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2012年8月のまとめ

 ちょっと昨日Twitterで話題になっていたこと。
 Amazonで「特典付き」のゲームソフトを買う際には気を付けた方がイイよ、という話です。

 この手の話は「誰が悪かったのか」という答えを探しがちなんですが、今回のこの件は誰が悪いという犯人がいるわけではなく、ちょっとずつのズレが大きく出ちゃったのがたまたまココだったという話だと思うのです。



 昨日発売の3DSソフト『閃乱カグラ Burst』をAmazonで購入したら「先着購入特典が付いていなかった!」という声がたくさんあがっていました。どうもAmazonの商品には全てこの特典が付いていないみたいです。Amazonに問い合わせた人の話によると、最初から「特典付き」とは記載されていなかったというAmazon側からの回答だったそうです。


 通常、Amazonで「特典付き」のゲームソフトを販売する場合、2つのページが用意されることが多かったんです。例えば同じマーベラスAQLのソフト『ルーンファクトリー4』はこんなカンジですね。

ルーンファクトリー4 特典 こっそり聴きたい添い寝CD(特製ヘッドフォン付き)付き
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ルーンファクトリー4 (特典なし)
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 前作『閃乱カグラ -少女達の真影-』もこんなカンジに「特典付き」「特典なし」の2バージョンのページが用意されていたんですが、今作『閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達-』は1バージョンのページしか出来ていませんでした。


閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達-
閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達-

 「特典」についての記述は(少なくとも現在は)ありません。
 なので、予約購入した人は「1バージョンしかページがないということは全てに特典が付いてくるのだろう」と思ってAmazonで予約をしたのだけど、Amazonからすると「特典が付くだなんて書いていないんだから付くワケがない」と。

 Amazonレビューを見ると「予約した4月の時点では「特典付き」と書いてあった」という意見もあるんですが、Twitterで話を聞いた人は「特典についての記述がないことが2ちゃんのカグラスレで話題になっていてAmazonを警戒している人もいた」と仰ってる人もいたので……正直、どっちが真実かは私には分からないです。



 んで、重要なのはここから。
 この話は『カグラ』だけじゃないらしいんです。

 どうもAmazonが「特典付きのゲームソフト」を取り扱わなくなっている傾向があるみたいで(特に特典が大型でスペースを取るものは)、何も記載せずに「特典なし」のバージョンだけを売っているという話をチラホラ聞きました。去年の12月頃からあのソフトでもそうだった、あのソフトでもそうだった、と。

 今回大きな話題になってしまったのが、3DSでのヒット作で、しかも特典を欲しがる人が多そうな(←偏見)『カグラ』だったからで。今までにもそういうことはあったそうですし、なんかマーベラスと『カグラ』はたらいまわしにされてたババを掴まされちゃったなという印象です。



 んで、肝腎の「Amazonが何故特典付きゲームソフトを取り扱わなくなったか」という話なんですが。
 今のゲーム業界、パッケージソフトのビジネスモデルがやっばいことになっているんですよね。

 元々「10本入荷して9本売れただけなら赤字」というどうかしている利益率で。中古ソフトを売らなきゃやっていけなかったり、家電量販店のように他の商品を売るための客寄せだったりで。新品ゲームだけ売ってお店が成り立てる商売じゃないんですよね。

 なので、今年に入って「小売店が入荷をしぼっている」という噂があって、実際大した売り上げではないソフトが品切れで手に入らなくなることも頻繁にありました。



 そんな中でも「Amazonなら大丈夫」と思っている人も多かったと思うんですが。
 最近は「空予約」の問題もあって、予約している人がたくさんいたから予約分を入荷したら発送前にキャンセルされまくって在庫抱えちゃって結局値崩れした状態で売った―――というソフトも多くて。Amazonやばいんじゃないのかと数年前から心配していました。



 これ、特定企業が行っているみたいな噂も耳にしますけど、それ以前に個人でもやっている人いっぱいいると思うんですよ。
 「Amazonでゲーム予約していたんだけど発売日になっても発送されていないみたいだから、キャンセルして、近所のゲーム屋で買ってきた。やっぱりゲームは発売日に遊ばないとね!」みたいなことをTwitterで呟いている人はたくさんいます。そのキャンセルされた商品はどこに行くんだろう…とずっと前から心配していました。

 もちろん違法行為ではありませんし、それが悪いことだとも言いません。
 「今回のこの件は誰が悪いという犯人がいるわけではない」という話なんですが。


 だから、Amazonが、スペースをとる大きな特典が付いているゲームソフトの取り扱い自体をやめつつある―――というのは、正直私は「仕方ないかな……」と思ったんです。



・今年になって小売店がゲームソフトの入荷を絞っている
・Amazonアフィリエイトのゲームソフトの紹介料率が大幅に下がった
・任天堂がパッケージソフトのダウンロード販売を始めた
・Amazonが(大きな)特典付きのゲームソフトの取り扱いから撤退しつつある


 これらのことは全部繋がっていることだと思うのです。

 私自身は「特典」にはあまり興味がありませんし(わざわざ「特典なし」の方を注文することも多い)、同じ内容ならばパッケージ販売じゃなくてダウンロード販売を選んでいきたいと思っているくらいなんで、このことで直接困るということはアフィ利率が下がったこと以外はないんですが。

 ゲーム業界の未来を考えると、
 店頭でパッケージソフトが買えなくなったらどうなっちゃうんだろう……と恐怖を感じるのです。


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  「2012年8月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」か「記事URL」をクリックして下さいな。

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| ひび雑記 | 19:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『脳トレ』と『鬼トレ』の大きな違い

 前の記事にも書きましたが、『鬼トレ』を友人から借りました。

 自分は初代『脳トレ』はかなりハマリましたし、『脳トレ』がゲーム業界に貢献したことはとても大きかったと思っています。しかし、だからこそDSiウェア版『ちょっと脳トレ』のグレードダウン具合にはかなりゲンナリしましたし、『脳トレ』シリーズに対するイメージはかなり悪くなっていました。


 最新作『鬼トレ』も、発表時から「今更脳トレかぁ……」とあまりテンションが上がりませんでしたし。
 体験版でプレイした「鬼計算」も自分にはピンと来ませんでした。何が面白いか分かんねーな、と。なので実際にソフトが発売されてからも「自分には関係のないソフト」という認識で、気にも留めていなかったんですが。



 友人から借りて実際に毎日起動していると、「あれ?すげー面白いじゃん」と思うようになりました。
 『脳トレ』が抱えていた構造的欠陥を見事に解決していて、『鬼トレ』こそが『脳トレ』シリーズの完成形じゃないかと思ったほどでした。

 いや、もっと言うと「ゲームと難易度」の問題についての一つの答えを出したソフトとも言えて、他のジャンルのソフトも見習えるところがあるんじゃないかとか、いやむしろ他ジャンルのソフトから上手く見習ったからこその『鬼トレ』じゃないかとか語りたくなるソフトでした。


 このゲーム、しばらく借りててイイかな?>友人への私信
 自分で買い直してもイイんだけど、セーブデータは引き継げないだろうしなぁ……




 さて、本題。

 『鬼トレ』の前に『脳トレ』の話から始めます。
 もう7年も前のソフトですから、読んでいる人の中には『脳トレ』を知らない人もいるかも知れませんしね。

 『脳トレ』とは、2005年に発売されたニンテンドーDSソフト『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』の通称で、このソフトは世界中で大ヒットして“社会現象”を引き起こしました。今までゲームを遊んでいなかったシニア層にも売れて、「ゲーム人口の拡大」の象徴になったソフトでもありますね。


 このゲームは元々、DS本体が発売した際の同時発売ソフトに「文字を書くゲーム」がないことに気付いたスタッフが、「せっかくタッチペンのゲーム機を出すんだから文字を書くゲームを作ろう」と発案したところから始まったそうです。
 収録されているゲームは、「簡単な計算式を20問連続で解く“計算20”」や「一瞬だけ表示された数字の枠を数字が少ない順にタッチする“瞬間記憶”」といったようなシンプルなミニゲームばかりなのですが。「脳を鍛えるトレーニング」という動機付けと、実在の教授が出てくることによる信憑性と、自分の記録が折れ線グラフになって残る面白さと、で、パッケージングの大成功例と言えるソフトだったと思います。

 あのゲームを超楽しんでいた自分でも、「脳を鍛える」という動機付けがなかったら、あんなにプレイしなかったと思いますもの。



 実際、「計算20」とか「名作音読」とか、小学生の頃にはウンザリしていたようなことを久々にやってみるとすごく楽しいですし、眠っていた脳が呼び起こされるようなカンジがしたんですね。毎日トレーニングを続けて成績が伸びていくと、すごく自分が成長できたようで嬉しかったです。

 だが、それは最初の1ヶ月だけでした。
 最初の頃はどのゲームも新鮮ですから、頭を使って、スコアを上げていくことに喜びを見出せたのですが。それをずっと続けていると「習慣」になってしまって、同じことの繰り返しで頭を使っている感覚がなくなって、むしろ脳が退化しているような感覚になってしまいました。

 1ヶ月も続けているとハイスコアも伸びなくなってきますしね。
 なので、いつしか起動しなくなってしまいました。





 こういう話をすると、当時『脳トレ』を批判していたような人達はこう言ってきました。
 「ほら見たことか!」「すぐに飽きてしまうような薄っぺらいゲームじゃないか!」「これだから“ゲームらしくないゲーム”はダメなんだよ!」「非ゲーマーに媚びたところで何も良いことなんてないんだよ!」 ふむ。“ゲームらしくないゲーム”って久々に見たフレーズですね(笑)。

 一つ言っておきたい。
 『脳トレ』がぶち当たった構造的欠陥って、“ゲームらしいゲーム”も同じように抱えている欠点ですよ。


 新しいゲームを始めた頃は楽しい。
 新しいことを覚え、ゲームに適応して、どんどん攻略していくのが楽しい。頭を使っているのが分かるし、自分が上手くなっていく感覚が楽しい―――しかし、1ヶ月もやっていると新鮮さは薄れ、上達もしなくなり、同じことの繰り返しになって、次第に飽きて起動しなくなってしまう。

 期間に差はあれども、ゲームというのは基本的にはそういうものです。
 そこに「ストーリー」を付け加えたり、「やりこみ要素」を加えたりして、小まめに達成感を得られることで飽きが来る期間を引き延ばそうとしたりはしますが。根本的には、『脳トレ』も“ゲームらしいゲーム”も、最初は新鮮だけど、徐々に惰性になって、最後は飽きて辞めてしまうのは一緒なんです。

(関連記事:楽しめたもの勝ち


 さて、『鬼トレ』。
 自分が『鬼トレ』の何に驚いたかというと、『鬼トレ』って「ずっと遊べる脳トレ」なんですよ。
 トレーニングの厳しさとか、ワーキングメモリーを鍛えると日々の生活がどう変わるかとかがプロモーションでは語られていましたけど。ゲームデザインとしては「ずっと遊べるようになった」という大きな進化をしているんです。むしろ自分はこれが大きいと思うのです。


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○ 「永遠に上がり続ける難易度」と「自分に合った難易度」
 『鬼トレ』というソフトには、メニューとして「鬼トレ」「鬼トレ補助」「脳トレ」「リラックス」が入っています。

 「鬼トレ」は8種類。これがメインメニューで、あまりに厳しいので1種目1日1回ずつしかプレイできません。

 「鬼トレ補助」は『脳トレ』シリーズ前3作の中から選ばれた9種類。前作プレイ済の人からすると「脳トレと言えばあんなゲーム」と思い出せるものはココに入っています。「計算20」とか「漢字破壊」とか。

 「脳トレ」はミニゲームっぽいもの。ソリティア的なもののように頭を使うミニゲームが多いみたいですね。「陣取対局」面白いんで、これだけ有料DLCで追加ステージとか売ってくれませんかね?

 「リラックス」は「細菌撲滅」とかそういうの。「鬼トレ」「鬼トレ補助」「脳トレ」のどれかをプレイしないと選べないようになっているみたいです。


 今日語るのは『鬼トレ』の中の「鬼トレ」の話です。
 あまりに厳しいので自分は1日1「鬼トレ」と決めていますし、今「1週間ずっと鬼計算をやる」期間にしているので(そうすると表彰状がもらえる)「鬼計算」を例に出します。これがCMや体験版でも有名なトレーニングだと思いますしね。公式サイトに動画があるんで、観たい人はどうぞ(音声が出ます)。

 「鬼計算」は、表示されている計算式より前の答えを覚えておいて書くというのもの。
 1バックだったら1つ前の答えを、2バックだったら2つ前の答えを、3バックだったら3つ前の答えを……ってなカンジに。当然覚えておかなきゃいけない数が増えれば増えるほどごっちゃになるので凄く難しくなります。


 「鬼トレ」は“レベル”というか“面のようなもの”があります。
 「鬼計算」の場合「1バック」→「速い1バック」→「2バック」→「速い2バック」→「3バック」といったカンジで構成されていて。正答率が85%以上だと上の面に上がれて、84~66%だと同じ面をもう一度、65%以下だと下の面に下がるというカンジですね。
 スタッフによると、「99バック」まではプログラムされているそうです。

 「ずっと遊べる脳トレ」と自分が表現したのはまさにこれが理由で。
 難易度はほぼ永遠に上がるんですよ。
 前作『脳トレ』はせいぜい「普通」と「難しい」の2つが用意されているトレーニングがあるという程度でしたが、今回の『鬼トレ』の「鬼計算」は難易度が198つも用意されているということになります。
 しかも、作るのに大して手間がかかっていなさそうだという(笑)。「こんな一工夫で難易度を上げられるのか!」って思いますよね。


 んで、ここからが重要なんですけど。
 『鬼トレ』は前作『脳トレ』と同じように自分の成績を折れ線グラフで記録してくれるため、前回プレイした時の難易度から始めてくれるんです。「2バックが限界な人」はいきなり2バックから、「4バックが限界な人」はいきなり4バックから始めてくれるんです。

 常に自分にとってギリギリの難易度の面を与えてくれる―――『鬼トレ』の凄いところはここなんだと思います。体験版では分からなかった部分ですね。
 ほぼ無限に用意されている難易度(面)と、常に自分にとってギリギリの難易度(面)でプレイ出来ること。「ゲームと難易度」について、どういう形がベストなのかをずっと考えてきた自分からすると「これは一つの答えが出ちゃったぞ」と思ったほどです。


俺「力量に差がある限り誰もが「ギリギリの難易度」で遊べるゲームなど存在しない。」
俺「ならば、「イージーモード」「ノーマルモード」「ハードモード」と分けていくべきか?」
俺「そうすると「せっかくクリアしたけどイージーモードか…」と達成感を阻害してしまうかも知れない。」
俺「ならば、みんな同じ難易度だけど、無敵アイテムのような救済措置を用意するか?」
俺「それって「難易度を分けている」のと変わらなくないか?」


 『Newマリオ2』で何回もやられると無敵の白しっぽマリオになれるアイテムが出たり。
 『ファイアーエムブレム』や『世界樹の迷宮』にも「イージーモード」的なものが入ったり。
 簡単すぎるゲームは縛りプレイをすればイイという意見が出たり、それじゃ楽しめないという意見が出たり。TARI TARI

