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2014年3月のまとめ

 今年もこの時期が来ました。

 毎年3月末に書いている「今年度観たアニメの中でお気に入りTOP5」を、今年も書きます。「面白かった」順でも「素晴らしかった」順でもなく、「好きな作品」順だということと。あくまで“この1年間で自分が「最終回まで観たアニメ」”が対象なので、アニメ業界全般を総括するつもりだとかそういうことではありません。

(関連記事:「好きな作品」と「面白い作品」と「素晴らしい作品」は別


 過去4年間のTOP5はこんなカンジ。

【2009年度】
1.『とある科学の超電磁砲<レールガン>』 175点(ジェネオン/J.C.STAFF)
2.『けいおん!』 160点(ポニーキャニオン/京都アニメーション)
3.『かなめも』 75点(スターチャイルド/feel.)
4.『青い花』 65点(メディアファクトリー/J.C.STAFF)
5.『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』 60点(アニプレックス/A-1 Pictures)


【2010年度】
1.『魔法少女まどか☆マギカ』 145点(アニプレックス/シャフト)
2.『けいおん!!』 90点(ポニーキャニオン/京都アニメーション)
3.『四畳半神話大系』 85点(東宝/マッドハウス)
4.『放浪息子』 70点(アニプレックス/AIC Classic)
5.『屍鬼』 55点(アニプレックス/童夢)


【2011年度】
1.『ちはやふる』 150点(バップ/マッドハウス)
2.『花咲くいろは』 75点(ポニーキャニオン/P.A.WORKS)
3.『あの夏で待ってる』 70点(ジェネオン/J.C.STAFF)
4.『シュタインズ・ゲート』 60点(メディアファクトリー/WHITE FOX)
5.『テルマエ・ロマエ』 55点(東宝/DLE)


【2012年度】
1.『TARI TARI』 95点(ポニーキャニオン/P.A.WORKS)
2.『たまこまーけっと』 92点(ポニーキャニオン/京都アニメーション)
3.『琴浦さん』 80点(フライングドッグ/AIC Classic)
4.『氷菓』 75点(角川書店/京都アニメーション)
5.『まおゆう魔王勇者』 50点(ポニーキャニオン/アームス)



 では、今年度のTOP5。
 対象は2013年4月~2014年3月までに最終回を迎えたアニメで、自分がちゃんと全話観たものです。このブログの過去ログ漁って確認してみたところ、どうやら13作品が該当するみたいです。去年は6作品の中からTOP5を選んだのだけど、それに比べれば倍以上に増えました(笑)。

 各作品評には多少のネタバレが含まれることを御了承下さい。



1.『銀の匙 Silver Spoon』155点(アニプレックス/A-1 Pictures)
2.『境界の彼方』120点(ポニーキャニオン/京都アニメーション)
3.『ガンダムビルドファイターズ』85点(バンダイビジュアル/サンライズ)
4.『未確認で進行形』80点(東宝/動画工房)
5.『進撃の巨人』65点(ポニーキャニオン/WIT STUDIO)


 「普段アニメを観ない人にもアニメを薦めよう」という2012年の活動から発展させて、2013年の冬アニメから「自分が視聴予定のラインナップ」をブログ記事にして書くようにしました。ブログ記事にするくらいだから真剣に「どれが面白そうか」「どれが話題になりそうか」を吟味しなくてはならなくなったため、“面白いアニメ”にもたくさん出会えるようになりました。
 この1年間は、2009年以降で言えば最もたくさんのアニメを観たし、最もたくさんの“面白いアニメ”に出会えたと思います。TOP5に入れなかった作品でも面白かった作品がたくさんありました。


 5位『進撃の巨人』
 言うまでもなく2013年を代表する大ヒットアニメ。自分もものすごく楽しみました。
 名前のあるキャラでも1つのミスでガンガン死んでいく緊張感、予測不能な展開でありながら突き放さない絶妙な脚本、絶望的な状況でも生命力に溢れるキャラクター達……大人気連載中の漫画が原作という期待に応える、アニメとしてとてつもなくクオリティの高い作品になっていたと思います。

 でもまぁ……それだけ絶賛してても1位にしなかったのは、この記事に書いたような「俺達の戦いはこれからだ!」という典型的なラストだったから。伏線を山ほど残して!
 これだけの大ヒットアニメなので2期があるのは確実でしょうから、首を長くして2期を待とうと思います。




 4位『未確認で進行形』
 正直、悩みました。
 このアニメが放送されていた3ヶ月間は家族が大変なことになっていて本当につらい3ヶ月間でしたが、「この作品に出会えたおかげで自分は生きていられた」と思いますし、「この作品のおかげで1週間を明るく過ごせた」と本当に思いました。娯楽の力ってホント凄いと思います。そういう観点で点数を付けるなら100点満点で250点を付けたいくらい。

 でも、それって“アニメ単体”の評価じゃないんですよね。
 “番組ラジオ”だったり、“ニコ生”だったり、“中の人達の魅力”だったり、“宣伝スタッフ達の遊び心”だったり、“楽曲の良さ”だったり、“ファン同士が一丸となって楽しんでいく雰囲気”だったり。その全てが楽しくてこの作品に救われたのだけど―――でも、この“祭り”感を1年後この記事を読んだ人が追体験できるかと言えばできないワケで。


 だから、このTOP5は“アニメ単体”の好き度で考えて……この辺かなぁ、と。
 もちろんだからと言って低い順位ではないのは、“アニメ単体”としてももちろんこの順位になるくらい面白かったからです。原作が会話劇の面白い4コマ漫画だったのを、細かい表情作画+若いキャスト陣の勢いのある演技で見事に表現していたと思います。
 後半このはがストーリーに絡むようになってからは、「誰が何を知っている」という情報のすれちがいがコメディとして秀逸でした。屋上のくだりとか腹抱えて笑ったなぁ。

 原作がまだ連載中なため、自分が期待していた「夜ノ森姉妹としての物語」は完結されなかったのだけが残念ではあるんですが……そこはまぁ2期に期待したいと思います。

(関連記事:『未確認で進行形』はハーレムアニメじゃないよ!
(関連記事:正真正銘の豪華特典。『未確認で進行形』ブルーレイ1巻紹介


 3位『ガンダムビルドファイターズ』
 最初このアニメが始まると聞いた時は、全く期待していませんでした。
 「新しいガンダム」を作れなくなったから「ネタに走る」とか「過去の遺産に頼る」みたいな印象しか受けませんでした。それがまぁ、始まってしまったら180度態度を変えて「これこそが俺の観たかったガンダム!」と何度も叫んでいました。

 過去作からのパロディネタなんかが目立ったアニメではあるんですけど、でもこのストーリーの根幹にあったのは「群像劇」だったし「少年の成長」だったと思います。だから、パロネタがあまり好きでない自分も心の底から楽しめたし、何度も何度も号泣してしまいました。

 「戦争が起こらないガンダム」だからこそ、熱い“戦う意志”を見せられたし。
 単に本家のバトルをガンプラで再現するのではなく、ガンプラバトルでしか起こらないドラマをしっかり描いてくれたのが良かったです。最終話、この物語が描いてきたものが明らかになるところは本当に美しい帰結でした。お見事。こんんなに楽しいガンダムが作られるんだから、まだまだガンダムも捨てたもんじゃないですよ。



 2位『境界の彼方』
 間違いなく、この1年間の中で最も私が言及したアニメですし、ブログ記事もたくさん書いたアニメでした。毎週毎週こんなに夢中になって、こんなにあれこれ言いながら観たアニメはないってくらい楽しみましたし、1話1話を何回も何回も観ました。

 一見すると意味不明だけどしっかり計算された脚本、京アニの作画力と演出力の高さで見せられる巧みな心理描写、「毒にも薬にもならない話にはしたくない」と監督が言ったように心をえぐってくる後半の怒涛の展開、全員がそれぞれ自我を持ってそれぞれ生きているからこそ愛おしく見えてくるキャラクター達―――「面白いアニメ」という評価軸なら間違いなく1位にしたと思います。それくらい放送中は無我夢中になって楽しみました。


 でも、2位。
 やはりここだけは譲れませんでした……あれだけ緻密に計算された脚本と演出の作品なのに、「美月の伏線」を回収しないまま終わってしまったことが。あれを7月発売のブルーレイ7巻で回収するのか、2期か劇場版に繋げるつもりだったのかは分かりませんが。
 テレビ放送された最終回までの評価では「緻密に計算された脚本と演出を台無しにしてしまった」と言いたくなってしまいました。

 すんごく大好きなアニメだったからこそ、その嫌なところが許せない――――そんなアニメでした。

(関連:生きるためには食べなくてはならない!『境界の彼方』の食事シーンを読み解く
(関連:初見では絶対にワケが分からないであろう『境界の彼方』の伏線をまとめました
(関連記事:栗山未来は「何」になったのか――アニメ『境界の彼方』ラストシーン考察



 1位は『銀の匙』!!
 ということで、今年度の1位はこの作品。
 同じ作者の代表作『鋼の錬金術師』と同じようなテーマである「無から有は作れない」「色んな人間がいるから世界は成り立っている」を、“農業高校”や“酪農”という私達から近いようで遠い舞台で描き直してくれたことがまず嬉しかったですし。

 原作が大人気連載中の漫画でありながら、「2クールのアニメとして」見事なまでにまとまっていて、最終話での父との対峙でこれまでの出来事が全てあのシーンに繋がっていたことに感動しました。細かいシーンが色んなところに繋がる構成になっていたのが鳥肌ものでした。
 今原作を1巻から読んでいるところなんですが、八軒って最初はホント嫌なヤツだったんですよ。そんな彼をあそこまで成長させる様々な出来事があって、その成長をちゃんと説得力を持って描ききった作品だったと思います。

 観ると、人生に手抜きしちゃダメだと思える青春アニメでした。
 どうにもならないことやつらいことだってあるけど、下を向かずに前に走りたくなるような―――こういう作品をきっちり作れてしまう日本の漫画や日本のアニメはやっぱりすごいなと思うのです。




 以上、「今年度観たアニメの中でお気に入りTOP5」でしたー。

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 「2014年3月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」をクリックして下さいな。

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| ひび雑記 | 21:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「原作が絶賛連載中」作品のアニメ化による物足りなさ

※ この記事はアニメ版『いなり、こんこん、恋いろは。』全10話のネタバレと、
アニメ版『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』全12話のネタバレと、
アニメ版『未確認で進行形』全12話のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。



 冬アニメ反省会エントリ。

 今季の自分は色々あって第1話を観たアニメが27作品で、その中から全話視聴継続したのは4作品でした。その4作品というのは『いなり、こんこん、恋いろは。』『未確認で進行形』『ニセコイ』『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』―――と、オールラブコメだったために2月の初めにこんな記事を書いたのでした。

【その記事の三行まとめ】
・「食わず嫌いをしない」ことで出会える作品がある
・「食わず嫌いをしない」ことで切らざるをえない作品もある
・“第1話からフルスロットルで面白い作品”ばかり選んで大丈夫なのか?


 特に三行目の「“第1話からフルスロットルで面白い作品”ばかり選んで大丈夫なのか?」について、その記事では「だからコレが正解かどうかはまだ分かりません。4作品が無事に最終話まで終わった時に「この4作品を選んで良かった!!」と言えるかどうかですからね。」と書いていました。
 『ニセコイ』は2クールものだったのでまだ判断できませんが、『いなり、こんこん、恋いろは。』『未確認で進行形』『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』の3作品は無事に最終回まで見届けたので「大丈夫だったかどうか」について語っておこうと思います。




 結論から言ってしまうと、「オールラブコメ」のところは大した問題ではありませんでした。一言にラブコメと言っても3作品とも全然毛色の違う作品でしたし、『未確認で進行形』はこのはがストーリーに絡んできた後半の方が更に面白かったと思います。

 問題だったのはむしろ、全て「原作が連載中の漫画」のアニメ化だったことです。
 今までの自分は“原作なしのオリジナルアニメ”を多く観ていたため、気にしたことがありませんでした。今季も最初に挙げた視聴予定の7作品の中にはオリジナルアニメが3作品入っていたのですが、27作品を観て第1話・第2話・第3話の面白さで判断して選別していった結果、“原作が連載中の漫画のアニメ”ばかりが残ってしまったのです。

 もちろんそれで楽しかったですし、3作品とも本当に「選んで良かった!」と言えるアニメだったのですが……3作品とも最終回を迎えた際に「……あれ?」と気になる点があったのです。



 ストーリーが完結していないよね?と。

 確かに「アニメとして一区切り」をつけるための山場と結末はあったのですが……解決していない問題、答えが明らかにならなかった謎、始まりそうで始まらなかった関係性などなど、気になる要素を残したまま終わってしまいました。

 『いなり、こんこん、恋いろは。』で言えば、3組のカップリングがくっ付きそうでくっ付くかくっ付かないかの微妙な関係のまま最終回が終わってしまいましたし。
 『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』で言えば、ストーリー上の最大の謎であった「日和の正体」が明らかにならないまま終わってしまいましたし。
 『未確認で進行形』で言えば、小紅が姉に抱いている劣等感と寂しさとという(イチャイチャ姉妹好きにとっては)超重要な心理描写が回収されないまま終わってしまいましたし。


 なので、最終回を観終わった後、3作品とも「あれ?ここで終わり?結局あれってどうなるんだよ??」と物足りなさというか食い足りなさを感じてしまいました。



 でも、“原作が連載中の漫画のアニメ”ってそういうものなんですよね。
 例えば『いなり、こんこん、恋いろは。』はアニメを観終わった後、原作漫画を(アニメになった5巻まで)読んだのですが……5巻のあとがきに「ようやく折り返し地点です」と書かれていました。つまり今回アニメになったのはストーリーの前半部分までなんです。
 そりゃ3組のカップリングが「これから」というところで終わってしまいますし、物足りなさを感じてしまうのも仕方ないですよね。だって、「ここからがストーリーの後半」というところで終わってしまったのだから。


 『いなり、こんこん、恋いろは。』に限らず……というか、漫画原作に限らず、小説原作のアニメ化でもシリーズが完結していないものはそうですね。“原作が連載中のアニメ”の場合、多かれ少なかれこの問題を抱えていると思うのです。アニメの中で勝手に決着を付けることはできない問題。
 原作ではこの後に予定している出来事を、「アニメとしてまとめる」ために勝手に描くことはできません。原作ではまだくっ付いていないカップリングをくっ付けたり、原作では明らかになっていない出生の秘密を明らかにしたり、原作ではまだ悩んでいることをアニメでは乗り越えてしまったりしたら―――それは原作を裏切る行為でもありますし、もっと大きな問題として「そのアニメがヒットしたとしても2期を作る時に困る」という問題も出てきますものね。


 だから、“原作が連載中のアニメ”の場合は「途中でストーリーが終わってしまう」のです。解決されていない問題や、消化されていない伏線や、答えが明らかになっていない謎などを残してでも、「俺達の戦いはこれからだ!」的に終わってしまうのです。
 “原作が連載中のアニメ”は原作や連載されている雑誌などが売れるという原作者や出版社にとってのメリットが大きいですし、話題性も注目度も高くなりますから、アニメ化されやすい題材だと思うのですが……どうしても「途中でストーリーが終わってしまう」物足りなさがあるのです。

 もちろん、アニメがヒットして2期が作られて、2期が「原作のラストまでを描く完結編」になる作品もたくさんあります。1期の時に張られていた伏線が2期で回収されるなんてことも何度も経験してきました。
 だから、この3作品には是非2期を期待したい!!今回、未消化で終わってしまった伏線や謎が回収されるまで、2期、3期とアニメが続くことを希望します!





