自由に登れる」なんて、アクションパズルとして考えたら「超チート能力」だと思うんですが、それでちゃんと歯ごたえのあるダンジョンが作れるのか(単に敵が強いとかじゃなくて、仕掛けを解くのが面白いダンジョンが作れるのか)―――『ゼルダ』シリーズにとって正真正銘「当たり前が見直される」一作になると思います。

 とか言って、実際にふたを開けてみたら「ダンジョンの中だと壁は登れません!」とかだったらどうしましょう(笑)。


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アナタたちはオナニーを過小評価していないだろうか

 例えば、映画とか小説とか漫画とかアニメとかゲームとか、なんならこういったブログ記事に対してでも当てはまるのですが……誰かが作った作品を楽しめなかったときに、恐らく「視聴者(読者、プレイヤー)を楽しませることが出来ていない」という批判の意味で「作り手のオナニーを見せつけられているようだ」みたいな表現を使う人がいます。

 また、これはゲームなどの「一人用の遊び」を楽しんでいる人を批判するときに使われているのを見かけますが、「そんなどーでもいいことに労力と時間を使うなんてアホらしい」みたいな意味で「オマエらのやっていることはオナニーのようなものだ」といった表現を使う人がいます。


 もちろん、「18禁のエロエロ作品」に対しての褒め言葉として「オナニーがはかどる素晴らしい作品だ!」という意味ならば構わないのですが……「全年齢向けの作品」や「そうした作品を楽しんでいる人」を批判する際に「オナニーのようだ」という言葉を使う人を、私は許せません。



 念のために書いておきますけど、「自分の気に入らない作品(や、そのファン)を批判するな」という意味ではありませんよ?

 「自分の気に入らない作品(や、そのファン)を批判する」際に使われる言葉に、あたかも「オナニーは悪いことだ」と言わんばかりに「オナニーのようだ」という表現が使われているのが許せないのです。


 オナニーって素晴らしい行為じゃないですか。
 それなのに「この言葉を使えば相手を一発で黙らせられる批判と罵倒のマジックワード」として「オナニー」という言葉が使われているのが許せません。

 いや、百歩譲ってその言葉を使っている人が「オナニーという行為はとても悪くて恥ずかしくて法的に規制して社会から撲滅すべき行為だ」という価値観をお持ちならば、オナニーを批判の言葉として使うのも分からなくはないですが。その批判文を読んでいる読者はその価値観を共有していないので、批判の意図で「オナニーのようだ」と書かれても「そうか!それはとても素晴らしいことだな!」と思われるかも知れません。



 「オナニー」をみんなが嫌いだと思わないでください!
 「オナニー」を好きな人だってたくさんいるんですよ!

 なので、今一度「オナニー」という行為を私たちは見つめ直すべきだと思うのです。




1.「オナニー」は時として、お金を生む
 作品に対して「視聴者(読者、プレイヤー)を楽しませることが出来ていない」という批判の意味で「作り手のオナニーを見せつけられているようだ」と言っている人は、恐らく「オナニー」=「人に見せつけるものではない」=「自分一人だけで楽しんでおけよ」というオナニー観に基づいてその言葉を使っているのだと思います。

 つまり、「オナニーなんて誰も見たくねえよ!」という前提の元でそうした言葉を使っているのでしょう。



 しかし、本当にそうでしょうか?
 本当に「オナニーなんて誰も見たくない」でしょうか?

 私は、可愛い女のコのオナニーだったら観たいですよ。
 人気の芸能人とかアイドルのオナニー動画だったら「お金を払ってでも観たい!」という人はたくさんいるでしょうし、男性向けエロビデオには「AV女優さんが一人でオナニーしているシーン」が収録されているものも多いです。当然お金を払ってそうした作品を買って観ている人もたくさんいます。


 つまり、人によっては「オナニー」をしている姿だけでコンテンツになるのですし、それをお金を払ってでも観たいという人もいるのです。

 もちろん「観たいかどうか」「お金を払ってでも観たいかどうか」は、オナニーをする人にもよります。広瀬すずちゃんのオナニー動画なら10万円払ってでも観たいけど、広瀬香美さんのオナニー動画なら頼まれても観たくないみたいなこともあるかと思います。(※1)

(※1:もちろん個人の好みなので、その逆で広瀬香美さんのオナニー動画なら10万円払ってでも観たいけど、広瀬すずちゃんのオナニー動画なら頼まれても観たくないみたいなこともあるかと思います)

 「作り手のオナニーを見せつけられているようだ」という言葉を使われても、アナタが「その作り手」のことを好きか嫌いかによって「10万円払ってでも観たい」になるのか「頼まれても観たくない」になるのか、意味が180度変わってしまうのです。



2.「オナニー」をすると気持ちが良い!
 このブログ史上においても1位2位を争うくらいに、最高に頭が悪い一文を書いたような気もしますが(笑)。こういう当たり前なことを我々はつい忘れがちだと思うのです。

 「オナニー」は気持ちが良いんです。

 逆に言うと、「オナニー」ほど気持ちが良くて、かつ手軽にできて、誰にも迷惑がかからない行為が我々の人生にどれだけあるでしょうか。
 日々の生活なんて「気持ち良くない」ことばっかじゃないですか。人間関係に悩んだり、勉強だったり仕事だったりが思ったようにいかなかったり、病気になったり、怪我をしたり、夢を諦めたり、貧乏が苦しかったり……でも、そんな風に落ち込んでいる時だってオナニーって気持ちが良いじゃないですか!それってとっても素晴らしいことだと思うんですね。

 また、あまたある趣味の中では比較的手軽に行えるのも魅力です。その気になれば、身一つで出来てしまいますからね。その一方で、道具を使ったり、題材を用意したりするのも自分の好みで行えるので、カスタマイズも自由。非常に自由度が高い趣味だとも言えます。

 そして、「オナニー」は基本的には一人で行うので誰かに迷惑をかけたりはしません。
 「オナニーが気持ち良いとか言っても、セックスだって気持ち良いじゃないか!」と思われるかも知れませんが、相手を必要とするセックスはオナニーほど手軽ではありませんし自由度も高くありません。相手と予定を合わせ、お互いの時間と体力に余裕があるときを見計らって、相手を気遣って、相手の心と体をケアしつつ、自分は気持ち良くなりつつ、避妊もちゃんとしなければならず―――失敗をすれば相手の体や心を傷つけてしまいかねません。
 そもそもセックスは相手がいないと出来ない行為なので、似非ではない“生粋のモテナイ人間”がするためにはイリーガルな手段を使わなければなりません。そんな後ろめたい方法でしなければならないセックスに比べて、オナニーは合法かつ誰にも迷惑をかけませんから非常に誇らしい行為だと言えるじゃないですか!


 ゲームのような「一人遊び」を「そんなどーでもいいことに労力と時間を使うなんてアホらしい」という意味で「オナニーのようだ」と言われても、その行為によって、気持ち良くなって、精神的に満たされて、また来週から頑張ろうと思えるのなら―――それはとても素晴らしいことじゃないですか。

 しかも、それによって誰かに迷惑をかけたりもしていません。
 それを批判するだなんて、とんでもないことですよ!



3.「オナニー」は生産的な行為だ
 女性の体のメカニズムは、ちょっと私には分かりませんが……
 男性の「オナニー」は、精子を体外に排出する「射精」によって完結します。本来ならば子作りのために使われるはずの精子をティッシュにくるんでゴミ箱に捨てることで、「オナニー」=「非生産的な行為だ」という連想になって、映画や小説や漫画やアニメやゲームなどを批判する時にも「何の価値もない作品だ」という意味で「オナニーのようだ」という表現を使う人がいます。


 しかし、果たして本当に「オナニー」は「非生産的な行為」でしょうか。
 「射精」というのはアウトプットです。既に作られている精子を外に出す行為です。

 そうして精子が外に排出されると、新たな精子が作られ、それがまた溜まっていくとムラムラが収まらなくなるので「射精」して外に排出して、そうするとまた新たな精子が作られ―――とサイクルしていくことを考えると、「オナニー」は「新たな精子を作る行為」とも言えるのではないでしょうか。



 映画や小説や漫画やアニメやゲームなどを創作することもそうです。
 作品という形でアウトプットするのは、既にある企画やアイディアを世に出す行為です。

 そうして作品が世に出されると、また新たな企画やアイディアが練られ、それがまた溜まっていくと創作意欲が収まらなくなるので「射精」して作品という形で世に排出され、そうするとまた新たな企画やアイディアが練られ―――とサイクルしていきます。
 最近、私は今まで自分描いてきた漫画のリストを作ったのですが、自分で自分の作品を振り返ってみると「当時は思ったようにいかなくて失敗作だと思っていた作品」が「後に描かれた代表作」のアイディアの元になっていたりして……仮に駄作だと何だと言われようと、「作品を完成させて世に出す」ことは「また新たな作品を生む行為」とも言えると思うのです。


 確かに創作活動というのは「射精」に似ているかも知れないと思います。
 溜めて溜めて溜めてきた感情を一気に吐き出す行為ですからね。それくらい思いが詰まっている作品を世に出すからこそ、吐き出した後はクッタクタで何もしたくない賢者タイムになるのですが、空っぽになるくらい吐き出したからこそまた新たな作品の息吹が生まれるとも言えるので……

 むしろ「オナニー」にすらなっていない創作活動こそが、何の生産性もない、価値もない、面白みもない行為だと言えるのかも知れません。


 オナニーは最高なのです!