 みんなが楽しめる難易度のゲームとは何か、どのゲームも四苦八苦していると思います。



 難易度を198つも用意して、誰もが「ギリギリクリア出来そうで出来ない難易度」で遊べるようにする――――これは一つの答えだと思いますし、別に『鬼トレ』が初めて発明したワケじゃなくて、実はこういうゲームってあるんですよね。


 自分はあまりそういうゲームをプレイしたことがないんですけど、3Dアクションゲームとかにはプレイヤーの操作から判断して自動で難易度調整されるゲームもあるらしいですし。そもそも『スーパーマリオブラザーズ』とかだって本来はそうでしたよね。

 1-1クリアー!1-2クリアー!1-3クリアー!1-4クリアー!2-1何とかクリアー!2-2クリア出来なかったー!ちくしょう、明日こそは2-2をクリアしてやんぞ!と、全32面+裏面を通してちょっとずつ上達していくゲームだったんです。
 あの頃のゲームは「クリアする」ことが目的じゃなくて、「上達する」ことが目的だったはずで。『鬼トレ』はそこに戻っただけと言えるのかも知れませんね。



 『鬼トレ』と『マリオ』の違いは、と言うと―――
・『マリオ』には一応の目安となる「クリア」があるけど、『鬼トレ』にはない(99バックは人類には到達不能だろうし)。
・そのため『鬼トレ』は自分なりの目標を立てなくてはならないが、裏を返せば永遠に上達を目指せるゲームだと言える。
・『マリオ』は「体育会系のゲーム」って言われるけど『鬼トレ』はもっと「体育会系のゲーム」だよね。





【『脳トレ』と『鬼トレ』の大きな違い・3行まとめ】
・『脳トレ』は他の“ゲームらしいゲーム”同様に、「ずっと続けていると飽きる」という欠点があった
・『鬼トレ』は「たくさんの難易度」をプレイヤーに合わせることで、ずっと遊べるようになった
・それって「クリアが目的じゃなかった頃のゲーム」に似ているのかも知れない




 というか、「ゲームはクリアしなきゃダメだ」という固定概念を消すことが出来れば、「誰もが楽しめる難易度」ってそんな大変なことじゃないのかもなぁと『鬼トレ』をプレイすると思えてきます。



 自分は今「5バック」と「速い4バック」を行ったり来たりしているんですが、「5バック」は43%とかでケチョンケチョンなんです。「あー俺もうダメだ。俺には何の才能もないんだ死のう」と思ってしまうんですけど、下に落とされると「速い4バック」は90%くらいで出来て「俺って天才だ!これなら5バックだってその内クリア出来るぜ!」と錯覚できるという(笑)。

 これは『スーパーマリオブラザーズ』が何故「やられるとステージの最初に戻される」仕様なのかって話に近いのかもって思うのです。
 宮本さんの仰っていた「クリアできないところばかりやらされるとプレイヤーはイヤになってしまう。ステージの最初まで戻して、クリアできるところもプレイさせることでプレイヤーは継続して遊んでくれるんだ」に似ていると思いますし。



 やっぱり『鬼トレ』って、『脳トレ』以上に任天堂イズムを感じるんですよ。
 あの変な寸劇のことじゃなくてね(笑)。難易度の調整が、すごく“ゲームらしい”なぁって思うのです。


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| ゲーム雑記 | 17:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界一美味しい飲み物は、ノドが乾いた時の水である

 ふと思い出した話。
 自分が大好きで毎週聴いているラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(@TBSラジオ)で、去年の5月にゲストに来たカプコン佐藤さんがこういう話をされていたんです。

 「オマエらが知らない、世界で一番美味い飲み物を教えてやんよ!」


 この話は今でもポッドキャストで聴けるんで、興味ある人はこの記事を読む前にポッドキャストをお先にどうぞ。



 では、この佐藤さんが教えて下さった「世界一美味しい飲み物」は何か?







 それは、「朝から夜まで何も飲まずに極限までノドが乾いた状態で飲む冷たい水」だそうです。

 あぁっ!石を投げないで!
 ポッドキャストで聴いてもらえば分かりますが、そういう番組ですしそういう人なんです。データとか統計とか客観性とか、そんな細けぇことはイイんだよ!




 でも、一理ありますよね。
 「空腹こそが最高の調味料だ」という意見もありますし、「美味しい」と思えるかどうかはこちらの状態に依ることが多いんです。

 もちろん評論家やグルメリポートブログをやりたい人は「そういうことじゃねえんだよ」と思われるでしょう。そういう人は「100人の読者が100人とも共感できる客観性」を目指して、「美味しいかどうか」を判断しなきゃいけませんからね。

 しかし、そうでない大多数の人間にとって「客観性」なんかどうでもいいことなんです。
 自分が「美味しい」と思えたらそれでイイんです。そのためには「ノドが乾いた時に水を飲むと美味しい」とか、「お腹が空いた時にご飯を食べると美味しい」とか、すっごく根源的なことが実は重要なんです。これぞライフ・イズ・ビューティフル!






 もちろんこれは飲み物・食べ物だけに当てはまる話ではありません。
 漫画を読んだり、アニメを観たり、ゲームをしたり、映画を観たり、ライブに行ったり、スポーツ観戦したり、旅行してみたり、友達とダベったり、合コンしたり、恋愛したりにも当てはまる話。


 「楽しい」と思えるかどうかには、受け手のノドが乾いているかが重要だと思うんです。

 萌えアニメが観たい時に欝アニメを観ても、「今観たいのはコレじゃないんだよなぁ」としか思えない。
 時間がなくて「手軽に遊べるゲームが欲しいなぁ」という時にMMOを始めても、「時間かかるわー」としか思えない。
 短い映画が観たい時に4時間の超大作映画を見せられたら寝てしまう。



 こういうことって誰もが経験したことがあると思うんです。
 こういう時、それが楽しめない原因を「作品がクソだからじゃないか」とか「みんなが楽しんでいるらしいコレを俺は楽しめないということは俺にセンスがないんじゃないか」とか「いや、アイツらどうせ全員ステマなんだよ」とか「あぁもうこの世界の全てが信用できないから世界は滅亡してしまえばいいんだ」とかみなさん思ってしまうと思うんですけど。

 ただ単に、「ノドが乾いていない=それを欲していない」だけということもあるのです。

 炎天下で汗だくになって水分が欲しい時にカツカレーは食べられない、みたいな話なんです。





 「人間の数だけ好みは違う」と言われます。
 自分が好きな映画も、世の中には大嫌いな人もいますし、もっと大好きな人もいます。

 「年齢を重ねると好みは変わる」とも言われます。
 10代の頃はさっぱり意味の分からなかった漫画でも、30代で読んだら号泣してしまったなんてこともあるでしょう。生きてきた年輪が変われば心に響くものは違って当然なんです。


 しかししかししかししかししかし、もっと根本的な話として。
 「同じ人間が、同じような時に出会ったものであっても、ノドが乾いているかどうかで昨日と今日とで評価が変わる」ことがあるんです。


 例えば、自分はかつて週に7本とかアニメを観ていた時期があるんですけど。
 深夜アニメは同じような時期に一挙に始まって、同じような時期に一挙に終わるんです。そうすると「今週7本とも最終回」みたいなことが起こって、7本目とかは「もう最終回飽きたよー。感動も号泣もし飽きたよー」となってしまうんです。

 1本目と7本目では新鮮さが全然違う。
 評論家の人は「いや!それでも客観的な評価をせねばならぬ!」と仰るんでしょうが、私は単なるイチ消費者なんで5本目くらいから全部惰性で観てましたよ。

 そこで反省して、現在は観るアニメを週2~3本に限定しました。
 もちろん「ノドの乾きやすさ」は人それぞれ違いますし、同じアニメでもジャンルを変えると飽きることもないかもですから、みんなもそうしろって話じゃなくてね。自分は、自分が一番楽しめる方法を模索したらこうなったという話です。


(関連記事:楽しめたもの勝ち





 食事も実はそうなんですけどね。
 「今の俺は何を欲しているんだ!」の自己分析が出来ると、楽しいことがとても増えるんです。

 カレーを食べたい時にカレーを食べたら美味い!
 熱血漫画を読みたい時に熱血漫画を読んだら燃える!
 百合アニメを観たい時に百合アニメを観たら萌える!
 アクションゲームを遊びたい時にアクションゲームを遊んだら楽しい!
 メイドさんもののAVを観たい時にメイドさんもののAVを観たらたまらん!



 ………
 「何を読んでも・観ても・遊んでも楽しくない人」って、これが分かっていないんだろうなあと思うのです。ノドがカラカラ乾いた時にカツカレー注文して「俺が今欲しいのはコレじゃない!」って文句を言っている人っていますもんね(笑)。そりゃそうだろ、と。




 んで、もう1コ。
 これに慣れてくると、敢えて自分で自分の「ノドの乾き」を調整できるようになるのです。

 佐藤さんが仰ってた「朝から晩まで何も飲まない」状態。

 例えば、楽しみにしているRPGの新作の発売日が決まったら、そのゲームまで他のRPGを一切遊ばないようにするとか。そうすると「RPG遊びてー!RPG遊びてー!RPG遊びてー!」熱が高まって最高の状態で発売日を迎えられて、「うっひょおおおお!久々のRPGだーーー!」となれるんです。

 後は、さっき自分が書いた「週に観るアニメの本数を限定する」とか。
 「ハーレムアニメは1本だけにする」とかね。



 みなさんもそれぞれ自分なりの「ノドの乾かせ方」を編み出せば、ビューティフルなライフを満喫できることでしょう!でも、あまりにノドを乾かせすぎると熱中症になっちゃうんで、適度に水分は補給してくださいね!


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 余談。
 ここまで書いておいてアレなんですけど、「自分が全く欲していなかった(と思っていた)ものにガツンとぶつかって夢中になってしまった」ということもあるのも確かですよね。自分では自己の欲求を完全に把握はできない、とでも言うべきか。


 ネタバレになっちゃうので具体的な作品名は挙げませんが。
 萌え萌え~なアニメのように見せかけて宣伝しておいて、萌え萌えアニメが大好きな人達がたくさん釣れたところで萌え萌えキャラの首チョンパして「実はコレ欝アニメだったんですーーー!」とやってくるアニメってあるじゃないですか。そういう作品って、実は定期的に出現するじゃないですか。

 狙ってやったのかは分かりませんけど……
 そういうアニメがヒットしたのって。萌えアニメを率先して観ている人は実は萌えアニメには飢えていなくて、潜在的に欝アニメを欲していた―――という見方も出来ると思うんです。



 しかし、本人すら潜在的な「ノドの乾き」を自覚していないと、そういう人に商品を手にとってもらうのってホント大変ですよね。こんなもん、どうやって宣伝していけばイイんだか。

| ひび雑記 | 17:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲームとゲームとゲームとゲームを同時並行に進める

 友達が『Newマリオ2』と『鬼トレ』を貸してくれました。
 発売直後のゲームを何故?と訊いてみたところ、

 『Newマリオ2』の方は「最終面だけやりたいから進めといて」とのこと。
 『鬼トレ』の方は、「買ったはいいけど3DSに画面保護シート貼っていないから画面に傷がつくのイヤで起動していない」とのこと。ならば、まず保護シート買いなさい。



 でもまぁ、せっかく借りたんでプレイしてみることに。どっちもとても面白いです。
 それ以前からプレイ中だった『A列車DS』と『カルチョビット』と合わせて4本同時並行でゲームを進めるハメになりました。
 ぎゃー!そう言えば『ラストストーリー』と『夜の魔人』はずっと放置中だし、配信終了直前にダウンロード購入した『サイレントデバッガーズ』は起動すら出来ていない!Wii U発売までに全部消化しておきたいけど、多分ムリだ!




 みなさんは、大体何本くらい同時並行でゲームを進めていますか?
 この質問をしている時点で感覚が麻痺しているという気もします(笑)。

 自分はなるべく「1本に集中」したいんです。
 頭の中がごっちゃになって、「Aボタンでジャンプだか上ボタンでジャンプだか分からなくなる!」みたいになっちゃいますから。なので、1本のゲームが終わるまではどんなに面白そうなゲームが出ても買わないようにしてきたんですけど。


 あれ?意外に4本同時並行、いけるなとも思ったんです。


・『A列車で行こうDS』←経営シミュレーション
・『カルチョビット』←育成シミュレーション
・『Newスーパーマリオブラザーズ2』←2D横スクロールアクション
・『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』←脳トレ


 まず、全部ジャンルが違うこと。
 もしこれが『マリオ』と『ソニック』と『カービィ』と『コナミワイワイワールド』だったら全部横スクロールアクションゲームなので「ボタンがごっちゃになっちゃう!」ということがあったかも知れません。スピード感の違いに戸惑ってしまうことがあったかも知れません。

 もしこれが『A列車』と『シムシティ』と『シムシティDS』と『シムシティDS2』だったら、「どこに何を作ったか分からなくなってきた!」と混乱してしまうかも知れません。てゆうか、どうしてそんな4本をチョイスしたのよ。

 やってることが全部違うからごっちゃにはなりにくかったんです。




 あと、シリーズものは既に知り尽くしたゲームの延長線なので、新たに覚えることが少ないというのも大きいです。自分にとって初挑戦の『A列車』や『カルチョビット』は覚えることが多くて大変でしたが、前々作プレイ済の『マリオ』と『鬼トレ』は馴染みの店に久々に立ち寄ったくらいの感覚でプレイできたんです。順番が逆だったらこうはならなかったかも知れません。

 『鬼トレ』は別の理由で大変ですけどね(笑)。



 ジャンルが違うことで「遊びたいタイミングが違う」というのもありますね。
 『鬼トレ』は義務なんで毎日起動しています。「鬼トレ」は1日1コしかやってませんし、「鬼トレ補助」と「脳トレ」を2~3コやって大体20分くらいの起動。


 後は、ガッツリゲームと向き合いたい時は『カルチョビット』。
 このゲームは自分では操作しませんが、一生懸命画面に被りつくんで疲れます。しかも勝てるとは限らない。今の自分のチームは3回に1回くらいしか勝てないので、大抵落ち込んで終わります(笑)。


 手軽に達成感を味わいたい時は『マリオ』。
 自分は2D『マリオ』は得意なジャンルなので、「プレイした分だけ進む」のが分かっていて確実に達成感が得られます。
 十数分の起動で「あー面白かった!」と確実に言えるのがこのゲーム。しかも、今作は城や砦をクリアした時以外でも、「中断セーブ」が出来るので「1面だけ進めようっと」という遊び方が出来ますね。


 まったりと遊びたい時は『A列車』。
 すぐに成果が出るゲームではない(早送りという手もあるけど)。長いスパンで考えてあそこにあれを作ろうかなーと作って、完成するまでに他のことをして、と。面の序盤はせわしないけど、軌道に乗ると「何を追加していくか」を考えるゲームなので精神的にはそんなに疲れません。

 もちろん「最低難易度」で遊んでいますからね!
 シミュレーションゲーム不得意なんですよ!バカにすんな!



