ニンテンドー3DSの立体視機能を活かしたと話題になったベルトアクションゲーム
『閃乱カグラ』に、続編&テレビアニメ化という発表がありました。 自分の3DSフレンドやTwitterのタイムラインにはこの作品のファンも多いので、喜びの声をたくさん目にしました。自分は前作を「ヒンヌー分が少ない!」とスルーしたのですが、アニメを入口にしてゲームの方も手を出してみようかなと思い中です。やっぱり2作目より先に1作目からやるべきですかね?
それはそうと……
この発表についてTwitterでみんなであーだこーだ話している流れで知ったのですが、
3DSのソフトで最も売れた新規ソフトって現時点では『閃乱カグラ』なんですってね。続編ソフトやシリーズソフトではない、完全な新規ソフトでは。
『ゲームデータ博物館』さんの
3DSソフトのページを見ると『リズム怪盗R』が上ではあるんですが、『カグラ』はジワ売れで9万本は出荷しているなんて話もあるので……まぁとにかく、この2本のどっちかが3DS新規ソフト売上げ1位だろうってことみたいです。
1~27位までは、シリーズソフトや既存の人気キャラクターなどを使ったソフト。
DS初期の『nintendogs』『脳トレ』、Wii1年目の『Wii Sports』『Wii Fit』のような、「そのゲーム機でしか体験できなかったような新しいソフト」は見当たりません。
というか、30位以下にも新規ソフトは多くないんですよね。
33位『スティールダイバー』、41位『ラビリンスの彼方』、42位『女の子と密室にいたら○○しちゃうかもしれない。』、49位『シンデレライフ』(『心霊カメラ』と『シボウデス』はシリーズソフトと言うのは微妙か?)。
「3DSでは新規ソフトが売れていない」というよりも「3DSでは新規ソフトがそもそも発売されていない」という1年間だったみたいです。 サードメーカーが全然シリーズソフトを出してくれずに、よく分からない新規ソフトで溢れていたWiiの1年目とは対照的だと思うんです。そういうこともあって、
「どうして3DSでは新規ソフトが発売されていないのか」を書いていきまする。
1.任天堂の場合 前述したように、DSの時には『nintendogs』『脳トレ』が、Wiiの時には『Wii Sports』『Wii Fit』が「そのゲーム機でしか遊べない新規ソフト」として爆発的に売れました。
そうしたソフトが引き起こした社会現象と比較して、「3DSはマリオ頼み」と書く記者もいるみたいなのですが、自分はそれはそれで納得できます。3DSソフトの売上げTOP2は『マリオカート』と『マリオ3Dランド』ですからね。DSもWiiも最終的に売上げトップは『Newマリオ』だったとか、そういう細かいツッコミは置いといて……
そういった「そのゲーム機でしか遊べない新規ソフト」が3DSにはないじゃないか、
任天堂の「新しいソフトを開発する力」はなくなってしまったのか―――と、売上げランキングだけを見ている人が思うのは当然です。
だって、そうしたソフトは売上げランキングに載らないところで活躍しているから。 例えば
『すれちがいMii広場』。
本体に内蔵されているこのソフトは、本体が売れた数だけ普及しているとも言えますし、すれちがい通信に特化した3DSでしか遊べないソフトです。Vitaのアレ?……あんまり詳しくないのでノーコメントで。
海外ではWii本体に『Wii Sports』を同梱して販売していた、みたいな話で、
3DSを買った人みんなに遊んで欲しいソフトは本体に内蔵されているんです。だからソフトの売上げランキングには出ません。普及した数だけなら500万人以上です(笑)。
例えば
『いつの間に交換日記』。
3DSをネットに繋げば無料でダウンロード出来るこのソフトは、3DSのいつの間に通信の力で威力を発揮する3DSならではのソフトです。カメラ、サウンド、フレンドリスト、ゲームコインなどの3DSの機能を使っているのも、3DSを象徴するソフトとも言える要素です。
例えば
『クリエイトーイ』。
3DSをネットに繋げば700円でダウンロード出来るこのソフトは、QRコードやすれちがい通信を活かしたイカレタソフトです。3DSの可能性を感じた1本でした。
(関連記事:
QRコードこそがニンテンドー3DSの隠れた目玉機能なのかも知れない)
任天堂の3DSのソフト展開は、本当に分かりやすく「Wiiの失敗を繰り返さないように」と考えられていると思います。まぁ、Wiiが大好きだった自分からすると「失敗」と思われていることが残念ではあるんですけど……ソフトを集中させすぎて、ソフトが出ない時期を生んだり、サードメーカーの入り込む隙がなくなったりしたWiiの反省を活かそうとしているのはすごくよく分かります。
【2011年】・2月『nintendogs + cats』
・3月-なし-(東日本大震災により『スティールダイバー』が延期)
・4月『パイロットウイングス リゾート』
・5月『スティールダイバー』・6月『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』
・7月『スターフォックス64 3D』
・8月『スーパーポケモンスクランブル』
・9月『花といきもの立体図鑑』・10月-なし-
・11月『スーパーマリオ 3Dランド』
・12月『マリオカート7』
【2012年】・1月『心霊カメラ~憑いてる手帳~』
・2月-なし-
・3月『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』『新・光神話 パルテナの鏡』
・4月『ファイアーエムブレム 覚醒』
・5月『マリオテニス オープン』(予定)
・6月『カルドセプト』(予定)
・7月『ポケットサッカーリーグ カルチョビット』(予定)
・8月『Newスーパーマリオブラザーズ2』(予定)
※ 赤字は新規ソフト 見事なまでに「1ヶ月1本」のペースを守っています。
さて、次はダウンロードソフトを見ていきます。「3Dクラシック」は除いたラインナップにします。
【2011年】・6月『いつの間にテレビ』
・7月『ニンテンドービデオ』・8月-なし-
・9月『いきものづくり クリエイトーイ』
・10月『引ク押ス』『疾走すりぬけ アナトウス』
・11月『ひらり 桜侍』
・12月『いつの間に交換日記』『とびだすプリクラ☆キラデコレボリューション』
【2012年】・1月-なし-
・2月『ザ・ローリング・ウエスタン』・3月『美人時計』?
