ちょっと時期遅れな話題になってしまいましたが……
かねてから告知されていた任天堂のスマホ展開の一つとなる
『Miitomo』 が、先月末に発表されました。
任天堂スマホアプリ第1弾『Miitomo(ミートモ)』は2016年3月に配信予定 また、こちらは厳密には“任天堂の”というよりは“株式会社ポケモンの”と言うべきですが
(※1) 、『ポケットモンスター』シリーズのスマホ用完全新作アプリ
『Pokémon GO』 が9月に発表されました。
「Pokémon GO」は位置情報を利用して現実世界でポケモンを捕まえるスマートフォンゲームに。新事業戦略発表会をレポート VIDEO (※1:株式会社ポケモンは任天堂・ゲームフリーク・クリーチャーズの3社の共同出資により設立された会社で、任天堂は主要株主の一つ。よって任天堂の決算説明などで、任天堂発売のソフトとポケモン発売のソフトは合わせて説明されたりする) 私はこのブログで「任天堂のスマホ展開」について何度か語ったことがあるので、この二つの発表を見て「今まで任天堂が語ってきたスマホ展開のビジョン通りだ」と思いましたし、「上手いところを突いてきた」と思いました。
10月30日に書いた「10月のまとめ」記事 には、『Miitomo』に対して“今の時点では私は「100点満点のものが出てきた」と思いました。”と書いたほどです。
しかし、『Pokémon GO』はともかく、
『Miitomo』は世間では「マリオじゃないのか」「ゲームじゃないのか」「失望した」という反応が多かった といった論調の記事を読みました。
本当にそれは「世間の反応」なのか?というのは置いといて、
任天堂がこれまで語ってきた「どうして今更スマホに進出するのか?」という文脈を見なければそういう反応になるのかな と思ったんですね。ゲームに全く関心のない投資家の人だったら、例えばガンホーの『パズル&ドラゴンズ』やmixiの『モンスターストライク』みたいなアプリを出せば「楽して儲かる」のにどうしてやらないんだみたいなことを思っても仕方がないと思うんです。漫画を描き始めた人に「オマエもワンピースみたいな人気漫画を描けば億万長者になれるじゃん。なんで描かないの?」と言っちゃうみたいな感覚。
ということで、今日の記事はこれまで任天堂が語ってきた「どうして今更スマホに進出するのか?」という文脈と、そこから見た『Miitomo』と『Pokémon GO』が狙っていること、そしてこれ以降に任天堂がどういうアプリをスマホで展開していくのかを考えていこうと思います。
今日の記事は「初めてこのブログを読む人」もいると思うので、
以前の記事 と重複する部分もあると思いますが一から説明していきます。
今以上に経営が厳しかった
2014年1月の経営方針説明会で、当時の任天堂の社長だった岩田さんは「キャラクターIPの積極的活用」について触れています。 <以下、引用>
より具体的には、自社キャラクターIPのライセンスビジネスに対して、適切なパートナーを能動的に探すことも含め、より積極的な展開を行うということです。実際に、アメリカでは、キャラクターマーチャンダイズの商品展開を、1年ほど前から積極的に展開しています。 また、これまでライセンスしないと決めていた分野、例えば、デジタル分野におけるライセンスなども、直接の競合関係ではなく、Win-Winでやっていけるものについては、例外とせずに柔軟に対応していきます。 このような活動を世界で進めていくことで、任天堂キャラクターを、ビデオゲーム・プラットフォーム以外の場でも、より多くの人の目に触れるようにしていくことを目指していきます。 </ここまで>
※ 強調など、一部引用者が手を加えました この話を読んだ当時はどういうことなのかピンと来なかったのですが……
2014年5月には「キャラクターIPの活用方法」の例として(後の)amiiboが発表され 、
2015年5月には「ユニバーサル・スタジオ」の運営会社と任天堂の提携が発表され 、まだ形としては見えていませんが
「任天堂IPの映像コンテンツ化」が進行中とも発表され ています。
つまり……これまで任天堂のゲームキャラクターは一部を除いては「ゲーム」の中でしか展開していなかったため、任天堂のゲーム機を持っている人しかそのキャラクターを知らなかったワケです。「『ゼルダの伝説』の主人公はゼルダじゃない」とか「『メトロイド』の主人公はメトロイドじゃない」というネタがあったくらいですからね。
“任天堂のゲーム機を持っていない人”にも知ってもらうために、フィギュアを出す、遊園地のアトラクションも作る、映画(?)にもなる―――といったメディアミックスをやっていくというのが現在の任天堂が積極的に行っていること なんです。