 この4本は偶然揃った4本でしたけど、すごくバランスが取れた4本でした。
 そして、こう見ると『マリオ』ってすげーゲームだなって思いますね。今回の『Newマリオ2』は「変わり映えがしない」とか「いい加減マンネリだ」とか言われていますけど、「いつもと一緒」だからこそ他の3本と同時並行で遊んでも何の問題もなく楽しめるのだろうなぁと。

 既にどういうゲームか分かりきっていることで、「1面にかかる時間はこれくらい」とか「次のセーブポイントまで進めるのに何分くらいかかる」とかが起動前に分かるのもありがたいです。じーちゃんばーちゃんが毎週欠かさず『水戸黄門』を観ていた気持ちに似ているのかも知れませんね。「予想は裏切らないが期待も裏切らない」というか。




 例えばこれが『A列車』『カルチョビット』『ラストストーリー』『夜の魔人』の4本だったら同時並行で遊べないと思うんです。新たに覚えることが多いから、ゲームに使える脳のキャパをオーバーしてしまうんです。でも多分、『ラストストーリー』『夜の魔人』『Newマリオ2』『鬼トレ』の4本ならイケる。


 卵が先か鶏が先かという話ですけど、
 「人気シリーズ」が人気な理由も分かりましたし、マンネリズムの偉大さも感じました。

 自分は好きなゲームの続編を率先して遊ぼうとは思わないということを何度も書いてきましたけど、既に上手くなっているからこそ得られる達成感というのもあるんだなと。


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 余談です。
 自分みたいな人間は「ダメゲーマー」の典型例だと思うんですけど、ゲームが好きで好きでしょうがない人ほどこういう傾向はあるんじゃないかと思うのです。4本はアレとしても、2本くらいはみなさんもあるでしょう?


 でも、ほとんどのゲームって「このゲーム1本に集中して遊んでもらう」ことを想定して作ってあるなーと思うのです。『ゼルダの伝説』シリーズなんかまさにそうで、アクションゲームとしての面白さ、冒険探索ゲームとしての面白さ、パズルゲームとしての面白さ、ストーリーやキャラクターの面白さ……ありとあらゆるタイプの面白さが詰め込まれたゲームと言えます。

 もちろんそういうゲームが悪いと言いたいんじゃないです。
 これ一本遊べば「ゲーム」を全部楽しめる、幕の内弁当感が欲しい時もあります。


 でも、「俺さっきパンと唐揚げとカップラーメン買っちゃったからサラダだけ食べたいんだよなー」という時もあるじゃないですか。
 そういう人にこそオススメできるゲーム、という視点は、実は人に何かを薦める際に大事な視点じゃないかと思うんです。


(関連記事:『Wii Sports』が今でも売れ続けているのは一体どうして?

 ↑ 5年前に書いた記事。
 DSバブルの頃だから、ここでも「脳トレやマリオはメインディッシュではない」という話で、5年後の今もあまりラインナップが変わっていないという(笑)。

| ゲーム雑記 | 19:58 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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考察:俺が女子高生を好きだとしても、俺はロリコンではない

 落ち着いて考えてみてくれ。


 小学生の頃の俺は誰を好きだったか?
 女子高生である。

 小学生の俺にとって女子高生は「大人の女性」だった。
 俺が女子高生を好きなのは、女子高生に「大人の女性」を感じたからに過ぎない。断じてロリコンではない。



 中学生の俺は誰を好きだったか?
 女子高生である。

 中学生の俺にとって女子高生は「近くて遠い存在」だった。
 小学生と高校生の見た目の差に比べると、中学生と高校生にはほとんど差がない。手を伸ばせば届くんじゃないかと錯覚するほどに。しかし、精神的な差は大きく、伸ばした手は届かないままだった。



 高校生の俺は誰を好きだったか?
 女子高生である。

 高校生の俺にとって女子高生は「等身大の女子」だった。
 同じくらいの年月を生き、同じような時代を経た、ある意味で「同じような人間」である。しかし「男」と「女」とが違うだけでこんなにも違うのかというほどに、人種が違った。同じ土俵に立ってみて初めて分かる特異性。あぁ、「女」ってこんなに特別な存在なんだと思い知った時期でもある。





 ということで―――
 大学生以降の俺が女子高生を好きだったとしても、それは断じてロリコンではない。

 俺は常に女子高生が好きなだけだ。
 物心ついた時から女子高生が好きで、死ぬまで女子高生が好きなだけだ。
 それは、生まれながらに音楽が好きな子どもとか、生まれながらに特別な運動神経を持った子どもとかと同じように、ただ単に生まれながらにして女子高生が好きなだけなんだ。「年下の女性が好き」なワケでは決してないのだ。断じてロリコンではないのだ。



※ この話はフィクションです。実在の人物・団体・事件等には一切関係がありません。
 「俺」というのは架空の人物であって、筆者本人のことではありません。断じてありません。



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 この屁理屈話は色んなことに応用できると思うんですが、それはみなさん各自で行ってください。

| ヒンヌー | 17:54 | comments:3 | trackbacks:1 | TOP↑

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Wii Uの「ゲーム以外」の機能を今の内に予想しとく!

 今年末に発売が予定されているWii U。
 開発が順調に進んでいれば、9月の東京ゲームショー(9/20-23)の直前辺りに「Wii U Preview」的なことをやって詳細の発表をするんじゃないかと思われます。

 任天堂はそのために7月8月までにWiiの有力ソフトは発売し尽くしましたから、ここから先は「3DS」と「Wii U」という新たな二本柱に注力してプロモーションしていくのでしょう。新ハードの到来という胸躍る時期でもあり、ずっと応援し続けてきたWiiが終焉を迎えたことで寂しい時期でもあります。もう発売から6年なのか……



 さて、今日はそんな「詳細が発表される」直前の時期にしか出来ない予想記事です。
 ゲームソフトに関してはE3である程度のことが見せられたので、今日は敢えて「ゲーム以外」の機能について予想したいと思います。



○ これまでの任天堂ハードのおさらい
 Wiiは「デジカメの写真をテレビ画面に映して見る」ことや「天気やニュースをチェックする」ことや「Wiiの間で映像を見る」ことが出来ました。別売りのマイクを買えば、フレンドと通信で会話することも出来ました。

 「Wiiチャンネル」―――
 ゲームをする人もゲームをしない人も、家族にとって「関係なくない機械」になるために、ゲーム以外の機能を付けたのがWiiでした。
 これらの機能は使わない人にとっては全く使わない機能でしたでしょうが、使っている人は意外に使っている機能でした。我が家の場合『写真チャンネル』『インターネットチャンネル』は家族がほぼ毎日起動していましたし、お正月とか孫の誕生日などの区切りには『Wiiスピークチャンネル』で音声メッセージを送っていました。



 3DSも「ゲーム以外」の機能を持ったゲーム機ですよね。
 カメラ機能、サウンド機能、インターネットブラウザに、『いつの間に交換日記』などなど……
 「ゲームを遊ばない時にも持ち歩いて欲しい」がコンセプトにあるのだと思います。

 その原型となったニンテンドーDSiも同様です。
 カメラ、サウンド、インターネットに、『うごくメモ帳』。

 いや、もっと言うとニンテンドーDS(無印)も別売周辺機器でこういう機能を付けられる機械でした。
 『DSテレビ』もそうですし、それこそインターネットブラウザも当時は別売りでしたもんね。



 ということで、Wii Uも当然「ゲーム以外」の機能を持ったゲーム機になると思われます。
 もちろん「あのWii Uゲームパッド」を活かした「ゲーム以外」の機能です。それが何になるのかという予想と、自分は何が欲しいのかという希望を書いておきます。




予想1.「テレビ」が観られる
 「据置型ゲーム機でテレビが観られるって何じゃそりゃー!テレビはそりゃテレビが観れるものだろう!バーカバーカ!」という話ではありません。当然、「ゲームパッドの画面にテレビ番組が映せる」という話です。

 ヒントとなったのがここ
 Q&Aの9番の回答です。回答者は任天堂の岩田社長。


<以下、引用>
 あともう一つ、今日せっかくの機会ですので、いつかお話ししようと思っていたことを一つお話ししようと思います。

 それは、これからテレビはどうなるのかということです。
 この中にも私以上に詳しい方がいらっしゃると思いますが、いろいろエレクトロニクス系の雑誌などを見ていますと、総じて「テレビはマルチスクリーン化する」、あるいは「テレビはスマートフォンと連携する」というようなこと、そういうことが未来として語られているように思います。

 Wii Uの提案というのは、「特に最新のテレビに買い替えていただかなくても、家のテレビがマルチスクリーンになります」というものでもあります。
 ちょうど日本の家庭では、つい先日の地デジ対応のために多くのご家庭でテレビが買い替えられたばかりだと私は理解していますので、家のメインのテレビがそう近い将来にものすごい量、さらに新しいテレビに置き換わるという未来は、私にはあまりイメージできないのです。
 家のテレビを最新のテレビに替えなくても、家のテレビがインターネットと密結合するマルチスクリーンテレビに変わるというのもWii Uが提案していることの一つで、2006年9月にWiiを発表した際に、「Wiiはゲームとテレビとインターネットと家族の関係を変える」と申し上げましたが、それをさらに高い次元で提案したいということも併せて考えています。

</ここまで>
※ 改行・強調は引用者が行いました


 ここの発言のニュアンスだと「ゲームパッドの画面にテレビ番組が映せる」というよりは「ゲームパッドをサブ画面に使えばテレビの楽しみ方も変わるんじゃないか」という意味だと思うんですが、岩田社長の認識だと「マルチスクリーンのテレビはそんなに早くは普及できない」「でも、マルチスクリーンのメリットは大きいのでWii Uが先にやっちゃおうぜ!」と考えられているのかなとも思うのです。


 AV機器との連動は任天堂はあまり得意ではないですけど(メーカー的にも対象の層的にも)、複雑な配線とか設定とかさせない『DSテレビ』のようなものを取り付けてワンセグ放送が観られるとかなら出来そう。画質に関しては言うな。


 「テレビ画面でテレビ、ゲームパッドでもテレビ」が観られることで何の得があるのか。
 まずは「二つの番組が同時に観られる」ので、オリンピックのような時にチャンネルを行ったり来たりする必要がなくなります。これは便利!むしろどうしてオリンピックの時期に間に合わせてくれなかったんだと文句を言いたくて仕方ありません!(実際に作っているかも分からないけど)

 また、「テレビがない場所でもテレビ番組が観られる」のも大きいです。
 例えば台所に置いて料理をしながらテレビを観るという人のために、「キッチン用のテレビ」というものがあります。それと同じことがWii Uでも出来たら重宝する人は重宝するでしょう。防水とかどうするんだろう?とちょっと不安でもありますが(笑)。


 もちろんコレらの機能は「欲しい人はすごく欲しいけど、要らない人は全く要らない」ので、『DSテレビ』のように数千円で別売でもイイんじゃないかと思います。こんだけ書いておいてアレですけど、私は別に要りません(笑)。



予想2.電子書籍が読める
 Amazonがキンドル日本版を8月末~9月に始める―――という噂があります
 任天堂がWii Uについての仕様を発表するのが9月。



 これは!!

 というくらいしか根拠はないんですけど(笑)。
 「Wii Uゲームパッドがある暮らし」を考えた際に、電子書籍というのは当然「考えられる選択肢」ではあると思うんです。もちろん任天堂がそれらを取り仕切るのは現実的ではありませんから、他社と連携しなければなりませんし、その連携が上手くいくか次第ですけど。


 不安要素としては、iPadとかキンドル ファイアとかに比べると、Wii Uゲームパッドの画面は解像度もサイズも一回り小さめっぽいんですね。このサイズで漫画を読むのはしんどいかもなぁ……とも思います。実際に実機を見てみないと何とも言えませんが。



予想3.カーナビになる
 あの権威ある日本経済新聞が言っていたから多分本当だよ!



予想4.映像配信チャンネル
 『Wiiの間』Wii U版。
 これは「やらなきゃおかしい」部類のサービスです。「Wiiの間」という名称は使わなくても、同じような映像コンテンツ配信機能はなきゃおかしいです。確か北米だと既に何かが発表されていたと思いますし(E3の曖昧な記憶……)


 『Wiiの間』のようなオリジナル映像配信ももちろん期待したいんですけど……
 実は自分が最も期待しているのは「映画やアニメなどを期間限定でレンタルして観られる」機能です。『Wiiの間』でもやっていましたし、PS3などの他ハードでも普通にやっていますし、PCとかでもそういうサービスはあるでしょうし。それがWii Uゲームパッドの画面に出力して観られたらうれしいなって。

 というのも……
 自分は毎週ラジオで伊集院さんがゲストからおすすめの映画を教えてもらって2週間以内に観ようという番組を聴いているんですけど、昔の映画ってレンタルDVD屋だと探しにくいんですよね。何度か「俺も観てみようかな」とレンタルDVD屋を探すんですけど、見つけられた試しがありません。どういうセンスの並べ方なんだあれは!

 品揃えの問題は大きいですけど、レンタルDVD屋と同じくらいのラインナップが検索一発で見られて、しかもWii Uゲームパッドの画面に出力できるのなら合間合間に観られそうですし。マジメに期待しています。




 あ、あと当然「MiiVerse」と連携したら面白そうですしね。



予想5.お絵描きソフト
 実を言うと、『絵心教室』の新作は3DSじゃなくてWii Uかなと思っていたんですけどね……

 でも、Wii Uでお絵描きソフトをやるんだったら、『絵心教室』みたいな本格的なものよりも、まずは『うごくメモ帳』とか『いつの間に交換日記』みたいな「手軽に描ける」「なのにこれでしか出来ないことがある」的なソフトを内蔵しておく可能性が高いかなあ。


 シンプルに『うごくメモ帳2』とか『いつの間に交換日記 Wii U Version』という可能性もありますけど。



予想6.ビデオチャット
 これは2年連続でE3のイメージ映像に出てきているんで、なかったらおかしいレベル。



予想7.天気、ニュース、テレビ番組表、インターネットブラウザ
 Wiiチャンネルでやっていたことは、Wii Uでも引き継いで欲しいですね。


予想8.『Miiコンテストチャンネル2』
 3DS版『トモダチコレクション』が発売する前に是非お願いします。



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 実際に準備していたとしても、発売日からいきなり全部の機能が使えるということはないでしょうし、9月の時点では発表されないと思います。3DSで『いつの間に交換日記』が発表されたのは本体発売半年後でしたし、配信開始されたのは更に3ヶ月後でしたからね。

 もし事前に発表されるのだとしたら、Wiiにおける『お天気チャンネル』とか、3DSにおける『ARゲームズ』のような“象徴的なタイトル”だけでしょう。
 この中では、そうですね。映像配信とかビデオチャットとか電子書籍とかは、Wii U Previewで発表されたりTVCMで使われたりしてもインパクトは大きいんじゃないかと思われます。3DSで痛い目を見たから、「ゲーム以外」の機能はそんなに推してこないかも知れませんけど(笑)。



 なので、9月に発表されなかったからと言って未来永劫その機能が付かないワケではないんですよ!
 9月にカーナビが発表されなかったとしても、そんなに気にすることではないんですよ!!と予め言っておきます!