 それと……ちょっとこれまでの話で、“原作なしのオリジナルアニメ”は「しっかり完結するから良い」くて、“原作が連載中のアニメ”は「しっかり完結しないから悪い」と受け取られてしまったかも知れませんが。

 “原作なしのオリジナルアニメ”は最終回を迎えてしまったらもう何もなくて、2期が作られなければ永遠に続きが観られないのですが。
 “原作が連載中のアニメ”は、最終回が終わって寂しかったら原作を読めばイイんですよね。「続き」が読めるし、「アニメ化の際に削られたエピソード」も読めるし、「元はこういう構成だった」という新しい発見もありますし。なので、私はアニメ→原作の順に観ることをオススメしているのです。


 そう考えると、“原作なしのオリジナルアニメ”と“原作が連載中のアニメ”のどちらがイイという話ではなくて、両方バランス良く視聴ラインナップに入れておいた方がイイってことなのかなーと思いました。

(関連記事:アニメの後に原作を読むススメ


 それはそうと。
 
 自分はアニメ2期があることを信じて、アニメ化された5巻までしか読んでいないのですが……『いなり、こんこん、恋いろは。』の原作漫画は超オススメです。絵の上手さ、漫画としての表現の上手さが半端ないですし、アニメには入りきらなかったエピソードやネタも多くて、原作を読んで初めて「だからあのキャラはああいう行動を取ったのか」と分かったところもあります。
 アニメが好きだった人にも、アニメに物足りなさを感じてしまった人にも、アニメを観ていなかった人にもオススメです。自分も6巻以降を読まないように自制するのが大変なくらいです(笑)。


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◇ 余談
 ……と、ここまで書いてきましたが。
 “原作が連載中のアニメ”であっても、例えば『けいおん!』1期のように原作とは違う「キャラクター達の成長物語」に改変してしまうアニメだったり、例えば『とある科学の超電磁砲』1期のように「表主人公:美琴/裏主人公:佐天さん」になるように原作のエピソードを改変して再構築し直したアニメだったりという作品もありますし。

 もっと極端な例で言えば、『境界の彼方』みたいにアニメ第1話のBパート以降は全て原作にないアニメオリジナル展開になっていた作品もありますし。



 そういった「原作通りの物語に進むアニメ」と「原作とは違った物語が描かれるアニメ」の違いについて、最初は書きたかったのですが……
 冬アニメが終わったばかりで、まだ『未確認で進行形』の原作と『銀の匙』の原作を読み終わっていないことと。いきなりそんな話を書いてもついてこれない人も多いだろうなと思ったので。今日の記事は、その記事に向けたクッションとして書きました。


 そちらの話はまた今度ということで。

| アニメ雑記 | 17:57 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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ブログで話題に出しやすいゲーム、出しにくいゲーム

 現在の自分は「無心でレベルが上がっていくRPGが遊びたいなぁ…」という気分なので、2008年に発売されたDSソフト『キミの勇者』をプレイ中です。
 私はこのゲームを発売日に買って、当時ファーストインプレッションも書いたのですが、なんだか色々面倒になっちゃって途中でプレイをやめてしまっていたのでした。「昔クリアできなかったゲームにリベンジしたい」熱が高まっている今、やるしかない!と引っ張り出してきて最初からプレイしています。


 DS時代、自分は「スリープモード」をほとんど使っていなかったのですが……3DSになってからは「スリープモード」を多用するようになったため、このゲームもダンジョンの途中でもパタッと蓋を閉じて中断すればイイやと気軽に起動&中断できるようになって。2008年にプレイしていた時より楽しめているように思えます。

 まぁ……まだ当時やめちゃったところまでは進んでいないので、この後とても面倒なことが起こるのかも知れないのですが。





 さて、前振りはここまで。
 ゲームが好きで「ブログにゲームの話題を書く」ことが日常化している自分からすると、ブログの話題に出す元ネタは「今プレイしているゲーム」が一番多くなります。現在進行形で遊んでいるからこそ「ここがイイ!」「ここはどうなんだ!?」と語りたくなるのです。
 『おでかけタコりん』を遊んだ時も、『TRINE2』を遊んだ時も、『女の子と密室にいたら○○しちゃうかもしれない。』を遊んだ時も、『ドラゴンクエストII』を遊んだ時も、それらのソフトを遊んで思ったことを元にしてブログで記事にしました。


 しかしです。
 これはホント失礼な話になるかも知れませんが……2014年の今、『キミの勇者』の話題をブログに書いて誰が読んでくれるのかと正直思ってしまうのです。5年半前のゲームです。バーチャルコンソールで配信開始になったソフトのように「みんながもう一度遊ぶ機会」がやってくるワケでもなく。そもそも何十万本も売れるようなタイプのゲームでもありません。

 私は現在プレイ中ですから、語りたいことはいっぱいあるんですよ。
 「盗む」コマンドができるようになったからにはザコ戦でもガンガン「盗む」をやりたいのだけど、そうするとオート戦闘にできないから1回1回の戦闘にすごく時間がかかって面倒くせえとか書きたいんですけど、「そうだ!そうだ!俺も今ちょうどプレイしていて同じことを思ったよ!」なんて言ってくれる人がいるのかって思ってしまうのです。

 2008年にプレイした人も、「そんな細かいこと覚えてねえ!」って言うでしょうしね……




 例えば『おでかけタコりん』みたいに最近出たゲームだったら、「こんなゲームがあるんですよー。みなさんもやりましょう!」という紹介もできると思いますし。
 「ステルスゲーム」を話題に出した時に例に使った『メタルギアソリッド』や『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』は昔のゲームですが国内だけでも70万本以上を売り上げているヒットソフトですし、長く続いているシリーズなので「プレイはしたことないけど名前は知っている」という人も多いことでしょう。

 こうしたゲームは「ブログで話題に出しやすいゲーム」だと思うんです。



 しかし、今の私がプレイしている『キミの勇者』のように、数年前に出たゲームで、何十万本も売れるようなゲームでもなく、一本限りの非シリーズ作品で、ファーストインプレッションにも書いたように「面白いんだけど“このゲームにしかない斬新な魅力”があるワケでもないゲーム」の場合。

 「ブログで話題に出しにくいゲーム」だと思うんです。


 とりたてて特徴がないというか……
 『密室○○』はまだ「CERO:D」であることをネタにできたけど、『キミの勇者』はゲームとしては手堅く面白いんだけど「普通のRPG」すぎて語ることが特にないというか。





 今、「あれ……まさに今“特徴がない”ことをネタに1本の記事を書いているような……」という疑念が浮かびましたが。そこには気付かなかったことにします!!


 ブログにゲームの話題を書きたい
→ 書くからにはたくさんの人に読んでもらいたい
→ たくさんの人に読んでもらうにはたくさんの人が知っているゲームについてじゃないと
→ 有名ゲームばかりプレイすることに


 こういうサイクルになってしまったらそれは「ゲーム好き」として倒錯の極みだと思うのですが、実際『とび森』の記事とか『パズドラ』の記事とかはアクセス数がとても高かったですし。
 「最近のゲーム」「みんなが気になっているゲーム」「有名なゲーム」について書けば読んでくれる人がたくさんいて、「昔のゲーム」とか「あまり売れていない(=遊ばれていない)ゲーム」とか「DSiウェア」とかについて書いてもなかなか読んでもらえなくてってことを考えると。


 私も「最近のゲーム」「みんなが気になっているゲーム」「有名なゲーム」を優先して遊んだ方が、ブログの読者も喜んでくれるんじゃないのか―――って思ったりもするのです。
 「そんなことないですよ!やまなしさんの書きたい話を書いてくれれば自分は喜んで読みますよ!」と言ってくださる人もいるかもですが、そういう人は「『キミの勇者』の“盗む”成功率について」という記事を書いても読んでくれますかね(笑)。



 ということをウダウダ考えたのですが。
 こんな記事を書いてしまったら、この後に例えば「『ポケモン』始めました!」とか私が言い出したら「コイツ……アクセス数のためだけに、俺の大好きな『ポケモン』を始めやがった!許せねえ!」と思われかねないので。結局、今まで通りやっていくしかないということに気付きました。

(関連記事:好きなゲームを「好き」と紹介することに意味があるのか

キミの勇者(特典無し)キミの勇者(特典無し)

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| ゲーム雑記 | 17:58 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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アニメ放送に合わせたアニメ付き原作コミックスと、電子書籍の問題

 これは今季に限った話ではなく数年前から盛んだったと思うのですが、特に今季は自分が観ている作品で行われているものが多かったので語っておこうと思います。
 深夜アニメのビジネスは「DVDやブルーレイを売る」ことが根幹です。その商品展開の一つで、(テレビでは放送していないエピソードの)新作アニメを収録したディスクを付けて原作の最新刊を発売する―――という作品が結構あります。



 『未確認で進行形』は3月28日に発売する原作コミックス5巻に、約10分の新作アニメと「まんが4コマぱれっと」のCM全バージョンを収録したDVDを付けた特装版を発売します。価格は通常版800円+消費税で、特装版が3000円+消費税なので、ディスクは2200円相当ということですね。
 内容は小紅・紅緒・撫子の幼少期のエピソードと、実家で暮らしていた頃の真白と白夜のエピソードみたいです。

未確認で進行形 (5) 特装版 (4コマKINGSぱれっとコミックス)
未確認で進行形 (5) 特装版 (4コマKINGSぱれっとコミックス)


 『いなり、こんこん、恋いろは。』は6月26日に発売予定の原作コミックス8巻に、約25分の新作アニメを収録したブルーレイとトールケースを付けた特装版を発売します。価格は特装版が4320円+消費税で、通常版は恐らく560円+消費税なので、特典は3760円相当ということですね。
 内容は各販売サイトによると“いなりとコン(顕現バージョン)が大活躍するあの話!”という商品説明があるので、“アニメ最終話の後の話”でなくて原作3巻の丹波橋家の話ですかね。あの話は原作の中でも特にお気に入りのエピソードです。

いなり、こんこん、恋いろは。 (8) オリジナルアニメBD付き限定版
いなり、こんこん、恋いろは。 (8) オリジナルアニメBD付き限定版




 『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は6月30日発売予定の原作コミックス7巻に、新作アニメを収録したブルーレイとトールケースを付けた特装版を発売します。価格は特装版が4320円+消費税で、通常版は恐らく580円+消費税なので、特典は3740円相当ということですね。
 Amazonの商品ページによると「過激すぎてTVでは放送できなかった禁断のエピソード」だそうです。

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 7 ブルーレイ付き限定版
最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 7 ブルーレイ付き限定版



 自分が今季観たアニメは4作品なのですが、その内の3作品がこの商品展開をしているという。
 今季のアニメでなければ、前季の『のんのんびより』も7月23日発売予定の原作コミックス7巻に、新作アニメを収録したディスク(DVDなのかな?)を付けた特装版を発売しますアフレコレポートによると、原作にはないオリジナルエピソードみたいですね。

のんのんびより7巻 OAD付き特装版 (アライブ)
のんのんびより7巻 OAD付き特装版 (アライブ)

 公式サイトには、予約締め切り「3月24日」って書かれていますね……
 これを書いている時点では「3月24日」ですが、アップされるのは「3月25日」の予定。あちゃー。



 たくさんの作品がこうした商品展開を取っているということは、それなりの成果が上がっている商品展開なんだと思います。色んな出版社、色んなレコード会社がこうした展開をしていますからね。

 「DVDやブルーレイを売る」ためにアニメを作っているけど、収録されているのが「既にテレビで放送されたもの」や「既にネット配信されたもの」ではなかなか買ってもらえない―――
 なので、DVDやブルーレイ全巻出した後に「テレビ未放送のOVA」を出したり、DVDやブルーレイの最終巻に「テレビ未放送の“真の最終回”」を収録したりする作品もあるのですが。下手すると「テレビ放送は未完で終わって、続きは金出さなきゃ観られないってことかよ!」という反発も受けかねません。


 それと比較すると「原作コミックスに新作アニメを付けて発売するという商品展開」だと、“真の最終回”というよりかは“テレビ版には入らなかったエピソード”という認識をしてもらえるとか、アニメから入ったファンに原作を買ってもらいたいとか、原作だけ読んでいる人にもアニメに興味を持ってもらいたいとか―――様々な効果がありそうですしね。


 私は「アニメに楽しませてもらったからにはしっかり公式にお金を落とすべきだ」と思っているので、「DVDやブルーレイを全巻買えない人」でも手を出しやすいこういう商品展開は素晴らしいと思うのですが。思うのですが……





 ただ……一つ問題があるのです。
 こうした特装版のコミックスって“紙の本”だから出来ることなんですよね……

 私は『未確認で進行形』の原作も『いなり、こんこん、恋いろは。』の原作も『のんのんびより』の原作も、既に“電子書籍”で集めてしまっているのです。

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 “電子書籍”はホント便利です。
 本棚を占拠しないから気軽に買えるし、しょっちゅうセールをやってくれるから安く買えてしまうし、一つの端末に何十冊という本が入るから持ち運びが楽だし、欲しい時にクリック一つで買えてしまってすぐ読めてしまう。『未確認で進行形』も『いなり、こんこん、恋いろは。』も『のんのんびより』も、衝動でポンポンと全巻購入してしまいました。

 「してしまいました」と書きましたが、“紙の本”なら本棚のスペースを考えてなかなか買えなかっただろう本を楽しませてもらっているのだから、ホント“電子書籍”のおかげで漫画読みライフが格段に幸せになったと私は思っています。Amazonさん、ありがとうございます(媚)。




 だから、まさかこんな落とし穴があろうとは……
 もし私が『未確認で進行形』の新作アニメが観たくて5巻の特装版を買ったら、1巻はキンドルの棚に、2巻もキンドルの棚に、3巻もキンドルの棚に、4巻もキンドルの棚に、5巻は現実の本棚に入る―――というワケの分からないことになってしまうのです。1~4巻をキンドルで揃えたのなら、5巻以降もキンドルで揃えたいじゃないですか!



