一次ソースはここでイイのかな?
朝日新聞が任天堂の君島社長にインタビューした記事で、全文を読むのには会員登録(無料)が必要ですが、映像化の話だけでなくスマホアプリやNX(仮)についての話もされています。
「ゼルダ」映画化の可能性は? 任天堂・君島社長に聞く あれ?
『どうぶつの森』で俺が予想したこと 、早速間違っているじゃん!というのは置いといて……今日の話は任天堂IPの映像コンテンツ化の話なので、そこの部分でヒントになりそうなものをピックアップしておきましょう。
・ライセンスを与えて作ってもらうのではなく、できるだけ自分たちでやっていきたい ・その分の予算はマリナーズの所有権の大半を売却した額の一部を使う ・映像ビジネスと言えば映画が代表だが、それ以外のビジネスも色々ある ・いろんなパートナーと話しているが、ハリウッドとは限らない ・グローバルに展開できるパートナーと一緒にやっていきたい ・実写ではない、IPを持っているんだから3Dアニメということも出来る ・人気のあるIPを使いたい、『ゼルダ』が求められていることは知っている ・ゲーム機のビジネスにつなげるのが最初の狙いだが、映像ビジネス単体としても成り立つようにしたい このインタビューを受けて、同じ朝日新聞が
「任天堂、映画参入へ 「マリオ」アニメなど検討」 という記事をアップしていてこれが話題になっているのだけど……元のインタビューを読むと
「みなさん映画だと思うんでしょうが、それ以外の方法もあるんですよ」 と言っているようにも読めます。
<以下、引用>
――映像ビジネスというのは映画ですか。 「代表的なのは映画ですが、ビデオをつくっていろんな国に出すなど、いろいろビジネスはあると思うんです。いま、いろんなパートナーと話をしています。そんなに遠くない時期に、何らかの形で確定し、やっていきたいです」 </ここまで>
任天堂、マリナーズ売却資金の投資先は「映像制作」へ 任天堂の広報は「映画事業への参入」ではなく、
“「IP(知的財産権)の活用」の一端として映像制作により力を入れていく” とニュアンスの修正をしているみたいです。映画事業と聞くと「映画館で上映する大がかりなもの」をイメージしてしまいますが、そうとは限らないよということみたいですね。
さて。
任天堂が、「スマホアプリ市場への進出」や「USJにアトラクションを作る」といった「キャラクターIPの積極的活用」の一環として
「任天堂IPの映像コンテンツ化が進行中」という話は2015年3月 の時点で既に発表されていました。 この直前、2015年2月には
Netflixが『ゼルダの伝説』の実写番組を企画しているという噂 も流れました。
NetflixやAmazonプライムビデオが日本のアニメの囲い込みを行っている という話を以前に書きましたが、君島社長はインタビューで
「映画以外にも映像ビジネスにはいろんな形がある」「グローバルに展開できるパートナーと一緒にやっていきたい」 と言っているので、NetflixやAmazonプライムビデオはまさにこの条件にピッタシだと思います。Netflix版『ゼルダ』もただの噂ではなくなってきたかな……
まぁ、実現したとしても、実写ではなくGCアニメにはなると思いますけどね……
『ゼルダの伝説』を映像化するのなら「ドアノシュウリダイヲモラウゾ」のシーンは是非入れて欲しいですね!あと、ライクライクに盾食われるところと、ハートの器を探して木を1本1本燃やしていくところも!あれは本当につらかった!