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| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『氷菓』の文化祭編が超面白かったという話

※ この記事はテレビアニメ版『氷菓』第17話「クドリャフカの順番」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。


 『氷菓』のアニメがとても面白いです。最初の数話は何だったのかというほどに。
 私の好みを知っている人なら恐らく分かっているんじゃないかと思うのですが、7話の姉妹の回でハァハァしているだろうと12話~17話で描かれた「文化祭」編は自分のストライクゾーンど真ん中な話でした。言ってしまえば群像劇ですからね。




○ 群像劇としての見事さ
 群像劇の定義を「決められた主人公がいない話」だとすると、今回の『氷菓』は群像劇というよりも「4人の主人公がそれぞれ別のルートをクロスしながら進む」『428』的なシナリオだったと思うのですが。いずれにせよこの手の話で重要なのは、「4つの話がどう自然にクロスするか」ということだと思います。


 「4人の主人公」というのはもちろん「折木奉太郎」「千反田える」「福部里志」「伊原摩耶花」の4人。この4人は「氷菓を完売させる」という大きな共通の目的は持っていましたが、それぞれ違う立場とルートを進むことでそれぞれ違った目標を持つようになったんですね。

 摩耶花は漫研の中での人間関係に苦しみ、
 里志は怪盗十文字を捕らえること(というより折木に勝つこと)に目的が変わり、
 千反田さんは各所を奔走して「お願い」をすることに疲れ、
 折木は……わらしべプロトコルを完遂させようとしたというところでしょうか(笑)。


 それぞれがそれぞれのストーリーを走り、
 そして折木以外の3人はそれぞれ「敗北」をしているんですよね。「達成」は出来ていない。

 千反田さんは入須に教わった「お願い」の方法を実行することで、彼女なりに「氷菓の完売」に貢献しようとしたのですが……自分とは違う自分(入須のような)になろうとした結果、疲弊してしまいました。普段あんなに目を輝かせて「気になります!」と言っていた頃と違って、なんて辛そうな表情が多かったことか!

 里志は「この事件は奉太郎向きではない。自分に向いた事件だ」と走り回りましたが、奇術部でもグローバル研でも十文字を捕らえられず、最終的には折木に十文字を暴かれてしまうという「敗北」の話でした。

 摩耶花の話もまた「敗北」の話。
 いや、彼女の場合は「敗北すら出来ていない」話でした。『夕べには骸に』に敗れた河内先輩の漫画もまた摩耶花の心を打った作品だったことに気付いた瞬間、自分がまだストートラインにすら立っていないことにも気付いてしまったという話でした。




 では、彼女ら3人の話には意味がなかったのか?というのが今日の話。



○ 敗北者達の物語
 京アニ作品は「文化祭」のシーンがやたら多いと思うんですけど。
 この作品における「文化祭」は、それ以上に「集大成」な意味合いが強かったと思います。

 古典部の伝統である氷菓は「文化祭で頒布するもの」ですし、そのルーツにも文化祭は大きく関係していましたし。「映画」編で描かれた映画も「文化祭で上映するもの」でしたし。遠垣内先輩や沢木口先輩のように、以前に出てきたキャラクターが再登場しているのも面白いところでした。


 「文化祭」ってそういう場所ですもんね。
 各部活の晴れの舞台。学校中の人間があっちへきたりこっちへきたりで、違う学年で違う部活の人なんかにも珍しくエンカウントする機会ですし。
 『けいおん!!』にもそういう描写があったけど(オカルト研だっけ)、そういう独特の空気感とか、あとは単純に大人数の動かし方とか、その人数分を描き分けられるキャラデザとか、やはりここは流石の京アニだなって思いました。



 んで、そんな風に大人数が乱れ動く文化祭という群像劇の中で、
 描いたものが「敗北者達」による「劣等感の物語」だったというのが、自分の心を打ったんです。

 河内先輩は勝てなかった、
 田名辺先輩も勝てなかった―――絶対的な飛びぬけた「才能」の前に。


 それは、里志が折木に感じていたものと似ているのかも知れない。
 それは、摩耶花が逃げ場所を探してしまったことと似ているのかも知れない。
 それは、千反田さんが自分以外にはなれなかったことと似ているのかも知れない。


 誰もが主人公になれるはずの群像劇で、敢えて「自分は主人公になれないと悟ってしまった人達」を描くというのが何とも残酷で、そして学校というものはそういう場所なんですよね。大多数の敗北者にとっては、学校は「自分は特別な人間ではない」と知るための場所なんです。



○ 折木は「特別な人間」なのか
 「才能」という言葉は、「映画」編のキーワードでした。
 「才能」という言葉に踊らされた折木は入須の術中にハマり、言ってしまえば折木も「敗北者」だったのです。しかし、里志からすればそうではない。里志からすれば折木は「期待をかけられるだけの価値のある人間」なんです。


 「文化祭」編のキーワードは「期待」でした。
 これは流石に1回観ただけだと覚えていない細かい描写もありそうですが、4人の主人公のストーリーにはそれぞれ「期待」という言葉が使われていたと思います。象徴的なのは入須先輩が千反田さんに教えた「期待」というフレーズなんですが、入須先輩が千反田さんに教えた方法って「映画」編で、入須が折木にやった方法なんですよね。



 「映画」編の「才能」が自己に向かう言葉ならば。
 「文化祭」編の「期待」は他者に向かう言葉―――特別ではない僕らが、他者に抱く言葉




 でも、折木は毎回「一人で結論を出している」ワケじゃなかったですよね。
 「氷菓」編の頃は他の3人が出した仮定の上に乗っかって結論を出していたし、「映画」編の頃は一人で出した結論を他の3人から否定されたことで結論にたどり着けたのだし、今回の「文化祭」編も他の3人がいなければ十文字にはたどり着けなかったことでしょう。


 このアニメ……というか、恐らく原作小説がそうなんでしょうけど(自分はアニメの前に原作は読まない人なんで推測でしかありませんが)。

 “視点”に忠実に作られているんですよね。
 他の人が語る回想シーンなどを除けば、折木が自分の目で見たシーンしか描かれていないはずです。多分。ミステリーってそういうものかなと思ったけど、『名探偵コナン』とかだと全身黒タイツの犯人視点のシーンとかもありますよね。『氷菓』にはそういうシーンがありません。多分。

 しかし、この「文化祭」編だけは4人の視点でシーンが描かれます。
 4人が別々の場所で体験したことは視聴者の頭の中にしか一本に繋がらず、「何かが起きているらしい」ことは視聴者にしか分かりません。しかし、各々が得た情報を持ち帰って統合してくれたことにより、それらの情報は一本に繋がり、折木は真実に辿り着けたのです。



 誰か一人が欠けても、折木は十文字の正体に辿り着けなかったんですよね。


 『夕べには骸に』の原作者の名前が分かったのは摩耶花のおかげだし、作画者の名前が分かったのは千反田さんのおかげでした。里志は……えっと、確か「カンヤ祭の歩き方」を渡したとか、陸山の名前を教えたとか、そもそも色んな部でものが盗まれているという情報をくれたのも確か里志だったような気がするし!役に立ってたよきっと!あんまり印象ない上に他の人でも出来そうなことばかりですけど!

 マジメな話、折木が「協力を頼める人」で躊躇なく里志の名前を出したところは結構なポイントだと思うんですけどね。でも、「有能な相方」という立場も辛いんだろうなぁと。



 ここで描かれたのは「敗北者の物語」だったけど、それが誰かの何かに繋がっているかも知れない。
 敗北者たる河内先輩の描いた漫画が、実は摩耶花の心を打っていたように。


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| アニメ雑記 | 17:54 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲームにストーリーは必要だと思いますか?

 この手の話は「ジャンルに依る」と書けば、一行で結論が出てしまうのですが(笑)。

 もう一歩踏み込んで、「自分が好きなゲームのジャンルは何か」を考える際に「ストーリーが必要だと思うか」がヒントになるという話です。
 例えば、ウチの母がそんなゲームのジャンルがあることも知らなかったのに、実はシミュレーションゲームにハマる素質があったように、アナタにもボクにも実はハマるジャンルのゲームがあるのかも知れない……そう思うので突き詰めて考えていこうと思います。




 自分は相変わらず『カルチョビット』プレイ中なんですが。
 このゲームが何故にこんなにも面白いのかというと、とてつもなく「ドラマチックなことが起こるから」だと言えます。予期しないことが次々と起こるのです。首位決戦の直前にエースが怪我をしてしまうとか、そのエースの穴を埋めた若手選手が予想外の活躍をして驚かされるとか、負けたら首位転落の試合のロスタイムにゴールキーパーがコーナーキックからヘディングを決めるとか、

 もちろんコレらのことは、スタッフが考えた「ストーリー」通りに進んでいるワケではありません。
 データとデータがプログラム上で戦った結果、筋書きのないドラマが生まれ、プレイヤーが勝手に「自分だけのストーリー」として受け取っているだけです。


 あまり好きな表現ではありませんが、これぞ「ゲームにしか起こりえないこと」と言えるでしょう。
 ドラマや漫画や映画などなどは作り手が必死に考えて練りに練った「ストーリー」をみんなが楽しめます。読解力の差とか、全話観れるかとかの差もありますが、基本的にはA君もB君もC君も「同じストーリー」を楽しむことになります。

 しかし、『カルチョビット』には決められたストーリーはありません。同じゲームを遊んだとしても、A君とB君とC君とではそれぞれ違うストーリーを体験するのです。練りに練られたストーリーではないけれど、だからこそ「自分だけのストーリー」と感じられるのです。



 もちろんコレは『カルチョビット』に限った話ではありません。
 シミュレーションゲームは基本的に「自分だけのストーリー」が生まれるゲームです。

 『A列車で行こう』でも、赤字を生んでいたグループ企業でもお荷物な「映画館」が、2年目、3年目と街が発展していく中で何十億円と利益を上げる稼ぎ頭になってくれたりします。「手塩にかけた○○が立派になった!」というストーリーを感じられるのです。

 メインストーリーがしっかりある『ファイアーエムブレム』のようなシミュレーションRPGでもそうです。
 自分は『紋章の謎』で好きだったキャラにカシムという弓兵がいるんですけど、同じように『紋章の謎』をプレイした友達に話しても「カシム……はて…?」とおじいちゃんのような反応しか来なかったことがあります。彼はカシムを仲間になった後すぐに二軍に落としてほとんど使ってなくて、私は一軍のエースとして大活躍させていたんです。
 骨格となるストーリーは一緒ですけど、細部のストーリーは私と彼では全然違うんです。私の中では鮮明な記憶として残っている「迫りくるドラゴンナイトを次々と撃破していくカシム」を彼は知らないんです。なんともったいない!!

 でも、それがシミュレーションゲームなんです。
 「自分なりのストーリー」を妄想して楽しめるのがシミュレーションゲームなんです。



 しかし、当然のことながら「自分なりのストーリー」と「スタッフから提供されるストーリー」はトレードオフになります。

 これはよく言われる「自由度」か「一本道」かのトレードオフに似た話でしょう。
 ただ、今日の記事の切り取り方だと「一本道」では正確ではなくて、マルチエンディングのゲームみたいに「スタッフが複数の道を用意している」こともあので―――「野原」か「舗装された道」かって表現の方がイイとは思うんですけど、そうすると「この野原は実は道があるんじゃ……」みたいな細かい議論になってしまうので(笑)。



 「自分なりのストーリー」を楽しみたいか、
 「提供されるストーリー」を楽しみたいか、を考えれば、自分に合ったゲームが分かる一つの指標になるんじゃないかと表現しておきます。もちろんどちらが優れているかみたいな話ではなくて、どちらを欲しているのかという話ね。


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○ 「シミュレーションゲーム」←→「アドベンチャーゲーム」
 アクションゲームやシューティングゲーム、パズルゲームなんかでも「野原」か「舗装された道」かの話は広げていくとすごく面白い話だと思います。『マリオ64』は「野原」だったけど、ついて来れない人が多くなってしまったので『マリオ3Dランド』では「舗装された道」になった―――みたいな、ね。


 ただ、今日の主題は「ストーリー」なので。
 「スタッフから提供されるストーリー」が最も重要なジャンルとして、アドベンチャーゲームを語らねばなりますまい。



 例えば『逆転裁判』です。
 基本的にあのゲームは「一つ正解を見つけると次に進むゲーム」です。自由度の欠片もなく、言ってしまえば「スタッフの想定した道を歩くだけのゲーム」です。しかし、逆に言えばスタッフが練りに練って考えたストーリーを、A君もB君もC君も楽しめるゲームと言えます。

 「たまたま」ではないんですよね。
 シミュレーションゲームにおけるドラマチックな出来事は「起こるか起こらないか分からない」ですし、プレイヤーの力量によっては起こらない可能性も高いです(シミュレーションゲームが上手すぎる人は『カルチョビット』でもダントツで優勝しちゃって盛り上がれないかも知れない)。

 でも、『逆転裁判』はみんながそのストーリーを楽しめるんです。
 ある意味では究極の「一本道ゲーム」。逆に言うと、この「スタッフから提供されるストーリー」がつまらないとどうしようもないゲームになってしまうってことですよね。



 ノベルゲームやギャルゲーなんかだと「一本道のストーリー」のことは少ないと思いますが。
 複数のルートに分かれているだけで「スタッフの想定した道を歩くだけのゲーム」には違いありません。


 もちろんそれが悪いって話じゃないですよ。
 こういう記事を書くと「俺の愛するギャルゲーをバカにしてんのか!」って誤読してしまう人がいらっしゃるんですけど、色んなジャンルがあってそれぞれ好みの異なる人に支えられているという話です。

 横道ついでに書いておきますけど、ギャルゲーの中でも超有名作品である『ときメモ』とか『ラブプラス』ってアドベンチャーゲームというよりシミュレーションゲームなんですよね。『ときメモ』は自分を育成するゲームですし、『ラブプラス』はカノジョとの関係を築いてカノジョを自分好みに育成する(?)ゲーム。
 スタッフの用意した道を進むのではなく、自分だけのストーリーのあるゲーム。だからシミュレーションゲーム下手な自分は『ときメモ』の中でも誰とも関係を築くことなく終わって「何だよこのゲーム!何が面白いか分からねえ!」とサジを投げてしまったのだと今なら分かります。どういうゲームか理解してなかったんだ。



 閑話休題。
 アドベンチャーゲームが「スタッフの想定した道を歩くだけのゲーム」と言っても、『逆転裁判』のように「その一本道を進むためには考えなくてはならない」ゲームもあれば、ギャルゲーのように「○○ルート」「××エンド」のような分岐があって「目当ての道を進むために苦労する」ゲームもあります。

 アドベンチャーゲームはアドベンチャーゲームで独自の進化と細分化を繰り返しているんですよね。



 その際たるものが、「RPG」というジャンルです。
 よく「今の日本のRPGは一本道だから面白くないんだ!」とか「そもそもRPGというものは役割を演じるゲームでうんぬんかんぬん」みたいな言説を目にします。自分はそれがあまりしっくり来ないんですね。

 日本のRPGの起源は間違いなく『ドラゴンクエスト』です。
 それ以前にもRPGは存在していましたが、『ドラゴンクエスト』の超ヒットによって後追いで作られたたくさんのゲームが「日本のRPG」というジャンルを作ったのですから、RPGと言えば『ドラゴンクエスト』なんです。

 そして『ドラゴンクエスト』というのは、堀井さんがそれ以前に作っていた『ポートピア連続殺人事件』のようなアドベンチャーゲームに基礎があるんです。こっちに行ってこのアイテムを取ってこっちにそれを持っていくとこのアイテムがもらえてそうすればこの扉が開いて―――と、やってることはアドベンチャーゲームとさほど変わらないんです。


 「初代ドラゴンクエストには自由度があったが、今のRPGには自由度がない」ってのは、単に当時は使える容量が小さかったから「スタッフから提供されるストーリー」が少なかっただけだと思いますよ!