 ……

 今、ふと「特装版もキンドル版も両方買えばイイのではないか」という悪魔の閃きが降りてきましたけど、それを言い出すとキリがないので無視します!




 同じようなことを思っている人は自分以外にもいるみたいで、以前Twitterで「キンドルで特装版を買えばキンドル本とAmazonインスタントビデオを購入したことになればイイのに」と呟いている人を見たことがあります。自分も理想的にはそう思います。Amazonインスタントビデオが使い物になるのかは置いといて。

 「アニメに楽しませてもらったからにはしっかり公式にお金を落とすべきだ」と思っているのだけど、正直こちらの“保管場所”はそんなに広くないので……“本”も“音楽CD”も“DVDやブルーレイ”もデータだけ売ってもらえた方がありがたいという気持ちは正直あります。


 でも、きっとそれは色々な問題を孕むのだろうな……とも思うのです。
 「本」と「アニメ」をセットにして売るということ自体「抱き合わせ商法ではないのか」という問題があるのに、データで売る場合でもそれがセットになる必然性があるのかということと、バラバラに買えてしまったらそれは「OVA」とか「最終巻に“真の最終回”が収録されている」とかに戻るんじゃないかとか、出版社とレコード会社の利益はどうなるんだとか。




 結局のところ「新作アニメを収録したディスクを付けて原作の最新刊を発売する」という商品展開も最適解ではなかったってことなのかなーと思います。電子書籍の普及に合わせて、また新しい商品展開が生まれなければならないんじゃないかと。

 一番ありえそうなウルトラCを誰かがやってくれるとしたら、Amazon様(媚)が「紙の本の特装版を買った人にはキンドル版を無料プレゼント」とかやってくれれば、電子書籍派の人も特装版を気兼ねなく買えるし、紙の本派の人も電子書籍に触れる機会ができるのだけど―――そうしてAmazonが力技で顧客を確保してしまうと、Amazon以外の小売は死ぬことになりそうですしねぇ。それが理想の未来とも思いませんし。難しいところです。


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今さら気付いた「私はステルスゲームが苦手なんだ」

 昨年、3DSやWii Uのバーチャルコンソールにある「まるごとバックアップ機能」を駆使して昔クリア出来なかったゲームにリベンジしようという記事を書きました。私自身も『がんばれゴエモン~ゆき姫救出絵巻~』や『スーパーメトロイド』等の、「自力ではクリア出来なかったゲーム」をその方法でクリアして……


 そうして「昔クリア出来なかったゲームへのリベンジ」熱が高まったことで、バーチャルコンソールではないのですがリアルタイム時にプレイした時には手も足も出なかったゲームにリベンジしてみることにしたのです。


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 『メタルギアソリッド』の1作目!

 PS3はPS1のソフトが遊べるから助かるぜー!と、攻略サイトを見ながらプレイ開始しました。最初のエレベーターまでもたどり着けませんでした。おかしい……リアルタイム時にプレイした時は基地の入口までは進めた記憶があるんだが……あの頃より更に下手になっているじゃないか……


 自分にとって『メタルギアソリッド』というのは“トラウマの代表”みたいなもので、基地の中にすら入れなかったことで、当時「最近のゲームにはもう付いていけないのか……」とか「3Dになってからアクションゲームが苦手になってしまった」とか落ち込んでいました。「どうして自分がこのゲームが苦手なのか」が分からなかったので、「最近のゲーム全般」とか「3Dアクションゲーム全般」が苦手だと勘違いしてしまったのです(※1)

(※1: 後に分かる「3Dアクションゲームが苦手な理由」は「画面の外から攻撃されるのが苦痛」という理由なので、カメラが上部から固定されている『メタルギアソリッド』の1作目が苦手なのはこの理由じゃないんですね)


 でも、違ったんです。
 あれやこれやとゲームについて語り続けてきた結果、今なら「どうして自分がこのゲームが苦手なのか」の自己分析ができます。「かくれんぼゲーム」というか「ステルスゲーム」というか、「敵から見つからないように進むゲーム」が苦手なだけだったんです。

 “苦手”というのは「クリアできない」というだけでなく、「精神的にキツイので頑張る気が起きない」し「クリアしても楽しくない」んです。“自分の肌に合わない”と言うべきか。


 これが分かったのが、『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』をプレイしたから。
 このゲームには「(基本的には倒せない)敵に見つからないように進まなくてはいけないダンジョン」があって、『メタルギアソリッド』と違って“安全地帯”があって分かりやすかったのでクリアはできたのですが……そこに何度も潜らなければならないのがまぁ私には苦痛で苦痛で。クリアはしましたが、楽しかったとは言えない体験でした。
 『ゼルダ』シリーズが大大大大好きで、そのダンジョン以外は楽しんだ自分ですが、そのダンジョンだけがつらくてつらくて仕方なかったので「二度と起動したくない」と思ったほどでした。



 この話は別に「ステルスゲームはダメだ」と言いたいワケではありません。
 『メタルギア』シリーズも、『夢幻の砂時計』も、人気があることは知っています。

 ただ、私が“自分の肌に合わない”というだけなんです。
 それはつまり「敵に見つかってはならない」というプレイ中に自分にかかるストレスと、「敵に見つからずに突破してやったぞ」とクリア後に得られるカタルシスのバランスが、自分にとっては悪いというだけなんです。自分の場合はストレスを100くらい感じて、それを乗り越えた時に得られるカタルシスが20くらいなので……クリア出来たところで「プレイ中のストレス」のことしか印象に残らないのです。


 「みんなもそうだ」と言う気は全くありません。
 ただ「私はそうだ」という話を書いておきたいだけなのです、

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1.「敵を全部倒す気持ち良さ」が得られない
 「ステルスゲーム」と一言で言っても色んなゲームがあるでしょうから、恐らく普通のアクションゲームのように敵を全滅させつつ進めるゲームもあるんだと思いますし……ひょっとしたら『メタルギアソリッド』1作目も敵を倒しながら進むことができるのかも知れませんが(説明書や攻略サイトやチュートリアルを見てもよく分かりませんでした)。

 基本的には「ステルスゲーム」は「敵を倒すゲーム」ではなく「敵に見つからないように進むゲーム」ですよね。つまり、マップ上を徘徊する敵は倒せないし倒さないのが普通のプレイになるんだと思います。それが自分にはキツイのです。


 私は「敵」を倒したいのです。

 マップ上にわんさかいる敵をチマチマと倒していって、全部倒したーというところにカタルシスを感じるのです。“片付け”欲というか“掃除”欲が充たされるのです。

 アクションゲームでもRPGでもシミュレーションゲームでもそう。敵を倒していくことに私は快感を覚えるのです。
 「1ミスで死んだ仲間はもう復活できない」というストレスがMAXでかかる『ファイアーエムブレム』シリーズがそれでも好きなのは、敵のユニットを1人ずつ倒していって「このマップの敵は全部倒してやったぜ!」となるのがキモチイイからなんです。
 シンボルエンカウントのRPGの場合「倒した敵は画面を切り替えない限りもう出てこない」ゲームは全部倒してから進むのがキモチイイのですが、「無限に敵が湧いてくる」ゲームはあまり好きではありません。
 マリオシリーズでファイアーマリオになって嬉しいのは、ノーマルマリオでは倒せないパックンフラワーなどを倒せるようになるからです。「もうこの土管からはフラワーが出ませーーん」となるのがキモチイイのです。



 話を「ステルスゲーム」に戻します。
 「敵に見つからないように進むゲーム」の場合、「敵を倒していくカタルシス」は得られません。
 もちろん「敵に見つからないで進めたーというカタルシス」はあるので、そこが好きな人から強い支持を受けているのでしょうけど……私は「敵を倒したい」と思ってしまうので、どうも「部屋が片付いていないまま先に進んでいる」ようなモヤモヤした感覚に陥ってしまうのです。RPGで言えば「取り逃した宝箱がある」のに強制イベントで先に進んじゃっている、みたいな。



2.「敵に見つかったらアウト」という緊張感に吐きそう
 アクションゲームというのは、“緊張”を強いるゲームです。
 「敵にぶつかったら1機死んでステージの最初から」「穴に落っこちたら1機死んでステージの最初から」―――80年代前半までは、こんな風に1ミスでやり直しというゲームが多かったと思うのですが。
 例えば、『スーパーマリオ』はキノコを取ると1回のダメージは大丈夫とか、『グラディウス』はバリアー張れば何発か喰らっても大丈夫とか、『星のカービィ』は常に飛んでいられるとか、多くのアクションゲームが「LIFE制」になるとか。“1ミスでやり直し”という緊張感からは、プレイヤーは次第に解放されていったのだと思います(※2)

(※2:これはゲームが複雑化していった結果なので、難易度が下がったということではないのですが)



 でも、「ステルスゲーム」は「敵に見つかった」らもうアウトなのです。
 3回までは見つかっても大丈夫みたいなことはなく、1回でも見つかったら即座に引き返して敵の警戒が解かれるのを待つとか、その階の最初からやり直しとか。1ミスで今までの苦労が水の泡という“緊張感”があって、それが好きな人には溜まらないのは分かるのですが、私はもうその“緊張感”に耐えられなくて吐きそうになってしまうのです。

 『メタルギアソリッド』も『夢幻の砂時計』も、敵に見つかった時「大変なことになったぞおおおおお」みたいな警戒音がなるじゃないですか。アレもまた心臓に悪くて……敵に見つかっても見つからなくても吐きそうになってしまいます。


3.「敵に見つからず見事に突破」した御褒美が「敵に見つかるな!」というステージ
 これはある意味……「ゲームって全部そうじゃん」って話でもあるんですが。
 頑張ってステージをクリアして得られるのは「次のステージに進む権利」なんですよね。『スーパーマリオ』で言えば、1-1をクリアしてもらえる御褒美は「レベルが上がって攻撃力が上がる」とか「エッチな絵が見られる」とかでなくて「1-2が遊べるようになる」だけなんです。

 これって「1-1を遊ぶのが楽しかった人」にとっては「やったー!次のステージが遊べるぞーーー!」と思えるのだけど、「1-1を遊ぶのが苦しくて苦しくてやっとの思いでクリアした人」にとっては「まだこの悪夢が続くの……」と思えてしまうのです。


 当たり前ですけど、「ステルスゲーム」は「敵に見つからないように進むゲーム」ですから、やっとの思いで「敵に見つからずに突破できた」としてもまた新たな「敵に見つからないように進むステージ」が現れるだけなんです。安息の地はエンディングを迎えるまでは来ません。
 「敵に見つからないように進む」のが楽しい人にとっては「やったー!次のステージが遊べるぞーーー!」と思えるのでしょうけど、私にとっては「まだこの悪夢が続くの……」としか思えないのです。


 『夢幻の砂時計』の紹介記事を書いた際に、同じ「敵に見つからないように進むダンジョン」に6回も潜らなければならないことを私は批判したのですが……
 それが苦痛なのは私が「敵に見つからないように進むダンジョン」が苦痛だったからなだけで、それが楽しい人にとっては「同じダンジョンを6回も楽しめる!入るたびに新しい発見がある!」と思えるものだったのだと思います。少なくとも作り手はそういう認識で作っていたんだろうな、と今なら思います。



 だからこれ、1ステージくらいなら何とかなるんですよ……
 『神々のトライフォース2』でも1箇所だけ「敵に見つからずに進む」場所があって、そこはホント苦しくて苦しくて吐きそうになりながらクリアしたのですが、それ以後はそういう場所はなかったので「良かった……」と思いました。あれが何箇所も続いていたら「もうゼルダは二度とやらない」と思っていたことでしょう。


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 「3Dアクションゲームが苦手です」の記事を書いた時も、「アナタが嫌いだというだけで、好きな人もたくさんいるんだからわざわざそんなことを書くんじゃない」と言われました。それも一理あると思います。
 この記事でも再三「これは私がそうだというだけで、みんなもそうだということではない」と書いてきましたけど、それでも「ステルスゲーム」を好きな人はこの記事を読んで不快になられたかも知れません。それはもうホント申し訳ないです。


 でも、「苦手なんです」と書かなければ「みんなステルスゲームが好きなんでしょ?」と誤解されて、全然そんなジャンルじゃなかった『ゼルダの伝説』シリーズに組み込まれて『夢幻の砂時計』みたいなゲームが出来てしまうじゃないですか。
 もちろん『夢幻の砂時計』は『夢幻の砂時計』で人気のあるゲームですし、アレを好きだと言う人を否定する気はありませんけど。みんながみんなアレを好きだとは思わないでくれと書いておかないと、またステルスダンジョンに何回も潜らされることになるかも知れないじゃないですか。それはホント勘弁してもらいたい。


 というか、「好きな人はいる」のは確かですから、「入れるな!」とは言いません。
 「入れるなら事前に“ステルスダンジョンあるよ”と言ってくれ!」とお願いしたいです。そうすれば私が買わなくて済むから。それくらい私は苦手なんです。吐きそうになってまでゲームを遊びたくないんです。それはもう「遊び」じゃないですもの。

| ゲーム雑記 | 18:16 | comments:15 | trackbacks:0 | TOP↑

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正真正銘の豪華特典。『未確認で進行形』ブルーレイ1巻紹介

 多くの深夜アニメの場合、ビジネスの根幹になるのは「DVDやブルーレイを売ること」です。
 どんなにネット上で話題になっていてもDVDやブルーレイが売れなければ続編などの展開は起こりませんし、逆に言えばDVDやブルーレイが売れる作品は一部のファンにしか知られていないような作品であっても続編展開が起こり続けたりするものです。

 しかし、DVDやブルーレイに収録されている“本編”は、基本的に「既にテレビで放送されたもの」や「既にネット配信されたもの」です。
 録画機器が安価で手に入るようになった現在、「既にテレビで放送されたもの」や「既にネット配信されたもの」をお金を出して買ってもらうのは至難の業です。コアなファンからの“お布施”によって支えられている市場と言って過言はないと思います。



 なので、深夜アニメのDVDやブルーレイを売って、ビジネスとして次に繋げるためには“本編”だけでなく“特典”を充実させていく方向が大事なのかなー……と、漠然と考えていたところで、今季のアニメ『未確認で進行形』のDVD&ブルーレイがまさに「特典が充実しまくっている」商品だったために購入してしまいました。


 なので、今日はそれを紹介していきたいと思います。
 『未確認で進行形』を知らない人にも、そもそもアニメに興味がない人にも、「アニメのDVD&ブルーレイってこんなものが入っているんだ」と知ってもらえたらなと思って書くことにしました。ちなみに私が買ったのはブルーレイの方ですが、DVDも画質以外は同じ特典が入っているみたいです。価格はDVDの方が若干安いです。




買った!

