今日の記事、「『すれちがいMii広場』の追加ゲームってすれちがい通信の必要なくない?」みたいな切り口で書き始めたのですが……書いている間に、
「いや、これは『すれちがいMii広場』でなければ成り立たないゲームなんだ」と180度考えが変わってしまいました。
このまま没にするのもアレなんで。
普通に『すれちがいMii広場』の追加ゲーム面白いよ!という記事にしました(笑)。
ということで、本文はここから↓
ニンテンドー3DSの本体内蔵ソフト
『すれちがいMii広場』に、4つの追加ゲームが有料DLCとして発売されていて、今週からTVCMも始まったみたいです。
この記事を読んでいる人の中には、「はて……すれちがいMii広場とは…」と思っている人もいらっしゃるでしょうから一から説明します。
ニンテンドー3DSの本体機能には、3DSを持ち歩いている人同士がすれちがった際に
「同じゲームを遊んでいる人同士でデータの交換が行われる」「すれちがい通信」というものがあります。
『とびだせ どうぶつの森』ならば、相手の住んでいる家がモデルルームとして見学出来るとか。『カルチョビット』ならば、相手が育てているチームと対戦出来るとか。『鬼トレ』ならば、相手の成績と自分の成績を比較出来るとか。
この機能は実は前機種のニンテンドーDSにも搭載されていましたし、「すれちがい通信」に対応しているDSソフトも多かったのですが。DSの場合は「“今からすれちがい通信をします!”という設定をソフトを遊んでいる最中にして、そのままスリープモードにして出かけなくてはならない」仕様だったため、
みんなが一斉に同じソフトを遊んでいなければ「すれちがい通信」が成り立たずにあまり盛り上がらなかったんですよ。
……というところに。2004年のDS発売から4年半後の2009年に発売されたDSソフト『ドラゴンクエスト9』が、この「すれちがい通信」を使ってまさかの大盛り上がり。「まさゆきの地図」「川崎ロッカー地図」などのレアな地図を求めて「すれちがい通信」をするということが大流行しました。
今思うと……
『ドラクエ9』の「すれちがい通信」の大流行って、その不自由さ故だったのかもって思うのです。DSの仕様上“今しかすれちがえないんだよ”という限定感があったために、夏休み、お盆、コミケ、東京ゲームショーと、せっせとすれちがいの旅に出かける人が多かったんじゃないかと。
閑話休題。
『ドラゴンクエスト9』の「すれちがい通信」の大成功を受けて、3DSではDS以上に「すれちがい通信」を強化します。“みんなが一斉に遊んでいなければすれちがえない”仕様から、
12コまでセットしたソフトのデータを「すれちがい通信」出来る仕様に変わりました。 
このおかげで「一度に色んなゲームを遊んでいる人」や「みんなから遅れてそのゲームを始めた人」でもすれちがえるようになりました。『ドラクエ9』のように400万本売るようなソフトでなくても、それなりにすれちがえるようになったのです。
今でこそ「3DSのすれちがい通信で出来ること」の例に、色んなソフトの例えが出てきます。さっき挙げた『とびだせ どうぶつの森』『カルチョビット』『鬼トレ』などなど……
しかし、本体発売直後にはそれらのソフトは発売されていなかったので、
3DSを買った人全員に「すれちがい通信というこんな面白いことが3DSでは出来るんだよ」と教えるために内蔵ソフトを入れたのです。ようやく本題に入れました。これが『すれちがいMii広場』です。
内蔵ソフトということは、「3DSを買った人全員がこのソフトを持っている」ということです。もちろん全員が全員起動しているワケではありませんが、3DSを買ったばかりの頃は「すれちがいが発生した=3DSを持っている人がいた」ということが嬉しくて、ついつい人ごみに持っていっていたりしました。
初期の『すれちがいMii広場』で遊べる遊びは2つです。
1つ目は
『ピースあつめの旅』。
「相手が持っているピースから1枚だけもらって絵を完成していく遊び」です。
“すれちがい通信をたくさんしている人”とすれちがえると嬉しいようになっているという。
2つ目は
『すれちがい伝説』。
「すれちがった人が勇者となってモンスターと戦う遊び」で、こちらは何度もすれちがった勇者はレベルアップして強くなる仕様なので、“同じ人と何度もすれちがうと嬉しい”ようになっているという。