 「クエスト制だから好きなクエストを選んで遊べる」とか「マルチルートで自由な順番に攻略できる」というRPGも、「一本道」ではないかも知れませんが、「スタッフから提供されるストーリー」を進んでいることに違いありません。「自分なりのストーリー」ではないんですよね。
 繰り返しますけど、それが悪いと言いたいワケじゃないですよ。だから「RPG」は面白いのだし、人気が出たのだし、ジャンルとして確立しているのです。「RPG」と「シミュレーションゲーム」の市場規模を比べてみなさいな!



 ただ、「スタッフから提供されるストーリー」には一つだけ弱点があります。
 それは「再生産」や「使いまわし」が出来ないということです。そのため、どうしても「プレイ時間」は限定されてしまうんですね。


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○ 「スタッフから提供されるストーリー」以外の部分
 シミュレーションゲームは「自分なりのストーリー」なので、自分の中にストーリーがある限り、長く遊べるゲームだと思います。
 『カルチョビット』なら新しい選手を獲得して育成し直せば「世代交代」というストーリーを楽しめますし、『A列車DS』は12コ×3難易度のクエストマップをクリアしても「フリーマップ」で好きなように遊べます。ハマれば100時間や200時間なんて軽く越える時間を楽しめます。

 『テトリス』みたいな落ちモノパズルゲームもそうですし、実はWiiウェアなどで定番だった『麻雀』とか『将棋』とか『囲碁』のようなゲームも「永遠に遊べる趣味」と言われていますよね。何度も何度も何度も遊べるゲーム。

 『Newマリオ2』は「マンネリだ」とか「また同じことか」と言われていますけど、「コインラッシュモード」は結構な発明じゃないかなと自分は思っています。「1回遊べばそれで終わりだったマリオに、何度も同じ面を遊ぶモード」をつけて長く遊べるようにしたのですから。アレも言ってしまえば「自分なりのストーリー」ですよね。



 しかし、「スタッフから提供されるストーリー」はそうはいきません。
 「ストーリー」という言葉は誤解を招きそうですから、「スタッフの想定したルートを進むゲーム」と言った方がイイかもですね。こうしたゲームは基本的には1回きりの感動なんです。

 よく「このゼルダを遊ぶ前の記憶に戻してもらって、もう1回まっさらな状態で遊びたい」なんて言われますけど、あれは逆に言えば「ゼルダが超面白いのは1回きり」ってことなんですよね。そう言うと「俺は何十回と遊んだぞ!」と怒られそうですけど(笑)、謎解きで悩んで苦しんでようやく解けたーーー!って喜びは最初の1回が至高だと思うのです。



 アドベンチャーゲームは特に「スタッフの想定したルートを進むゲーム」の最たるものだから、これがずっと引っかかってしまうんですね。
 「(同じルートを)何度も遊べるゲームではない」から、複数ルートにして何周もしないと真のエンディングにたどり着けなくしたり、「ストーリー」以外の「ミニゲーム」的なものを入れたり、むしろ「ナゾトキ」がメインだったり。色んな工夫で「ボリューム」を確保しようとしてきました。



 同じように「スタッフの想定したルートを進むゲーム」であったRPGも同じ問題を抱えていましたが、こちらはアドベンチャーゲームよりも「自由度」のあるゲームだったので致命傷にはなりませんでした。つまりは「育成」部分。
 さっきの段では敢えて「RPGはアドベンチャーゲームとやっていることはさほど変わらない」と書いたんですけど、確実に違うところがあって。それは「キャラの育成」の部分です。ここはむしろシミュレーションゲームに近くて、「自分なりのストーリー」を楽しめる部分です。

 92年の『ドラクエ5』の時点で「好きなキャラを選んで戦わせられる」育成の部分がメインに来ていましたし、同年の『FF5』で「キャラクターを自分の好きなように育てられる」という完成形が出来ていました。96年の『ポケモン』は言うまでもありません。

 「RPGがクリア後も楽しめるようになったのはいつか」という話でちょうど『ドラクエ5』や『FF5』の例が出ますけど(どちらもラスボスより強い敵が存在する)、重要なのは「プレイヤーの自由なキャラ育成が出来るようになった」ことの方だと思います。これにより「もっと強い敵」と戦いたくなったからこそのクリア後の要素だろう、と。



 記事の序盤で『ファイアーエムブレム』のカシムの話を書きましたけど、RPGも「どのキャラを育てるのか」「どのスキルを鍛えるのか」「どの武器を作るためにどの素材を集めるべきか」とそれぞれが自由に選べるようになっているので、ストーリーはアドベンチャーゲームのように「スタッフの想定したルート」を進むけれど、キャラクターの育成はシミュレーションゲームのように「自分なりのルート」を進むというのがRPGというジャンルだと言えると思います。


 RPGは「アドベンチャーゲームとシミュレーションゲームのイイトコどり」というか。
 同じように「RPGが好き!」って人でも、どちらの部分が好きかというバランスによって、どちらにハマれるかは全然変わるってことですね。ウチの母は『ドラクエ9』でRPGにハマりましたけど、ストーリーそっちのけでひたすらキャラを育てて素材拾いまくって錬金とかしていたそうなんで、実はシミュレーションゲーム寄りの楽しみ方をしていたんだと。




 ということで、「ゲームにストーリーは必要だと思いますか?」というこの記事のタイトル。
 友達や家族にゲームを薦める際に、この質問をするだけで一つの基準が出来ますよという話でした。

 「自分なりのストーリー」を楽しみたいか、
 「提供されるストーリー」を楽しみたいか。


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「ガチでモテない主人公」でストーリーは描けるか

 バスケットボール経験者がその経験を元に描いたバスケ漫画が大ヒットしたり、元体操選手が原作を描いた体操漫画がヒットしたり、「漫画作品」と「作者独自の体験談」は切っても切り離せない関係と言えます。
 もちろんそうした漫画が全てではありませんが、自分が体験したことなら取材する必要がないから費用ゼロで済ませられる!のは間違いないので、こういう作品は多いですよね。使える予算が少なくて、個人の力で描かれる“漫画”は特にその傾向が強いと思います。


 ならば、「日本一モテない男」を自認している自分は、「モテない男」を主人公にした漫画こそを描くべきではないか―――ずっとそう思ってきました。
 世の中にあふれている「モテない男」を主人公にした漫画など笑止千万!サッカーのルールを知らないヤツが描いたサッカー漫画のように、「妄想でモテない男を描くんじゃねえよ!リアリティの欠片もねえ漫画だな!」と一笑に付してきたではないか。ならば己でそれを具現化するべきではないか、そう自問してきました。


 しかし、これが上手くいきません。
 企画段階で「面白くなりそうにない」んです。モテない男を主人公にして、リアリティ重視の漫画を描こうとしても全然面白くならないんです。
 だってそりゃそうですよ。そういや俺の人生もちっとも面白くなかった、と気付くんです。それを漫画に描いても面白くなるワケがありません。




 そもそも「ストーリーとは何だ?」という話。
 これは特に短編の読みきり漫画を描くようになって考えたことなんですが、極限まで切り詰めていくと「ストーリー」とは「設定」→「出来事」→「結末」の3つで出来ていると思うのです。

 例えば『ももたろう』で言えば、
 「設定」は「桃から生まれたももたろう」とか「鬼によってみんなが苦しめられています」とかの辺り。「出来事」は「ももたろうが旅立ってからなんやかんやあって鬼をやっつけました」という辺り。「結末」は「財宝を持ち帰っておじいさんとおばあさんと幸せに暮らしました」みたいなアレ。


 「出来事」をはさんだ「設定」と「結末」にどれだけの落差(ギャップ)があるかが、ストーリーの“肝”になると言えます。悲惨な設定から幸せな結末に上がれば「カタルシス」が生まれ、その逆ならば「悲劇性」が生まれ―――といったカンジに。


 例えば『シンデレラ』。
 「設定」は見るも無残な状態から始まります。継母や義姉からイジメ抜かれて、自分一人だけがみすぼらしい姿で家に残されてしまいます。その後、なんやかんや「出来事」があって、シンデレラは王子様と幸せな結婚をしましたとさという「結末」になります。「底辺」から「幸せの頂点」に上り詰める、まさにシンデレラストーリー!


 逆に『うらしま太郎』。
 「設定」は「イジメられていた亀を助けました」という美談から始まります。その後なんやかんやあって、「結末」は「浦島太郎は老人になってしまいました」という悲惨なもので終わります。この結末には色んな解釈が出来ると思いますが、多くの子どもはショックを受けたことと思います。「何も悪いことしていないのに酷い!」と。

 この結末が「玉手箱を開けたら浦島太郎は足首に全治1週間の捻挫の怪我をしてしまいました」だったら、「設定」と「結末」の落差がそれほどでもないので「その程度で済んでよかったね」くらいにしか思えません。「設定」と「結末」の落差が大きいから、『うらしま太郎』のラストは衝撃的なんです。




 「設定」と「結末」の間に落差をつけること。
 その落差に説得力が持てるくらいの「出来事」を描くこと―――これがドラマ性だと思うので。



 モテない主人公という「設定」で始めて、モテないまま終わる「結末」で終わると、何も起こらんのですよね。「成しあがるストーリー」も「転落していく話」も描けないのです。

 でも、モテない主人公という「設定」で始めて、最後は彼女が出来て幸せになりましたーという「結末」で終わると、「ふっざけんな!どこがモテない主人公なんだよ!彼女できてんじゃねえかよ!全然モテてんじゃねえかよ!こんな生半可な気持ちでモテない男を描くつもりだったら最初からモテない主人公を描くんじゃねえよ!覚悟がっ!この作者には覚悟が足りねえんだよおおおおおおおおおおおおおおお!」と言いたくなってしまいますし、私自身が今まで何百回と言ってきたことなので。それも出来ません。



 つまり、「ガチでモテない主人公で漫画を描こう」と思った時点で、「設定」と「結末」が動かせないという重い制約を背負わされてしまうのです。



 もちろん抜け道はなくはないんですけど。
 例えば『こち亀』の両さんが事業で大もうけをしても最終的には転落して来週も警察官に戻ってる、みたいなカンジで。「モテない男がモテると思ったら結局はモテてなかった!」というオチを付けるとか。

 「モテない主人公」が別の何かで成功する、とか

 「モテない主人公」が更に更に更に悲惨な事態に追い込まれる、とか。

 ストーリーの落差とかどうでもいいから、ただ単に「モテナイあるある」を描くとか。



 あれ……どれも結構面白そうな……
 この中からしれっとアイディア採用していても、見なかったことにしてください(笑)。


 ただやっぱり「王道」からはちょっと外れてしまう印象はありますね。
 そう考えると、「モテない男を主人公にして始まった漫画」が、「彼女が出来て終わる」とか「実は彼のことを好きな幼馴染がいたんだ」とか「最終的には女キャラみんなこの主人公のこと好きになってね?」というモテない読者が1ミリも感情移入できないような展開になってしまいがちなのも、分からなくもないんですよね。

 「モテない」という設定が、「モテる」という結末になれば、そこにはカタルシスが生まれるんですから。
 それで「良かったなー。コイツがモテるようになって本当良かったなー」と思わせられるような主人公だったら問題ないですしね。そうじゃないから問題なんですけどね(笑)。


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サッカー詳しくないけど『カルチョビット』プレイ中という人に向けたスペシャルメニューの用語解説

 相も変わらず『カルチョビット』プレイ中です。
 現在4年目、N2リーグの中位辺りで苦しんでおります。初期メンバーのポテンシャルが落ちてきたので世代交代を目論んでいるのだけど、若手選手が思うように成長してくれず、大金で即戦力の選手を引っ張ってこようかと悩んでいる頃です。


 さて、この『カルチョビット』。
 「サッカーの知識がない人でも楽しめるゲーム」だとは思います。選手が勝手に動いてくれてプレイヤーは観ているだけのゲームなんでルールすら知らなくても楽しめます。

 このゲームのプレイヤーの主な仕事である「特訓カードをどの選手に使うか」というのも、特訓カードは「シュート」とか「ランニング」といった誰にでも分かる言葉になっているので、専門用語が分からないから何をしてイイか分からないということも少ないと思います。


 ただ、その特訓カードを組み合わせると発生する「スペシャルメニュー」だけはサッカーに詳しくない人には馴染みがない用語だとも思うのです。「なんかよく分からない用語だけど、覚えさせておいて損はないだろう」と覚えさせた結果、守備の選手が攻撃に出ちゃって守備が手薄になるなんてこともあるでしょう。


 ということで、そういう人に向けて「スペシャルメニュー」の用語解説をしたいと思います。
 ただし、今回は「2枚組み合わせのスペシャルメニュー」だけです。自分は自力で1枚1枚組み合わせてスペシャルメニューを探しているので「3枚組み合わせのスペシャルメニュー」を見つけられていないんです(笑)。
 そういう理由なので、「2枚組み合わせのスペシャルメニュー」の中に抜けがあっても優しく許してやってください。「プレースキック」と「リフティング」がなかなか出ないので、表もなかなか埋まらないんです……



 どの特訓カードを組み合わせるとこのスペシャルメニューが出るかは、文字を背景色にしておくんで、読みたい人だけポインターを合わせて反転させてくださいな。

 あと、ポジションの名前がよく分からないという人は過去にウチで書いた記事をご参照ください。

(関連記事:観戦初級者のための“サッカーのポジション”解説



○ アイコンタクトミーティング+ミニゲーム
 味方の選手と目で合図をすること。
 声ではなく目で合図することで、相手の選手に気付かれないように連動した動きを「せーの」で始めることが出来ます。なので、主に攻撃の選手に覚えさせることがオススメです。フォワードとか攻撃的ミッドフィールダーとか。


 私のチームは「選手同士が連動してショートパスで攻撃するチーム」を目指しているので、中盤の選手には全員覚えさせています。



 過去に貼り付けたコレとか分かりやすいですね。
 逆に、「ガッツリ守ってカウンター」のチームを目指すならそれほど重要なスペシャルメニューではないと思います。


○ インターセプトイメージトレーニング+スライディング
 敵のパスを途中で奪うこと(パスカット)。
 守備的ミッドフィールダーやディフェンダーなど、守備的なポジションの選手には是非覚えさせておきたいスペシャルメニューです。逆に、ゴールキーパーとかに覚えさせてもあまり意味はないと思います。