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 「オナニーのようだ」に限った話じゃないんですけど、何かを批判する時に人は最も無防備になるとも言えて―――批判の意味で「オナニーのようだ」という表現を使っている人には、「オナニーと言っておけばみんながこれを低俗だと思ってくれるはずだ」みたいな思考停止っぷりが見え隠れするのです。


 「オナニー」は素晴らしい行為なんですよ!
 「オナニー」があたかも低俗であるかのように語ることで、例えば中学生くらいのコが「オナニーって低俗なんだ……でも、やめられない……どうしよう」と悩んだらどうするんですか!誰にも迷惑をかけない「オナニー」なら、悩むことなく頭からっぽにしてガンガンやりゃ良いんですよ!


 07月21日だから、それをここにしっかり記しておきたいと思います。

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ブログ主が描いてきた漫画など、創作物のリスト

 このブログを書いている私「やまなしレイ」が描いてきた創作物の一覧を作ることにしました。基本的には「漫画」を中心に創作活動を行っていますが、「活字の本+漫画+イラスト」で出しているものもありますし、今後「小説」などを書くことがあったら追加していくつもりです。本当に書くのか、小説……?

<分類>
○… 漫画
◇… 活字の本(+漫画+イラスト)


 「配信場所」に書かれているリンクを押すと、購入もしくは閲覧が出来ます。


【有料作品】
○ 『その日 世界は…』1巻
◇ 『オレは貧乳が好きなんだ!』
◇ 『マンガは描ける!絵が描けない人でも』
○ 『春夏秋冬オクテット-やまなしレイ漫画短編集- 』

【無料作品】
○ 『モテ学』
○ 『おっぱい泥棒vs.うんこマン』
○ 『絵のない世界』
○ 『モテナイ4コマ』
○ 『コマンド?→A/B/C』
○ 『エロ本を買いにいこう!』
○ 『shine』
○ 『200vs1×1』
○ 『生きとし生けるもの』
○ 『朝が来る』
○ 『学園は今日もサッカー日和』
○ 『Re:Survival』


【有料作品】
↓ここから『その日 世界は…』1巻↓


◇ 『その日 世界は…』1巻
 発売日:2017年12月17日(キンドル版)/12月27日(プリントオンデマンド版)
 制作時期:2014年3月~2017年9月ごろ
その日 世界は… 1巻
ジャンル:長編漫画
配信価格:250円(キンドル版)/1250円(プリントオンデマンド版)
配信場所:キンドルプリントオンデマンド

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 「声優」vs.「介護」―――

 東京で売れない声優を続けていた紡木夏央(25歳、女性)は、ある日、父親が倒れたことを聞いて生まれた町に帰ってくる。変わってしまった町、自分の夢、家族のありかた……様々なものと直面して、夏央は何を考えるのか。人生を描くエンターテイメント、開幕―――

<告知記事>
 【大事なお知らせ】キンドル(電子書籍)で発売する新刊漫画について
 本日(12月17日)『その日 世界は…』1巻のキンドル版が発売です!&手描きPOPを掲載してくれる人を募集中!
 【大事なお知らせ】新刊漫画のプリントオンデマンド版(紙の本)について
 本日(12月23日)『その日 世界は…』1巻のプリントオンデマンド版が発売です!

<関連記事>
 超初心者のためのAmazonでキンドル本やプリントオンデマンド本を購入する方法講座




↓ここから『オレは貧乳が好きなんだ! 』↓


◇ 『オレは貧乳が好きなんだ!』
 発売日:2016年9月4日
 制作時期:2016年5月~9月ごろ
オレは貧乳が好きなんだ!
ジャンル:活字の本+1~2ページ漫画+イラスト(電子書籍)
配信価格:250円
配信場所:キンドル独占

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 約10年間に渡ってこのブログ『やまなしなひび』に書いてきた「おっぱい」に関する記事をフルリメイクしてまとめた本です。縦書きの活字の本+ところどころにイラストが入っていて、各章の前後には1~2ページ漫画が追加されています。「ショート漫画+活字の本+イラスト」というスタイルの完成形を目指して作りました。

<告知記事>
 Kindleで電子書籍『オレは貧乳が好きなんだ!』を発売しました!

<企画記事>
 1日1貧乳キャラ!25日間アナタのリクエストで貧乳キャラを描きます!
 25日間アナタのリクエストで描いた貧乳キャラ(1日目~5日目)
 25日間アナタのリクエストで描いた貧乳キャラ(6日目~10日目)
 25日間アナタのリクエストで描いた貧乳キャラ(11日目~15日目)
 25日間アナタのリクエストで描いた貧乳キャラ(16日目~20日目)
 25日間アナタのリクエストで描いた貧乳キャラ(21日目~25日目+1)



↓ここから『マンガは描ける!絵が描けない人でも 』↓


◇ 『マンガは描ける!絵が描けない人でも』
 発売日:2015年7月24日
 制作時期:2015年5月~7月ごろ
 マンガは描ける!絵が描けない人でも
ジャンル:活字の本+1~2ページ漫画+イラスト(電子書籍)
配信価格:250円
配信場所:キンドル独占

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 「絵が描けない人」に向けた、世界一簡単な「“絵のようなもの”の描き方」を教える本です。基本的には「活字の本」ですが、文章の途中に分かりやすいように解説のための「イラスト」などが入っていて、章の最初と最後には幕間劇のような「1~2ページ漫画」が入っています。

<告知記事>
 Kindleで電子書籍『マンガは描ける!絵が描けない人でも』を発売!




↓ここから『春夏秋冬オクテット-やまなしレイ漫画短編集- 』↓


○『春夏秋冬オクテット-やまなしレイ漫画短編集-』
【パブー版】
 発売日:2013年7月20日
 制作時期:2012年7月~2013年7月ごろ
 やまなしレイ漫画短編集『春夏秋冬オクテット』販売開始!
ジャンル:漫画短編集(電子書籍)
配信価格:300円
配信場所:パブー

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 WEBで既に無料公開している「春夏秋冬」を題材にした4つの読みきり作品に、それら4作品の“外伝”作品を4つ加え、8本の読みきり漫画を収録した短編集です。

<収録作品>
春:『shine』(60ページ)
春:『shine』外伝『shining』(16ページ)
夏:『エロ本を買いにいこう!』(32ページ)
夏:『エロ本を買いにいこう!』外伝『アタシハ許サレマスカ』(15ページ)
秋:『コマンド?→A/B/C』(56ページ)
秋:『コマンド?→A/B/C』外伝『コンティニュー?→Yes/No』(21ページ)
冬:『絵のない世界』(42ページ)
冬:『絵のない世界』外伝『たのしみのない家族』(30ページ)

 太字の作品は無料では公開していない描きおろし作品です。

<告知記事>
 漫画短編集『春夏秋冬オクテット』を電子書籍で発売しました!
 『春夏秋冬オクテット』のTwitterアイコンを作りました!使ってください!-1
 『春夏秋冬オクテット』のTwitterアイコンを作りました!使ってください!-2


【キンドル版】
 発売日:2014年5月9日
 制作時期:2014年3月~5月ごろ
 春夏秋冬オクテット(春夏): やまなしレイ漫画短編集
 春夏秋冬オクテット(秋): やまなしレイ漫画短編集
 春夏秋冬オクテット(冬): やまなしレイ漫画短編集
ジャンル:漫画短編集(電子書籍)
配信価格:各200円
配信場所:キンドル(『春夏』『秋』『冬』

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 (当時は)キンドルで出せる電子書籍の容量の上限が厳しかったため、パブーでは1冊で発売していた『春夏秋冬オクテット』を3冊に分割して発売しました。『春夏』には4作品、『秋』には2作品、『冬』には2作品が収録されていますが、『秋』と『冬』は収録作品が少ないため「オマケ」として設定画や宣伝用に描いたイラストなどを収録しています。

<『春夏』収録作品>
春:『shine』(60ページ)
春:『shine』外伝『shining』(16ページ)
夏:『エロ本を買いにいこう!』(32ページ)
夏:『エロ本を買いにいこう!』外伝『アタシハ許サレマスカ』(15ページ)

<『秋』収録作品>
秋:『コマンド?→A/B/C』(56ページ)
秋:『コマンド?→A/B/C』外伝『コンティニュー?→Yes/No』(21ページ)
おまけページ(11ページ)
『shine』『shining』『エロ本を買いにいこう!』『コマンド?→A/B/C』の設定画
・パブー版『春夏秋冬オクテット』の表紙・裏表紙・目次用イラスト&没イラスト
・ブログやmixiに載せた宣伝用POPイラスト

<『冬』収録作品>
冬:『絵のない世界』(42ページ)
冬:『絵のない世界』外伝『たのしみのない家族』(30ページ)
おまけページ(9ページ)
・『春夏秋冬オクテット』全作品のTwitter用アイコン
・ホームページ用『エロ本を買いにいこう!』カラーイラスト
・WCR投票用『コマンド?→A/B/C』カラーイラスト
『絵のない世界』『楽しみのない家族』設定画
・WEB拍手お礼用カラーコラボイラスト4種

 太字の部分が無料では公開していない描きおろし部分です。

<告知記事>
 キンドル版『春夏秋冬オクテット』販売開始しました!!