この2つって、「すれちがい通信」の面白さをよく考えていると思います。 前者は、「街中」とか「人がたくさんいるところ」にいる人がたくさんピースを持っているので、そこに向かうのが楽しくなります。
後者は、逆に「近所」とか「毎週行く場所」の方が同じ人と複数回すれちがえるので、近場をうろうろするのが楽しくなります。
しかし、3DSも発売から2年半近く経ちますんで、流石に『すれちがいMii広場』に飽きてきたよーって人も多かったことでしょう。私もとっくに飽きていました。なので、有料DLCです。
2011年7月の段階で、岩田社長が仰っていました。<以下、引用>
このことは、宮本ともずいぶん話をしていることなのですが、
例えば「何かのゲームを全部遊び終わったが、もっと遊びたいので、追加ステージがあったらいいな」ということがあった時に、私たちが追加ステージの制作にしかるべき労力を注ぎ込んで、それを後から配信することでそのゲームの寿命が延びたり、話題が増えたり、売上が伸びたりするとしましょう。
そうしたら、「そういうものをお客様と折り合いのつく価格で追加コンテンツとして買っていただいても良いのではないか」という話をしています。例えば、将来、任天堂の何かのゲームの追加ステージとして、「これを遊ぶためにはあといくら払っていただけませんか」ということはあって良いのではないかということです。</ここまで>
※ 改行・強調など一部手を加えました。 『NewマリオU』の有料DLCで『NewルイージU』を配信するようなことで。
『すれちがいMii広場』に飽きてきた人達のために、有料DLCとして追加ゲームを4つ発売した―――
これはかなり面白い試みだと思うので、『Wii Party』とか『Wii Fit』でも是非やって欲しいと思っています。「バランスWiiボードを使った500円のDL専用ゲーム」だと多分そんなに売れなさそうですけど、『Wii Fit』の追加ゲームに500円の有料DLCだったら買う人が多いと思いますもん。
んで、この4つの追加ゲームなんですけど……
「『すれちがいMii広場』ですれちがったMiiのキャラ」を使うんですけど、追加ゲームを買っていない人とすれちがっても使えるというのが肝です。『すれちがいMii広場』を起動しているとすれちがえればそれでOKという仕様なんです。
例えば、『すれちがいシューティング』を持っていない人とすれちがっても『すれちがいシューティング』は問題なく遊べるんです。
4つの追加ゲームを見ていきますね。
1つ目。
『すれちがいシューティング』。
昔懐かしい2Dシューティングゲーム。
しかし、ステージによって横にも縦にも斜めにもスクロールしたり、敵から防衛するステージがあったり、各ステージごとにタカラモンドが5つあったり(『Newマリオ』のスターコインみたいなヤツ)。当然ながらファミコンの2Dシューティングに比べるととてつもなく進化しています。当然だ!
ここでの「すれちがい通信」の使われ方は。
「すれちがったMii」が「武器」にもなり「ライフ」にもなります。例えば、5人すれちがって5人のMiiを回収した場合は、「5つの武器が撃てる」と「5発喰らったらゲームオーバー」というカンジ。
昔の2Dシューティングゲームは「一撃死」が基本でした。
そこに「バリアー」とか「ライフ制」などの要素が入っていくんですけど、むしろそのせいで「序盤でバリア獲らないと積む」レベルの難易度になっちゃったりで、「シューティングゲーム=難しい」と敬遠する人が多くなってしまった要因だと思います。
『すれちがいシューティング』は「初心者でも楽しめる2Dシューティングゲームを作ろう!」を考えた結果か……「たくさんのMiiとすれちがっていればいるだけダメージを食らっても大丈夫」+「ゲームコインでネコ(orイヌ)も呼べる」という結構ヌルイ仕様になっています。
ゲームオーバーになっても2回まで再出撃が可能ですし、2Dシューティングって「同じステージをもう一度遊ぶと劇的に上手くなっていることを実感できる」ゲームですし、
「昔はシューティングゲームが苦手だったけどコレなら遊べるな」という人も多いんじゃないかと思います。
ちなみに『すれちがいシューティング』を持っている人とすれちがった場合は、各ステージごとのハイスコアが記録されて「今まですれちがった人達の中で自分は何位か」が分かるようになっています。ゲーム下手くそな私にとってはありがたくない要素だ!!