(関連記事:
ゲームが下手ながら実況プレイで『ゼルダの伝説』クリアしました!【跡地】 )
さて……
任天堂IPの映像化は、これまでにも色んな作品で行われてきました。
今回のそれが今までのそれとどう違うのか……君島社長のインタビューから考えてみようと思います。そこから「どのIPを」「どうやって映像化して」「どうビジネスにしていくのか」が見えてくるかも知れませんしね。
◇ 『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』(1986年) 1986年7月20日に上映されたアニメ映画。
この年の6月に発売された『スーパーマリオブラザーズ2』のタイアップで製作された映画だそうで、ゲームの攻略法を指南した映画も同時上映されたそうな。制作はグルーパープロダクション。
ファミコンを遊んでいたマリオのところに画面の中からピーチ姫が出てきたことで、きのこの国にいるクッパを倒しにマリオが向かうというストーリーです。ところどころの設定変更はあるものの、
映画の中のアイディアが後のシリーズに使われたりしている ので黒歴史というワケでもないみたい。
声優さんはマリオ役が古谷徹さん、ピーチ姫役が山瀬まみさん、クッパ役が和田アキ子さんというよく分からない豪華さでDVD化などされていないのはこれが原因じゃないかと推測されています。
当時社会現象化していた『スーパーマリオ』のアニメ映画化で、なおかつ『スーパーマリオブラザーズ2』(とディスクシステム)の販売促進も兼ねていたということで……実を言うと、
現在の任天堂がやりたい「キャラクターIPを活用してゲーム機ビジネスに繋げる」方策はこの頃からやっていた とも言えます。
◇ 『アマダアニメシリーズ スーパーマリオ』(1989年) 全く存在を知りませんでした……
天田印刷加工株式会社という会社が発売していたOVAシリーズで、『ももたろう』『いっすんぼうし』『白雪姫』といった昔話をマリオのキャラに当てはめているストーリーらしいのですが。ネット上に書かれている感想を読む限りは、かなりぶっ飛んだ内容みたいですね。しかし、マリオの声優さんは古谷徹さんが続投。
◇ 『The Super Mario Bros. Super Show!』(1989年~1991年?) ◇ 『The Adventures of Super Mario Bros. 3』(1990年~?) ◇ 『Super Mario World』(1991年~1992年?) Super Mario Bros: Super Show 1 [DVD] [Import] Adventures of Super Mario Bros 3: Complete Series [DVD] [Import] Super Mario world vol. 6 アメリカのテレビアニメとして放送されていた『スーパーマリオ』シリーズ。
流石に観たことないのですが、アメリカのWikipediaを読む限りは『The Super Mario Bros. Super Show!』には『ゼルダの伝説』もアニメとして放送されていたみたい。そう言えばたまにTwitterに「海外が作ったリンクはおっさんみたいだ」という画像が流れてくるのだけど、この時に作られたものだったか。
ただ、『マリオ』としては原作であるゲームに登場したヨッシーがアニメでも登場するみたいに、ゲームとアニメが連動した展開にはなっていたみたい……?
◇ 『スーパーマリオワールド マリオとヨッシーの冒険ランド』(1991年) まだマリオのターンかよ!!
一体どれだけ映像化されてるんだよ、マリオ!
1991年にバンダイが出していた幼児向け知育玩具「てれびっこ」対応のVHSソフトとして発売されたOVAだそうです。普通のビデオデッキでも再生できるけど、「てれびっこ」があるとクイズに参加できたそうな。
声優さんは、『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』と同じで、マリオ役が古谷徹さん、ルイージ役が水島裕さんだそうです。ここまでずっとマリオ=古谷徹さんが演じてきたのに、どうして最近のゲームでは古谷さんが演じていないどころか日本語をしゃべらなくなったのでしょう。
◇ 『スーパーマリオの消防隊』 いつ作られたのかは不明だそうです。
何だその「詠み人知らず」みたいな話は。
防災教育用の10分アニメのOVAらしく、検索すると市のホームページの「貸出リスト」がわんさか出てきます。
子どもにも馴染のあるキャラクターを使って防災の大切さを教える作品 というカンジですかね。この辺は「ライセンスを与えて勝手に作ってもらった」みたいなものでしょう。
◇ 『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993年) スーパーマリオ 魔界帝国の女神 [DVD] ようやく有名どころが来ました!! 朝日新聞のインタビューでも名前が出た実写映画版『マリオ』。
「ライセンスを与えただけだったのが良くなかった」と反省点を述べているように、任天堂は製作に関わっておらず世界観はゲームとは別物です。現代のニューヨークが舞台で、ヒロインはデイジーとダニエラで、クッパは亀ではなく恐竜族で、ヨッシーはクッパのペット。
内容をほとんど覚えていないけれど、これを観た子どもの頃の自分は「全然別物」というのをゲラゲラ笑いながら観ていた記憶があります。
ただ、今の任天堂がやりたい「キャラクターIP」から「ゲーム機ビジネス」への誘導はそれではダメなんですよね。 もっと「映像」と「ゲーム」を近い関係にして、「映画が面白かったからゲームも遊んでみたい」と子どもに思わせなくてはなりません。
そう考えると、
そもそも実写化に向いている任天堂のコンテンツがあまりない んですよね。『マリオ』や『どうぶつの森』や『Splatoon』は頭身が違う、『カービィ』『ヨッシー』『ドンキー』『スターフォックス』は人間が演じるのは無理がある、『メトロイド』は主人公は実写でも大丈夫だけど主人公以外のほとんどのキャラが化け物なのでフルCGの方が多分話が早い(笑)。
『ゼルダ』とか、『パルテナ』も『新』ベースなら実写でも何とかなるか……
『F-ZERO』も、何とかなる……か?