【無料作品】

↓ここから『モテ学』↓


○ 『モテ学』
 公開日:2018年10月24日
 制作時期:2013年秋~2014年冬ごろ

モテ学 やまなしレイ無料漫画短編集その6
ジャンル:漫画
ページ数:45
配信場所:キンドル無料漫画本

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 女性よ、そしてモテる男性よ、刮目せよ!
 これが「本 当 に モ テ ナ イ 男」の物語だ――――

 モテナイ男が主人公の物語という設定なのに、実は彼に想いを馳せている幼馴染がいるだとか。作中では確かにモテていないけど、なんだかんだ格好イイところを見せているから読者からはモテているとか。そういう「偽物のモテナイ話」には飽き飽きだぜ!というアンチテーゼをこめて描いた作品です。




↓ここから『おっぱい泥棒vs.うんこマン』↓


○ 『おっぱい泥棒vs.うんこマン』
 公開日:2015年10月25日
 制作時期:2015年8月~2015年10月ごろ
おっぱい泥棒vs.うんこマン やまなしレイ無料漫画短編集その7
ジャンル:漫画
ページ数:7
配信場所:キンドル無料漫画本Pixivパブー

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 『マンガは描ける!』の発売記念企画として、1本の漫画が企画から完成までにどんな工程を経ているのかを毎週お届けする連載記事を書きました。この作品はその企画で描かれた作品です。
 全7ページという短い漫画ですが、その内の3ページを↑でもう既に見せているんだけど大丈夫?内容は「おっぱいを盗むおっぱい泥棒」を主人公にしたSFアクションバトル漫画です。

<企画記事:マンガが出来上がるまでの過程を記した連載記事>
1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!
13.WEBにアップロードする




↓ここから『絵のない世界』↓

○ 『絵のない世界』
 公開日:2013年6月22日
 制作時期:2012年3月~2012年6月ごろ

enonai1.jpg enonai2.jpg enonai3.jpg
ジャンル:漫画
ページ数:42
配信場所:PixivTINAMI
『春夏秋冬オクテット』にも収録されています

 「絵を描くことが禁じられたディストピア社会」に流れ着いたイラストレーターの苦悩を描いたSF漫画です。やまなしが初めて描いたSF漫画ですね。

<告知記事>
 WEB漫画『絵のない世界』―――予告
 WEB漫画『絵のない世界』をアップしました

<予告画像>
 絵のない宣伝用450



↓ここから『モテナイ4コマ』↓

○ 『モテナイ4コマ』
 公開時期:2010年2月~9月、2012年10月~11月
 制作時期:同上

モテナイ4コマ やまなしレイ無料漫画短編集その4
ジャンル:4コマ漫画+1ページ漫画
本数:4コマ漫画16本+1ページ漫画2本
配信場所:キンドル無料本、ブログ(『4コマ』のみ、下にリンク貼ってあります)、Pixiv(『4コマ』一挙『6コマ』12)、パブー

『モテない4コマ』-1「誓イ」 『モテない4コマ』-3「知ラナイ」 『モテない4コマ』-8「淡イ」 motenai16.jpg

 2010年にPixivのアカウントを取得したので、何か緩いことを出来ないかなぁと考えて気晴らしに描いた4コマ漫画16本が『モテない4コマ』で。2012年にペンタブを買ったことでデジタル作画の練習用に描いた1ページ漫画2本が『モテない6コマ』です。パブーでは両作品を1まとめで公開しています。
 『モテナイ4コマ』と表記されている時があるかも知れませんが、私にもよく分かりません。

 内容はモテナイ男子高校生2人がモテナイ日常を過ごす4コマ漫画です。日常4コマとも言えるのかも知れませんね!

<告知記事>
 『モテない4コマ』1~4本目+中書き
 『モテない4コマ』5~8本目+中書き
 『モテない4コマ』9~12本目+中書き
 『モテない4コマ』13~16本目+後書き
 WEB漫画『モテない4コマ』キャラクター紹介ページを公開しました
 『モテない4コマ』をパブーにて無料公開しました!



↓ここから『コマンド?→A/B/C』↓

○ 『コマンド?→A/B/C』
 公開日:2012年11月3日
 制作時期:2011年9月~2012年3月ごろ

command1.jpg command2.jpg command3.jpg
ジャンル:漫画
ページ数:56
配信場所:PixivTINAMIマンガごっちゃ
『春夏秋冬オクテット』にも収録されています

 「未来を見ることが出来る少年」が、「最強最悪の連続殺人犯」と対決して事件を食い止めようとするバトル漫画です。学園+超能力+バトルとは、少年漫画の王道ですよね!

<告知記事>
 WEB漫画『コマンド?→A/B/C』――――予告
 WEB漫画『コマンド?→A/B/C』をアップしました

<予告画像>
 予告イラスト




↓ここから『エロ本を買いにいこう!』↓

○ 『エロ本を買いにいこう!』
 公開日:2012年4月22日
 制作時期:2011年4月~2011年7月ごろ

erohon1.jpg erohon2.jpg erohon3.jpg
ジャンル:漫画
ページ数:32
配信場所:Pixiv、TINAMI(前編後編)、ニコニコ静画マンガごっちゃ
『春夏秋冬オクテット』にも収録されています

 「大人にはまだ届かない」、でも「もう子どもでもない」16歳の女子高生が、男子小学生2人に頼まれてエロ本を買いに行く青春漫画です。タイトルで惹かれた人にも、タイトルでドン引きした人にも、ぜひ読んでもらいたい1作です!

<告知記事>
 WEB漫画『エロ本を買いにいこう!』――――予告
 WEB漫画『エロ本を買いにいこう!』をアップしました

<予告画像>
 エロ本宣伝用




↓ここから『shine』↓

○ 『shine』
 公開日:2011年10月25日
 制作時期:2010年7月~2011年3月ごろ

shine1.jpg shine2_20160715180718347.jpg shine3.jpg
ジャンル:漫画
ページ数:60
配信場所:Pixivマンガごっちゃ
『春夏秋冬オクテット』にも収録されています

 「過去を後悔したまま年を重ねた老人」と「未来に絶望するしかなかった少女」が出会って始まる、ファンタジー世界を舞台にしたロードムービーバトル漫画です。今振り返ってみると、「描きたいもの全部載せ」すぎる(笑)。

<告知記事>
 WEB漫画『shine』――――予告
 WEB漫画『shine』をアップしました

<予告画像>
 予告イラスト







↓ここから『200vs1×1』↓

○ 『200vs1×1』
 公開日:2011年4月9日
 制作時期:2010年1月~2010年6月ごろ

200vs1×1 やまなしレイ無料漫画短編集その5
ジャンル:漫画
ページ数:40
配信場所:キンドル無料漫画本Pixiv

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 やまなしが初めて描いた本格的なバトル漫画です。バトル漫画を描けるようになりたいからバトルシーンを多めにしよう”というところから逆算してストーリーが作られました。
 内容は「総勢200人の魔物に占拠された塔に、2人の若者が挑む」というバトル漫画になっております。

<告知記事>
 WEB漫画『200vs1×1』をアップしました
 WEB漫画『200vs1×1』あとがき
 WEB漫画『200vs1×1』キャラクター紹介ページを公開しました






↓ここから『生きとし生けるもの』↓

○ 『生きとし生けるもの』
 公開日:2010年8月11日
 制作時期:2009年7月~2009年12月ごろ

ikiike-04.jpg ikiike-12.jpg ikiike-25.jpg
ジャンル:漫画
ページ数:38
配信場所:Pixiv

 「表現の幅を広げたい」ということで挑んだ「自身初ファンタジー作品」です。
 回復魔法を使える少女アムエラが、人間と争う魔物の怪我を治していくというストーリーです。描きたいことに技量と尺が足りていなかったと悔やむ気持ちも強いので、いつかリベンジしたい作品。

<告知記事>
 WEB漫画『生きとし生けるもの』をアップしました
 WEB漫画『生きとし生けるもの』あとがき
 WEB漫画『生きとし生けるもの』キャラクター紹介ページを公開しました