2つ目。
『すれちがいガーデン』。
花育てゲーム。
公式サイトに書かれている
「※ ゲーム中の花はすべて架空のものです」を今さっき読んで衝撃を受けているくらいに花に疎い私なので、温度は低めですが……
「たくさんの種類の花を咲かせて手帳を埋めるゲーム」と考えると、コンプ欲が湧いてくるのがゲーマーの性。
「種を植える」→「すれちがったMiiを招待する」→「その人達が水をくれる」→「ある程度水をもらうと花が咲く」→「それ以上水をもらうと種がもらえる」→「新しい花が咲きそうな種だけ残して後は売る」→「さっきの花は庭に置くか、フラワーセンターのお仕事に使う」→「新しい種を植える」のループ。
ゲーム中の相方がメンデルさんなので、新しい花を咲かすためには遺伝的ななんちゃらかんちゃらが必要っぽくて、突き詰めていくと「牡花と牝花を交配させていく種付けゲーム」になるのかも知れませんね。
お金が貯まると、新しい庭を買ったり、そこに飾り付けるものを買ったりも出来ます。
『すれちがいガーデン』を持っている人同士だと、『とびだせ どうぶつの森』のモデルルームのように、「すれちがい通信」で庭を見せ合うことも出来ます。しかし、出てくる花が架空の花だということすら知らなかった自分にとっては他人の花を見せられても……!
3つ目。
『すれちがい合戦』。
CMでも使われている合戦ゲーム。
CMに使われたのは「すれちがった人の力を借りて戦うゲーム」という分かりやすさからなんでしょうが、兵数のインフレがすさまじいので私はあんまり好きじゃないし、Twitterとか見てても評判はあまり良くないですね。
「すれちがった相手の広場の人数」が兵力として新たに加わる―――という仕様なんですが。
ネット対戦のゲームとかをしていない人は80人とか100人くらいしか広場にいないもので、これをチョコチョコと集めて8万人とかとどう戦えってんだ(笑)。制圧目標の20カ国中まだ6カ国目くらいなんですが、既にもう詰んでいる状態。
『すれちがい合戦』をプレイしている人とすれちがった場合は、「広場の人数」ではなく「兵士の数」で対戦が始まって、これに勝つと10%の兵力が味方に加わるという仕様なので――――
「自分と同じくらいの進行度の人とガンガンすれちがう」ことを想定したゲームっぽいですね。
4つ目。
『すれちがい迷宮』。
『ファミリーフィッシング』を開発したプロペ開発。
良かった、任天堂とプロペはまだ繋がっていたんだ……この流れでWii U用『ファミリーフィッシング2』を開発してもらいましょうよ!(何の話)
PVを一見しただけでは「色んな要素の入ったややこしいゲーム」なのが難点。
実際に遊ぶと、各要素がきっちりまとまっていて凄く遊びやすいゲームなんですけどね。私は4つの追加ゲームの中で一番好きです。
「すれちがったMii」がそれぞれの色の“ピース”を持ってきます。
これを探索中のダンジョンに当てはめて、“探索エリア”を広げていくのが基本の流れです。“探索エリア”を広げて“階段”を見つけると次の階に進めるので、“階段”を探すのが目下の目的ですね。『任天童子』みたいなカンジ、ってもっとマイナーなゲームを例に出してどうする。
この“探索エリア”を広げていく際に、“同じ色のピース”が組み合わさるとそこが“部屋”になり、広い部屋になればなるほど宝箱や武器を強化できる場所などが出てきます。なので、“同じ色のピース”を組み合わせていくと良いのですが……
逆に“違う色のピース”を組み合わせると、そこに扉が出来て、そこを開ける際に敵と遭遇しやすくなります。
敵との戦いは、持っている武器を撃ったり、ガードしたり、アイテムを使ったり。敵をやっつけると経験値がもらえて武器が強くなっていくので、敢えて“違う色のピース”を組み合わせてレベルを上げていくというのも手かな。