『脳トレ』は川島教授を実写化すれば……誰が喜ぶんだ、それ。
◇ 『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(1996年) ファイアーエムブレム(1)~アリティアの王子~ [VHS] 1996年にVHSとレーザーディスクで発売された『ファイアーエムブレム』シリーズのOVAで、「人気次第で続くかどうか決まる」という商品展開だったのだけど、2巻までしか出なかったみたいです。ストーリーも暗黒戦争編の3話(ナバールが出てくる面)で終わっている模様。
どんな人達が作っていたのだろう?とスタッフを見たら、脚本が黒田洋介さんでビックリ。今季も『僕のヒーローアカデミア』のシリーズ構成をやっている現役の超人気脚本家さんですよ。
声優陣も豪華で、『スマブラ』や『幻影異聞録』のキャストはここを踏襲していたりします ね(変更になったキャラもいますが)。制作はスタジオファンタジア。
ちなみに『ファイアーエムブレム』シリーズは漫画化も多く展開されていて、1991年のファミリーコンピュータMagazineでの連載を皮切りに様々な雑誌で連載がされていました。OVA化もその流れだったのかも知れませんね。
1996年と言えば、『聖戦の系譜』が発売した年なので、前作『紋章の謎』を映像化して新作の発売に勢いをつけたい―――みたいなこともあったんですかね。ただ、『聖戦の系譜』の直前に『紋章の謎』を映像化しても販売促進にはならないような気もするし、かといってストーリー重視のゲームの場合は最新作を映像化しちゃうとネタバレになっちゃうし……意外に難しいんですよね、『ファイアーエムブレム』の映像化って。キャラも多いし。
◇ 『ポケットモンスター』シリーズ(1997年~) ポケットモンスター 1巻 [VHS] 1996年に第1作目が発売された『ポケットモンスター』のテレビアニメ化は、1997年から始まりました。
たまたま私、1997年に発売された本を自炊して読み返していたタイミングなのですが、この本には「ゲームとしての『ポケモン』のヒットは子ども達やゲーム好きの間では1996年の段階で知られていたけど、1997年にアニメ化されたことでゲームに興味のない大人達にも知られる社会現象になっていった」と書かれていました。
冒頭で紹介した君島社長のインタビューでも、任天堂の関係会社の実績として『ポケモン』のアニメ化があって、任天堂の他のIPでもそうしていきたいと仰っていましたね。
ゲームが好きだからアニメも観る人、ゲームを知らないけどアニメを観てゲームをしたくなる人、その両輪をガッチリつかむことで相乗効果を出していきたい――― というところですかね。
また、『ポケモン』はやっぱりゲームとアニメが密接に連動していて、それこそ『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』みたいに「原作と全然違うじゃねえか!」とはならないようにきっちりと監修されているし。それでいて、原作ゲームが「どのポケモンを育てるか」などの自由度が高いゲームなので「アニメを観たからストーリーがネタバレてしまう」みたいなマイナス効果もないし。
『ポケモン』の成功って、やっぱり『ポケモン』だからだと思うんですね。
「任天堂IPの映像コンテンツ化」ということで、『ポケモン』のようなテレビアニメ化を期待している人も多いかと思うのですが、何でもテレビアニメ化すればイイって話じゃないんですよね。
◇ 『ドンキーコング』(1996年、日本での放送は1999年~) ドンキーコング(13) [VHS] これは存在を知りませんでした……
元々はカナダとフランスの会社が共同で1996年に制作した『Donkey Kong Country』というテレビアニメで、アメリカでは1998年から、日本では1999年から放送されていました。フルCGアニメで、ドンキーコング役は山寺宏一さん、ディディ―コング役は林原めぐみさんと非常に豪華……とキャストを見ていたら、ディクシーコング役がベッキー……?『おはスタ』絡みということなのかな。
『スーパードンキーコング』シリーズはスーパーファミコンで1994年、1995年、1996年と発売されていずれも大ヒットしていました。海外でこのアニメが作られた時期はまさにこのシリーズが大人気だった時期なのだけど(まだ『ポケモン』は海外に出ていないし、64本体が出るか出ないかの頃)、日本で放送された1999年は『スーパードンキーコング64』が発売される時期で。