※ メーカーは任天堂じゃないけど、
公式サイトのコピーライトは任天堂になっている
※ 赤字は新規ソフト 『いつの間にテレビ』や『ニンテンドービデオ』が新規ソフトなのかはさておき(笑)。
シリーズソフトの多いパッケージソフトに比べて、こちらは新規ソフトが目立っています。
任天堂としては、シリーズソフトのパッケージソフトと、新規ソフトのダウンロードソフトを棲み分けしたいということなのかなと思われます。
ネット接続率の問題はありますけど、岩田社長の悲願とも言える「アイディア勝負のゲームが生き残れる道」としてダウンロードソフト市場が上手く機能してきたんじゃないかと思います。実数でどのくらい売れているのかは分かりませんが、『クリエイトーイ』や『引ク押ス』は結構な人がプレイしていることを話していますからね。
(関連記事:
Wiiが成し得なかった“革命”~その1.アイディア勝負のWiiウェア)
2.小さなサードメーカーの場合 「3DSでは新規ソフトがそもそも発売されていない」という前提で書き始めたこの記事ですけど、
ランキングに載らないようなソフトはちょこちょこ発売されていたりもしたんですよね。『Cubic Ninja』『うしみつモンストルオ』『とびだす!魔法のペン』……『CODE OF PRINCESS』はどうだろう。このゲームはランキングとか載るかなぁ。
『うしモン』や『魔法のペン』はターゲット層が「インターネットとかよく分からない年齢層」だからパッケージソフトで出したのも必然なんですけど、やはり小さなメーカーの主戦場はダウンロードソフト市場になってきているのかなと思います。
3DSダウンロードソフト一覧 何というアークシステムワークス&シルバースタージャパン無双だ!
「任天堂以外聞いたこともない会社ばかりだ……」という人もいるんじゃないかと思います。それこそがダウンロードソフト市場だ!
アークシステムワークスとシルバースタージャパンはWiiウェアやDSiウェアで沢山のソフトを出していたメーカーなので、実はそうしたソフトの続編も多くて、「ダウンロードソフト市場も続編が増えてきたな」という印象もあるんですが。
やっぱり注目は
ジニアス・ソノリティの『電波人間のRPG』と、
ポイソフトの『ひゅ~ストン』『タケヤリマン』です。
ジニアス・ソノリティはポケモンの派生タイトルの開発を多くしてきた開発会社なのですが、このソフトは自社から発売されたダウンロードソフトで、「RPGが少ない3DS」の中で昔ながらのRPGを発売したことで人気になりました。eShopの売上げランキングではずっと1~2位をキープしているくらい。
ポイソフトは社員4名の超小さな会社なのですが、Wiiウェアから大手サードメーカーが撤退し始めた頃に『王だぁ!』『ボクも世界を救いたい』を出したことでランキング上位をキープして、任天堂から注目されたメーカーです。
3DS発売前から声をかけられていたこともあって、eShop開始と同時に『ひゅ~ストン』を発売、碌なソフトが出ていなかったeShop初期において「ひゅ~ストンだけが救いだ!」とまで言われる人気になったソフトでした。それが任天堂社内でも人気になり、岩田社長の目に留まって「社長が訊く」が実現したほどに。
これらのソフトの売上げ実数は分かりませんが、
Wiiウェアのプレイ人数から推測するに、パッケージソフトの売上げトップの新規ソフト(『リズム怪盗』や『カグラ』)とどっこいどっこいくらいの数字を出している可能性もあるんじゃないかと思います。
もちろん価格が違うんで単純比較は出来ませんけどね。
小さなメーカーが挑戦できるだけの市場にはなってきたんじゃないかと思います、ダウンロードソフト。
3.大手サードメーカーの場合 さて、これだ。
大手サードメーカーの場合、任天堂や小さなサードメーカーと違って「ダウンロードソフト」は3DSにはほとんど出していません。Wiiウェアで期待ハズレだったからか、DSiウェアにも3DSダウンロードソフトにも消極的です。そして、パッケージソフトはシリーズソフトが多い、という。
でも、Wiiが発売された5年前とは状況が違うとも思うんですよね。
ゲーム機だけでもDS、PSP、Xbox360、PS3、Wii、3DS、Vitaが出ていて、それぞれにパッケージソフト・ダウンロードソフトがあって、更にWiiUのような次世代ゲーム機が控えています。ソーシャルゲーム、ブラウザゲームに、スマートフォン向けのゲームなどなど……5年前以上に「ゲーム」が細分化されてしまった現状。
「3DSは手堅く結果を残せる場所」と考えて、シリーズソフトで固めているということなのかなと思うのです。
それはある意味「突然変異のようなゲーム機だったWii」と違って、「DSの正統進化である3DS」がサードメーカーに安心感をもたらせていたということですし。それは任天堂の狙い通りとも言えるでしょう。続編モノがあまり好きじゃない自分にとっては、続編モノばかりだと寂しいですけど。
にしても……Wiiの時は「中身は素晴らしいんだけど売り方が下手すぎる」と言われていたマーベラスが、3DSでは『カグラ』に『牧場物語』にと華麗に立ち回っているのにビックリです。『ルーンファクトリー4』も売れそうですしね。信頼って時間をかけるとちゃんと築けるものなんだと、しみじみ思っています。
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