んで、「スマホ進出」というのはこの流れの一つ。
『Pokémon GO』の記事 には「2年に渡って計画されてきた」という話がされていますが……『Ingress』が始まったのが2013年12月、「キャラクターIPの活用を積極的に行う」と経営方針説明会で語られたのが2014年1月、『Pokémon GO』が発表されたのが2015年9月ということを考えると、
「キャラクターIPの活用を積極的に行う」と語られた2014年1月の経営方針説明会の時点で『Pokémon GO』の計画は始まっていた のだと思われます。
2015年3月のDeNAとの業務・資本提携の発表 の際に、岩田さんはこう仰っています。
<以下、引用>
任天堂は、過去30年以上にわたり、いろいろなIPを生み出し、シリーズ展開を重ねる中でその価値を積み上げ、それぞれのIPには多くのファンのお客様がおられますが、それぞれのIPによってお客様の構成は異なりますし、ライフスタイルも異なるのが現実です。 当然、個々のIPに最適な伝達手段は異なるでしょうが、最適な手段を選択し、任天堂IPに触れる人口を最大化し、結果、ゲーム人口を拡大させていく、というのが、私たちの基本戦略になります。 これら様々な伝達手段の中で、スマートデバイスは、グローバルな稼働台数、接触頻度、そして1回当たりの時間は短いのですが合計の接触時間において、強力な存在です。 スマートデバイスは、もちろん任天堂IPの伝達手段としても活用していきますが、お客様に継続して密に接触していただくために、任天堂IPを活用したゲームビジネスも展開していきます。 </ここまで>
※ 強調など、一部引用者が手を加えました 例えば、『ポケモン』はアニメを放送して、「アニメからポケモンに入った」子ども達をたくさん生んでいますよね。任天堂のゲーム機を持っていない子どもでも『ポケモン』のアニメを見て、ゲーム機を欲しがり、いずれ3DSでゲームの『ポケモン』を始める―――ということは実際に起きていると思います。
同じようなことを、他のシリーズでもそれぞれのシリーズにあった形でやっていくよということなんですね。 例えば、『ゼルダ』だったら映画になったら「『ゼルダ』を遊んだことがない人が映画から入る」ことがあるかも知れません。『星のカービィ』だったらあの世界観を遊園地でアトラクションとして再現したらそこから興味を持つ人がいるかも知れません。
『どうぶつの森』のamiiboカード は、ゲーム機は買ってもらえないけど300円のカードならお小遣いを貯めて買ってもらえる子ども達の入口になりうる商品だと思います。
こうしたメディアミックスの一つの方法として、「スマホのアプリ」というのはすごく“強力な存在”だ と岩田さんは仰っていたんですね。
そして、
後のページで以下のようにも仰っています。 <以下、引用>
スマートデバイスは、もっとも間口が広く、多くのお客様とつながる可能性が高いデバイスと言えます。 そこでお客様をゲーム専用機にいざなうことができるように、スマートデバイスとゲーム専用機の間に架け橋を架けていきたいと考えています。 そして、スマートデバイスを通じて任天堂とつながり、任天堂IPに興味をもってもらったお客様には、よりプレミアムなゲームプレイ体験を、任天堂ゲーム専用機を介して提供したい と思っています。このような方針を採ることにより、スマートデバイスに参入することでゲーム専用機のビジネスが縮小するのではなく、より広い間口でお付き合いする世界中のお客様に任天堂IPの魅力に触れていただき、スマートデバイスとゲーム専用機が限られた需要を奪い合うのではなく、新しい需要を創り出して相乗効果を生み出していける と確信しています。 </ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました 「スマホのアプリ」は出すけれど、「スマホさえ持っていればゲーム機なんて要らないや」と思われるのではなく、「スマホのアプリ」を通じて任天堂のIPを知ってもらった結果、
今まで「スマホさえ持っていればゲーム機なんて要らないや」と思っていた人達にも「ゲーム機を買おう」と思わせることを目指す――― と仰っているのです。
つまり、任天堂が「スマホアプリ」の市場に進出して目指す“成功”とは……
ガンホーの『パズドラ』やmixiの『モンスト』のようなものではないのです。
そのアプリ一つで莫大な利益を上げるのではなく、そのアプリをきっかけに「任天堂のゲーム機」に興味を持ってもらって、最終的に「任天堂のゲーム機」の復権が出来なければ“成功”とは言えない のです。