↓ここから『朝が来る』↓

○ 『朝が来る』
 公開日:2009年12月25日
 制作時期:2009年3月~2009年6月ごろ
朝が来る やまなしレイ無料漫画短編集その3
ジャンル:漫画
ページ数:24
配信場所:キンドル無料漫画本Pixiv

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 無敵だった6年3組の生活班―――4年ぶりに再会したのは、アイツに会いに行くためだった……という青春漫画です。漫画を描くのをやめるかやめないか悩んだギリギリの時期に、自分に一つの方向性を指し示してくれた作品です。

<告知記事>
 WEB漫画『朝が来る』をアップしました
 WEB漫画『朝が来る』あとがき
 WEB漫画『朝が来る』キャラクター紹介ページを公開しました





↓ここから『学園は今日もサッカー日和』↓

○ 『学園は今日もサッカー日和』
 公開日:2009年7月20日、再公開日:2016年12月17日
 制作時期:2008年5月~2009年2月ごろ

学園は今日もサッカー日和 やまなしレイ無料漫画短編集2
ジャンル:漫画
ページ数:48
配信場所:キンドル無料漫画本パブー

biyori-12.jpg biyori-14.jpg biyori-24.jpg

 「生徒会vs.反生徒会」の争いは、学園中を巻き込んだサッカー対決に!という学園モノです。この作品自体は思ったような結果にはなりませんでしたが、この作品と世界観を共通する西鷹クロニクルがここから始まるので、自分の創作活動の中では“転機”になってくれた一作です。

<告知記事>
 WEB漫画『学園は今日もサッカー日和』をアップしました
 公開停止していた『学園は今日もサッカー日和』を表紙描き下ろしで公開再開しました!




↓ここから『Re:Survival』↓

○ 『Re:Survival』
 公開日:2007年11月11日
 制作時期:2006年7月~2007年3月ごろ
Re:Survival やまなしレイ無料漫画短編集その1
ジャンル:漫画
ページ数:38
配信場所:キンドル無料漫画本

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 自殺したはずの少女達が集められたのは一棟のマンションだった。ここでのサバイバルに負けたものは強制的に生き返らせられる「生き返らせ合い」の戦いが幕を開ける――――というバトル漫画です。
 漫画を描き始めた初期の頃の作品なので、「バトルが描けないのにバトルっぽいもので誤魔化そうとしている」など、絵も話も作者自身としては直視しがたいものがあるのですが……「サルベージして欲しい」というリクエストが多かったため、キンドル無料漫画本にてサルベージしました。

<告知記事>
 WEB漫画『Re:Survival』をアップしました
 WEB漫画『Re:Survival』あとがき
 『Re:Survival』キャラクター紹介+小ネタ集のページを公開しました

| 漫画作成 | 20:00 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

「週末に決まった時間にだけプレイ」でゲームはクリア出来るのか?

 先週はちょっと体調不良で休ませてもらいましたが、私は毎週の土曜日か日曜日にニコニコ生放送でゲーム実況プレイをしています。いくつものゲームを遊ぶんじゃなくて、「今度挑戦するゲームはこれ!」と決めてそれを毎週ちょっとずつ進めるということを続けてきました。
 『ゼルダの伝説』、『スペランカー』と2連続でみごとにクリア(1周目だけだけど)したのですが……3作目となる『千年家族』はギブアップすることとなりました。私がゲームが下手だから……という次元じゃなくて、このゲーム「週に1回のプレイ」じゃ絶対にクリアできないゲームだったのです。


 さてさてさて。
 ちょっと話が変わります。どうして私が今年になって「ゲームの実況プレイを始めようと思ったのか」にはいくつも理由があるのですが、その一つに、今となっては2016年を振り返る懐かしクイズみたいな話なのですが母親にニンテンドー3DSをバキバキにへし折られた子どもの話がありました。

 母親のキャラクターとか教育論とかは、私は興味がないんで置いておきます。私があの時に気になったのは、「子どもには“ゲームを遊んでイイ時間”を設定していた」「なのに、“その時間”以外にゲームを遊んでいたので約束を破ったことに怒った」という話でした。
 詳しい時刻は忘れてしまいましたが、土曜日に2時間、日曜日に2時間、設定されたその時間の中ならゲームをしてイイという約束で。それまでに宿題を終えていなかったらゲームは遊んではいけないみたいなルールもあったとは思いますが、週に最大4時間ゲームが出来るというのは厳格な親にしては割と寛容な約束だとも思ったんですね。



 ただ、


 如何にも「ゲームを遊んだことがない人」が考えるルールだなぁ……とも思ったのです。

 他の娯楽で考えると、このルールはかなり良いルールだと思います。

・例えば「映画」なら、土曜日に2時間、日曜日に2時間で2本は観られます。
・「テレビ番組」を録画したものならば、1時間番組を4本は観られます。
・「テレビアニメ」ならば30分番組が多いでしょうから最大8本も観られます。
以前にアンケートを取ったことがありますが、放送中のアニメを8本観ている人はアニメ好きの中でもかなりの猛者だと思われます。
・「漫画」も週末に4時間も読めれば結構な巻数が読めてしまいますね。


 「ゲームを遊んだことがない親」が「ゲームを遊びたい子ども」にルールを課そうとすれば、他の娯楽と照らし合わせて「土曜日に2時間、日曜日に2時間」というルールにしてしまいがちかなぁと思うんですね。
 でも、私が「ゲームを遊びたい子ども」だったら「毎日30分ずつゲームを遊んでイイ時間がある」方がうれしいです。30分×7日間=3時間30分ですから、合計では土曜日に2時間+日曜日に2時間=4時間より少ないですけど、私は毎日ゲームが遊べる方を選びます。じゃないと、『千年家族』みたいなゲームはクリア出来ませんからね!



 『千年家族』のことはひとまず置いといて……
 これは別に子どもに限った話じゃなくて、社会人ゲーマーには「週末の休みにしかゲームを遊ぶ時間がない人」なんてたくさんたくさんたくさんいると思うんですね。特に据置機のゲームは平日には起動すらできないという人も多いでしょう。それは、「どんなにゲームが大好きか」という気持ちだけでは埋められるものじゃありません。毎日何時まで仕事をしているのか、通勤にどれだけ時間がかかるのか、家族と過ごす時間はあるのか、家事はどれくらい時間がかかるのか……それぞれ事情は違いますからね。

 しかし、その割には「週末のプレイだけでゲームをどれだけ楽しめるのか」という話はあまり語られないなあとも思うのです。
 たまに語られるのを見ても、「週末にしかゲームを遊ぶ時間がないから半年前に買った『○○』がまだ終わらない」「なのにもう『××』が発売されてしまった」「とりあえず買って積んでおこう」「積みゲーが多すぎてもはや崩す気にもならない」みたいな話ばかり(笑)。



 なので、私は「週末に1時間~1時間半だけ」という縛りプレイでどこまでゲームを進められるのか―――を証明するためにゲーム実況を始めようとしたんですね。当初はまだ遅延の問題を知らなかったし、ネタバレ問題についても深く考えていなかったので、特にバーチャルコンソールしばりにするつもりもありませんでした。


 そんなこんなで、『千年家族』はギブアップしたワケです。
 今思うと『スペランカー』も割と苦しいプレイでしたよね。「週1のプレイ」じゃなければもっと早くクリア出来ていたんじゃないかとも思います。

 ということで……
 今日の記事では「週末だけのプレイ」でゲームをすることの何が苦しいのかを、語っていこうかなと思います。



1.実時間と連動するゲームは苦しい
 『千年家族』を私がギブアップしたのはコレが理由です。
 このゲームはとある一家が断絶することなく千年続くように導いていくゲームなのですが、「ゲームをセーブして中断した時間」と「ゲームを再開した時間」を現実の時計で測っていて、「ゲームを休んでいた時間」の分だけ「ゲーム内時間が進行する」というゲームでした。


 日曜日に初めてこのゲームを起動して、次の土曜日に2回目の起動をした時の動画がこちらになります。6日ぶりのプレイということですね。





 176年が経過していて、一族が滅亡していました。
 今にしてこの動画を振り返ると、次女の「るい」は結婚してよその家に嫁に出ちゃっていて、世帯主候補(「めい」か「レブン」のどちらか)が結婚するまで「レイ」が生き残れば次の世代に引き継がれたのだけど―――子どもである「めい」も「レブン」も死んじゃって、世帯主である「レイ」も死んじゃったので、もう次の世代に引き継がれる可能性がなくなったのでゲームオーバーになったってことみたいですね。