 開封の儀!




☆ 初回限定版特典「豪華描き下ろしデジパック仕様」
出した!

 これはニコ生でも見せていたので、写真を載せちゃってもイイかな。
 「デジパック」というのは、通常のCDやDVDやブルーレイが入っている「パカッと開けるケース」ではなくて、プラスチック製のトレーの上にパッケージを描くことで自由なデザインができる方式のことです。

 この商品の場合は、厚紙の箱の中からケースが出てくるような仕組みになっていて、二種類の小紅が楽しめる……のですが。まぁ……正直、出すのがちょっと面倒くさいところはありますね(笑)。最初は感動するんだけど、何度もケースから出したりする時にいちいち箱から出すのが、ねぇ。




開けた

 これが中身。
 驚いたのですが、「冊子」的なものはないんですね。
 いや、確かに特典情報の中に入っていなかったのですが、自分が今まで買ってきたアニメのDVD&ブルーレイの中には必ず入っていたと思うので……ないことに驚きました。いや、まぁ大したことが書いていないものも多いのでないことは別にイイんですけどね。


☆ 初回限定版特典「ライブイベントチケット優先販売申し込み券」
 6月8日に行われる『未確認で進行形』のライブイベントのチケットを優先して買えるシリアルナンバーが書かれています(1枚分)。
 この手の特典をアニメのDVD&ブルーレイ1巻に付ける作品は多いんですけど、自分は今イベントに行けるような状況でもないので……あまり意味のある特典でもないかな。



☆ キャラクターソングCD「めっせーじ!」
 この商品のディスクは2枚組で、1枚目が本編も含めた映像が収録されているブルーレイ(DVD)で、2枚目がキャラクターソングが収録されているCDです。CDには2曲入っていて、その1曲目がこの曲「めっせーじ!」です。視聴動画が公式に配信されているので貼り付けておきます。



 歌っているのは小紅&真白&まゆらの1年3組トリオ。
 『未確認で進行形』の楽曲は、「恋愛」だったり「家族愛」だったりを歌う曲が多いのですが……この曲はこのメンバーだけあって「友情」を歌っている曲で、王道にグッと来る歌詞ですね。


☆ キャラクターソングCD「とまどい→レシピ starring小紅」
 2曲目がこちら。自分がこの商品を買った目当ての一つです。
 小紅&紅緒&真白の3人で歌っているオープニング曲「とまどい→レシピ」は、現在CDも楽曲も絶賛発売中ですが……



 こちらのDVD&ブルーレイに同梱されているキャラソンCDに入っているのは「小紅ソロバージョン」。3人バージョンももちろん大好きで何十回聴いても飽きない魅力があるのだけど、ソロバージョンはソロバージョンで「照井春佳さん」ではなく「夜ノ森小紅」が小紅の気持ちを歌詞にして歌っているという表現になっていてとてもイイです。



☆ 本編「第1話:何事も最初が肝心です」「第2話:ロリ小姑ってのも悪くないわ」
起動した!
 やっと本編ディスクの話に入ります(笑)。

 ブルーレイを起動すると、東宝のロゴの後にこの画面になります。この画面のBGMがニコ生待機している時のBGMだー……ってのは置いといて。メニューは「本編再生」「チャプター」「映像特典」です。

 「本編再生」は1話から再生が始まり、「チャプター」は1話・2話の「アバン」「オープニング」「Aパート」「Bパート」「エンディング」「次回予告」と再生開始する場所を指定して始めることができます。


 んで、本編となる第1話と第2話ですが……
 まだ観ていないので、テレビ版&ネット配信版との違いとかは分かりません!!

 
 だってほら……特典が多すぎるので、一度観ている本編は一番の後回しになっちゃうじゃないですか……





映像特典!
 こちらは映像特典の項目です。


☆ OVA「見て。あれが私たちの泊まっている旅館よ。」
 テレビ未放送の新作回です。
 時間は(オープニング&エンディングなしで)12分間。

 「湯気で隠さない温泉回!」と謳われていますけど、正直私はこのアニメにエロさは求めていないし、温泉のシーンは公式で配信されている3分間の動画(見せちゃうVer.)でほぼ出し尽くしているような……(笑)



 内容的には紅緒と真白がドタバタする中で、小紅と白夜の距離がちょっと近づいて……と、いつもの『未確認で進行形』の内容でした。本編で見られる畳み掛けるような会話劇の面白さには欠けると思いますが、12分間の新作映像は頑張っているなーというところでした。



☆ 「とまどい→レシピ」みかくにんぐッ! ミュージックビデオ
 「とまどい→レシピ」を歌っている小紅&紅緒&真白の中の人によるミュージックビデオです。半分くらいの尺(2番まで)は公式でYouTubeにて公開されていますが、それの完全版ということですね。ブルーレイ画質だから河童もクッキリ見える!と言いたかったけど、YouTubeで見てもクッキリ見えました(笑)。



 とても凝ったミュージックビデオで商品の購入前はYouTubeで「半分くらいの尺Ver.」を何度も再生していた自分ですが、ネットで半分が観られちゃうので購入の目当てにするのも……ってカンジですかね。




☆ 原作者:荒井チェリー先生描き下ろし 四コマ次回予告(完全版)
 『未確認で進行形』の次回予告は、荒井チェリー先生の描き下ろし4コマなのですが(よく考えるとアレのどこが次回予告なんだ・笑)……「テレビ放送版」と「ニコニコ動画版」では台詞が違うんですね。「ニコニコ動画版」の方がハッチャケ具合がすごいです。


 その両方を自由に観られるという映像特典です。
 ちなみにDVD&ブルーレイで本編の方を再生して出てくるのは「テレビ放送版」の方の次回予告みたいです。



☆ ニコニコ生放送「夜までみんなで╭( ・ㅂ・)و ̑̑ ぐッ! 」特別編
 さて、これです。
 自分がこの商品を買った最大の目当て。

 『未確認で進行形』は日曜夜10時からニコニコ生放送で本編の最新話を放送した後、毎週1時間のトーク番組をニコニコ生放送で放送しています。出演は、小紅役の照井春佳さん、紅緒役の松井恵理子さん、真白役の吉田有里さんの3人で……これがまぁ、とてつもなく面白いのです。

 ニコニコ生放送は番組終了後にアンケートを取るのですが、「とても良かった」が毎週96~98%付近で安定しているというすごい番組です。
 こういう言い方は失礼かも知れませんが、日曜の夜のスケジュールを毎週3人分抑えるなんてことは「まだそれほど忙しくない若手のキャスト」だからできることです。でも、「よくぞこんな3人がいたな!」という絶妙なバランスの3人で、誰か1人いなくてもこの面白さにはならなかったという奇跡の組み合わせなのです。



 このDVD&ブルーレイに収録されているのは、この番組の「特別版」。DVD&ブルーレイでしか観られない「出張版」となっています。収録時間は41分。
 収録なので、ニコニコ生放送の魅力である「コメント」や「アンケート」、視聴者からの「投稿」もないのですが……それでも遜色がない面白い回となっていました。

 人気コーナー「そこに白い吹き出しがあったから」の特別版で、視聴者からの「投稿」がない代わりに、『未確認で進行形』のオールキャスト、スタッフ、一迅社の人、そして何故だか青二プロダクションの人達、そしてあの人……からのレベルの高い「投稿」で楽しませてもらいました。

 また、「生放送ではなく収録」なことを活かして、ピー音で隠せばイイやと版権ネタをぶちこんだり、トンでもない話をぶちこんだり(笑)。つか、あの人の本名が分かっちゃうと思うんだけど、イイのだろうか……


 (DVD版の)容量の限界ギリギリまで収録したということで、ジェンガ対決はダイジェスト気味に入っているのですが……アレは生放送だったらダレてしまう展開だったろうに、編集でまとめられたおかげでスピーディに楽しめる内容になっていました。


 文句なしの面白さで大満足。
 自分は本編の「第1話」と「第2話」だけ録画していなかったために「ブルーレイは1巻だけ買おうかなー」と1巻を買ったのですが、3巻にもこのニコ生特別版が収録されるらしいので「さぁ……どうしようか」と悩んでいるところです(笑)。



 「正真正銘の豪華特典だった!」と大満足している自分ですが、自分の満足度を置いておいて、みんなにオススメできるかを考えると「中の人」達に興味がないと物足りないかもなぁ……というのはあります。

 ニコ生の特別版も、ミュージックビデオも、キャラソンで小紅のソロバージョンが付いてくるところも……自分は小紅を演じる照井春佳さんのファンなのですごく嬉しかったけど(ライブイベントの優先購入権もそうか)、作品は大好きだけど「中の人」には興味がないって人が期待できるかは難しいかなぁ……
 以前に話題になったオーディオコメンタリーや、冊子も付いてきませんしね。


 そう考えると……一言で「“特典”を充実させる」と言っても、簡単じゃないんですね。
 その作品に何を求めるかが人によって違うので、どういう人をターゲットにするかによって“特典”も変わってくる。今回はまさに自分のような人間がターゲットになったということか。



 あ、全く話が変わりますけど……
 同日に発売されたキャラクターソングの話もついでに書いておきます。どの曲もお気に入りですが、その中でも紅緒の『Eternal My Sister』は「イチャイチャ姉妹」好きにとっては必須の曲でした。小紅役の照井さんが泣いてしまうのも納得(ちなみに照井さんはリアルにお姉さんと仲良しで姉妹二人で暮らしている)。





| アニメ雑記 | 17:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分が期待している2014年の春アニメラインナップ

 またこの時期がやってきましたよ!

 4月から始まる(主に)深夜アニメの中から、自分が「とりあえず第1話だけでも観てみよう」とした作品をリストアップするだけの記事です!アニメ初心者の人は「たくさん作品があってどれを観てイイか分からない……」と絶望してしまうかも知れないので、その参考情報の一つになれればイイかなと思います。ここまで過去記事からのコピペでした!

(関連記事:超初心者のための“深夜アニメの楽しみ方”講座
(関連記事:超初心者のための“深夜アニメの切り方”講座
(関連記事:初心者の自分が、インターネットの無料配信で深夜アニメを観てみました
(関連記事:たくさんあるアニメ作品を「食わず嫌い」すること


 さて……来季のアニメ。
 毎回言っているような気もしますが、これと言った“軸になりそうな作品”のない季というカンジで、2期モノが多いこともあって2期モノを除くとどれを観ればイイのかサッパリ分かりません。3ヶ月前も、7作品を選んでおきながら最終的に観たのはその中の1作品だけだったこともありましたが……この時点で面白そうなアニメを選別するのは至難の業なんですよね。


 冬アニメの時は「7作品をピックアップ」+「コメント欄やTwitterでオススメしてもらった作品も観る」としたのですが……それでもピンと来る作品に出会えなかったのでTwitterのタイムラインで評判良かった作品を観漁った結果、『未確認で進行形』や『妹ちょ。』に出会えたので……

 来季は「5作品をピックアップ」+「コメント欄やTwitterでオススメしてもらった作品も観る」+「Twitterのタイムラインで評判良かった作品も観る」ことにしました。「Twitterのタイムラインで評判良かった作品」を観る時間を確保するために、ピックアップする作品を5作品に減らしたということです。
 今回、第1~2話は放送開始するアニメを片っ端から録画して「評判良かった作品」を後からでもチェック出来るようにするつもりです。また、嵐のような数週間が始まるぜ……


 最終的には3作品に絞り込みたいのだけど、果たして。


 今回も『脳とアニメーション』さんの一覧記事を参考にさせていただきました。
 皆さんもそちらを読むとイイと思いますよ。




○ 『一週間フレンズ。』
 <公式サイト
 <男女男女女

一週間フレンズ。 コミック 1-4巻セット (ガンガンコミックスJOKER)
一週間フレンズ。 コミック 1-4巻セット (ガンガンコミックスJOKER)

 原作は月刊ガンガンJOKERで連載中の青春漫画。
 友達との記憶を一週間しか保てない少女と、そんな彼女とひたむきに友達になろうとする少年の物語―――ということで、実は自分のツボである「記憶障害」系の作品な上に、まっすぐな青春恋愛モノっぽいので期待大です。アニメーション制作は『夏目友人帳』シリーズのブレインズ・ベースで、主演の二人はまだキャリアの浅い若手二人を起用だそうです。


 放送日程は、最速が東京MXの4月6日~で。
 MBS(4月7日~)、テレビ愛知(4月8日~)、AT-X(4月9日~)、BS-11(4月13日~)で放送予定です。ネット配信はまだこのタイミングだと分かりませんね……





○ 『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』
 <公式サイト
 <男女女女男

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)

 今季の“ノイタミナ”枠の後半の方。
 原作はファミ通文庫のライトノベルで、ノイタミナには珍しいライトノベル原作アニメということですかね。最近は結構「ライトノベルっぽいアニメ」も多かったので驚きはありませんが。

 島流しにあった主人公が美少女の地縛霊に出会う―――といういかにもな設定ではあるんですが、彼女を10年前に殺した犯人をつきとめるために島中に隠されている“コレクション”を探す……ということで、『埋蔵金』というタイトルなんですね。

 シリーズ構成が倉田さんなので、「倉田さん……ノイタミナ……遺産探し……うっ、頭が!」と思わなくもないのですが(笑)。設定がなかなか面白そうなので素直に期待しています。


 放送日程は、最速がフジテレビの4月10日~で。
 岩手めんこいテレビ・仙台放送・秋田テレビ・さくらんぼテレビ・福島テレビ・新潟総合テレビ・テレビ静岡・東海テレビ・関西テレビ・テレビ新広島・テレビ愛媛・テレビ西日本・サガテレビ・テレビ熊本・鹿児島テレビでも放送予定だそうです。ノイタミナなんでネット配信は期待薄ですね。