○ オーバーラップカウンター+ランニング
 本来守備のポジションにいる選手が、攻撃参加をすること。
 当然覚えさせるのは守備の選手(サイドバックとか)がイイと思うのですが、攻撃参加をされた後はガラ空きになるため、「ディフェンダーには攻撃せずに守ってもらいたい」という人は覚えさせない方がイイと思われます。

 ウチのチームの場合、これを覚えさせていないはずなのにセンターバックがガンガン攻撃参加をしていますけどね(笑)


○ オフサイドトラップミーティング+ラインコントロール
 相手の選手を「オフサイドポジション」にしてしまうために、意図的にディフェンダーがラインを上げること―――と書いても、この記事を読んでいる人には多分伝わりませんよね。

 覚えさせるのは「ディフェンダー」だということと。
 「ゾーン」を高く設定している人は覚えさせた方が多分イイ―――ということだけ分かっていれば大丈夫だと思います。オフサイドについての解説記事は昔に書いたことがあるんですけど、やっぱり難しいんですよ。だから分からないなら分からないでイイと思います。

(関連記事:サッカー観戦初心者のためのオフサイド講座


○ カミソリドリブルイメージトレーニング+ドリブル
 カミソリのような鋭いドリブルのこと。多分。
 現実に使っている人はあまり聴きませんけど。

 当然攻撃陣に覚えさせた方がイイです。


○ カバーリングダッシュ+ラインコントロール
 味方選手が敵にドリブルで抜かれてしまった時や、味方選手が攻撃参加して帰って来れない時に、代わりにそこを守ることです。守備の選手に覚えさせておきたいスペシャルメニューですね。


○ キャプテンシーミーティング+ランニング
 これを覚えさせると、最初のコイントスに時にこの選手が出てきます(笑)。
 効果としてはメンタルが強くなるとか、他の選手にも影響するとか、ですかねぇ。


○ クライフターンアジリティ+エアロビクス
 元オランダ代表の名選手ヨハン・クライフが得意としたフェイント技。
 前に行くと見せかけて、ボールを違う方向に進める……まぁ、ドリブラーのテクニックの一つなんで、攻撃陣に覚えさせておくと良いでしょう。


○ 決死のブロック座禅+スライディング
 「体のどこかに当たってくれ!」とばかりに体を張って敵のシュートを防ぐこと、だと思います。
 ゴールキーパーとかセンターバックに覚えさせるとイイんじゃないですかね。


○ ゲームメーカーカルチョビット+パス
 任天堂とかカプコンとか……のことではありません!
 サッカー用語で「ゲームメーカー」というのは、「パスによって攻撃を組み立てる人」のことです。攻撃的ミッドフィールダーの位置に置くチームもあれば、守備的ミッドフィールダーに置くチームもあります。

 「司令塔」との違いはよく分かりません。
 普通は同じイミで使っているんじゃないかなぁ……


○ 攻撃の要ドリブル+PK練習
 替えの効かない「エース」と呼ばれる選手のことだと思います。
 チームによってフォワードのことだったり攻撃的ミッドフィールダーのことだったりするので、攻撃陣の中で特に愛着の強い選手に覚えさせるとイイんじゃないかと思われます。


○ 高速ドリブルダッシュ+ドリブル
 スピードを活かしたドリブルのこと。
 「カミソリドリブル」はテクニックで相手のディフェンダーの間を切り裂いていくイメージで、「高速ドリブル」はスピードで相手ディフェンダーがいないところに走りこんでいくイメージですかねぇ。とりあえず攻撃陣で足の速い選手に覚えさせていくとイイと思われます。


○ 声の連携カラオケ+ラインコントロール
 ゴールキーパーやディフェンダーが声をかけあって、相手の攻撃陣の動きに合わせたディフェンスをすることだと思われます。「アイコンタクト」とは対照的に、守備陣に覚えさせるとイイかな……攻撃陣も声をかけ合うことはもちろんあるので断言は出来ませんが。


○ コンパクトフィールドプレス+ラインコントロール
 フォワードからディフェンダーまでの距離を短くして、味方同士が近い距離感でサッカーをすること、ですかね。ショートパス主体で「ゾーン」の幅を狭くしているチームは覚えておいた方が良さげ。逆に、ロングパス主体でグラウンドを広く使ったサッカーをしたいのなら覚えさせない方がイイんじゃないかと思われます。


○ サイドアタックドリブル+ランニング
 中央突破ではなく、両サイドを突破して攻撃すること。
 攻撃的なサイドの選手には覚えさせておくと良いでしょうが、「センターフォワードはゴール前にどっしり構えていて欲しい!」って人はセンターフォワードには覚えさせない方がイイんじゃないかと思われます。


○ サイドチェンジビデオ研究+プレースキック
 攻撃しているサイドを変える大きなパスのこと。
 普通は「左サイド→右サイド」とか「右サイド→左サイド」といったカンジに1本のロングパスで逆のサイドに通すことのことだと思います。正確には「中央→左サイド」とか「中央→右サイド」というのもサイドチェンジと言うみたいですが。

 ということで、「ロングフィード」とか「ピンポイントパス」とかと組み合わせて覚えさせるとイイんじゃないかと思われます。4バックのチームの場合はサイドバックの選手とか、3バックのチームの場合はサイドハーフの選手とか、サイドにいる選手に覚えさせて逆サイドまでロングパスを通すと一気にチャンスになります。




 こんな風にボールを右サイド左サイドに動かされると、ディフェンダーはマークに付けなくなっちゃうんですよね。


○ シザーズフェイントアジリティ+サイン会
 恐らく最もメジャーなフェイントのテクニック。
 ドリブルで右にボールを蹴って右に走るぞーと見せかけて、右足はボールをまたぐだけで、実際には左足で左に蹴って左に走る―――というカンジです。攻撃陣の選手に覚えさせておくと良いでしょう。


○ シュートコースカットストレッチ+スライディング
 ディフェンスの仕事の一番は「相手にシュートを撃たせない」ことですが、どうしても撃たれてしまうって局面には体を張ってシュートコースを限定することで、ゴールキーパーが守りやすくなるようにすることがあります。

 ディフェンダーや守備的ミッドフィールダーに覚えさせておきたいスペシャルメニュー。


○ 司令塔ミニキャンプ+ミニゲーム
 サッカー用語で「司令塔」と言うと「パスによって攻撃を組み立てる人」というイミだと思うんですけど、スペシャルメニューのカードの絵柄なんかを見る限り、パスに限らず、この選手が攻撃を指揮する選手だよみたいなイミなのかなと思いました。

 この選手が動くと周りの選手も動く、みたいな絵だったため。


○ 数的優位アジリティ+ラインコントロール
 ディフェンスをする際に、1対1ではなくて、2対1、3対1の局面にすることでボールを奪いやすくすること。「ゾーン」を狭く設定しているチームは、「コンパクトフィールド」と組み合わせて中盤より後ろの選手に覚えさせていくとイイんじゃないかと思います。


○ スーパーサブダッシュ+PK練習
 控え選手として途中から出場して決定的な仕事をする選手のこと。
 このゲームは特に「試合中、疲れている選手に替えて新しい選手を投入した方がイイ」とスタッフの人が明言しているので、これを覚えさせた選手を何人かベンチに置いておきたいですね。

 自分の場合は60分か70分かを目安に、フォワードか攻撃的ミッドフィールダーの選手を替えることが多いです。


○ すっぽんマークマンツーマン+ランニング
 食いついたら離れないすっぽんのように、相手の選手にひっついて自由に行動させないディフェンスのことです。「要注意選手」を止めるために、ディフェンダーに是非覚えさせておきたいスペシャルメニューです。


○ スティールハート合気道+PK練習
 鉄の心臓。
 大事な局面で仕事をするようになったり、アウェーでも本来の動きが出来るようになったり、という効果がありそうです。自分のチームは「座禅」ばっか出るのでメンタルだけは高いです。


○ スペースのケアエアロビクス+ミニゲーム
 味方がオーバーラップなどをして「誰も守っていない空間」が出来てしまった際に、そこを他の選手が守ってくれることを言います。
 サイドバックの選手が「オーバーラップ」ばかりして、そこをカウンターで攻撃されてしまう、って場合は守備的ミッドフィールダーの選手にこれを覚えさせて守備してもらうとか。オシム元監督の言うところの「水を運ぶ選手」というか、味方のために汗をかいてくれる選手に覚えさせましょう。



○ ダイアブナルランイメージトレーニング+ランニング
 何これ聞いたことない。


○ ダイレクトパスパス+リフティング
 ボールをトラップせずに、ダイレクトにパスを出すこと。



 見よ!この美しいパスサッカーを!
 1回トラップしたパスも混じってますけど(笑)、あとはみんな「ダイレクトパス」です。
 こんな風にダイレクトパスが入ることでリズムが変わり、相手のディフェンダーが付いてこれなくなるんですね。ショートパス主体のチームはもちろん、そうでないチームでも攻撃陣には是非覚えさせておきたいスペシャルメニューです。


○ チェイシングエアロビクス+プレス
 相手に抜かれたとしても、追いかけてディフェンスをすること、かな。
 特に「ゾーン」を高く設定しているチームは、相手にスルーパスを出されてディフェンスの選手が誰もいない!って状況にしょっちゅうなると思うんですが。そういう時に追いかけてくれるプレイのこととかですかね。守備陣用のスペシャルメニューか。


○ 鉄壁ディフェンスプレス+マンツーマン
 「守備すっぞ!」というスペシャルメニュー。
 これを覚えさせたら選手のタイプが「ストッパー」になりました。当然、守備陣に覚えさせましょう。


○ 闘将合気道+ダッシュ
 「キャプテンシー」との違いが分かりませんが、「気合だーーっ!」と周りを鼓舞してくれる選手のことでしょうね。これを覚えさせてもキャプテン(コイントスの時に出てくる選手)にはなりませんでした。


○ トライアングルパス+ビデオ研究
 パス回しの基本中の基本。
 パスを受けた選手が「次のパスを出すところ」を探した時に、味方の選手が一人しかいないとパスカットされやすいので、二人味方選手が近づいて三角形のポジションを取ることでパス回しがしやすくなるのです。ショートパス主体のチームには必須の技術ですね。

 日本代表のサッカーはショートパス主体なので、「三角形のポジションになっているか」を見るだけで好不調が分かります。疲れている時やリズムが悪い時はコレが出来なくて、ボールを奪われてカウンターを食らってしまうんですね。


○ トリッキーフェイントビデオ研究+リフティング
 「クライフターン」や「シザーズフェイント」と違って、コレといったテクニックではなく「よく分からない動きをするフェイント」ってイミですかね。ブラジル代表のロナウジーニョとかネイマール選手なんかのテクニックを指す時によく使われる言葉です。

 ドリブラーに覚えさせると良いスペシャルメニューだと思われます。


○ トリックプレーセットプレー+ミーティング
 こっちは多分、コーナーキックやフリーキックなどで「サインプレイ」をすることだと思われます。



 例えばコレ。
 コレは「ショートコーナー」というサインプレイで、コーナーキックを直接ゴール前に蹴りこむんじゃなくて、一旦近くにいる選手に渡すことでマークを外す効果があります。コーナーキックは「身長が高い人」が有利なので、身長の低いチームはショートコーナーを使ってそのマークを外すことが多いですね。

 ゲームの中では……まぁ、趣味の領域ですかね(笑)。


○ ドリブルシュートシュート+ドリブル
 ドリブルした後にシュートすること。そのまんま!
 「そのまんま」ですけど、多くのチームの得点パターンに「ドリブルで抜け出してシュート」というものがあると思うので、フォワードや攻撃的ミッドフィールダーには覚えさせておきたいスペシャルメニューです。


○ 仁王立ちキック+座禅
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 仁王のような形相で立つこと。
 サッカー用語か、これ(笑)。

 恐らくはゴールキーパーとかセンターバックの選手に覚えさせるとイイと思われます。


○ 2次攻撃ダッシュ+プレス
 一度攻撃が弾かれても、別の選手がボールを拾ってすぐさま次の攻撃を仕掛けること。
 攻撃陣や守備的ミッドフィールダーなどに覚えさせるとイイと思うのですが、2次攻撃を狙うとカウンターを食らうリスクも背負うんでやりすぎには注意です。


○ 波状攻撃ミニゲーム+ランニング
 2次攻撃と同じイミじゃないのか……?
 こちらはどちらかと言うと、「次から次へと味方選手がやってくる分厚い攻撃」というイミですかね。とすると、守備的ミッドフィールダーとかサイドバックの選手に覚えさせた方がイイのかな。こちらもやりすぎるとカウンターのリスクを背負うのでご注意を。


○ バナナシュートシュート+プレースキック
 バナナのような急カーブを描くシュートのこと。



 こういうの。
 これはコーナーキック直接ですけど、フリーキックやコーナーキックを蹴らせる選手には是非覚えさせておきたいオススメのスペシャルメニューです。


○ ハングリー精神ウェイト+座禅
 多分、メンタルが上昇するとかですかね。
 「ハングリー精神の強い選手」と言うと元日本代表のゴン中山選手のようなイメージなので、「点取り屋」に覚えさせた方が良さそうです。しかし、このスペシャルメニューのカードの絵がちっともハングリーじゃないのよね(笑)。


○ 反転速攻カウンター+スライディング
 ボールを奪ったら即座に攻撃に移ること。
 「ガッツリ守ってカウンター」のチームには必要な能力です。恐らく攻守の切り替えが速くなるとかだと思うので、カウンターに走るフォワードの選手とかに覚えさせるとイイんですかね。


○ ピンポイントパス合気道+パス
 ロングパスを正確な位置に蹴る技術。
 「ロングフィード」とか「サイドチェンジ」とかと組み合わせると良いと思われます。


○ ファンサービスサイン会+ビデオ研究
 ファンに人気が出るスペシャルメニュー……?
 メンタルが上がるとかなんですかね。このゲームならではの特別な効果とかもありそうですが。


○ 不屈の闘志座禅+プレス
 もはやサッカー用語なのかどうかも分かりません!
 恐らく、スタミナが切れたとしても走り続けるとかそういうイミだと思われます!