 この後、私は『千年家族』は「週1での実況プレイ」でクリアすることは不可能だと思い、実況とは関係のないところで毎日1時間プレイしていました。24時間ぶりに起動すると27~28年が経過していて、このくらいなら一族は途絶えないみたいなのですが。
 毎日1時間プレイするのが体力的にしんどくて、体調も崩してしまったので、最近は「30時間ぶりに起動」→ 「一族が途絶えていないか恐る恐る確認する」→「36時間ぶりに起動」→ 「一族が途絶えていないか恐る恐る確認する」→「40時間ぶりに起動」→ 「一族が途絶えていないか恐る恐る確認する」……と、徐々にゲームを起動する頻度を減らして、ゲームオーバーにならないギリギリの時間を見計らうプレイをしています。ある意味で、今までに味わったことのない新しいゲーム体験です(笑)


 『千年家族』の例は極端だとしても、最近では「実時間と連動したイベント」のあるゲームも珍しくなくなりましたよね。

 『どうぶつの森』だったら「特定の日にしか現れないキャラ」「特定の時間にしか釣れない魚、獲れない虫」などがいます。仮に土曜日・日曜日の15時~17時までとゲームを遊べる時間が決まっていたのなら、とたけけにも会えませんし、カブを買うことも出来ません。
 私はプレイしたことがないのですが、確か『ポケモン』にも実時間と連動したイベントがあったはずですし、『ラブプラス』みたいにしばらく起動していないとペナルティを受けるゲームもあります。『脳トレ』ですら、毎日起動しないと教授から怒られます。ソーシャルゲーム含めたオンラインゲームには「期間限定のイベント」があって、その期間でしか入手できないアイテムみたいなものもあるのでその期間にゲームを遊べなければ不利になってしまいますし。


 いつからか、私達はゲームから「ゲームを遊ぶ時間」を指定されるようになったのです。

 3DSをバキバキにへし折られた子どもが遊んでいたゲームに、そういう要素があったのかは分かりませんが……
 「映画のDVD」とか「録画したテレビ番組」は、「今週に観なくても来週まで待てばイイじゃん」ということも出来ますが。こうした実時間と連動した要素のあるゲームはそうはいかないんです。一家が断絶していたり、カブが全部枯れていたり、カノジョが口を聞いてくれなかったりするんです。

 「土曜日に2時間、日曜日に2時間、設定されたその時間の中ならゲームをしてイイという約束」よりも、「毎日30分ゲームが出来る」方がうれしいというのはそういう理由です。



2.自分に経験値が溜まるタイプのゲームは苦しい
 コンピューターゲームの魅力とは―――をたった一言で説明するのなら、私は「成長していく楽しさ」を味わえる娯楽だと説明します。

 例えば『ドラゴンクエスト』のように「キャラクターに経験値が溜まってレベルが上がっていく」数値上の成長をするゲームは分かりやすいですよね。時間をかけた分だけ成長が蓄積されるという意味では、例えば『どうぶつの森』でお金を貯めるのだってこれに当てはまると思います。最初は倒せなかった敵、買えなかった家具が、成長することで倒せるように、買えるようになることにカタルシスがあるのです。

 ストーリーのあるゲームは、更にそれに拍車をかけます。
 「ただの子どもが冒険の末に世界を救う」といったように、キャラクターの数値上のレベルだけでなく、ストーリー面でもキャラクターが成長して「大きなことを成し遂げる」ものが多いです。ストーリーを読むだけに思えるテキストアドベンチャーゲームも、「ひよっこ弁護士が誰も解決できなかった事件の真相を突き止める」とか「うだつのあがらなかった若者が大規模をテロを防ぐ」みたいに、成長していく話が王道ですもんね。

 そして、忘れちゃいけないのは「プレイヤー自身の成長」です。
 『マリオ』のようなアクションゲームは「指に経験値が溜まる」なんて言われますが、最初はマトモに動かせなかったキャラを自在に動かせていけるようになることが楽しいジャンルです。また、それはアクション要素に限った話じゃなく、RPGで「どう戦うか」や、シミュレーションゲームで「どう予算を割り振るか」みたいなものも、プレイヤー自身が学習して成長していくことで上手くなっていくものです。
 「レベルを上げれば誰でもクリア出来る」と思われている『ドラクエ』のようなコマンドRPGも、状況状況での判断という「プレイヤー自身の経験値」が重要なゲームですもんね。



 さて。そろそろ本題に戻ります。
 この項で問題にするのは、最後に挙げた「プレイヤー自身の成長」についてです。これらのゲームは「反復して学習すること」が重要なため、「週に1回のプレイ」だと「先週分の上達をすっかり失っている」ことが結構あるのです。それこそ楽器の練習は毎日欠かさずやらないと一気に腕が落ちてしまうみたいな話で、ゲームも一週間もプレイしていないと一気に腕が落ちてしまうのです。




 『スペランカー』の実況プレイは「週に1時間」のプレイだったのですが、独特のアクション感覚を毎週指が忘れているので、1時間の内の40分くらいは毎回「先週分の上達を取り戻す」リハビリタイムになっていました。
 いや、まぁ『スペランカー』は正直操作が複雑なゲームじゃないですし、2Dアクションは私の得意ジャンルなので何とかクリアできましたが……全く遊んだことのないジャンルやシリーズのゲームだったら、週末の1時間プレイだけで上達はしないだろうなーと思うんですね。

 『Splatoon』が国内でもミリオン売って最近はもうあまり言われなくなったかもですが、最近までよく言われていた「人気シリーズしか売れない」「斬新で挑戦的なゲームは売れない」みたいな話って、週末にしかゲームを遊べない人にとっては「上達するまでゲームを遊ぶ」連続的な時間が取れないってのが大きいんじゃないかなーと思うのです。
 新しいことを覚えるには「週末に1時間だけ」じゃ全然足りませんからね。


 私だって、今まで全くやってこなかった趣味――――例えば『囲碁』を「絶対に面白いからやってみようよ!初心者でもどんどん上手くなって楽しいよ!」と勧められても、「週末の1時間だけ」で上手くなるとも思えないし、上手くなる見込みのない趣味に時間を費やすのなら現時点でそこそこ得意な趣味に時間を使うよーって思っちゃいますもんね。




3.そもそもゲームは「時間」で区切れない
 3DSをバキバキにへし折られた子どもは、前述したとおりに「土曜日に2時間、日曜日に2時間、決められた時間の中でだったらゲームをして良い」というルールだったのですが、ルールを破って前日の金曜日の夜にゲームをしてしまった―――という話でした。
 では、1日待てないくらいに遊びたかったゲームは何なのかというと、確証はないのですが、当時出ていた画像から見るに『ポケモン超不思議のダンジョン』だったと思われます。

 ゲームを全く遊ばない人にはさっぱり分からないでしょうが、ある程度のゲーム好きなら「そうか……」と思われることでしょう。『不思議のダンジョン』シリーズは、スーパーファミコンの『トルネコ』『シレン』の頃からずっと「大人ですら止め時を失って徹夜で遊んでしまうゲーム」と言われていました。

 階の途中で「ハイ、時間が来たから今週のゲームはおしまいね。続きは来週の土曜日にしなさい」と言われても、「いやいやいや!今すんごい大変なところなんだよ!気を抜いた瞬間に全部失っちゃうくらい大事なところなんだよ!」という可能性も十分にあるゲームなんですね。
 ゲームを中断していた月曜日・火曜日・水曜日・木曜日・金曜日とずっとそのことが気になっていて、ついつい「ルールを破って前日の金曜日の夜にゲームをしてしまった」―――というのなら、私は一ゲーマーとしてものすごく子どもに同情します。



 いや、「どこでもセーブできるゲーム」とか「いつでもスリープできるゲーム機」はまだマシな方で……次のセーブポイントまであとどれくらいかが分からず、指定された時間内にセーブポイントまでたどり着けずに泣く泣く電源を切ったことが私の子どもの頃にはありました。
 酷いゲームだと「後半まったくセーブポイントがない」ゲームとかあって、それを知らずにプレイしていた私は仕方なくPS2の電源を入れたまま学校に行ったことがあったっけ……


 ゲームはこっちの都合なんざ考えてくれないんですよ!

 「あと10分で学校に行かないといけないんだけど……」と言ってもセーブポイントを用意してくれたりはしないんです。親が「ゲームを遊んでイイのは3時から5時まで」と区切っても、ちょうどそのタイミングでセーブできるとは限りません。

(関連記事:そのゲームの「一区切り」は何分ですか?