「ダンジョン探索ゲーム」と「パズル」の組み合わせということで、そう言えば『任天童子』っぽいんだけど、こちらの方がよりポップで遊びやすいゲームになっているかなと思います。
自分は“探索をするゲーム”が大好きなので、どちらも大好きです。ついでに『レゴシティ』も大好きです。何の話。
んで、これらの追加ゲーム。
基本的には、
「すれちがいをすることでゲームの続きが遊べる」=「すれちがいをしないとゲームの続きを遊べない」という使い方なんですね。
スマホのゲーム等によくある「○時間経つとスタミナが回復するので続きが遊べます」or「課金するとすぐに続きが遊べます」に通じるものがあります。『すれちがいMii広場』もゲームコイン(3DSを持って歩くと貯まる架空通貨)を使って、すぐに続きを遊ぶことも出来ますし(笑)。
記事を書き始めた頃は「それってただ“ゲームを遊ばせない”足枷になっているだけなんじゃ…?」と思って書き始めたんですが、
でも、この「ちょっとずつしか遊べない」もどかしさこそがこのゲームの魅力なんじゃないかと思えてきたのです。 「ゲームは1日1時間」じゃないですけど。
ゲームをプレイしていない間でも、「今日は何人とすれちがえるかなー」とか「赤ばっかとすれちがったらシューティング厳しいな」とか「迷宮は逆に有利だな!」とか「合戦が全然進まねえ!」と考えられることこそがこのゲームの魅力で。
もちろんゲームコインを大量投入して一気にクリアすることも出来るんですけど、ちょっとずつちょっとずつ1日1日すれちがいをしながら進めていくというのがイイと思えてきました。
3DSも発売されてから2年半弱が経ちました。
「すれちがい通信」の使われ方って、多くのゲームの場合は「俺のプレイ自慢」なんですよ。「俺の家のインテリアを見ろ!」「俺の作ったチームは強いぞ!」「俺のワーキングメモリーは凄いぞ!」と、それぞれのプレイ状況を見せ合ったり比較したりに使っています。
『すれちがいMii広場』の4つの追加ゲームも、「シューティング」を持っている人同士はハイスコアがランキングになったり、「ガーデン」は相手の庭が見られたり、「合戦」は相手と戦えたり。「迷宮」は……あれ、「迷宮」遊んでいる人と何度もすれちがっているのに、何も起こったことがないな。何が起こるんだっけ……
まぁ、ともかく。
「俺のプレイ自慢」ってそんなにみんなが楽しいものじゃないですよね。 上手い人なら「ハイスコアを競い合う」ことが楽しいでしょう。
やりこむ人なら「俺の部屋を見ろーっ!」が楽しいことでしょう。
でも、みんながみんなそうではないですよね。
『ドラクエ9』の「宝の地図」交換が盛り上がったのは、ランダム生成された「レアな地図」をみんなが欲しがったからですし。『とびだせ どうぶつの森』が発売された直後のすれちがいが楽しかったのは、「自分の村にはまだ出ていない家具を買ってこれる」からで。
「すれちがえることが自分の得になる」ゲームだったんです。そういうゲームは「すれちがえただけで嬉しい」んです。
『すれちがいMii広場』の4つの追加ゲームって、
「すれちがいをしないとゲームの続きを遊べない」ことで逆に「すれちがえただけで嬉しい」ことになっているのです。そう考えると、これらのゲームは「『すれちがいMii広場』でなければ成り立たないゲーム」になっていると言えて。
例えば、これが「500円の新作シューティングゲーム」とか「500円の新作ダンジョン探索+パズルゲーム」だったら、フツーによくある“よく出来たゲーム”に留まってしまっていたんだろうなーと。
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