○ 『キャプテン・アース』
 <公式サイト
 <男男女女男

 アニメーション制作ボンズ、五十嵐卓哉監督、シリーズ構成の榎戸洋司さんと……『STAR DRIVER 輝きのタクト』のメインスタッフによるオリジナル王道ロボットアニメだそうです。自分は『STAR DRIVER 輝きのタクト』は観ていなかったのですが、今季貴重なオリジナル作品ですし、まっすぐなストーリーを今の自分は欲しているので楽しみにしています。


 放送日程は、最速がMBSの4月5日~で。
東京MX(4月6日~)、テレビ愛知(4月6日~)、 BS11(4月6日~)、MBC(4月9日~)で放送予定です。





○ 『ピンポン』
 <公式サイト
 <男男男男男

ピンポン (1) (Big spirits comics special)
ピンポン (1) (Big spirits comics special)

 今季の“ノイタミナ”枠の前半の方。
 原作は松本大洋先生の名作卓球漫画で、窪塚洋介主演で実写映画化もされましたね。自分は原作は未読ですが、映画は観ています。なので……どうしようかなと悩んだのですが、監督が『四畳半神話大系』の湯浅政明監督ということで「どういう映像になるのか」が楽しみで第1話だけでも観ることにしました。


 放送日程は、最速がフジテレビの4月10日~で。
 岩手めんこいテレビ・仙台放送・秋田テレビ・さくらんぼテレビ・福島テレビ・新潟総合テレビ・テレビ静岡・東海テレビ・関西テレビ・テレビ新広島・テレビ愛媛・テレビ西日本・サガテレビ・テレビ熊本・鹿児島テレビでも放送予定だそうです。ノイタミナなんでこちらもネット配信は期待薄ですね。





○ 『メカクシティアクターズ』
 <公式サイト
 <女女女男女

カゲロウデイズ -in a daze- (KCG文庫)
カゲロウデイズ -in a daze- (KCG文庫)

 5本チョイスの5本目は悩んだ末に、やっぱり「外しちゃダメか」とコレにしました。
 東京MXテレビの土曜24時のアニプレックス枠で、『化物語』や『まどか☆マギカ』のシャフトがアニメーション制作、恐らく今季一番の注目作品でしょうしね。

 自分は全然詳しくないんで、Wikipediaとかこの辺のコラムとかを読んで得た生半可な知識をフル動員して「全く知らない人」に向けて説明を書こうと思います。詳しい人は「全然ちげえよ!」と思われるかも知れませんが、ご容赦お願いします(笑)。


 元々はニコニコ動画に投稿されたVOCALOIDの楽曲がきっかけで、それをベースに“物語”を作ろうと、楽曲だけでなくミュージックビデオや小説や漫画へと多方面へと展開―――マルチメディアプロジェクト「カゲロウプロジェクト」として10代の若者に絶大な人気を誇っている、とのことです。

 確かに、自分がフォローしているTwitterの面々(20代~30代中心)では全く話題を聞いたことがないのですが、Miiverseでフォローしている人達(10代~30代)では「カゲプロ」の話題は目にしたことが何度もありました。


 んで、この『メカクシティアクターズ』は「カゲロウプロジェクト」のアニメ展開ということですね。ハッキリ言って「若者の文化に俺みたいなオッサンがついてゆけるのか……」という不安もありますし、アニプレックス&シャフトの組み合わせがだんだん自分に合わなくなってきたところもあるのですが。第1話だけでも観てみないと一生触れる機会がないぞと、チョイスしました。さぁ、どうなる!?


 放送日程は、4月12日~東京MX、とちぎテレビ、群馬テレビ、BS11、ニコニコ動画で全国同時放送。AT-Xは4月16日~の放送だそうです。





 ということで、今季は5作品をチョイスしました。
 ノイタミナを2作品とも入れると、どうしてもアニプレックス作品の割合が多くなってしまいますね……

 他にも興味がある作品は幾つもあったのですが、全作品を観ようとすると「死ねる」ということは冬アニメで痛感したので厳選しました。今回もお約束ですが、他にもオススメ作品があったら教えてください。
 第1~2話は片っ端から録画すると書きましたが、私のテレビはW録画が出来ないので全てのアニメを録画できるワケではありませんし、当然「録画したものの中から実際に観るのは一部の作品」になると思うので事前にオススメを教えてくだされば助かります。

| アニメ雑記 | 17:58 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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『おでかけタコりん』で思い出した「何故ゲームは面白いのか」

 DSiウェア『おでかけタコりん』をクリアーしました。まだオークションのアイテムとアルバイトはコンプリートしていませんが、そこまで続けると作業になっちゃうのでここでプレイを終えたいと思います。


 このゲームは、自分が巡回している各ブログで「どうやら絶賛されているっぽい」という記事が書かれていたのでその記事は読まずにそっとタブを閉じて、情報を入れずにプレイしてクリアー、その後にそれらの記事を読んでみて「なるほどー。このゲームをこう紹介するのかー」と楽しみました。


 おでかけタコりんが大変よかったのでバーチャルコンソールクエストさん)
 DSiウェア「おでかけタコりん」レビュー!彼らと素敵なおでかけを。絶対SIMPLE主義さん)


 このゲーム……「どこが面白いのか」をなかなか説明しづらいゲームなんですよね。
 「どこが面白いのか」すら分からずにプレイし始めて、「なるほど!ここが面白いのか!」と分かることまで含めて面白いというか。元が無料のブラウザゲームらしいので、なるほど確かに一時期自分がハマリこんだフリーゲームの楽しさに近いような。




 なので、今から「私が思う『おでかけタコりん』の面白さ」を書くのは“無粋”なんです。
 本当なら「みんな買え!」「そして、君達の中に芽生えた“面白い”という感情こそが答えだ!!」と言い切ってこの記事を締めくくるべきなんでしょうが……そんなことを書いても、「今まで買う気がなかったけど、この記事を読んだから500円出して『おでかけタコりん』買ってみよう」と思ってくれる人はそんなにいないということは長年ブログを続けてきて痛感していますし。

 発売から時間が経っている分、既にクリアー済の人も多いと思うので……書いちゃいます。






 『おでかけタコりん』が面白いのは、必ず“収穫”があるからだと思うのです。
 タコりんをおでかけさせると、必ず「アイテム」か「お金」を4つ持ち帰ります。
 「アイテム」はアイテム図鑑に埋まり、同じ「アイテム」がダブることはありません。「アイテム」の内訳は「装備」だったり「仲間」だったり「新しい場所に行ける道具」だったりするのですが、とにかく「アイテム」がたくさん集まればストーリーが進むというカンジですね。
 「お金」はストーリーが進むと「オークション」に使えて、「オークション」では「オークションでしか手に入らないアイテム」が手に入ります。


 つまり、タコりんのおでかけには「無駄足」がないんです。
 タコのくせに
 この「起動すれば必ず成果が上がる」という安心感が、ちょっとした空き時間についつい起動してしまう魅力になりますし、自分のプレイ時間の分だけタコりんが成長しているという感覚が味わえるのです。
 『ドラゴンクエスト』のレベル上げが何故楽しいかというと、積み重ねた時間の分だけ「キャラクターが強くなる」ことが分かるからです。『どうぶつの森』で延々と魚釣りや虫取りをしてしまうのは、「お金が溜まっていく」ことでキャラクターの生活が豊かになっていくからです。『おでかけタコりん』をついつい起動しておでかけさせてしまうのは、必ず「アイテムやお金を持ち帰ってくる」ので、アイテム図鑑が埋まったり新しいおでかけ場所が増えたりでタコりんが成長しているように思えるからです。


 『おでかけタコりん』はテキトーに描かれたようなグラフィック(失礼!)とは裏腹に、この感覚をものすごく大事にしています。おでかけを何度もすると、おでかけ時間を短縮するアクションが増えますし(これがとてもキモチイイ!)。「アルバム」や「ラクガキノート」や「オークション」などなど、おでかけして帰ってくるのが楽しくなるアイテムがどんどん手に入っていきます。
 遊べば遊ぶほど、タコりんの家が豪華になっていって、それが“成長”を実感させるという。




 アクションゲームやシューティングゲームなど「プレイヤー自身が“成長”していくゲーム」の場合、必ずしも自分が上達しているように思えるワケではないので……「自分には向いていないなぁ」と起動が億劫になってしまったり。
 謎解きアクションやアドベンチャーゲームなど「解法を思いつくかどうかのゲーム」の場合、起動してみたけど今日は全くゲームが進まなかったということもあるので……「自分には向いていないなぁ」と起動が億劫になってしまったり。



 それは「アクションゲームが好きな人/嫌いな人」「謎解きが好きな人/嫌いな人」と分類できるワケじゃなくて、今の自分のように「頑張ってアクションゲームを上手くなろう」という気分になれない時もあるんです。時間がない時、精神に余裕がない時、そういう時にはやはりそういうゲームの起動は億劫になっちゃうと思うのです。

 そういう時……起動すれば必ず“成長”に向かうゲームはすごくありがたい。上手くいかない実生活の中では、必ず“成長”してくれるタイプのゲームは癒しになるんです。
 『ドラゴンクエスト』のレベル上げはそうでした。
 『どうぶつの森』はそこから更に「ゲームオーバー」とか「ダンジョンの中で迷子になる」といった要素を抜いて、延々とベル稼ぎだけができるようになりました。
 『おでかけタコりん』はそこから更に「住民との約束」とか「お金のやりくり」などの面倒な要素を抜いて、ただひたすら“タコりんが成長するだけ”のゲームになりました。面白い部分だけを残して、面倒な部分を全部そぎ落とした―――そういう究極のゲームだと思うのです。



 なので、プレイ時間は短くなっちゃうんですけどね(笑)。
 自分は常にタコりんを走らせてプレイしていたので、オークション以外のアイテムコンプまでに「04時間」ほどでした(ネタバレ防止のため読みたい人だけ反転させてください)。個人的には500円のダウンロードゲームなんだから十分なプレイ時間だと思うのですが、ボリュームを求める人には短いゲームだと思われてしまうかもですね。


 このタイミングで出会えて良かったゲームでした。
 同じタイミングでひたすら歩数をカウントしている3DSの『ニコニコ』もそうですけど、プレイすればするほど成果が蓄積されていくというのは楽しいですよね。そういう意味で、日本でRPGというか育成ゲームが人気だというのも、(自分はこれまであまりその手のジャンルが好きではなかったのですが、)理由がよく分かりました。

(関連記事:我々は何が楽しくてゲームをするのか


| ゲーム雑記 | 17:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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キンドル利用開始から1年経って、自分がキンドルに抱いている不満点

 日本でのキンドルが始まったのは2012年10月ですが、自分がキンドルファイアHDを起動してキンドル本を読み始めたのは2013年2月なので―――いつの間にやら1年が経過していました。今やもう、自炊も含めて「電子書籍を読むこと」がない生活なんて想像できないくらいです。

 キンドル(Kindle)とは
 超初心者の自分がキンドルファイアHDを起動して漫画を読んでみた
 電子書籍で実際に漫画を読んでみて思った“メリットとデメリット”


 「キンドルファイアHDという端末について」や「電子書籍について」の話はこれまでにもたくさん書いてきました。上に挙げた3つの記事が代表的ですけど、それ以外の記事も電子書籍の関連記事まとめという記事にまとめてリンクを貼ってあるのでそちらを読んでもらえたらなと思います。


 今日書きたいのは、たくさんの会社が行っている電子書籍サービスの中の「Amazonが行っているキンドルという電子書籍サービス」についてです。
 1年経ってつくづく思ったのは「やはり電子書籍を語るにキンドルの存在は無視できない」ということでした。「絶対王者」になるかはともかく、「市場の中で存在感を表し続ける」のは確かだと思うのです。ゲーム業界で言えば、「苦戦している」「今はスマホに勢いがある」と言われつつも任天堂の存在はファンもアンチも無視できないみたいな話で。


 ただ、それゆえに「不満点」もあります。
 これから10年・20年と続けてくれないと困るサービスですから、無視できない「不満点」は解消して欲しいと思って今日は書きます。キンドルがダメなサービスだという話ではなくて、基本的には良いのだからここだけは直してということを書いていくのです。



1.購入した本をフォルダごとに分けたい
 これはキンドルファイアHDを使っている身としての不満点です。
 iOSの端末でキンドルアプリを使ってキンドル本を読む際にはフォルダ分けが出来るそうですし、検索したらキンドルペーパーホワイトではフォルダ分けが出来るなんて話も出てきたのですが(真偽は分かりません)。


 自分の使っているキンドルファイアHDは、買ったキンドル本がズラッと並ぶだけなんです。それぞれの本を好きなところに移動させることも出来ませんし、「著者順」「最近使用した順」「タイトル順」のどれかで並べることしかできません。


 「フォルダ分けなんてしなくても“タイトル順”で並べればイイんじゃないの?」と思う人がいるかも知れません。そうすれば順番に揃うはずだ――――と。しかし、そうならないのが困るのです。


kindlehondana1.jpg

 これは実際に「タイトル順」で並べてみた私のキンドル本の本棚。
 左上から『いなり、こんこん、恋いろは。』7巻、『かなめも』1巻、『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』4巻、『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』5巻、『クドリャフカの順番』、『この世界の片隅に』下巻、『この世界の片隅に』上巻、『この世界の片隅に』中巻、『大辞泉』、『遠回りする雛』、『ふたりの距離の概算』、『プログレッシブ英和中辞典』、『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』1巻、『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』2巻、『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』3巻、『愚者のエンドロール』、『我輩は猫である』、『自炊ノ全テ』……

 上中下巻が順番に並ばないのは置いといて……
 『い』『か』『き』『き』『く』『こ』『こ』『こ』『だ』『と』『ふ』『ぷ』『き』『き』『き』『ぐ』『わ』『じ』って、『ぷ』の後にどうして『き』が来るんだよ!!というか、どうして『クロスボーンガンダム ゴースト』の1~3巻が『クロスボーンガンダム ゴースト』4~5巻より随分後に来るんだよ!!!