 仮にセーブできたとしても区切りの悪いところだと、1週間ずーっと気になってしまったりしますしね。3Dになって広大かつ複雑になった『ゼルダの伝説』のダンジョンを、途中で「ハイ、時間が来たから今週のゲームはおしまいね。続きは来週の土曜日にしなさい」と言われても、1週間経ったら「俺は今何をしていたんだっけ……」と何も覚えていないことでしょう。

 私の好きなアクションパズルゲームは、解き方が分からなかったら何時間あっても全く進めないゲームです。その進めない間、ゲームをしていない時間も「あれをこーしたら、いや、あそこから逆算したら、いやいや、このアイテムをどうにか使えば」とお風呂に入ったり布団に入ったりしながら考えて、ある瞬間に「ひらめいた!」と気付いて進めるようになるのです。

 「土曜日に2時間、日曜日に2時間」という遊び方で面白いゲームじゃないですよね。

(関連記事:「ゲームを進められない時間」が「俺って天才!」感を生む


【よく分かる三行まとめ】
・決められた時間だけでのプレイでは、見られないイベントがあったりする
・週末だけプレイでは、なかなかプレイヤーの腕が上達しない
・「○時間だけ遊んでいい」と言われても、ゲームの方が区切りが悪かったりする


 こう見ると「週末にしかゲームを遊べない社会人ゲーマー」の苦悩の上に、「土曜日に2時間、日曜日に2時間、設定されたその時間の中ならゲームをしてイイという約束」をした子どもは更に「プレイできる時間が決まっている」のが重くのしかかって三重苦のようになってしまっています。
 理想を言うと、週に4時間ゲームを遊んでイイという約束をしたなら「その4時間は子どもが自由に配分できる」→ 「4時間を超えたら親がゲーム機をその週は預かる」だと思うんですが。ゲームに理解のない親の場合、3DSに「その週のプレイ時間を見ることが出来る機能が付いている」とかも知らないでしょうしねぇ……結局のところ、親が詳しくないというのが最後にはネックになるという。





 そう言えば……10年前に任天堂がWiiを作った時、当時の社長だった岩田さんは「親御さんから嫌われないゲーム機」にするために「親が設定した時間を超えると強制的に電源が切れてしまうゲーム機」を提案したって話がありました(「社長が訊く」参照)。

<以下、引用>
岩田「これは、そもそもの話を私からしないといけませんね。
 これまでも散々言ってきましたけど、私はWiiを開発するにあたって、「家庭内でゲームが敵視されないようにするためにはどうしたらいいか」ということを延々と考えてきたんです。
 そこで思いついた仮説、というか暴論に近いんですが(笑)、親がゲームを「1日1時間」と決めたら、ゲームを始めて1時間後に、ほんとうに電源が切れてしまうという仕様はどうだろうかと思ったんです。
 まあ、ゲーム会社の社長にあるまじき考えですね(笑)。」

一同 「(笑)」

岩田「もちろん、データは完全にセーブされたうえでのことです。
 それにしたって乱暴な仕様なんですが、なにしろ私は‥‥本気でしたので(笑)。
 いや、ひどい話だとわかってはいたんです。でも、それぐらい考えを極端に振り切って議論をしないと新しいことはできないと思ったんです。少なくとも、そういう意識を持って話し合うことは価値がある、と。

 そうするとやはり、議論は白熱しまして(笑)。
 やっぱりそれは許せないという意見であるとか、それくらい極端にしないとお母さんの敵視はなくならないとか。」

青山「いや、もう、たいへんでしたよ。
 議論はともかく、技術的な裏づけはとらなきゃいけませんから。」

岩田「そうですね、なにしろ社長命令ですから(笑)。
 1時間経つと全データがセーブされる仕様は可能なのか、つぎの日にスタートするときはどうなるのか、というところをいちおう、きちんと追求していって。
 まあ、けっきょく、それがいかに難しいかということをこんこんと説明されましたし、その目的を果たすためには強制的に電源を切るよりもっといい方法があるということで、その仕様はなくなったんですけど。」

</ここまで>
※ 改行・強調などは引用者が行いました


 この視点……色々考えさせられますね。
 ゲームに理解のない親からすると、「子どもが約束した時間以上にゲームを遊ぼうとする」ことが何よりゲームを嫌悪する理由になるという。それをコントロールする機能を付けられないかと10年前から議論されていたんですね。



 ちょっと話が変わるんですけど……
 私、ソーシャルゲームなどで「スタミナ制のゲーム」が出てきた時に「悪くないな」と思ったんですよ。「スタミナ制のゲーム」ってゲームを遊びたくても遊べる回数が決められちゃうワケですが、逆に言えばそれ以上の回数は(課金しなければ)遊べないワケで、ゲームの止め時をゲーム側から提案してくれているという超ポジティブな考え方も出来るなって思ったのです。子どもにゲームを遊ばせるとき、これはありがたいだろうなーと。

 実際、私もWii Uの『役満 鳳凰』が「1日1プレイだけ無料」というのを使って、毎日寝る前に1回だけプレイして、勝っても負けてもコンティニューは(お金を払わないと)出来ないからそのまま寝るってのをやっていた時期がありましたもの。
 後に『Splatoon』を買って、こちらはパッケージソフトで買っているワケですから当然のように何戦でもプレイが可能で、勝っても負けても「まだだ!あと1戦だけやる!」と、いつまでも寝ずにひたすらプレイを繰り返していたのとは対照的だと思います。「スタミナ制のゲーム」でないと、プレイヤーのスタミナが切れるまで延々と止め時がないという。


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「電子書籍」を「紙の本」にして届けてくれる製本直送.comさんを使ってみました!

 じゃん!!

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 どん!!

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 製本直送.comさんを使って、自作の漫画を紙の本に製本してもらいました。
 自分は電子書籍は何冊か発売していますが、同人誌など「紙の本」を作ったことがなくて分からないことだらけだったため……いきなり300ページ近くある『春夏秋冬オクテット』じゃなくて、14ページで収まった『モテナイ4コマ』を注文して製本してもらいました(印刷の仕様上16ページ扱いになります)。

 「なんのこっちゃ……」という人もいるでしょうから、この記事ではなるべく初心者の人にもわかりやすく説明します。


○ 何のためのサービスなの?
 例えばコミケなどで頒布される同人誌は、(1枚1枚コピーして自作する人もいるけど)基本的には印刷所にお金を払って「紙の本」に製本してもらうことになります。その際、印刷所の料金は「同じ本を大量に頼む」ほど、1冊あたりの料金は下がると言われています。

 自分は利用したことがないので平均的な相場は分かりませんが……
 例えばパブーのオンデマンド印刷で「白黒16ページの本」を注文した場合、送料抜きで、

・1冊注文で「1101円」
・10冊注文で「11016円」(1冊あたり1101.6円)
・100冊注文で「24624円」(1冊あたり246.24円)
・1000冊注文で「115344円」(1冊あたり115.344円)

という計算になります。

 例えば私がコミケでこれを頒布する場合、価格をいくらに設定するかを考えると……1000冊注文して持っていったなら1冊200円でも元が取れますが、100冊注文して持っていった場合は1冊200円では赤字です。10冊注文して持っていく場合は1100円でも赤字です(実際にはこれに加えて更に送料もかかります)。
 そもそも印刷所によっては少ない部数での注文は受け付けていなかったりするみたいですしね。



 んで、製本直送.comさんの話です。
 ここの特徴は「1冊注文でも1000冊注文でも料金が変わらない」こと。

 自分は「表紙」はカラーのを付けましたが、先ほどのパブーの場合と条件を同じくするために「表紙なし」「白黒16ページ」で料金をシミュレートしてみたところ……

・1冊注文で「166 円」と出ました。

 パブーで1000冊注文するよりかは1冊あたりの料金は高いけれど、100冊注文するよりかは1冊あたりの料金は安いことが分かりますね。



 実際に私がかかったお金は、カラーの表紙を付けたので「製本金額:323 円」+「送料:154 円」+「用紙サンプルの注文:60円」=537円でした。用紙サンプルが要らなかったら477円ですね。つか、こう考えると「表紙がカラー」というのが結構な負担になるんですね。「紙の本で読みたいけど高いのはイヤ!」という人には、「表紙なし」という選択肢もありなのかしら。


 んでんでんで。ここからが重要な話です。
 ここまでの話は、「本を作った作者」が「自分の本」を製本直送.comさんに頼んで「自分の家に届けてもらう」話でしたが……

 「1冊注文でも料金が変わらない」ことを活かして、例えば「このブログを読んでいるアナタ」が「私の描いた本」を製本直送.comさんに頼んで「アナタの家に届けてもらう」ことも出来るのです。
 Amazonで漫画1冊注文すると、既に出来上がっている本をAmazonの倉庫からアナタの家に発送してくれるみたいなカンジで……こういうサービスは、漫画1冊注文すると入稿されているデータから印刷を始めて製本してアナタの家に発送してくれるのです。もちろん既に出来上がっている本を発送するよりかは届くまでに時間はかかっちゃいますけどね(私の場合は6月30日に頼んで、7月4日には届きました)。


 私はこれまでに何冊か電子書籍を発売していますが、電子書籍を発売すると「紙の本で読みたいので紙の本でも出してください」と言われることが結構あるんですね。個人で出している電子書籍と同じものを出版社さんが紙の本でも出してくれる可能性なんてほとんどないと思うので、「そんなこと俺に言われても……」と今までは思ってきましたが。

 このサービスを使えば、「個人で発売している電子書籍」であっても「紙の本」で買ってもらえて読んでもらえるのです!