この文脈を知らなければ「マリオじゃないのか」「ゲームじゃないのか」「失望した」みたいな反応が出てきてしまうのは仕方ないかも知れません。だって、『Miitomo』が『パズドラ』や『モンスト』みたいな莫大な利益を上げるとは思えませんもの(笑)。
しかし、この文脈を知っていると『Miitomo』と『Pokémon GO』がものすごく理に適っている「スマホ展開」だなと思えるのです。
『Miitomo』は恐らくDeNAをパートナーにしたアプリで、『Pokémon GO』はNianticをパートナーにしたアプリだと思いますが、この二つのソフトは共通する部分が非常に多いです。それは
パートナーがどこであれ、「任天堂がスマホに進出してやりたいこと」がブレずにあるから だと思うんですね。
その共通点を見ていくことで今後の任天堂がスマホ用に展開する他のアプリのヒントにもなると思うので、ここから先はそこを見ていこうと思います。
ポイント1:「普段ゲームをしない人」でも見たことのある任天堂IPを使っている 『Miitomo』は「Mii」という任天堂独自のアバターを使っているアプリで、『Pokémon GO』は言うまでもなく『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモンを使っているアプリです。どちらも「任天堂IPを活用したアプリ」と言えますね。
『ポケットモンスター』 は1996年にゲームボーイ用ソフトとして始まり、最新作3DS用ソフト『X・Y』は全世界で1300万本以上を売り上げているだけでなく、テレビアニメが1997年から始まり、現在も『ポケットモンスター XY&Z』が放送されているほどの長寿シリーズとなっています。
20年近くゲームとアニメで活躍し続けている作品なので知名度も申し分ないでしょうし、ゲームとしての『ポケモン』をやったことはないけれど「ポケモン」という名前は聞いたことがあるという人は数多くいるでしょう。
一方の
「Mii」 は2006年に発売されたゲーム機Wiiに搭載されたアバターのことで、このMiiを使ったソフト『Wii Sports』は全世界で8000万本以上売り上げていて(海外では本体同梱されていたりしたので)、その後も『Wii Fit』や『トモダチコレクション』など「Miiを使ったソフト」はたくさん発売されていて、こちらも知名度は抜群だと言えるでしょう。
「Miiが流行ったのなんて過去のことだよ」と思っている人もいるかも知れませんが、比較的最近発売された3DSの『トモダチコレクション新生活』も日本では180万本以上、全世界では400万本以上を売り上げています。
任天堂のスマホ展開は、「ゲーム機を持っていない人にも任天堂のIPに触れるきっかけを作る」ことが狙いの一つという話をここまで書いてきました。
だから、最初に取り上げられる任天堂のIPは、ゲーム機を持っていない人でも目にしたことがあるような「知名度のあるIP」でなくてはならないんです。 ゲーム機を持っていない人にも、口コミとかTVCMとかで「へぇ……任天堂もスマホのアプリを出すんだ。無料だし、ちょっとやってみようかな」と思わせるには、一目で「任天堂のアプリ」と分からなくてはなりません。どんなにゲームとして面白くてゲーマーからの評価が高かったゲームだとしても、ゲーマーしか任天堂のソフトなことを知らない『押忍!闘え!応援団』とか『スカイジャンパーソル』とかを第1弾には持ってこれないんです。
そう考えると、『ポケモン』と「Mii」というのはものすごく理に適っていると思うんですね。
ゲームを普段遊ばない人にもTVCMなどで広く周知されているでしょうし、これに匹敵するIPは任天堂のIPの中でも『マリオ』か『どうぶつの森』、海外では『ゼルダ』が入るくらいかなー と思います。
この視点で言えば、『Miitomo』に対して「マリオじゃないのか」と失望したという意見も多少は頷けますし、恐らく『マリオ』を使ったアプリも計画されているんじゃないのかと思うのですが……
『マリオ』は良くも悪くも「ゲームキャラクターとしての顔」が強すぎるので、ゲームが苦手・ゲームなんてやったことがない・ゲームにコンプレックスがあるという人には敬遠されがちなIPとも言えると思います。
ゲームを遊ばない人にもゲームを遊んでもらえるようにと作られた『Wii Sports』がマリオをキャラクターとして使えるようにしなかったのと同じように、スマホ展開第1弾で活用されるIPが「Mii」 というのは非常に任天堂らしいなと思いました。
ポイント2:「ゲーム機では出来ない」スマホならではのアプリ 『Miitomo』が発表された際、好意的な反応として「スマホは持っていないから3DSでも出してくれないかな」と言っている人を見かけました。