新作のゲームが発売されるタイミングで、販売促進のために海外で作られていたアニメを日本向けにローカライズ&『おはスタ』を使ってプッシュした――― ってところですかね。任天堂IPのアニメ化は、最近に限らずずっと前から「新作の発売時期」に合わせられていたことが分かります。
◇ 『星のカービィ』(2001年~2003年) 星のカービィ Vol.1 [DVD] 何でか、Amazonの商品画像が小さかったのです。
「どうしてカービィだけ小さいん?やまなし、カービィのこと嫌いなん?」ということではないのです。いや、本当なんで『カービィ』だけ小さいんだろう……
任天堂とHAL研究所のCG技術を活用して、原作者の桜井政博さんも監修をして作られたテレビアニメです。制作はスタジオ・ザイン。
公式サイトはこちら 。
原作とはかなり違う世界観で、オリジナル要素やオリジナルキャラも多いのだけど、原作者自らが監修しているだけでなく、大人もうならされるような社会風刺も効いていて、ファンの間でもかなり評価の高いアニメ化だった ように思います。
しかし、このアニメが放送されていた2001年~2003年はちょうどゲームの『カービィ』本編が発売されていない時期で、発売されたのはリメイクである『星のカービィ 夢の泉デラックス』(2002年)とレースゲームである『カービィのエアライド』(2003年)だけなんですね。
まぁ、『エアライド』は桜井さんがディレクターをした久々&最後の『カービィ』作品ではあるんですけど。
◇ 『F-ZERO ファルコン伝説』(2003年~2004年) F-ZERO ファルコン伝説 VOLUME2 [DVD] 放送局は違うけれど、任天堂IPのテレビアニメ作品としては『星のカービィ』と入れ替わりの時期に始まっていたんですね。こちらも「元々ストーリーなどないような原作のゲーム」を大胆にアレンジして、オリジナル要素を多数取り入れていたそうです。制作は葦プロダクション。
公式サイトはこちら 。
マシンの多くはCGで描かれ、コースも原作のものを再現したものも出てくるそうです。さっきから「そうです」と書いているのは、私は観たことがないどころか原作のゲームもほとんどやったことがないからです。スーファミ版を友達の家で1~2回くらい。
ゲームボーイアドバンス&ゲームキューブの時代は、任天堂はかなり『F-ZERO』をプッシュしていて……
2001年に『F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE』、アニメ放送開始直前の2003年に『F-ZERO GX』『F-ZERO AX』、アニメ放送中に『F-ZERO ファルコン伝説』、アニメ終了直後に『F-ZERO CLIMAX』が発売されています。
ゲームの販売促進としてのアニメ化という意味合いも強かったのかな と思われます。
逆に言うとそれ以降は続編が全く発売されておらず、E3の度に「なお『F-ZERO』ファンは……」みたいなネタにされるのだけど、この頃の成果が思ったようにはならなかったことが原因なのかも知れませんね。
◇ 『劇場版 どうぶつの森』(2006年) どうぶつの森 [DVD] 2005年の年末に発売されて超大ヒットしたニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』を原作にして、2006年の年末に公開された劇場版アニメです。
原作ゲームは異例のスーパーロングセラーとなっていましたが、ゲームから1年遅れの劇場公開で、
前売り券にゲームで使える「きんのアイテム」引換券が付いてきた ことを考えると……
「ゲームの販売促進」というよりかは「ゲームのファンに映画に来てもらいたい」という展開だったのかなと思います。 制作は『ポケモン』シリーズなども手がけるOLMで、OLMは実写映画のプロデュースも行っている関係なのか、ラコスケ役に三池崇史さんという謎の豪華カメオ出演がされているという(笑)。
声優さんも堀江由衣さんや緒方賢一さんなど普通に超豪華な上、タレントさんの起用も多く、とたけけ役が小栗旬さん、ぺりこ役が乙葉さん、リセットさん役が木村祐一さん……と、豪華なんだかなんなんだかな布陣となっています。いっそのこと『どうぶつの森』を実写化して、小栗旬さんを全裸にギター1本で登場させましょう。