(関連記事:電子書籍を「やっぱり紙の本で読みたい!」需要はどのくらいあるのか
(関連記事:電子書籍のオンデマンド印刷に向けた判型の話



○ 実際に印刷された「品質」はどーよ?
 「品質」をどうこう語る以前に、私の場合は「どういうデータで入稿すればキレイに印刷されるのか」もよく分かっていませんでした。どのくらい端っこまで印刷されるのか、スキャンした画像はトーンカーブをかけるべきか、グラデトーンもキレイに印刷されるのか、エトセトラエトセトラ。


insatsu3.png
 右はサイズ比較のために出してきた『けいおん!』の単行本です。
 A5サイズで頼んだので、4コマ漫画の単行本なんかと同じサイズですね。ページ数が少ないので「中綴じ」になりました(製本直送.comさんだと無線綴じ製本は本文20ページ以上)。

 「電子書籍」と「紙の本」のカラーのちがい

 上の記事に書いた「CMYKカラー」だと思った色にならないという話……
 コメント欄で教えてもらった「プロファイル」というものを設定したら、あの記事のような「青のつもりが紫じゃねえか!」みたいなことはなくなりました。ですが、写真だとちょっと分かりづらいですが、出来上がった表紙は入稿した画像データより若干濃い色になっているかなぁと思います。

 モニター上ではほとんど違いが分からなかった「背景の白」と「Yシャツの薄いグレー」が、印刷するとハッキリと別の色なことが分かるくらいなので。ここは新しい漫画の表紙を作るときに気配りしなきゃなーと思いました。



 自分は「表紙作成コース」を選択したため、事前に表紙画像を登録して、その後に本文をPDFで入稿というカンジでした。

hyoushi1.jpg
 表紙は「表紙」「背表紙」「裏表紙」が1枚に繋がっている画像を作るのだけど、本のサイズやページ数によって「背表紙」の厚みが変わってくるので……このページのサイズ計算ツールで事前にサイズを測っておくのが良いでしょう。


hyoushi2.jpg
 実際に画像が出来て登録する前にもこういった情報を登録するところがあります。


hyoushi3.jpg
 画像を登録してからも位置の調整などを行えます。
 このスクショは分かりやすいように、わざと「表紙の画像」を縮小していますが……実際には2本の線よりも外側まで画像がくるように大きくしなければ、端っこまで印刷してもらえません。


hyoushi4.jpg
 実際に使った画像はこんなカンジ。




insatsu3.jpg
 次に中身。
 画面いっぱいにしっかりと見開きで印刷されて本になるのを見ると感動しますね!


insatsu4.jpg
 CLIP STUDIOは「新規作成」の時に「A5」みたいな指定をすることも出来るので、「A5」の用紙に既にスキャンしてあった4コマを貼りつけていっただけです。その際、上下左右にしっかり余白を意識して。

 今回は4コマ漫画なので「タチキリ」なかったですけど、『春夏秋冬オクテット』や次回作の漫画は「タチキリ」ありで。B4サイズの原稿用紙に描いたものをA4に裁断してからスキャンしているため、印刷所に頼んだ場合どうなっちゃうかなとこの記事を書いた頃は心配していたのですが。このカンジなら大丈夫かな……


insatsu5.jpg
 データを入稿してもすぐに「注文」扱いになるワケではないので、一旦データを入稿して「トンボ付きのPDFファイル」でダウンロードして確認することも出来ます。大事な絵や台詞などがハミでていた場合も、ここで気付くことが出来ます。逆に言うと、印刷所の方でチェックはしてくれないってことなんですね。


【スキャンしたままのページ】
to-ncurbno.jpg

【スキャンしてからトーンカーブをかけたページ】
to-ncurbyes.jpg

 デジカメで写真撮って、それをブログ用に縮小した画像じゃちょっと伝わらないとは思いますが……分かりやすく言うと、上が「濃度調整などをせずに印刷した画像」でちょっと薄いというか線が頼りないカンジです、下が「濃度調整などを電子書籍用の画像同様にしてから印刷した画像」でこっちはちょっと濃い印象です。

 どっちかというと下の方が自分は好みかなぁ……
 電子書籍用の画像はトーンカーブをかけているので、印刷用の画像もそのまま使える方が手間がかからず楽ですしね。


【左が印刷してもらった紙の本・右がPDFをPerfectViewerで表示したもの】
hikaku1-1.jpg
hikaku2-1.jpg

 同じ画像を「紙の本で印刷してもらったもの」と「電子書籍として表示したもの」で比べてみました。黒塗り部分は反射しちゃったところです。私の顔が映っているワケじゃないんですが、デジカメがぼんやり映っていて気色悪かったので消しました。
 PerfectViewerの補正の力なのか、電子書籍の方が線がキレイなような……一応、スキャンする前の画像も確認してみましたが……やはり「印刷」という過程を経る分だけ、若干は線が荒れてしまうのかなぁというところ。まぁ、両者を並べてじっくり見て比較しなければ分からないようなレベルかも知れませんが。




○ 使い勝手はどう?
 1つの注文は単価数百円だっていうのに、分からないことを「お問い合わせ」のメールフォームから聞いたところ迅速&丁寧な返答が来て感動しました。大きい会社に問い合わせると、1~2週間は待たされるのがデフォでしたからねぇ……

 白黒の漫画を印刷する場合は「印刷面積率が50%以上になるかどうか」がどこにも書いていなかったのですが、入稿したもの次第ということなので「入稿した後すぐに注文するのではなくお問合せフォームで聞いて確認してください」とのことでした。



 あと、引っかかったのは決済(お金の支払い方)かなぁ。
 クレジットカードが使えるのですが、自分の使っているJCBは使用できなかったため銀行振込で入金しました。振込先の銀行は楽天銀行でした。
 私は幾つか銀行口座を持っていますが、その内の新生銀行は「月に1回だけ他行への振込が無料」なのでこれを使いました。ということは、月に1回しか私は注文できないことになります(笑)。でも、これだけお金を切り詰めて切り詰めてやっているのに、決済のところで手数料がかかっちゃうとバカみたいだなーと思っちゃうんですね。




 とりあえず、1回印刷してもらって使い勝手が分かったので……
 次は『春夏秋冬オクテット』をB6サイズあたりで作成しようかなーと考えています。サイズを縮小すると線の荒れ具合も気にならなくなるかなーと思っているのだけど、どうだろう。

 「自分用」として考えると、やっぱり自分で描いた漫画が本になるのを見るのは嬉しいです。今後もたぶん「自分用」としてはこのサービスを使っていくつもりです。みなさんが注文する「販売用」としては、まだ何とも言えないかな……B6サイズで印刷したものを確認してから考えようと思います。

| 漫画作成 | 20:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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積みゲーをなくさねばならない(切実に)

 このタイミングで数えなければ取返しのつかないことになると思ったので、現在の自分が「積んでいるゲーム」の数を数えてみることにしました。

 「積んでいるゲーム」とは、「買ったのにほぼプレイしていないゲーム、酷い場合は1回も起動していないゲーム」のことです。「いつか買おうと思っているゲーム」は当然ながらカウントしていません。「10時間以内にクリアできるゲーム」としてオススメされたゲームも、まだ買っていないものはカウントしていません。
 「現在プレイ中のゲーム」もカウントしていませんが、例えば『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』みたいに「スーファミ実機で何度もクリアしているけどバーチャルコンソールで買い直したのは1度も起動していないゲーム」や『カルチョビット』みたいに「結構やり込んだけどクリアは出来なかったので、もう1度最初からやり直したいゲーム」は別にカウントすることにしました。『』表記ではなくて、「」表記なのがそれ。

 『逆転裁判1・2・3』みたいに元々別のゲームだったものを1つのパッケージに詰め込んだものはそれぞれ別のゲームとしてカウントしていますが、『ゲームボーイギャラリー』は収録作品を1つ1つ別のゲームとしてカウントするとキリがないので1本としてカウントしました。


【Wii U】
<パッケージソフト(ダウンロード版も含む)>
・『ゼルダの伝説 風のタクトHD』
・『レイマン レジェンド』
・『バットマン アーカム・シティ』
・「レゴシティ アンダーカバー」

<ダウンロード専用ソフト>
・『トガビトノセンリツ』
・『スティックイットトゥザマン!』
・『TENGAMI』
・『イトル・デューの伝説』

<Wiiソフトのダウンロード版>
・『星のカービィWii』
・『パンドラの塔』
・『罪と罰 宇宙の後継者』
・『HOSPITAL.』
・『朧村正』

<バーチャルコンソール>
・「ダウンタウン熱血物語」
・「ダウンタウン熱血行進曲」
・「ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ 全員集合!」
・「びっくり熱血新記録!」
・「ファイナルファンタジーV」
・『リンクの冒険』
・「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」
・『星のカービィ スーパーデラックス』
・『メイドインワリオ』
・『MOTHER3』