『ポケとる』 のように3DSでもスマホでも出るソフトはあるので、将来的にはどうなるかは分かりませんが……少なくとも初期の展開としては、「スマホのアプリ」専用として展開していくんじゃないかなと私は思います。
というのも……
「ゲーム機で出来ること」だったら、わざわざスマホに進出しなくてもイイじゃん って話になってしまいますからね。スマホで任天堂IPを知った人が「ゲーム機も買ってみようかな」と思うには、ゲーム機とスマホで出来ることを分けた方がイイと私は思います。
『Pokémon GO』は分かりやすいですね。
スマホのGPS機能を使ったゲームということで、3DSでは実現出来ないゲームです。 逆に言うと『Pokémon GO』は「位置ゲー」としての面白さを追求したゲームになって、3DSなどで展開されてきたゲーム機用の『ポケモン』本編とは違ったゲーム内容になると思います。
スマホから入ったユーザーにもゲーム機を買ってもらおうと考えるのなら、『Pokémon GO』で仲間にしたポケモンを、ゲーム機用の『ポケモン』本編に移して育成できて、そこで育てたポケモンを再び『Pokémon GO』に戻して戦わせられる――――みたいな棲み分けと連動要素はありそうですね。
『Miitomo』は一見すると「3DSでも出来るんじゃない?」というソフトですし、世間の反応としては「LINEの後追い」みたいなことを言う人もいたんですけど……私が最初に思ったのは、
『いつの間に交換日記』の反省を活かしたアプリだな ということでした。
『いつの間に交換日記』は2011年12月から無料配信されていた3DS用ダウンロードソフトで、3DSに登録したフレンドと「いつの間に通信」を使って日記を交換できるというソフトでした。その後色々あって2013年11月にネット機能のサービスが停止してしまったのですが……実を言うと、サービス停止以前から限界は感じていたんですね。
3DSは自宅などのインターネット環境があるところでしか通信が出来ないので、寝ている間に「いつの間に通信」で日記を受信をすることが出来ても、それを出先で開いた時にコメントを書き込んだりが出来なかったのです(そもそも電車の中とかだと手描きはしづらい)。故に、日記を書いても反応が薄く、日記を書く人もどんどん少なくなり、サービス停止した頃には私のフレンドはほとんど日記もコメントも書きこんでいませんでした。
スマホならば出先からでも書き込むことが出来ます し、“ネタふり”から生まれる新たなコミュニケーションというのは恐らく
任天堂から話題を提供していく仕掛けを用意している のだと思います。例えば『Splatoon』における「朝はゴハン?パン?」みたいなお題のような話題のきっかけを提供して、常に誰かが新しいことを喋っているような状況を作ることが想像できます。
スマホとゲーム機の関係は、どちらが「上位互換」というワケではありません。
スマホにはGPSとか外での通信機能があって、ゲーム機にはボタン操作があって、向いていることが違うと思うんですね。
なので、それぞれに違った方向性のソフトを提供して、お互いに足りない部分を補い合っていくのかなぁと思います。 ポイント3:「ゲームを遊ばない人」でも遊べそうなアプリ これが今回で一番重要な話かも。
任天堂のスマホ展開が「ゲーム機を持っていない人にも任天堂のIPに触れるきっかけを作りたい」「ゆくゆくはそういう人達にも任天堂のゲーム機を買ってもらいたい」という目的での試みだとここまで書いてきました。
ターゲットは「ゲーム機を持っていない人達」なんです。 だから、『Miitomo』に対して「ゲームじゃないから失望した」というコメントが出るのは、ここの文脈が分かっていないと思うんですね。少なくともスマホ進出の初期のアプリはゲームじゃダメなんです。
だって、この人達は「ゲームなんて自分には関係ないや」と思っているからゲーム機を買っていないのですからね。 そういう人達に「これなら自分にも出来そう」と思わせるアプリを任天堂は出さなければならないのです。 『Pokémon GO』は位置ゲーですから、恐らく「ゲームの腕前」よりも「その場所に行く」ことが重視されるゲームになるんじゃないのかと思います。公開された映像はまだイメージ映像ですが「みんなでミュウツーを攻撃して倒す」映像を観る限り、シビアなバランスの対戦というより、「その場にいて参加する」ことが重要になると予想します。
『Miitomo』はコミュニケーションツールですから、誰かと競い合う要素もないと思います。『みんなで投票チャンネル』みたいなイベント事はありそうな気がしますけどね。