○ ブラインドシュートシュート+マンツーマン
 他の選手が邪魔でゴールキーパーから見えない位置から突如シュートを撃つこと。
 攻撃陣に覚えさせると良いでしょう。


○ ヘディングシュートアジリティ+ヘディング
 ヘディングでシュートをすること。
 コレを覚えさせないとヘディングシュートをしないワケではないんでしょうが、ヘディングは「相手とのポジションの奪い合い」が重要なので、これを覚えているとその辺が上手くなるとかじゃないかなと思います。

 フォワードの選手はもちろん、コーナーキックなどではディフェンダーの選手もヘディングシュートをすることが多いので、「ジャンプ力」の高い選手には覚えさせておくと良いかもです。


○ ベルベットパスストレッチ+パス
 ベルベットという柔らかで上品な織物のように、柔らかいパスのこと。
 「パスを受けた人が次のプレーをしやすいような回転を加えてパスを出す」みたいなカンジで、元日本代表の小野伸二選手のようなパスのことを言います。「ゲームメーカー」や「司令塔」などのカードと組み合わせるとイイと思います。


○ ポストプレーパス+ヘディング
 フォワードの選手が攻撃の起点になること。
 センターフォワードが逆向きにボールを一旦受けることで、中盤の選手が前を向いた状態でボールを受けることが出来るので攻撃が展開しやすくなるのです。
 スペイン代表のようによほど中盤のキープ力に自信があるチームは別ですが、普通のチームならフォワードに一人ポストプレーの出来る選手を入れておきたいところです。


○ ボディバランスキック+リフティング
 体幹が強いことで、相手に当たり負けしないこと……ですかね。
 ポストプレー役のフォワードや攻撃的ミッドフィールダーは強い方がイイでしょうし、ボディバランスが強いことで不利になるポジションもないので守備陣も覚えておいてもイイのかも知れませんね。


○ ボレーシュートシュート+ストレッチ
 トラップをせずにダイレクトでシュートを蹴りこむこと。



 こういうの。
 フォワードや攻撃的ミッドフィールダーの選手には覚えさせておきたいですね。


○ マジックトラップ合気道+リフティング
 足元に吸い付くようなトラップ(ボールコントロール)のこと。
 誰にでも出来るようで誰にも出来ない、ブラジル代表の選手とかはみんなこのトラップ技術が半端ないんです。子どもの頃から国民のほとんどがサッカーばかりやってる国の中の最上位11人なんだから、そりゃ上手いわ。

 とりあえず攻撃陣だけでも覚えさせておくと良いでしょう。


○ マリーシアサイン会+セットプレー
 「ずる賢いプレイ」のこと。
 審判が見てないところで相手の脚を攻撃したり、脚がかかっていないのにわざとすっ転んでPKをもらったり、勝ってる時に時間稼ぎをしたり。南米の選手がこういうのが上手い印象でしたが、最近はヨーロッパやアジアの選手でも「審判に見えないようにラフプレーをする選手」は多いですもんね。


 勝つためにはこういう選手を入れておくべきかも知れませんが、その辺は好き好きで。
 自分は覚えさせたらスタミナが減ったんですけど、そういう仕様なのかな(たまたま?)。


○ ユーティリティストレッチ+ビデオ研究
 色んなポジションをこなせる選手のこと。
 突然の怪我人や出場停止などでスタメン全員が揃わないときのために、「どこのポジションでもそこそここなせる選手」がチームに一人いると非常に助かるものです。ベンチに一人は置いておきましょう。


○ ロケットシュートシュート+ランニング
 ロケットのような強力なロング(ミドル)シュートのこと。
 シュートが強烈になるのは良いのですが、入る見込みのないロングシュートを連発されるのも考えものなので、この辺はお好みの戦術に合わせてどうぞ。自分はフォワードの選手だけには覚えさせました。


○ ロングフィードウェイト+プレースキック
 守備の選手から攻撃の選手に1本のロングパスを通すこと、かな。
 「ガッツリ守ってカウンター」のチームには必須の能力です。ゴールキーパーやディフェンダーに覚えさせましょう。ゴールキーパーのキック力が低いままだと、相手にしょっちゅうボール渡っちゃうんですよね……


○ ワイドスペースカウンター+ミニゲーム
 グラウンドを広く使ったサッカーをすること。
 「ロングフィード」や「サイドチェンジ」などを使うチームには覚えさせた方がイイでしょう。逆にショートパス主体のチームではそれほど重要ではないかもです。ただ、ショートパス主体のスペイン代表でも状況によってはロングパスを使うことも多いというのも確か。


○ ワンサイドカットイメージトレーニング+プレス
 守備時に、ボールを持った相手をサイドに追いやること。
 相手の攻撃で一番イヤなのは「中央に切り込まれてシュートを撃たれる」ことなので、危険の少ない方に追い込んでいくということですね。こうすることで時間を稼いで味方も戻ってこれるとか、サイドに追い詰めることでボールを奪いやすくなるとかの利点があります。

 守備的ミッドフィールダーとかサイドバックとかに覚えさせるのがイイんですかね。


○ ワントラップシュートシュート+リフティング
 1回トラップしてシュートを撃つこと。
 「ボレーシュート」が1回もトラップせずにシュートを撃つことなので、それより大したことなさそうに思えるかもですが、状況に応じてトラップした方がイイこともありますからね。フォワードや攻撃的ミッドフィールダーにどうぞ。


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 つ……疲れた。
 えー、こんなにあるのー、こんなに覚えさせられないよーと思う人も多いでしょう。

 全部覚えさせる必要はありません。
 要は「どういうチームにしていきたいのか」という話です。

 「ショートパス主体のチーム」にしたいのなら「アイコンタクト」「トライアングル」「ダイレクトパス」を中盤の選手に覚えさせるとか、「ロングパスでカウンターのチーム」にしたいのなら守備陣に「ロングフィード」「ピンポイントパス」「ワイドスペース」を覚えさせて攻撃陣に「ドリブルシュート」「高速ドリブル」「ロケットシュート」を覚えさせるとか。

 選手にしても「この選手はドリブラーにしたい」とか、「この選手はパサーに育てたい」と考えて、役割を付けていくとイイでしょう。それで勝てるかどうかは責任を取れません。だって、私のチームも勝てていませんもの(笑)。





 シミュレーションゲーム下手くそな自分がアドバイスするのもアレなんですが……
 一つ思ったのは、このゲームの肝は「ゾーン」だなということです。

 わざわざ試合中のハーフタイムと選手交代時に「ゾーン」を変えられるようにしているということは、状況に応じて「ゾーン」をイジってみるのがイイのだと思われます。
 攻撃したい時には高く、守備をしたい時には低く(低すぎると押し込まれるのでその辺は気をつけて)。
 また、「ゾーン」の幅を狭くするとプレスをガンガンかけて奪いにいくのですがスタミナの消耗が激しくなるので、ここぞというところでゾーンを狭くするみたいな変化もあった方がイイのかも知れません。



 「フォーメーション」は好きなのでイイと思います。
 今の世界のトレンドは「4-4-2」か「4-5-1(4-3-3)」ですが、選手の特性とかフォーメーション同士の相性もあるでしょうし、3バックでも5バックでも好きなのを選べばイイと思います。お好きなチームのフォーメーションをそのまま使うとかでもイイんじゃないかな。

 ちなみに日本代表のフォーメーションは、男子はA代表も五輪代表も「4-5-1」で、女子は「4-4-2」です。入る選手によって役割は変わりますし、同じ「4-5-1」でも男子のA代表と五輪代表では全く違う戦術ですけどね(センターフォワードのタイプが特に対照的)。


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叩かれるだけの知名度

 「ファン心理」としての話。
 自分が大好きなものがボロクソに叩かれているのを見かけたら、「世の中には色んな人がいるもんね」なんて達観した気持ちにはなれず、単純に落ち込んでしまうことが多いと思います。
 好きなものを嫌いと言われるのは、時として自分自身を嫌いと言われる以上に「世界の否定」と感じてしまいますからね。



 でも、「全てのものには賛否両論があるはずだ」という視点で考えれば、「否」の人にまで届いているのってすごく高い知名度とも言えるんですよね。「好きな人しか知らない」という段階を越えているワケですから。


 例えば「AKB48が嫌い」という意見―――

 ぶっちゃけほとんどのアイドルなんて「好きな人しか知らない」ものじゃないですか。
 「アイドルを好きな人達」だけがそのアイドルを知っていて、応援している。
 「アイドルに興味がない人達」は存在すら知らないのだから、嫌いようも叩きようもないのです。

 嫌いって言われるアイドルって、「アイドルを好きな人達」以外にも知られているという証明だと思うんですよ。


 確かAKB総選挙があった頃だったと思うんですけど……
 Twitterで流れてきたリツイートで「俺はAKBに興味がないからTVCMでAKBが出てきただけで胸糞悪くなる」みたいなことを書いているPOSTが流れてきました。自分は率直に驚いたんですね。自分はAKB48の顔を知らないので、CMを見ていてもどのCMに出ている女のコがAKB48なのか分かりませんもの(笑)。


 「興味がない」人でも、顔が分かる―――それはものすごい知名度だと思うんです。


 あ、一応。
 AKB48の人達の顔を知らないと書きましたけど、名前は結構知っています。ラジオっこなんで。漢字変換は自信がありませんけど、口頭で名前を言うだけならフルネームで10人くらいは言えると思います。ただ、顔を見る機会がないので、TVCMを見ても「このコはひょっとして……AKB48なのか……?」が分からないという(笑)。



 この話「AKB48」の例がアレだったら、「韓流アイドル」とかでもイイですよ。「お笑い芸人」とかでもイイですよ。「○○なんて嫌いだ!」と言われるくらいになったら、ファンとしては「そこまで来たかー」と誇らしく思っちゃってイイと思うんです。

 私の大好きなオテンキの江波戸邦昌さんなんて、話題にしている人すら見かけないですもん!
 というのは、逆に失礼だ!






 「FFの新作は叩かれる」とか「ガンダムの新作は叩かれる」とかも、近い話ですよね。
 ゲームやアニメなんて「ファンしか知らないけどファンからは熱烈に愛される」ものなんですが、知名度が上がると「ターゲット外」の人の目に触れられるからどうしたって「否」の人にぶつかる率が上がるという法則。もちろんそれがイヤだったら『FF』とか『ガンダム』の看板外せばイイだけなんで、それも込みでやっているワケなんですが。

 宮崎駿監督作品とかもそうですよね。
 「アニメなんか観ない」と言っている人にも観られる。結果「こんなに難解だと子どもには理解できない」とか叩かれる。宮崎さんの作品って『ナウシカ』の頃からそれなりに難解だったと思うんですけど、いつの間にか“日本中の老若男女が楽しめなければならない”ポジションに付いてしまっていたというか。


 最近では細田守監督作品とかもそうか。
 『時かけ』以前はよほどのアニメファンじゃなきゃ知らない人だった。でも、『時かけ』が口コミでロングヒットした。あの頃は純粋に「この映画!すごく面白かったから君も観なよ!」と、「賛」のファンがどんどん周りにも宣伝していったと思うんですけど―――そうすることでメジャー監督になって、色んな人が観るようになって、「否」の意見も目立つようになっていったという。
 ま、この辺は「ゲームの続編は楽しめない」自分の主義ともちょっと重なるところがあると思うんですけど、「ゲームの続編は楽しめない」が誰にも理解されたことがないんで詳しくは書きません(笑)。





 マイナーなバンドがどんどん売れていってしまう過程とかもそうだし、ひょっとしたらマイナーだったアイドルが有名になる過程とかもそうだし、好きな小説や漫画がアニメ化するって話もそうなんですけど……「賛」のファンだけで楽しんでいる頃が一番幸せだから、あんまり有名にならないで欲しいな、って思ってしまうファン心理ってありますよね。

 それはよく「エゴだよそれは」とか「オマエが知っている時点で十分有名だから」と否定される感情ですが、「あんまり有名にならないで欲しいな」って気持ちも分かるんですよ。有名になれば「否」の人の目にも触れられるし、そうすれば批判意見が増えるし、大好きなものが批判されるのは見たくないって気持ちもすごくよく分かります。

 コンテンツを提供する側からすれば、「たくさんの人に知られてからが勝負だ!」「否の人が如何に増えようとも賛のファンを増やすためには有名にならなければ!」って発想なんでしょうけどね。作り手と受け手にはそりゃギャップがあるだろう、と。





 ということで、みなさんもブログのコメント欄でボロックソに叩かれてたとしても、「お!いつもと違う読者にまで広がってるぞ!」と思うことにしましょう!


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| ひび雑記 | 17:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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月額課金を「嫌い」と言う理由

 すごく当たり前なことを、前提として書きます。
 この社会には様々な年齢・職業・性別・趣味・家庭環境・思想の人がいます。そうした立場が違えば意見が違うのも当然で、「自分は(立場が違うから)そうは思わないけど、(その人の立場に立って考えてみれば)その人がそう思うのは理解できる」という局面はたくさんありますし。

 自分とは違う意見の人間を「バカだ」と言ってしまう人を見ると、あぁ……この人は「他人の立場に立って考える」という基本的なことすら出来ないバカなんだなと思ってしまうブーメランブーメランブーメランブーメラン。



 今日は「ゲームの月額課金」についての話です。
 誤読されて「アンチは黙っておけ!」とか「企業に雇われたネガキャン業者め!」とか言われたくないので最初に書いておきますけど、私自身は「月額課金」は「アイテム課金よりは一億倍マシ」という消極的賛成の立場です。
 その中でも、今日の話題となる『ドラゴンクエスト10』が「月額課金」を採用したのは、ドラクエが今後10年~20年と愛されるシリーズになるためにプラスになるであろう大英断だったと思います。アイテム課金のオンラインゲームにならなくて本当に良かったと思っています。



 ただ、「月額課金は嫌だ」という人がいることも私は理解できます。
 「自分は(立場が違うから)そうは思わないけど、(その人の立場に立って考えてみれば)その人がそう思うのは理解できる」

 人それぞれゲームとの接し方が違うから当然です。
 「月額課金」よりも「アイテム課金」が良かった―――と言う人がいるのも当然です。


 でも、今「ドラクエ10は月額課金なのかー。嫌だなー」なんて言おうものなら「アンチは黙っておけ!」とか「企業に雇われたネガキャン業者め!」とか言われちゃう空気なのです。「月額課金の素晴らしさが分からないなんてオマエは愚かだ!」みたいな。

 私はその方向はすごく怖いと思うのです。
 賛成する人の意見だけを聞いていった結果、声を上げずにひっそりとユーザーが去っていって、気付けば業界自体が先細っていた―――という光景をたくさん見てきたじゃないですか。


 『ドラゴンクエスト10』に限定した話ではありませんし、
 ひょっとしたらゲームに限定した話でもないかも知れません。

 今日は「月額課金とは?」という話です。



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 今週、『ドラゴンクエスト』シリーズ最新作の『ドラゴンクエストX』が発売されました。この記事では以下『ドラクエ10』と書いています。


 『ドラクエ10』はシリーズ初の「オンライン専用ゲーム」となっています。
 冒頭だけはインターネットに繋がなくても遊べますし、どうやらオンラインモードとは別のオフラインモードも搭載されているみたいなんですが、あくまでメインはオンラインモードで、オフラインモードは「オンラインに繋がっていない時にもとりあえず遊べます」くらいのモードみたいですね。

 あ、一応。
 私は今回『ドラクエ10』買っていません。買っていない理由はこの記事を読んでいけば分かると思います。



 んで、「オンライン専用ゲーム」のため『ドラクエ10』はパッケージとは別料金の「月額課金」がかかることになっています。
 ゲーム開始から20日間は課金の要らない「無料期間」なのと、それ以降も1日の間に2時間だけ課金が要らない「キッズタイム」というものがあるのですが―――基本的には、遊び続けるためには「1ヶ月1000円」の追加料金が必要となっています。

 オンラインゲームに詳しくない人は「なんでパッケージと別にもう1回金取るの?」と思われるでしょうが―――MMOというタイプのゲームはサーバーの維持費にとてつもない額がかかるのと。パッケージを売ったきりで終わりではなくて「バージョンアップという形で10週に1回大幅な新要素や新機能が足されていく」ゲームなので、プレイヤーが“遊び続ける”と同時にメーカーも“作り続ける”ゲームだからなんです。



 そうした資金を回収するため、この手のゲームの場合「アイテム課金」か「月額課金」のどちらかが主流でして。『ドラクエ10』は「月額課金」を選んだ―――ということですね。持っていないソフトの説明をするのって大変!