 じゃあ、「著者順」にすればイイんじゃ……という人もいると思うので、そちらも。
 事例として分かりやすくするためにラインナップは変えています。

kindlehondana2.jpg

 左上から敬称略で、「荒井チェリー(『未確認で進行形』)」「まな(『THE IDOLM@STER』)」「よしだもろへ(『いなり、こんこん、恋いろは。』)」「米澤穂信(『遠まわりする雛』『ふたりの距離の概算』)」「松村明?(『大辞泉』)」「荒井チェリー(『未確認で進行形』)」「米澤穂信(『クドリャフカの順番』『愚者のエンドロール』)」……

 荒井チェリー先生が二人いる!?
 こちらも『未確認で進行形』の1巻が、『未確認で進行形』の2~4巻より随分後に来ているのです。

 こんな風に「同じ漫画の1巻と2巻が別のところに並んでしまう」みたいなことがしょっちゅう起こるんです。これはキンドルのミスというよりかは、出版社がキンドルに登録した際の情報入力のミスじゃないかと推察されるのですが……どこに責任があっても、利用者が使いにくいのは変わりありません。

 また、自分の本棚にある「古典部シリーズ」もそうなのですが、小説の場合は「同じシリーズの作品だけどタイトルが毎回変わる」ものも多いです。そういう作品を一つの場所にまとめるためにも「フォルダ分け」が欲しいのです。



2.パソコン用のキンドルアプリを出して欲しい
 これはKDPで自作漫画を出版しようとしている身としての不満点です。
 KDPには「容量制限」とか「設定できる最低価格」とか「他社で出しているコンテンツをキンドルで出す場合の制限」など他にも不満がないワケもないのですが、それらは「ビジネスとしてそうしなければならない理由」があるのも分かるので目をつぶります。


 しかし、これは目をつぶれないこと。

 詳しくは冒頭に紹介した「キンドル(Kindle)とは」という記事で解説しているのでそちらを読んでくだされば助かるのですが、キンドル本を読むのには「キンドルファイア」や「キンドルペーパーホワイト」は必ずしも必要ではありません。
 スマートフォンやタブレットPC向けの無料アプリが配布されているので、それを使えばiPhoneやAndroidのスマホでもキンドル本は読めるのです。


 しかし、活字の本はスマホでも何とかなるとしても漫画はスマホの画面サイズでは厳しいものがあります。日本ではタブレットPCがそれほど普及していないと思われます。
 だから、「パソコン用のキンドルアプリ」を出してもらって、タブレットPCを持っていない人にキンドルを体験させることで市場を拡大させていって欲しいのです。海外ではパソコン用のアプリがしっかりと出ているみたいですしね。

 日本でのみ「パソコン用のキンドルアプリ」が出ていないことを、私は当初「日本の出版社が権利関係でごねているのか?」と思っていたのですが……例えばeBookJapanのサービスでは買った電子書籍をパソコン上で読むことができるので、日本の出版社のせいでもないみたいです。



 自分がパブーで電子書籍を出した時も「タブレットPC持っていないので、パソコンでも読めるパブーで出してくれて良かったです」と言われたこともありますし、「パソコン用のキンドルアプリ」の需要はあると思うんですけどね……
 KDPでキンドル本を出そうとすると「キンドル独占にしてください」みたいな制約がある割には、他社のサービスならできることができないので、独占で出すワケにもいかないというのが何とも。

(関連記事:電子書籍のマンガを読むのに、タブレット端末は必須ではない



3.まとめ買いできるようにして欲しい
 キンドル本を購入する際の不満点。
 キンドル本は、Amazonのアカウントを持っていて決済の方法を設定していれば、「1-Clickで今すぐ買う」ボタンを押すだけで即座に登録している端末にダウンロードされるという手軽さがあります。これ、いつぞやのソーシャルゲームの時みたいに、小さい子どもがガンガン押しちゃったーみたいな問題にならなければイイと思うのですが……まぁ、それは置いといて。

 そういった「1クリックで本が買えてしまう手軽さ」はとてもイイと思いますし、それとトレードオフなのだと思いますが、キンドルで漫画を全巻購入しようとすると1冊1冊買っていかなければならないんですね。1クリックで1冊ずつ買えても、10巻とか20巻の漫画をまとめて購入しようとすると10クリックや20クリックが必要なんです。


 例えば、『のんのんびより』の1巻を1クリックで買った後、「この商品を買った人にはコレもオススメ!」という欄に続きの巻が出てくるのですが……「わーい、じゃあ2巻も買っちゃおう」と1クリックで2巻を買うと、そこに出てくる「この商品を買った人にはコレもオススメ!」に『のんのんびより』の1巻がまた出てくるという(笑)。
 1巻→2巻→3巻と連続でクリックしていると、「あれ……俺は今何巻まで買ったんだっけ……」とワケが分からなくなってしまいます。「『のんのんびより』1~6巻セット」を1クリックで買えるようにしてくれたらイイのに!!


 まぁ……キンドルでは「1商品」ごとに購入したかどうかを管理するためにセット販売はしていないということなのかも知れませんが、何十巻も続いている『ワンピース』とか『ジョジョ』とかをキンドルで揃えようとしたら一苦労だなーと。




 ここまで不満点を書き続けたことで、「そんなに文句があるんならキンドル以外の電子書籍サービスを使えよ!」と思われたかも知れませんので……逆に「キンドルならではの魅力」も書いておこうと思います。これがあるから1年かけて「やはり電子書籍を語るにキンドルの存在は無視できない」と私が思った理由でもあります。



1.しょっちゅうセールをやる
2.1クリックで買えてしまう手軽さ
3.アフィリエイトリンクが簡単に貼れるのでブログで話題に出しやすい



 まず「1」のセールについて。
 キンドルはしょっちゅうセールをやっています。「セールやるよー!」と大々的に宣伝することなく、実はひっそりと安くなっているということもしょっちゅうあります。
 セールをやりすぎて、セール以外の時には買わなくなるとか、セールをやっていない時の元々の価格が幾らなのかよく分からなくなるとか、問題もありますけど……結果、気付いたら手元のキンドルファイアに大量のキンドル本がダウンロードされているなんてことがしょっちゅうあります。


 何故そんなにキンドルがセールをやっているかというと……えげつない話なんですけど、キンドルは競合他社(楽天のkoboとかeBookJapanとか)がセールをやると追っかけセールをやるんです。これは一体どういう構造で行われているのかはよく分からないんですが……キンドルは自分とこのセール+koboがセールしたら自分達もセール+eBookJapanがセールしたら自分達もセール、としょっちゅうセールをやっているのです。


 たまたまこの記事を書いている間にも、どうやらキンドルがkoboの追っかけセールをしているらしく「漫画4万冊が30%オフになっているらしいぞ!」という話題をTwitterで見かけたので……とりあえず欲しい漫画を検索してみたら、これがセール価格なのかどうかもよく分からなかったのだけど、なんか安かったのでつい衝動でポチポチしてしまったですよ!




 アニメが終わったら買うつもりだった『未確認で進行形』原作漫画を既刊全部購入(1巻が250円、2~4巻が350円)。




 紙の本で集めるつもりだった『のんのんびより』原作漫画を既刊全部購入(全巻300円)。





 昨年のゴールデンウィークのセールで99円で買った『アイマス』1巻の続きが、これまた安くなっていたっぽいので購入(280円)。
 あとなんでか知らないけど『ヤマノススメ』1巻が無料だったのでダウンロード、検索したらアース・スターの記念セールで10作品が「1巻が無料・続刊が50%オフ」というムチャクチャなセールをやっていたらしく『マジカルシェフ少女しずる』1巻と『こえたま』1巻もダウンロードしました。まだ読んでいないけど、面白かったら2巻以降も50%オフの間に買っちゃおう。



 あ、一応。
 価格はこの記事を書いている3月13日の夜の時点での価格なので、その後に変更になる可能性もあります。「自分も買おうっと」と思われた方は、必ず購入前に価格をチェックしてくださいね。昨年のゴールデンウィークの時は色々ありましたから。


 この他にも幾つかの漫画を衝動で購入、あんまり面白くなかったのでそれらは紹介しませんけど……たった1時間の間に衝動で20冊前後の漫画を買ってしまっていて(一部無料のもあったけど)、この手軽さは「2」の1クリックの魅力だなぁと。いや、散財してしまうということは恐ろしいことですけど(笑)。




 そして、言うまでもなく「3」。
 他の電子書籍サービスにもアフィリエイトがないワケではないのですが、多くのブログに浸透しているAmazonのアフィリエイトのリンクで紹介できるキンドル本は―――「ブログで話題に出す」ことがしやすいんですね。誰かがブログで紹介したことでセールが行われていることも知るし、それを私がブログに書くことができるし、それを読んだ皆様がセールを知ることができるし。
 「電子書籍の超お買い得キャンペーンに思うこと」という記事を書いた際にいただいたコメントだったかで、「koboがセールをやっても、セールが話題になって各ブログで宣伝されるのはキンドルの方なんだ」というものがあって。パワー勝負だとそりゃAmazon有利だよなーと、自分もブログで宣伝したくせに他人事のように考えてしまいました。


 とりあえず、前回の角川のキャンペーンで買ったキンドル本もまだほとんど読んでいないのに、また新たに20冊近く漫画を買ってしまって「いつ読むのこれ?」感が半端ないです私。

| 漫画読み雑記 | 18:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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DS&Wiiのオンライン機能(ほぼ)終了で、DSのバーチャルコンソールはどうなる?

 先月末に発表された、結構な衝撃ニュース。

 「ニンテンドーDS」および「Wii」ソフトの「ニンテンドーWi-Fiコネクション」サービス終了のお知らせ

 詳しくはリンク先を読んでもらいたいのですが、基本的にはDSソフトとWiiソフトの「インターネットを使った機能」は5月20日で終了するということです。
 有料サービスは継続(『ドラクエ10』とかの話ですかね?)ということと、『インターネットブラウザ』や『YouTube』など一部継続するソフトもあることと、バーチャルコンソールやDSiウェア&Wiiウェアなどのソフトのダウンロード購入は引き続き出来るというのは注意が必要ですね。



 「それが今だ」ということにはショックを受けましたが、私は「いつかは来ること」だと覚悟していたので、このタイミングでの終了もまぁ頷けるかなというところです。
 任天堂のゲーム機が「5歳から95歳まで」をターゲットにする以上、Xbox360やPS4のように「オンライン機能を使うには月額課金が必要」とするワケにはいかず、DSやWiiはその経費を“販売促進のため”と割り切って「オンライン機能を無料で使えるように」としてきました。

 でも、今やもうDSやWiiのソフトはそれほど売れない。
 なのに、オンライン機能を継続するのはサーバー代などでお金がかかる(多分)
 その上、任天堂としては3DSやWii Uにサービスを移行したい。



 そう考えると、Wii U発売から1年半が経過したタイミングで、DSやWiiのオンライン機能終了というのは……「仕方がない」のかなぁと思います。
 本当ならオンライン機能があったWiiソフトの全てにWii Uでの続編を用意して、「Wii U買ってそっちでやってねー」と言いたいんでしょうが、今はとにかくリソースが足りない状況でしょうからね。





 ということで、DS&Wiiのオンライン機能(ほぼ)終了というニュース自体に言いたいことはこんなものなのですが……少し気になったことがありました。記事タイトルに書いてあるのでバレバレでしょうが、「DSのバーチャルコンソール」はオンライン機能どうすんの???

(関連記事:ニンテンドーDSソフトのバーチャルコンソール化への期待


 これからのスケジュールの順番を考えると……恐らく「5月20日でDSソフトとWiiソフトのオンライン機能が終了」→「Wii UでDSソフトをバーチャルコンソールが開始」という順番になると思われます。


 というか、
 DSのバーチャルコンソールを始める前にDSのオンライン機能を終了させるようにも思えます。


 では、「バーチャルコンソールのDSソフトではオンライン機能が使える」のでしょうか?

 「使える」としたら……「ぐへへへへ、DSソフトでまだまだネット対戦したいのならバーチャルコンソールで買い直しな!」ということなので印象は悪いかも知れません。しかし、“販売促進のため”にオンライン機能を無料にしていて、“販売促進のために無料にしていたから”オンライン機能を終了させなきゃいけないのだから、新たに買い直すバーチャルコンソールならばオンライン機能がありというのは理に適っているかなと思います。

 恐らくDSソフトのバーチャルコンソール価格は1000円前後になると思われるので、1000円のWiiウェアにオンライン機能が付いていたことから考えても、無理ではない話だと思います。


 「使えない」としたら……「バーチャルコンソールのDSソフトはオンライン機能が使えない」という前提で考えると、それ以前に「DSソフトのオンライン機能を終了させておく」のは自然な流れかなと思います。じゃないと「中古でDSのパケソフト買えばオンライン機能あるのに、オンライン機能のないバーチャルコンソールなんて誰が買うんだよ」と思われかねませんし。

 「コンテンツを追加でダウンロードする」タイプのオンライン機能は最初から全てダウンロードした状態でバーチャルコンソールで売ればイイと思いますし、オンライン対戦やオンライン協力プレイの機能だけを削除して販売したとしても不思議はないかなぁと自分は考えています。




 ということで……「どっちもありえる」と思っています!!
 自分は性根が悲観論者なので「使えないんじゃないか」と予想していますが、「使えるとしても不思議はない」とも思っています。そもそもバーチャルコンソールのDSソフトがどれだけ出るのかという話で、任天堂の“Touch!Generations”のソフトが数本出て終了という可能性もあるので、オンライン機能がどうのこうのという以前の話だったりしますけど(笑)。


 しかし、バーチャルコンソールには「過去のソフトを最新機で遊べるようにする」というライブラリー的な側面があるのだから、本音を言えば「使えるようにして欲しい」です。実際に使うかはともかく、DSが現役時代の頃に出来ていたことはバーチャルコンソールでも出来るようにして欲しいです。これはゆくゆくバーチャルコンソールでWiiソフトが配信された時のことを考えてもそう思います。




 というか、それを言うともっと重要な「オフラインの対戦・協力プレイは出来るのか」ということもありますよね。
 友達とDSを人数分+ソフトを人数分用意して遊んだ「ワイヤレスプレイ」、友達とDSを人数分+ソフトを1本で遊んだ「ダウンロードプレイ」。バーチャルコンソールでこれらが再現できるのかということは気になっています。

 1本のソフトを買えばテレビ画面とゲームパッドの画面で「ワイヤレスプレイ」が出来る、とか。1本のソフトを買って人数分のDSもしくは3DSを持ってくれば「ダウンロードプレイ」が出来る、とか。そういうことが出来ればパーティゲーム機としてのWii Uの価値はグンと上がりそうですしね。

(関連記事:ニンテンドーDSのワイヤレスプレイ、使いました?


| ゲーム雑記 | 18:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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【アンケート結果発表】オーディオコメンタリーって聴きますか?