「ゲーム経験の有無」に関わらず楽しめるものを提供して
「ゲームって面白いんだ」「自分にもゲームが出来るんだ」と思わせることでゲーム人口の拡大をしていくこと が目下の目標でしょうから、例えば『マリオ』の登場するアプリが出ても、シビアなアクションゲームとかにはしないと思います。少なくとも初期は。
あと、ちょっと思うことですけど……
現在の日本で人気のスマホゲームは、恐らく圧倒的に「育成」に寄っているんじゃないかと思います。基本無料じゃないと見向きもされない市場になってしまったので、「長く遊べるゲーム」にして課金するタイミングを増やすために、
キャラクターを育てる要素を入れてプレイ時間を長くするゲームが今の主流 だと思います。
「長く遊ぶと有利」「お金をかければ有利」とすることでプレイヤーを囲いこめますし、莫大な利益も生みやすい―――ガンホーの『パズドラ』やmixiの『モンスト』を想像していた投資家達が『Miitomo』に失望したのは、こういった理由だと思うんですね。「今の流行の育成要素がない」「これだと課金してもらえない」みたいな。
課金についてはまた後で書きますけど……
私は、任天堂の「スマホ用のアプリ」は「育成」要素をあまり入れてこないんじゃないかと思います。 何故かと言うと……任天堂がどうしてスマホに進出するかの目的を思い出せば分かるんですけど、「ゲーム機を持っていない人にも任天堂IPを知ってもらって、そういう人達にもゲーム機を買ってもらいたい」というビジョンなワケです。
「スマホのアプリ」だけで何十時間・何百時間と遊べてしまえば、「ゲーム機なんて買わなくてイイや。スマホで十分」と思われてしまうじゃないですか。 あと、これはもう何となくの話なんですけど……今のスマホ市場の「育成」ゲームはレッドオーシャン化しているので、任天堂はあまり飛び込みたくないだろうと思うんですね。そこはもう過当競争の場所だから、そこじゃない場所を目指そうとするのが普段の任天堂だと思います。
ユーザー目線で考えても、
スマホは持っているけど「育成ゲームにはもうついていけない」という人 はたくさんいるでしょうし、そういう人達をターゲットにしていくんじゃないかなと思います。莫大な時間に拘束されてしまう育成ゲームではなく、短時間で手軽に遊べてスカッと気持ちいいみたいな路線―――かなぁと。
ポイント4:「狭く深く」よりは「広く薄く」課金してもらう 2015年5月の決算説明会の質疑応答 で、岩田さんのこういう話がありました(A2)。
<以下、引用>
「お金のいただき方」という意味で言いますと、今まで、スマートデバイスでさまざまな実績があるお金のいただき方の中には、「私たちが学ぶべき、参考にすべき要素」があると思いますが、ただ、今世の中にあるものをそのまま単に任天堂のIPと組み合わせただけで結果が出るかと言いますと、短期に結果は出るかもしれませんが、長期にわたって結果が出るとは思えません。 地域別という観点からは、日本で結果が出るかもしれませんが、海外市場で結果が出たり、新興国で結果が出たりすることはないと思います。現にグローバル市場でスマートデバイスのゲームアプリを成功されている海外の会社の方が「日本の市場は特殊で、日本のマーケットの構造で一般的に行われていることと、自分たちがやっていることは構造が全然違う」というようなことを発言されている記事をつい最近読みました。 任天堂も世界中のお客様が対象と考えていますので、日本で成功されているスマートデバイスのゲームアプリの構造を分析して、それに追随しようという発想はしていません。 どちらかと言いますと、今は全体の中で、「少数の、たくさんお金を払ってくださるお客様」を見つけて、そのお客様から「いかにたくさん払っていただくか」ということを研究され、それがうまくいったところが成功されていると思いますが、そのようにやっている限りは、世界に広がって、億単位のお客様に楽しんでいただいて、それが大きな結果につながり、長期にわたって続くとは思いません。 キーワードとしては、「狭く深く」よりは「広く薄く」、すなわち「広く薄くお金を払っていただく方法をしっかり考える」ということが基本になると思います。 ただ、一般的には「狭く深くの方が、広く薄くよりもこれまでうまくいっていた」と言われていますので、私たちは「その中の条件の何を変えたらその壁を越えられるのか」ということを考えています。 </ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました このタイミングだったか、それ以前だったか忘れてしまったのですが……この「広く薄く課金してもらう方法を目指す」という発言に反応して、「そんなのは理想論であって、どこもやろうとしたが上手くいかなかったんだ」と批判しているスマホアプリの開発者の人達を見たことがありました。