『どうぶつの森』はスマホアプリも発表されていて、それに合わせた新作ゲームも発売するそうで、実は
テレビアニメ化するのならこのタイミングしかないよなぁ という時期なんですね。元々『どうぶつの森』はストーリーのネタバレなんかないし、どうぶつ一人一人を掘り下げていく余地は十分にあるし、季節に合わせたネタをやるだけでゲームと連動する要素にもなるし、結構テレビアニメ化に向いているIPだと思います。
◇ 『新・光神話 パルテナの鏡:オリジナル3Dアニメーション』(2012年) 2012年3月に発売されたニンテンドー3DSソフト『新・光神話 パルテナの鏡』のプロモーションのために作られた短編アニメです。配信は当時3DSの「いつの間に通信」を活用していたニンテンドービデオというソフトで行われていたため、3DS以外の機器では見られなかった……と記憶しています。
制作はProduction I.G、STUDIO 4°C、シャフトという三社で、三社がそれぞれ違った視点・違った作風のアニメを作っていたのが特徴でした。
公式サイトはこちら 。
完全にプロモーションのためのアニメなので、DVD化はもちろん、『ひつじのショーン3D』のような有料配信も行われていません。
本編のネタバレにならないようにオリジナルストーリーなのは良いのですが、本編から登場する魅力的なキャラクターが出てこないことがちょっと惜しいな と思いました。
◇ 『劇場版 零 ゼロ』(2014年) 劇場版 零~ゼロ~ スペシャル・エディション [Blu-ray] これを「任天堂IP」と呼ぶと荒れそうですが……
2014年9月に劇場公開された実写版『零』ですが、2014年9月にWii Uの新作『零 濡鴉ノ巫女』が発売されているので、
映画とゲームのタイミングを合わせることで相乗効果を狙っていた と思われます。
ただ、内容は全然違うし、連動する要素もほとんどないし、相乗効果があったかどうかは微妙ですが……映画の主演二人がゲーム版をプレイする映像がプロモーションで使われた記憶があります。
公式サイトはこちら 。
◇ 『ピクミンショートムービー』(2014年) PIKMIN Short Movies 3D [オンラインコード] PIKMIN Short Movies HD [オンラインコード] 公式サイトはこちら 。
GAME Watchさんの記事でも名前が出ていましたね。
宮本茂さんが初めて手がけたショートアニメで、約20分間の映像となっています。3DS版とWii U版は内容は一緒ですが、3DS版は立体視対応、Wii U版はHD画質だそうです。新作である『ピクミン3』の体験版に合わせた配信でしたが、『ピクミン3』の発売から1年以上が経過しているタイミングなので「ゲームの販売促進のためにムービーを作った」というよりかは「ムービーの販売促進のためにゲームの体験版を配信した」というカンジかなと思います。
完全にプロモーションのために作られた『新パルテナ』のアニメと違い、こちらは有料販売ありきの作品ですし、タイミングを考えても
「キャラクターIPの積極的活用の一例としての映像コンテンツ化」の一つだったのだろう と今なら分かりますね。
ただ、販売が3DSとWii Uだけなので「3DSを持っている人」「Wii Uを持っている人」にしか売ることが出来ず、「映像コンテンツから入った人にゲーム機を買ってもらう」という流れにはならないんですね。その辺はやはり、任天堂以外のパートナーと手を組んでいくことになるのかなと思います。
↓ こちらは予告編の映像。
VIDEO ◇ 『スターフォックス ゼロ ザ・バトル・ビギンズ』(2016年) VIDEO Wii Uの新作ソフト『スターフォックス ゼロ』の発売日に合わせてインターネット上に公開された15分弱のアニメで、ゲームの1面に相当する部分をアニメ化しています。ゲームに登場するCGモデルをベースに、Production I.GとWIT STUDIOがアニメ化を行いました。Production I.Gは『新パルテナ』の時にも参加していて、WIT STUDIOは現在放送中の『甲鉄城のカバネリ』など日本を代表するハイクオリティなアニメを制作できるスタジオです。
任天堂のトピックスでも紹介されています が、ゲームと連動しつつ、ゲームを補完していて、それでいて6か国語での配信と、見事なアニメ化だったと思います。こうした展開は、
「任天堂IPの映像コンテンツ化」として一つの理想例かな と思います。