 さてと……ここからが本題です。
 では、何故『ドラクエ10』が「月額課金」を選んだことを「嫌だ」って人がいるのでしょうか。



○ 1ヶ月、何時間ゲームを遊べますか?
 関係のない話を書きます。

 自分は5月の初めからWii用RPG『ラストストーリー』をプレイ開始しました。Amazonで安かったから随分前に購入して放置していたのですが、ちょうど「中世ファンタジーっぽいRPGが遊びたい!」熱が高まっていたので、7月の『カルチョビット』発売までに終わらせるつもりで始めました。30時間くらいでクリア出来るって、発売前に坂口さんが呟いていたのも読んでいましたし。

 私は『FF5』『FF6』辺りがドストライクな世代なので坂口信者とも言えるからなのかも知れませんが、私が遊んだWiiの一人用ゲームの中ではトップクラスに楽しんでいました。あくまで私の好みですけど、『トワイライトプリンセス』や『斬撃のレギンレイヴ』よりも好きです。



 なのに、3ヶ月間で7時間しか進んでいないという………
 まだ船の上です。誰かを追いかけていたような記憶がうっすらありますが、それが誰だったかも……えっと、「ガノンドロフに似ているなー!」と驚いたことしか覚えていません。誰だっけ。そもそも何のために追いかけていたんだっけ……ヒロインがさらわれたからだと思ったら横にヒロインいるし、このヒロインの名前も「リノア」だと思ったらこれは『FF8』のヒロインの名前だったそうだし。誰だオマエ!オマエは誰なんだ!


 ゲームは面白いんですよ!でも、なかなか起動出来ないんです。

 我が家のWiiは居間に置いてあるため、家族がテレビを観ている時は出来ないというのもあります。
 父親が同じWiiソフト『ファミリーフィッシング』にハマってしまったというのもあります。
 「まだ発売日まで2週間ある!」と思っていたら『カルチョビット』体験版が配信されてしまったと言うのもあります。


 「2ヶ月間で30時間なんて余裕だろう!」と思って始めたら、「3ヶ月間で7時間」しかプレイできなかったのです。現実なんてこんなもんです。このゲームが月額課金だったら大変なことですよ。オフラインゲームで良かったー!(ラストストーリーにも無料オンラインモードがあるけど)





 「月額課金」を「嫌い」と言う人の気持ちは多分こういうことだろうと思うのです。
 「1ヶ月1000円で遊び放題だよ!」と言われても、「1ヶ月500時間遊ぶ人も1ヶ月2時間しか遊べない人も同じ料金が取られるんだ……」と思ってしまうんです。もちろん「自分は2時間しか遊べないかも知れない」と思う人が「嫌い」と言うのです。


 「月額課金がイヤなら無料期間内の20日間でさっさとクリアしてやめちゃえばイイじゃん」と言われても、20日間でクリア出来る自信なんて起こらないでしょう。
 ゲームをプレイしたくても、家族が五輪を観ているかも知れない、友達から合コンに誘われるかも知れない、お盆に帰省しなくてはならないかも知れない――――「ゲームをしていない時間」も月額課金でお金を払っていると考えると、どんどん損した気分になってしまうじゃないですか!

 まぁ、今回の『ドラクエ10』は「ゲームをしていない時間」もお金を稼いだり、「長くゲームをしていない」と経験値やお金が倍になるアイテムがもらえるんですけど――――そういう情報はあまり知られていないでしょうしねぇ。




 従来の『ドラクエ』シリーズには月額課金がありませんでしたから、自分のペースでクリア出来たんです。何ヶ月間かかろうとも、何年間かかろうとも、週末にだけ数時間ずつプレイしてレベル上げて、そろそろ次回作出るらしいからクリアしようかな、くらいの人もいたでしょう。

 そういう人は月額課金を「嫌だ」と言うのは当然だと思いますよ。



 ゲームをたくさん遊ぶ人は「月額課金」に文句はないでしょう。
 1ヶ月500時間遊べば、1時間2円ですからね。どんなコストパフォーマンスだって話です。

 しかし、ゲームをそんなに遊べない人や、遊べるかどうかの予定も見通せない人にとっては「月額課金」は「自分だけが損をしているんじゃないか」と思ってしまうシステムなんですよ。
 1ヶ月で2時間しか遊べなかったら、1時間500円ですからね。むしろそういう人はキッズタイム使えばイイ気もしますけど(笑)。




 要は、「立場が違えば意見が違う」だけなんですよ。
 500時間遊ぶ人が2時間しか遊べない人に向かって「月額課金に文句を言うなんてけしからん!」と言うなんて、「そりゃオマエの立場だったらそう言うだろうけどさあああああああ」というか。


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○ 「たくさん遊ぶ人」を大事に
 あ、一応もう1回書いておきます。
 私自身は『ドラクエ10』が「月額課金」を選んだことには大賛成です。

 「基本プレイ無料にしてたくさんのユーザーを呼び込んで、アイテム課金で儲けた方が収益上がるんじゃない?」なんて思われなくて良かったと心から思います。


 自分が「アイテム課金」が嫌いなのも、アイテム課金的な「有料DLC」が嫌いなのも一緒です。
 本来ならプレイの結果に対する“御褒美”としてもらえるべき強力な武器などを、リアルマネーで売るんじゃねえよということです。それだと時間かけて遊ぶ意味がなくなるじゃねえかよおおおおお!と。

(関連記事:有料DLCについて~クリアのためのゲームか、上達のためのゲームか
(関連記事:ゲームの“御褒美”を有料DLCにするのはやめて欲しい


 だから、「アイテム課金」を一切やらず「月額課金」オンリーにした『ドラクエ10』には私は賛成です。
 ドラクエは「時間をかけて遊ぶ人」を大事にすることを選んだんです。1ヶ月1000円で遊び放題なんだから、時間かけてレベル上げをしてね、と。

 何故ここまで言っている私が買っていないのかと言うと、『ラストストーリー』の話で分かるように「WiiでRPGはムリっす!」ということでWii U版待ちだからです。もちろんテレビ画面を使わないで遊べることが前提ですけど。




 ですが、逆に1ヶ月2時間しか遊べない人からすれば。
 「現金で強い武器が買える」とか「現金でレベルが上がる」方が嬉しいのかも知れません。少なくとも月額課金よりは喜ばれるでしょうし、何故ソーシャルゲームが受けているのかという話にも通じると思います。

 1ヶ月何時間遊ぶかも分からないのに決まった額を払わされる不公平な「月額課金」よりも、自分が望んだアイテムだけを買える「アイテム課金」の方が平等だろう、と思う人もいるのでしょう。それはまさに「立場が違えば意見が違う」という話。

(関連記事:「ソーシャルゲーム」と「格闘ゲームブーム」の似ているところ




○ 「ゲーム以外」では皆さんどうですか?
 自分はゲームが大好きですし、『ドラクエ10』の料金払いシステムならば「自分が遊ぶ1ヶ月だけ払う」ことが出来るから、この方法には賛成です。他にやりたいゲームがなくて、五輪もW杯もEUROもプロ野球もない時期の1ヶ月に集中して遊べばイイからです。


 じゃあ、「ゲーム以外はどうか?」と訊かれると、自分は「月額課金は嫌だ」と思うんですよ。
 例えば携帯電話のパケホーダイ系のサービスとか「俺そんな使わないしなぁ」と思ってしまうし、ニコニコ動画などのインターネットサービスのプレミアム会員なんかも「たまにしか観ないし……」と思ってイザという時に追い出されるという。月額いくらのテレビも嫌いです。

 使わなかったり観なかったりする時間が、「俺だけが損をしている気がする!」と思ってしまうんです。



 だから、『ドラクエ10』に対して「月額課金は嫌だ」と言う人の気持ちは分かります。
 全ての人を満足させられることは出来ないから、「ゲームをたくさん遊ぶ人」を選んで、「ゲームをあんまり遊ばない人」を切り捨てた―――と言われても仕方ないと思います。



 それを踏まえた上で自分は、『ドラクエ10』が「ゲームをたくさん遊ぶ人」を選んだことは10年後・20年後のシリーズに向けてプラスになるだろうと思うのです。

 『ドラクエ』って元来そういうゲームですからね。
 たくさん遊べば遊ぶほどプレイヤーに報酬が蓄積されるゲーム―――




 ということで、私の希望としましては。
 「早くWii Uを発売してください、任天堂さん」というところです。

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| ゲーム雑記 | 17:49 | comments:34 | trackbacks:0 | TOP↑

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サイズが小さくならない漫画単行本――電子書籍の可能性

 今週の『深夜の馬鹿力』(@TBSラジオ)で伊集院光さんが、「電子書籍」についての話をされていました。伊集院ウォッチャー(リスナー?)の自分の解説込みでどういう話だったかを意訳させていただきます。


 伊集院さんの奥さんは漫画『ONE PIECE』のファンなので、しきりに伊集院さんに『ONE PIECE』を勧めてくるそうな。それでも伊集院さんは少年漫画単行本のサイズだと老眼が厳しくてなかなか読む気にならなかったのですが、iPad向けに配信されている公式の『ONE PIECE』があったのでダウンロードしてみたら意外にすんなり読めたことに驚いて。

 今まで「電子書籍なんて…」と思ってきた伊集院さんが、例えば大きなタブレット端末を買えば漫画の単行本が大きなサイズで読めるし、明度や輝度も自分の自由に調整出来る―――案外、電子書籍で漫画を読むのって悪くないんじゃと思ってきたという話でした。



 長年伊集院さんのラジオを聴いている自分からすると、なるほどと頷ける話でした。
 伊集院さんはここ数年ずっと「老眼」に苦しめられていて、老眼鏡も持っているほどです。
 しかし、それでも小さな文字が読みづらいらしく―――例えばゲームの話題でも、DSiLLが発売された時は「これを知っちゃうともう普通のDSには戻れないよ!」と絶賛した一方、それより画面が小さくなった3DSが発売された時には「この画面のサイズでは僕はもうムリなんです」と愚痴っていたほどなんです。


 もっと遡ると、『日曜日の秘密基地』に浦沢直樹先生が出演された時だから2008年頃だったと思うんですけど……
 浦沢先生の新刊『PLUTO』が「通常の単行本サイズの通常版」と「雑誌掲載時と同じサイズの豪華版」の同時発売という話を聞いて、伊集院さんは「すごくイイと思います!浦沢先生のような緻密な絵の漫画は大きなサイズで読みたいって人がたくさんいると思うんですよ!」と絶賛したことがあったんです。

 私はそれをリアルタイムに聴いてた時は、「伊集院さん、20世紀少年のラストをボロクソに批判したことで浦沢先生にビビってんのかな(笑)」と思ったんですが……それから何年もラジオを聴いていると、あれは本心だったのだなと思うようになりました。
 当時の伊集院さんは老眼が始まりかけていたけど「老眼鏡を買ったら俺はジジイということになってしまう!」と必死に抵抗していた時期ですし。





 老眼のことは置いといて……
 確かにそう。生まれた頃から「そう」だったから何の疑問も持っていませんでしたが。


 漫画って雑誌に掲載されている時はB5サイズなのに、単行本になると青年漫画でもB6サイズ、少年漫画の場合は更に小さい新書サイズに小さくされてしまうのは何故だろうか?

 「漫画はなるべく大きなサイズで読みたい!」という人にとっては致命的なマイナスポイントですよね。





 何故か?
 「サイズが大きければ紙代もインク代もかかるだろう」というのもあると思いますが、一番の理由は「サイズが大きいと保管出来る数が減る」という物理的な問題だと思います。

 アナタの部屋の本棚を見て下さい。これらの本が全部倍の大きさになったら本棚に収まりきりませんよね。それと同じことは本屋さんにも言えます。単行本が倍のサイズだったら半分しか商品を陳列出来なくなりますし、在庫を抱えることが出来なくなります。

 もちろんこれは「本屋さん」に行く前の段階にも言える話です。
 倍のスペースを使われるとトラックで輸送する際に同じ数を運べなくなってしまいます。


 同じ内容の単行本であっても、スペースが大きくなればなるほどそれだけコストがかかるようになりますし、値段も上がってしまいます。そうなると今度は消費者の財布を圧迫しますし、本棚も圧迫してしまいますから、「商品が売れなくなってしまう」可能性も出てきます。



 なので、浦沢先生の『PLUTO』のような大きなサイズの単行本は、ごくごく限られた「絶対に売れる」と確信を持たれた作品でしか発売されないのです。
 4コマ漫画とかは……そんなに売れそうにないものもサイズがデカイのもあるか(笑)。いや、うん。「絶対に売れる」ものでなくてもデカイサイズの単行本は結構あるな。でもそれらの作品って、「薄い」割に「値段が高い」ですよね?それはまぁ、こういう理由なのかなと。



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 自分は以前から「電子書籍が普及するには“紙の本”が抱えている不満点を解消しなくちゃならない」と書いてきましたし、前回の記事でこんなことを書きました。


<以下、引用>
 例えばアメリカでキンドルが普及した理由の一つとして、「アメリカには文庫本がないから」というものがあるそうです。高価で大きくて持ち運びしにくいハードカバーの本しかなかったところに、安価で持ち運びしやすい電子書籍が登場したから「これは便利だ!」と普及した。
 日本では既に「安価で持ち運びしやすい文庫本」の文化があるので、電子書籍が普及するのは難しいだろうって言われています。自分もその路線だったら「じゃあ文庫本でイイじゃん」って思われるだけだろうって思っています。

</ここまで>


 逆に言えば、です。
 新書サイズの単行本が普通の日本の漫画業界では、逆に「雑誌掲載時と同じ大きなサイズで読める」というのがプラスに働くように思えるのです。

 いや、「大きなサイズだからイイ」ということではなくて……小さな端末でも大きな端末でも同じ電子書籍が読めて、「持ち運びに便利な小さな端末がイイ人は小さな端末を選べて」「家で大画面のまま読みたい人は大きな端末を選べる」のが理想だと思いますし。読者が“自分に一番合った環境で”読めるようになるのがメリットですよね。

 サイズや明度・輝度もそうですし、「見開きかどうか」もありますね。
 WEBで漫画を発表している自分の元にも「漫画はやっぱり見開きで読みたい!」という声と、「1ページずつでイイから大きな画面で読みたい!」という声の両方が届きます。それを読者が選べるというのが理想ですし、電子書籍のメリットだと思います。




 端末の価格とか、端末の普及度とか、使いやすさとか……今の時点では「電子書籍をみんなが読んでいる」姿ってイメージ出来ないと思うのですが(一部の人だけが利用しているというイメージ)、5年後か10年後かを考えると、何かのブレークスルーで一気に普及している可能性は全然あるんじゃないかと思えてきました。


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