【Wii】
<パッケージソフト>
・『ドラゴンクエストIII(スーファミ版)』

<バーチャルコンソール>
・『サイレントデバッガーズ』

【ニンテンドー3DS】
<パッケージソフト(ダウンロード版も含む)>
・『ゼルダの伝説 時のオカリナ3D』
・『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面3D』
・「逆転裁判」
・『逆転裁判2』
・『逆転裁判3』
・「ポケットサッカーリーグ カルチョビット」

<ダウンロード専用ソフト>
・『激投戦士ナゲルンダー』
・『マイティガンヴォルト』
・『THE テニス』
・『THE 熱血!炎のラーメン屋』
・『不思議の国の冒険酒場』
・『ピクロスe3』
・『メゾンド魔王』
・『マイティスイッチフォース!』
・『ハコボーイ!もうひとハコ』

<バーチャルコンソール>
・『スーパーマリオランド3 ワリオランド』
・『ワリオランド3』
・『星のカービィ2』
・『ゲームボーイギャラリー』
・『ゲームボーイギャラリー2』
・「ゼルダの伝説 夢をみる島DX」
・『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』
・『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章』
・『トレード&バトル カードヒーロー』

【ニンテンドーDS】
・『ゼルダの伝説 大地の汽笛』

【PCゲーム】
・DMMで買ったエロ同人RPG



Wii U+Wii 18本(+7本)
・パッケージソフト 3本(+1本)
・ダウンロード専用ソフト 4本
・Wiiソフトのダウンロード版 5本
・バーチャルコンソール 4本(+6本)
・Wiiソフト 1本
・Wiiのバーチャルコンソール 1本

3DS+DS 22本(+3本)
・パッケージソフト 4本(+2本)
・ダウンロード専用ソフト 9本
・バーチャルコンソール 8本(+1本)
・DSソフト 1本

PC 1本


 全部合計で41本(+10本)となりました。
 多分……数え間違えさえなければ。




 ここから書く話は、あくまで「私の話」です。
 世の中には「積みゲーの数を誇りに思っている人」や「積むことに幸福感を覚える人」がいるのは分かっています。そういう人がゲーム業界を支えているのも分かります。だから、「私の話」を一般に当てはめて、そういう人のことを批判したいのではありません。あくまで私の事情の話を書きます。

 私は、切実に「積みゲー」をなくしたいのです。
 この51本のゲームを全部プレイして、全部クリアしたいのです。
 何故なら、私はこれらのゲームを買う際に「面白そう!遊びたい!」と思って買っているからです。それなのに遊ばないままなのは、その時の自分の気持ちを見捨てることになります。
 また、これらのゲームを作った人達も遊んでもらいたいと思って作ったはずだと思うんですね。いくらお金を払ったといっても、レストランで料理を頼んで1口も食べずに帰ったら、料理人にも料理にも素材にも素材を作った農家の方々にも失礼だと思うように……ゲームもプレイしないのは失礼だと私は思ってしまうんですね。


 もちろん、「食べなければ腐ってしまう」「一度出した料理をほかの客には出せない」料理とちがって、ゲームは腐らないという考え方も出来ます。何年後とか何十年後とかにプレイすればイイじゃないかと考える人もいるでしょう。私が積んでいるゲームはオンライン要素がないものばかりでしょうしね。


 しかし、私にはこれらのゲームを遊ばなければ腐ってしまう時期が迫っているのです。
 新しいゲーム機が発売されて、それを買ったら、古いゲーム機は押し入れの中などにしまわないとなりません。そうしたら、これらの積みゲーはもうプレイ出来なくなってしまうのです。


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 携帯ゲーム機ならばそんなに大きな問題ではありませんが……
 据置ゲーム機は、常に住宅事情との相談になります。

 据置ゲーム機を悩ませるコンセント事情

 私の部屋のテレビ周りは現状でもスペースがいっぱいで、新しいゲーム機を買っても置く場所がありません。置く場所をなんとか確保したとしても今度はコンセントがありません。たこ足配線をしまくっていても、まだなおコンセントが足りていません。
 上の記事を書いたのは約2年前で、それから部屋の反対側のコンセントから延長コードを引っ張ってきて、それでWii U用のハードディスクのコンセントは確保できました。ですが、それでいっぱいいっぱいです。一つのコンセントの余裕もありません。



 例えば、PS4を買ったらPS3は押し入れ行きになりますし。
 NX(仮)が据置ゲーム機だったなら、NX(仮)を買ったらWii Uは押し入れ行きになります。


 記事の冒頭で私は「このタイミングで数えなければ取返しのつかないことになる」と書いたのはこのことです。来年の3月に発売されるであろうNX(仮)を買うと、18本(+7本)の積みゲーを押し入れの中に封印することになってしまうのです。

 NX(仮)にWii Uソフトの互換機能があれば助かるのですが、この記事のコメント欄で「NX(仮)にWii Uソフトの互換機能が付くことは絶対にありえない」と教えてもらったので、ないものとして考えるとタイムリミットは残り8か月。この8か月間で私は25本の積みゲーを全部クリアしなければならないのです。

 3DSの積みゲーは「携帯ゲーム機2台を併用すればイイだけ」なので後回しにして……ここからの8か月間はWii Uで積んでいるソフトの消化に専念しようかなーと思っています。
 いや、正直まだNX(仮)を買うかは決めていないんですけどね。Wii Uとあまり変わらないようだったらWii Uで十分ですし、まだ発表されていない「画期的なアイディア」というのもそんなに期待しないようにハードル低く考えているんですけど。Wii Uの積みゲーがある間はNX(仮)は買わないつもりなので、発表されたNX(仮)が魅力的なゲーム機だった時に後悔しないように、今のうちに出来ることはやっておこうと思ったのです。


 「25本ある」と言っても、かかる時間は千差万別で……
 ダウンロード専用のソフト4本は、多分どれもそんなに時間がかからないはず。
 バーチャルコンソールのソフトも、過去にクリアしている「くにおくん」シリーズ4本と『FFV』と『神トラ』は出来なかったとしても仕方ないと諦めるとして……

 多分、「プレイ時間」と「クリアまでに必要な労力」がデカイのはWii Uのパッケージソフト4本とWiiソフトのダウンロード版5本だと思うんですね。残り8か月間で9本のパッケージソフトと考えると、最低でも1か月に1本はクリアしなければならないペースになってしまいます。
 それなのに私、今『千年家族』を毎日プレイしないと一族が断絶されてしまうという状況で。他のWii Uソフトを起動する時間が全くとれません(笑)。やばい、やることなすことすべて裏目っている!



 ということで……
 「積みゲーが多くて困っている」みたいなことを書くと、それが「自慢」のように受け止められてしまったり、あまり切実に思われていなかったりするのか……「そんなに積みゲーあるならもっと増やしましょう!steam始めましょう!」とか、「『○○』と『××』と『△△』も買って積んでください!」みたいな謎なオススメをされるんですけど。

 そーいうのは、積みゲーが全部なくなったタイミングでお願いします!
 私にゲームを薦めたい人は、まずは私が51本の積みゲーを全部クリアすることを応援してください!おーえんだーん!

 まぁ……NX(仮)を買わなければイイって考えれば全部解決するんですけどね。
 NX(仮)がものすごく魅力的なゲーム機だったとしても、発売日までにWii Uの積みゲーを全部クリアできなかった場合は、NX(仮)を買うのを遅らせるというのも手ですしね。NX(仮)本体との同時発売ソフトが何になるのかはわかりませんが、新作『ゼルダ』はWii Uでも遊べますしね。そもそも、『ゼルダ』8本も積んでるのに新しいのも買うの?

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アニメ『クロムクロ』各話感想メモまとめ(1話~13話)

 春アニメの感想まとめは、この作品で最後です。
 春~夏のイチ推し作品がこの『クロムクロ』ですよ!全26話らしいので13話で区切りにしてまとめました―――が、話としてはすっげえ中途半端なところで1クールが終わってしまいましたね。

 何事もなければ、2クール目も引き続きまとめる予定ではあります。


<ルール>
・1話から13話までの感想ツイートを貼り付け
・“13話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に13話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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アニメ『うしおととら』各話感想メモまとめ(27話~最終話)

 1クール休んだ期間がありましたが、昨年の夏から始まった『うしおととら』のアニメも1年かけてとうとうゴールしました。感想まとめも1クール目、2クール目と続けていたので3クール目もやります。
 今後、自分としても時間が出来たら原作漫画を読んで一からこの物語を追い直すつもりなので、感想をまとめておいて良かったなと思っています。


 アニメ『うしおととら』各話感想メモまとめ(1話~13話)
 アニメ『うしおととら』各話感想メモまとめ(14話~26話)


<ルール>
・27話から最終話までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・私はまだ原作を読んでいないので、コメント欄などに原作のネタバレを書き込むのはやめてください
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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