ただ、5月18日現在の時点では無料で全部が観られてしまうため、このアニメ自体で収益をあげられるワケではなく、このアニメをきっかけにゲームの販売に繋げたいという販売促進のためのアニメなんですね。かといって、じゃあこれをOVAとして販売しますと言っても『スターフォックス』のOVAを買う人がどれだけいるのかって話なので……「どう収益をあげるのか」がここからのポイントかなぁと思います。
ということで……駆け足になりましたが、振り返ってみました。
「セント・ギガ」とか「Wiiの間」のように任天堂が関わった映像ということではなく、任天堂のゲームキャラが原作の映像化に絞って考えました。抜けがあったらコメント欄にでも書いてくだされば追記します。
分かることは、
任天堂は『スーパーマリオブラザーズ2』の頃からゲームの発売時期に合わせて映像化をしてきた ということ。
また、1980年代~1990年代中盤までは「映画」や「OVA」くらいしか選択肢がなかったところ、『ポケモン』の大成功以降はテレビアニメにも積極的に進出して、近年はWEB配信が中心……と
発信するメディアが時代時代によって変わっている というのがポイントかなと思います。
ゲーム側が監修する体制もしっかりしていて(『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』みたいな例外はあったけれど)、特に近年の『新パルテナ』『ピクミン』『スターフォックス』はゲームでは描けない側面を映像化によって補完していたと思います。
ただ「映像コンテンツがゲームの販売促進になっているかどうか」で言うと『ポケモン』を除けば目立った功績としては言及されていなくて、映像コンテンツ単体のビジネスモデルとしては『新パルテナ』や『スターフォックス』のような完全無料配信が多く、
どうやって収益をあげるのかがポイントになりそう です。
そう考えると……重要なのは、
「配信するメディア」の選択肢 。
映画ならば分かりやすく観客にお金を払ってもらえますが、「ゲームの販売促進」にはならず、原作ゲームのファンしか観に来ないことが予想されます。
テレビアニメだと無料で観る人も多くなるから「ゲームの販売促進」の効果は大きくなるでしょうが、映像コンテンツ単体で収益をあげるのは難しくなります。
NetflixやAmazonプライムビデオの「見放題」ならば、その中間で、そこそこの収益とそこそこの販売促進効果になるかなあと思うのですが……
例えば『ゼルダの伝説』アニメがNetflix独占配信!と言われて、日本でどのくらいの人が観るんでしょうね。 日本では、まだまだ正直厳しい普及率なように思えます。
『ピクミンショートムービー』のように自社で映像作品を販売する展開だとゲーム機を持っていない家庭には見向きもされないんで、映像コンテンツを販売していくにはどこかと手を組むのだろうとは思うのですが……
そして、もう一つ。
映像コンテンツ単体でビジネスが成り立つようにするためには、
「どのIPを映像化するのか」 が重要ですね。
個人的には『押忍!闘え!応援団』の映像化が観たいのですが、そんな私ですら『押忍!闘え!応援団』が実写映画化します!と言われてどのくらいの人が観に行くのだろうと思いますし……やはり「人気シリーズ」を選んでいくことになりそうです。それでいて「新作のプロモーション」になりつつ、「ゲームでは描けなかった側面の補完」もしつつ、と考えると……
『ゼルダの伝説』は本命ですが……
対抗を考えると、
マジで『Splatoon』の映像化は結構ありえるかなぁ と思います。ゲームでは描き切れていない「彼ら・彼女らの日常」がありますし、ゲームでは描けなかった「1号・2号とのヒーローモードでの共闘」とかアニメで描いてくれたら燃えるじゃないですか。
その他では、『どうぶつの森』や『ファイアーエムブレム』はスマホアプリと連動するようなものなら面白そうですが、タイミング的にはちょっと厳しいんですよね……いっそのこと『スマブラ』をアニメ化するとか、権利関係が超大変で関係者の胃に穴が空きそう(笑)。
ということで、私としては
『Splatoon2』の発売に合わせて『Splatoon』のCGアニメがNetflixで配信される とTHE YOSOUしておきます!
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