確かにその通りなんですけど……
任天堂がスマホに進出してやろうとしていることは、「そのアプリで大儲けすること」ではありません。「ゲーム機を持っていない人にもスマホアプリをきっかけに任天堂IPに触れてもらって、ゆくゆくは任天堂のゲーム機を買ってもらうこと」です。
なので、一般的なスマホのアプリとは目指している方向が違うと思うんです。 任天堂がやろうとしている目的から考えると、「育成ゲーム」はユーザーの時間を奪いかねないから最適解は言えないと思いますし、「狭く深く課金してもらう」のはユーザーの財布を圧迫しかねないから最適解とは言えないと思います。
スマホのアプリに10万円課金してもらうことが任天堂の目的ではなく、そのお金でゲーム機を買ってもらうのが任天堂の目的ですからね。 また、任天堂は海外市場も相手にしなければなりません。
「狭く深く課金してもらう」ことが日本だけで成功しても、海外で大失敗してしまえば、任天堂の目的である「ゲーム機を持っていない人にもスマホアプリをきっかけに任天堂IPに触れてもらって、ゆくゆくは任天堂のゲーム機を買ってもらうこと」は達成されません。
逆に考えれば、海外市場を相手にしている任天堂にとっての「広く薄く」は、日本人だけを相手にしているのではなく全世界の人を相手にしているので、「広く」のスケールが違うとも言えます。
さて、実際に『Miitomo』や『Pokémon GO』の課金がどういうスタイルなのかというと……
『Miitomo』は
「例えばMiiの服などの有料コンテンツ配信を検討しています。」 とのことです。単純に服をそのまま売るのか、『バッジとれーるセンター』みたいなゲーム要素で取れるようにするのかは分かりませんが、服の着せ替えだけだとそんなに大量な課金がされるとは思いませんよね。だって、服って1キャラ1着しか着られないし……
『Pokémon GO』の課金についても、
冒頭で紹介した記事 で石原さんが
「基本無料で,ゲーム内課金があるというスタイルを考えています。課金方法は,みんながフェアに遊べるような,多くの人が薄く広い課金するという方向を想定しています。 少数の人間が射幸心で高額課金するのとは真逆の方向で仕組みを考えていきたいです。」 と明言しています。
岩田さんがキーワードとして挙げていた「広く薄く」とほぼ同じ「薄く広い」という言葉を石原さんが使っているということは、これは『Pokémon GO』を含めた任天堂IPを使ったスマホアプリ全般に共通することだと思います。一人の人から多額の課金をしてもらうのではなく、みんなからちょっとずつ課金してもらうスタイルを、他のアプリでも目指していくのでしょう。
おっぱい! あぁ!ゴメンなさい。
今日の記事、マジメに語りすぎて、このブログらしい「悪ふざけ」がなさすぎてついつい「おっぱい!」と叫びたくなってしまいました。このブログの基本コンセプトは「悪ふざけ」なのに、最近はそれが分かっていない人も増えてしまったみたいで、「悪ふざけ」で書いたことを「大真面目」に受け取られて「頭おかしい!」とか言われる機会が多くて良くないなーと思うんですね。
もっともっと「悪ふざけ」な記事を書かなければ!
このブログの存在意義に関わります!
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よーし、「悪ふざけ」分は堪能したんでこんなもんで。
『Pokémon GO』がGPS、『Miitomo』が出先からでもインターネットに接続できるという“3DSでは出来ないこと”を軸にしていることを考えると、
「スマホに出来て3DSには出来ないこと」を考えていくと「今後に出る任天堂のスマホアプリ」も見えてくるかなぁ と思います。
そう考えると、次に軸になるのは
「くぱぁ操作」 かなぁと思います。
3DSはタッチパネルの仕様上「一点」しかタッチを認識しませんが、スマホやタブレットのタッチパネルは仕様が違うので「複数」のタッチを認識してくれます。これを使い、親指と中指を広げるような動きをすることで、WEBページや画像を拡大することがスマホやタブレットでは頻繁にあります。
この「くぱぁ操作」を使って、任天堂のIPを組み合わせたゲームが出るんじゃないかなぁと思います。
『ひろげろ!メイドインワリオ』 とか。
『ひろげろ!どうぶつの森』 とか。
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