 時間がなくてなかなか更新できませんでしたが、2月20日に取ったアンケート「オーディオコメンタリーって聴きますか?」の結果が出ましたので報告させていただきます。

 ウチのような零細ブログでのアンケートなので、この結果が社会の総意だなんて言う気はありません。
 けれど、Twitterで紹介してくれた人や、取り上げてくれたニュースサイトさんのおかげで72票もの投票を頂きました。ウチのブログで「1人1票」のアンケートを取ると20~40が大体の総投票数になると考えれば、いつもの倍の人に投票して頂けたということになります。感謝感謝。


アンケート結果

・購入の「目当て」の一つ 13票
・「目当て」ではないが、入っていたら必ず聴く 24票
・ 特に気にしないし、入っていても聴くとは限らない 30票
・入っていたら買わないくらい嫌い 0票
・その他 5票



 しかし、これ……設問を間違えたなーと正直思っています。
 例えば、「スタッフコメンタリーは必ず聴くけどキャストコメンタリーは必ず聴くとは限らない」って人のように、条件によっては必ず聴くという人も“特に気にしないし、入っていても聴くとは限らない”という選択肢を選ぶしかないんですね。

 なので、1位や2位にそれほどの意味があるワケではなくて……
 “購入の「目当て」の一つ”と“「目当て」ではないが、入っていたら必ず聴く”の2つを選んだ人を「必ず聴く」という人、“特に気にしないし、入っていても聴くとは限らない”と“その他”の2つを選んだ人を「必ず聴くとは限らない」という人と考えると。

・必ず聴く 37票
・必ず聴くとは限らない 35票



 ……と考えることも出来るのです。
 その上、先ほど書いたように「スタッフコメンタリーは必ず聴くけどキャストコメンタリーは必ず聴くとは限らない」という人も“特に気にしないし、入っていても聴くとは限らない”を選んでいるということを考えれば。過半数の人はオーディオコメンタリーを聴いていると言っちゃってもイイんじゃないかと思います。


 なるほど。「オーディオコメンタリーなんて誰が欲しいと思って付いてくるんだろう」と私はずっと思っていたのですが、実際にお金を払ってくれる人の過半数が聴いているのなら納得ですし、レコード会社としてもちゃんとそれを分かってて付けているんだなと思いました。






 また……ちゃんと設問として用意したワケではないのですが、頂いたコメント欄を見たカンジ「こういうオーディオコメンタリーが好きだ」と分類してみると。

・「スタッフコメンタリー」が好き 5票
・「キャストコメンタリー」が好き 3票
・「キャラクターコメンタリー」が好き 2票


となりました。


 しっかりと設問として訊けば「キャラクターコメンタリー」はもっと票が伸びるような気もしますが……それよりも自分が驚いたのは「スタッフコメンタリー」を好きだという声が多かったことです。投票結果以外でも、コメント欄やTwitterのリプで「スタッフコメンタリー」の面白さを説かれる方は多かったですね。

 特にアニメのブルーレイ&DVDの場合、購入者は「一度テレビ等で観たものをもう一度観る」ために買うことが多いので、好きだったあのシーンをスタッフの口から解説して欲しいという需要があるのかなと思いました。確かに「スタッフインタビュー」としては長尺な上に、しっかり自分の言葉で喋っているのが聴けるワケですからね。



 逆に「映像と関係のない話」や「ラジオのような雑談」は要らないってコメントも結構あって、多くのアニメが採用している「キャストコメンタリー」は賛否両論あるのかなーというところ。正直意外でした。
 「アニメのブルーレイ&DVDを買う人」は「声優ファン」が多いというイメージが私にはあって、声優ファンに買ってもらうために「キャストコメンタリー」を付けている作品が多いのだと漠然と思っていましたから……



 ということで、「自分の考えとは違う考えを聞く」面白さを味わえただけでなく、こういう商品が世に出ていることの理由に納得をすることが出来ました。
 アンケートに参加してくださった方、Twitterで拡散してくださった方、紹介してくださったニュースサイトさん、どうもありがとうございました!


| 投票 | 18:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人間の価値とは。『機動戦士クロスボーン・ガンダム』全6巻紹介

【三つのオススメポイント】
・「ガンダム」シリーズを知らない人でも大丈夫
・「ガンダム」生みの親である富野由悠季監督が漫画原作を担当した貴重な作品
・「人間」とは何か、「ニュータイプ」とは何だったのか



○ 「ガンダム」シリーズを知らない人でも大丈夫
 「今日の記事は「ガンダム」かよー。「ガンダム」詳しくないから今日の記事は読まなくていいやー」と思った人も多いと思いますが、今日はそういった“「ガンダム」にそれほど詳しくない”人達に向けて記事を書こうと思います。
 「「ガンダム」大好きだからシリーズ全作欠かさずチェックしているぜっ!」って人は、私が紹介するまでもなくこの漫画を読んでいると思いますしね(笑)。


 「ガンダム」シリーズは1979年に始まって以降コンスタントに新作が作られているため、恐ろしい数の作品が世に出ています。
 アニメ作品だけでも20作品以上あって、漫画や小説やゲームでしか語られない作品もあって、アニメ版と小説版では展開が違っていたりもして、とにかく数が多くてややこしいため……「ガンダム」という名を聞いただけで「それはマニアが好きなものであって、私には関係のないものだ」と逃げ出してしまう人も多いと思うのです。

 実際、「「ガンダム」は全作観ていなければ語っちゃいけないんだ」とか「あの作品とあの作品はこう繋がっているからこれとこれを観なければこの作品は楽しめないんだ」とか言うガンダムファンもいますしね。
 ついさっき「ガンダム大好きな人は全員『クロスボーン・ガンダム』も読んでいるはず」とか書いている人もいたような気もしますが……アレは悪い見本です。




 基本的に「ガンダム」シリーズは、どの作品から観ても大丈夫ですし。
 「一作品だけ」でも楽しめるものです。

 もちろん時代が前作から繋がっていたり、前作のキャラが登場したりする作品もあることはあるのですが……基本的に「ガンダム」作品は全て“新しい主人公”を立てて、その“新しい主人公”目線で物語が語られ、その“新しい主人公”の成長物語が描かれるのです。(※1)
 当然、その“新しい主人公”は前作の出来事を知りませんから、視聴者が前作を知らなくても何の問題もないんです。

(※1:『逆襲のシャア』なんかは流石にアレを「ハサウェイが主人公だ」とは言い張れないと思うので……例外だとは思いますが)


 今日紹介する漫画『クロスボーン・ガンダム』もそうです。
 主人公はトビア・アロナクスという15歳の少年で、彼が成長していく様子を描いていきます。
 トビアが仲間になる宇宙海賊クロスボーン・バンガードのメンバーには『機動戦士ガンダムF91』に登場するキャラクターが何人かいるので、どうしても気になる人は『F91』だけチェックするというのも手です。『F91』は映画1本だけなのでチェックするのは時間的にも金銭的にもそんなに大変ではないと思いますが……

機動戦士ガンダムF91 [Blu-ray]
機動戦士ガンダムF91 [Blu-ray]

 個人的には、別に観なくても『クロスボーン・ガンダム』は楽しめると思います。
 『F91』と『クロスボーン・ガンダム』は描かれている事件が違いますし(『F91』の10年後が『クロスボーン・ガンダム』という設定)、キャラの性格も随分と変わったように思いますし、絵柄が全然違うので『F91』を好きな人から「『クロスボーン・ガンダム』は絵がイヤで読んでいない」と言われたことも何度もありますし……この二作品は“別物”として考えた方がイイと私は思います。



 では、何故「ガンダム」を全く知らない人にこの『クロスボーン・ガンダム』を薦めるのかというと……少年誌に連載されていた漫画作品ということで、すごく「王道」で「分かりやすい」話なんですね。簡単にあらすじを説明しますと……
 「地球圏からの交換留学生として木星圏にやってきた主人公トビアは、ひょんなことから木星圏に住む人々が“木星帝国”として地球侵攻を企てていることを知ってしまう。その“木星帝国”の目論見を知り、彼らの野望を阻止しようと戦い続けていたのが宇宙海賊クロスボーン・バンガード。彼らに助けられたトビアは、地球を守るためにクロスボーン・バンガードの一員として“木星帝国”と戦うことを決意する――――」

 こんなカンジ。
 「15歳の少年の成長物語」「彼が一途に想いを寄せているヒロイン」「頼れる兄貴分」「地球侵攻を狙う“木星帝国”vsそれを止めようとする宇宙海賊、という悪と正義が分かりやすい構図」―――と、これでもかというほど王道の少年漫画で。
 アニメの「ガンダム」シリーズが「戦争の悲惨さ」とか「容赦なく死んでいくキャラ達」とか「登場人物がみんな苦しんでいる」とか「複雑な勢力図で誰が正義とも悪とも言い切れない」になりがちなのに比べると……漫画はアニメよりも1話の尺が短いこともあって、より分かりやすい作品になっていると言えるのです。

 なので、「ガンダムって難しそうだし……」という初心者にこそオススメな作品なのです!




○ 「ガンダム」生みの親である富野由悠季監督が漫画原作を担当した貴重な作品
 この漫画は1994年から1997年まで、月刊少年エースで連載されていました。原作が「ガンダム」シリーズ生みの親である富野由悠季監督で、作画は長谷川裕一先生が担当されています。

 1994年~1997年が「ガンダム」シリーズにとってどういう時期かというと……
 1979年に最初の『機動戦士ガンダム』が放送され、再放送やプラモデル展開などで後に大人気になり、商業的な理由から富野監督も「ガンダム」シリーズの続編を次々と作らされるのが80年代後半~90年代初頭。それらの続編では「ガンダムシリーズの再生」や「ガンダムシリーズの破壊」を試みるのですが、それらは上手くいかず、1993~1994年の『Vガンダム』を最後に富野監督はガンダム作品の監督を降りることになるのです。

 1994年~1995年の『機動武闘伝Gガンダム』は今川泰宏監督。
 1995年~1996年の『新機動戦記ガンダムW』は池田成監督(途中から高松信司監督)。
 1996年の『機動新世紀ガンダムX』は高松信司監督。

 ……と、アニメでの「ガンダム」シリーズが富野監督の手から離れ、別の監督が「ガンダム」を作っていた時期なんですね。
 ちなみに富野監督はこの後の1998年に『ブレンパワード』、1999年~2000年『∀ガンダム』でアニメ監督として復活をするので。ちょうど富野監督がアニメ監督の仕事から離れていた時期に、漫画原作という形で『クロスボーン・ガンダム』に参加していたとも言えますね。


 ということで……「ガンダム」シリーズの漫画作品はたくさんあるのですけど、いわゆる“原作者の欄に名前だけ載っている”状態ではなく、富野監督がガッツリと原作者として漫画制作に参加している貴重な作品と言えるのです(私が知る限りは“唯一の作品”です)。

 新装版には付いているのかは分からないのですが(電子書籍版には恐らく付いていない)、各巻のコミックスカバーに作者コメントが寄せられていて、1巻には「新しいガンダムの切り口を発見したいと、はじめてコミックス発の仕事に参加させていただきました」という富野監督のコメントが載っています。
 『Vガンダム』以降「ガンダム」シリーズの監督を降りた富野監督がこれを書いているというのは、色々と考えさせられるものがあります。



 『クロスボーン・ガンダム』の好きなところを挙げろと言われたら、私は二十も三十も挙げられるのですが……その中の一つに実はこの「作者コメント欄での富野監督と長谷川先生のやりとり」があります(笑)。
 富野監督は繰り返し「長谷川先生の描く女のコは好みではない」と書いているのだけど、長谷川先生は何のことだか分かっていない――――というのもなかなかで(笑)。
 それこそ従来の「ガンダム」シリーズファンの中には、アニメでの「ガンダム」シリーズの絵柄との違いで「絵柄があんまり好きじゃないから『クロスボーン・ガンダム』は読まない」とか「『F91』の絵柄でアニメ化してくれたら観るのに」なんて言う人もいるのですが。


 でも、富野監督は作者コメント欄で
「長谷川先生の情熱と出会えて、少年時代の活劇を再現できると期待しています。」
「(長谷川先生の)作画やキャラクターに、アニメでは見られない側面があります」
「コミックらしい展開にしていただけたのは、ひとえに先生のおかげで、おれのシナリオどおりにやれ、といってしまったら、こうはならなかったんです。」
と、“長谷川先生の漫画であったから”この漫画が成り立ったんだとも書いているんです。


 これは本当にその通りだと私も思います。
 『クロスボーン・ガンダム』がもし全50話のテレビアニメだったら、スポンサーとか視聴率とかターゲット層とかに配慮しなくちゃならなかったでしょうし、こんなにもコンパクトに凝縮されたストーリーにならなかったと思います。
 かく言う私も最初に『クロスボーン・ガンダム』を読んだ時は長谷川先生の絵柄に戸惑いました。『F91』のキャラが!若返っている!!と思いましたもの(笑)。でも、読み進めていくと、この漫画は長谷川先生の絵柄じゃないとダメだと思えてくるし、女のコも好みになってきました。この絵だからこそ少年漫画的な王道成長物語が照れずに楽しめたのだし、トビアの成長に心を鷲掴みにされたのです。



 アニメの「ガンダム」シリーズから離れていた時期の富野監督と、「ガンダム」シリーズを情熱を持って少年漫画として描くことが出来る長谷川先生が合わさったからこその、奇跡のような作品―――それがこの『クロスボーン・ガンダム』なのです。



○ 「人間」とは何か、「ニュータイプ」とは何だったのか
 この記事は「ガンダム」シリーズを全く知らない人に向けて書いているので、ものすごく簡潔に「ニュータイプ」という言葉を説明すると……1979年の第1作目『機動戦士ガンダム』に登場する「宇宙に適応して洞察力が鋭くなった新しい人類」という概念です。

 それゆえに作中では「(機械を使った)戦闘能力に優れている」と戦争に利用され、ファンの間でも「ニュータイプ」についての議論は「ガンダム」を語る際に欠かせないものとなってしまい……「人間の新しい可能性」だとか「超能力」だとか、言葉が一人歩きしてしまっているところがありました。
 長谷川先生が『クロスボーン・ガンダム』以前に描いた『Vガンダム外伝』や『逆襲のギガンティス』でも、長谷川先生なりの「ニュータイプとは何か」が描かれていますからね。

機動戦士Vガンダム外伝 (角川コミックス・エース)
機動戦士Vガンダム外伝 (角川コミックス・エース)



 この『クロスボーン・ガンダム』にも「ニュータイプ」という言葉が出てきます。
 作中で説明されるので、この他の作品を知らなくても何も問題なく楽しめると私は思いますが……前述したように、「ガンダム」生みの親である富野監督が原作を担当しているので。最初の『ガンダム』以降一人歩きしてしまった「ニュータイプ」という概念に対する富野監督なりのケジメと、この後に富野監督が作る『ブレンパワード』『∀ガンダム』『劇場版Zガンダム』等で描かれる“隣人愛”に繋がる息吹のようなものが感じられるのです。


 例えばこの作品の第1話、木星圏に留学生としてやってきたトビアが「ここは人類の最先端なんだ!」と考えるモノローグがあります。この作品には各所にこうした「人類の進歩」や「人類の成長」を考えさせる描写があります。
 地球にいた人類が、宇宙に居住区を作り暮らすようになり、やがて木星圏まで進出して暮らすようになり―――人類がどんどん進化しているように思え、それはある意味では「人間」が「ニュータイプ」へと成長したかのように思えるのだけど。


 果たして、そうだろうか?

 というのがこの作品の肝になりますし、最初の『機動戦士ガンダム』以降に一人歩きしてしまった「ニュータイプ」という概念に戸惑った私が、初めて「これを描くために“ニュータイプ”という概念が生まれたのならそれはとても素晴らしいことだ」と思えた描写でした。何十回と読み返している漫画なのに未だに最終巻は泣いてしまうくらい、この作品は優しく「私達人間にはどんな価値があるのか」を描いてくれていると思います。

(関連記事:アムロ・レイは誰を殺すのか



○ 総評
 以前「今まで読んできた漫画の中でベスト5を選んでください」と言われた際に、真っ先に「これは外せないな」と私が思ったのがこの『クロスボーン・ガンダム』でした。そのくらい大好きですし、愛着があるし、何より“存在するのが奇跡のような作品”だと思っているからです。

 たまたま富野監督がアニメ監督の仕事をしていない時期に、少年エースが出来て、長谷川先生がいて、たまたま「『F91』のその後の話」が諸事情で作られていなかったけど、「じゃあ『F92』を作ろう」ではなく「完全新作を作ろう」となったというのは―――色んな偶然が重なり合って起きた奇跡だと思うのです。


 絵柄の好みがあるのは仕方ないですし、「ガンダム」シリーズに王道少年漫画を期待していない人もいるんだとは思うのですが……「ガンダム」という枠を取っ払っても、多くの人に読んで欲しい私の大好きな漫画です。



 ちなみに『クロスボーン・ガンダム』の単行本は2011年に新装版が発売になっています。電子書籍版はこの新装版の方になるみたいですね。
 検索してみたところ、新装版は旧版と中身は一緒で、解説文やインタビューが追加されているみたいです。富野監督の作者コメントが収録されているかは検索しても出てきませんでした(笑)。

 更に更に、この『クロスボーン・ガンダム』が人気になったため……続編も幾つか出ています。作画は本編同様に長谷川先生ですが、富野監督はノータッチみたいですね。
 後の読み切りを集めた『機動戦士クロスボーンガンダム -スカルハート-』が全1巻、本編から3年後のトビア達の戦いを描いた『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』が全3巻、更に17年後の『Vガンダム』と同じ時代を描いた新主人公での『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』が現在5巻まで出ていて連載中です。時間軸を詳しく説明しているイケメンのTweetがあったので、こちらを読めば分かりやすいかな。



 無印『クロスボーン・ガンダム』全6巻を読んで長谷川先生の漫画が気に入ったのなら楽しめると思います。
 富野監督は恐らくノータッチでしょうし、無印『クロスボーン・ガンダム』で描ききってしまったので、この記事で紹介した「人間とは」「ニュータイプとは」みたいな話には続編はあまり触れられていません。あの作品の後の世界で、長谷川先生の少年漫画節がより濃く絵が書かれている――――というところです。


 私は全部読んでいますし、『ゴースト』は主人公を変えたことで彼の成長物語として面白いのは面白いんですけど……まだ完結していないし、当分完結しそうにもないので、まだオススメかどうかはよく分かりません。



<紙の本・新装版>



<紙の本・旧版>



<キンドル版>

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≫ EDIT

我々は何が楽しくてゲームをするのか

 他の記事にもチラッと書いたのですが、父親の容態が芳しくなかったのでなかなかゲームをする気になりませんでした(これを書いている3月1日時点では回復傾向にあるのでひとまず安心しています。御心配してくださった方々、どうもありがとうございます)。
 ちょうど『ファイアーエムブレム 紋章の謎』のノーリセットプレイを再開していたところでしたが、とてもじゃないけどこういうゲームはする気になれないと再び放置していました。



 ゲームって「問題」をわざわざ抱え込むものだと思うんですよ。
 『スーパーマリオブラザーズ』や『ドラゴンクエスト』は、「お姫様がさらわれたので助けに行かなければならない」とか「世界を滅ぼそうとしている魔王を倒さなければならない」とか。
 『脳トレ』や『Wii Fit』は、「脳を鍛えなければならない」とか「下半身から鍛えなければならない」とか。
 『どうぶつの森』だって「バリバリ働いて借金を返せだなも」って言われるし、『パズドラ』に代表されるスマホの育成ゲームだって「強いパーティを作らなければいけない」ゲームですよね。『なめこ』ですら「図鑑をコンプリートしなくてはいけない」ゲームですよね。

 それは「目標」とも言えて、これがあるからゲームを楽しめるとも言えます。
 「自由に遊べるゲーム」も、「クエスト」とか「実績」的なシステムを導入して我々プレイヤーに「こう遊べばイイんだよ」と教えてくれますよね。それはゲーム側から我々に「問題」を与えてくれているとも言えるのです。

(関連記事:やりこみ要素があるから初心者でも安心して遊べるね!


 プライベートに「問題」を抱えている状況だと、ゲームをしてまでわざわざ「問題」を抱えたくないというのがここ数週間の正直な気持ちでした。
 時間的な都合や身体的な都合は大丈夫であっても、精神的につらかったのです。
 実の父親が生きるか死ぬかの瀬戸際にいる状況で、命中率18%のドラゴンの炎を喰らってオグマが死にそうだーとかでドキドキ出来ませんもの。オグマが死んだらその後の面の難易度が跳ね上がると思いますけど、そんなことより父親の容態の方が心配でしたもの。




 ですが、今現在……父親の容態が回復しつつある状況で、再び考えてみると……じゃあ、今までの私は何が楽しくてゲームをしてきたのかなと思うんですね。
 実の親の生死以上に大きな「問題」を抱えたことはないですけど、私だって人生において「オグマが死ぬかどうか」よりも大きな「問題」には何十回と直面してきました。でも、ゲームを続けていますし、ゲームに救われてきたことも何度もあります。

 恐らくみなさんの中には、「肉親を亡くす」とか「伴侶に裏切られる」とか「受験に失敗してしまう」とかの大きな「問題」を抱えたことがある人もいらっしゃると思いますし。その瞬間はともかく、そこからしばらく経ってゲームを遊んで救われたことがあるんじゃないかと思うのです。



 それこそが、ゲームという娯楽の「特性」で。
 それ故に、他の娯楽では代替できない「魅力」があるんじゃないかと思うのです。

 ゲームは我々に「問題」を与えるけれど、
 「問題」を乗り越えることによる「達成感」もゲームは我々に与えてくれる―――だからこそ我々はゲームを続けているんじゃないかと思うのです。


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 人生に「問題」は付きものです。
 そして、それらは“必ずしも乗り越えられるとは限らない”ものです。


 全ての人間はいつかは死ぬのですから、「実の親の死」はどこかのタイミングでやってきます。恋愛が“一人対一人”で行われる以上、どんなに頑張ったって「成就しない恋愛」もあります。みんなが努力をするのだから、定数のある受験では「受からない人」が出てしまうものですし。会心の記事を書いたところで、誰もRTしてくれなかったら「アクセス数が全然上がらない」ことだってあります。


 言ってしまえば、私達の人生は「負けること」に慣れていくのです。
 「問題」を抱え、そしてそれは乗り越えられるとも限らないから「達成感」も味わえない。




 ゲームに限った話ではありませんが、娯楽作品は敗北に満ちた我々に「何かを成し遂げる達成感」を与えてくれるもの―――と言うことも出来ます。
 アクション映画なら2時間の間に「テロリストをやっつけて世界を守る」という達成感を味わえますし、推理小説ならば1冊の間に「誰も分からなかった犯人を主人公が暴く」という達成感を味わえますし、恋愛ドラマならば1クールかけて「何やかんやあったけどまぁ良かったよね」という達成感が味わえますし(曖昧)……それこそオリンピックとかW杯などのスポーツイベントに夢中になるのは、「ずっと見てきた選手が金メダルを獲る」という達成感を味わいたいからだとも言えますものね。

 ゲームは、そこから更に一歩踏み込んで「それらを自らの手で体感する」のです。
 アクション映画の主人公も、推理小説の主人公も、恋愛ドラマの主人公も、オリンピック選手も、我々自身が操作して「問題」を乗り越えて「達成感」を味わえるのがゲームだと思うのです。だから、他の娯楽以上に大きな「達成感」がゲームでは味わえるし、



 逆に言うと……
 自分のプレイ次第では「達成感」を味わえない娯楽とも言えるんですね。
 映画や小説やドラマはボーッと観ているだけで主人公が何かを成し遂げてくれますし、スポーツ中継を観ていて我々に出来ることなんて「祈る」ことくらいしかないのですけど。
 ゲームは我々がちゃんと操作しなければ何も成し遂げずに終わってしまうものなのです。マリオはピーチ姫を救えず。世界は竜王に支配されて。脳はどんどん衰えて。下半身も衰えて。借金は返せず。強いパーティも組めず。図鑑も埋まらないで終わってしまうかも知れないのがゲームなのです。


 だから、自分はここしばらくゲームが出来なかったのです。
 ゲームが与えてくれる「問題を乗り越える達成感」よりも、ゲームが押し付けてくる「問題を抱えることの重み」に耐えられなくなってしまったのです。特に『ファイアーエムブレム 紋章の謎』というのは「一つの面に一時間前後かかる」「ちょっとの油断で容赦なく仲間が死ぬ」「死んだ仲間は(基本的に)生き返らず、戦力を失った状態で以後の面をクリアしなくてはならない」ゲームです。クリア出来ればそりゃ大きな達成感を得られますが、そこまでがもう大変極まりない。精神的に追い詰められていた自分が耐えられるものではありませんでした。



 今日の記事をわざわざ書いたのは……これは「私だけの話」ではないと思ったからなのです。自分が大好きなゲームを友人に薦めようとする時、我々はついそのゲームが与えてくれる「達成感」の方ばかり語りがちです。だって、そこが楽しいし、そこが好きだから友達にまで薦めようとしているのですからね。
 自分が上手くなる喜び、キャラクターが成長する楽しさ、感動的なストーリー……確かにそれらは素晴らしい「達成感」を与えてくれます。

 でも、薦められる側にとって大事なのは「抱える問題」の方だと思うのです。上手くなるまでにはどれだけの努力が必要か、キャラクターが成長するためにはどういうことを知っていなくてはならないのか、ストーリーで感動するまでには何時間かかるのか。それに耐えられるような時間的余裕・身体的な余裕・精神的な余裕があるのかこそが大事ではないかと思うのです。


 例えば、以前の記事で私は『ラビ×ラビ』シリーズを「自分が好きだから薦めたけど……」と書きました。
 あのシリーズなんかはまさに「“解法”が思いついた瞬間の俺って天才だ感」がキモチイイのですが、思いつかなかったら永遠に何も出来ないワケですよ。私は「達成感」の部分ばかりを絶賛していたのだけど、本当に重要なのは「与えられる問題の重み」の方だったのかもと。

(関連記事:「ゲームを進められない時間」が「俺って天才!」感を生む



 自分は今回『ファイアーエムブレム』が苦しくなっちゃいましたけど、任天堂のシリーズで言えば『ファイアーエムブレム』だけではなくて『マリオ』だって『ゼルダ』だってこのジレンマを抱えていて、近年のシリーズでは少しでも「与えられる問題の重み」を軽くしようと救済措置を入れていますもんね。


 「問題」と「達成感」のバランスの話は“救済措置”の話に合わせてこれまでにも何度か書いてきて、自分はずっと「問題を軽くしてしまえば達成感も薄れてしまうんだ」と思っていたんですけど……自分がその立場になると、「問題を軽くすること」の重要さも実感しました。

 今後もうちょっとこの視点で考えていこうかなーと思います。



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○ 余談
 この手の話をTwitterで呟いていたら、オススメされたゲームがありました。

 DSiウェア『おでかけタコりん』

 自分はまだ1時間もプレイしていないので「オススメ!」とは言いませんけど、なるほど確かに今の自分にはこういうゲームはありがたいです。このゲームって「問題」が与えられないんです。というか、何が目的かもよく分かりませんし(笑)。

 恐らく「タコりん」を色んな場所におでかけさせて拾ってきたアイテムを図鑑に入れてコンプリートするのが、長い目での目的だと思うので、それこそ『なめこ』とかに近いのかなと思うのですが。このゲームには“ミス”という概念がないので、気が向いた時に起動して「タコりん」がバシューンバシューンと飛んでいくのを眺めているのが心地よいです。
 「それは“ゲーム”なのか?」と言われるかも知れませんが、今の自分にはこれくらいがありがたいのです。




 あと、最近の自分の楽しみは3DSの『ニコニコ』です。
 動画自体は3DSでは全く観ていないんですけど(笑)。オススメ動画をセットして、その動画をオススメしている人全員の歩数が合計されて「東京駅からどこまで歩いたか」が出るのが面白くて、夜に起動して報告するのが楽しみになっています。

 私がオススメしている動画は私しかオススメしている人がいないので、純粋に私が歩いた歩数でどこまで歩いたのかのカウントになっているという。2月はプレミアム会員になっていなかったので、「1回の報告で歩ける限界の距離」であるプレミアム会員の壁に阻まれてなかなか東京から出られない出られない(笑)。

 でも、その「一人でせっせと歩いている」カンジが楽しいので、どの動画をオススメしているかはここに書きません!『みでし』関連の動画(not違法コピー)なので、4月になったらしれっと違う動画に変えていそうですし。


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荒井 チェリー

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