<12月29日 21:57>
○ 13話「ビキニは目線が上下に分かれますけどワンピースは身体のラインが出ますから細い方しか似合わないんですよ」感想 あれだけの死闘を描いた直後に、「水着でキャンプ」回とは。
何か……『舞-HiME』の「コスプレカラオケ」回を思い出します……『舞-HiME』と違って、ちゃんとキャラ一人一人を成長させているからそういう展開にはならないとは思いますけど。楽しい描写を見ると「ということは!」と裏を読んでしまう自分の捻くれ具合がイヤですね。
しかしまー、単なるサービス回に留まらず、1~12話で描いたものの総括のような回になっているというのが面白いですね。
「人にはそれぞれ得手・不得手があって」
「互いにそれらを補え合えれば、みんなが笑顔になれるはず」
それを、光子というキャラとカレーで描くというのが面白いですね。
メイン4人はそれぞれある程度の成長をしてしまっている分、“それ以外”のキャラとして光子の存在がここに活きてくるという。
話変わりますけど、美菜たんの紬(『けいおん!』)以外のキャラを観たのは実は初めてだったので、どうしてもギャップに笑ってしまいました。同じお嬢様キャラなのにこんなに違うものか!と。
初春&佐天さんの「野菜をどう切るか」問題も、言ってしまえば「個性」の話か。
現在の自分は1~2話をDVDに移す作業をしながら再視聴しているんですが……第1話の時点で、美琴と黒子が「アンタの能力の方がよっぽど便利よ」「隣の芝は青く見えるものですわ」みたいな話をしていたという。ホント、スキのない脚本なこと。
7話の頃は美琴の趣味に気付けなかった初春&佐天さんが、美琴の背中を押そうとするシーン。1クールかけて人間関係が変わったことを端的に表していて興味深いですね。
レベルアッパーの件で美琴が佐天さんを理解したように、佐天さんも美琴を理解したんだなぁと嬉しかったです。
※ ちなみに、今回脚本担当の伊藤さんは7話でも脚本を書いているので、恐らく狙っての描写。
さて……これで残っていた伏線の一つ「光子の存在意義」が消化されたワケなんですが(これで?)。
ここから、もう一山動かすのはなかなか難しそうですね。
1クール目でメイン4人は成長しきっているワケで、ここからまた人間関係を壊すような展開にはなかなか持っていきづらいでしょうし。来週以降、どう展開させていくのかワクワクしています。1クール目のパーフェクトっぷりからすれば不安はありませんけどね!
※ 補足コメント
サブキャラメイン回の始まり。まずは光子と水泳部の二人から描かれました。
パッと見では単なるサービス回なのに、1クール目の復習のようにしっかりと光子というキャラを描き、これが後々の伏線となるのがニクイですよねー。自分は光子が大好きなのだけど、それはやっぱりこの回が大きかったなと思います。
黒子に対してはアレなんだけど、他の人に対してはちゃんと「信頼している」描写があるんですよね。最終決戦時に何も言わず手を貸してくれたのも美琴達を「信頼」していたからでしょうし。<1月10日 22:44>
○ 14話「特別講習」感想 自分がこの作品を大好きなのは、こういう回をしっかり描くところにあるんだろうなって思います。
第9話を1話まるまる「レベルアッパーを使うか迷う佐天さん」で使ったとこもそうなんですけど……この14話も、人によっては“なくても構わない”繋ぎの回と思うかも知れないです。
でも、こういう回がなければ『超電磁砲<レールガン>』ではないし。
こういう回があるからこそ自分はこの作品が大好きなのです。
レベルアッパー使用者を集めての講習会。
言ってしまえば、“罪を犯した者達”の再登場ですよ。
まさかアネゴをここで使うとは思わんかったし、マッシュルームカットの彼にスポットを当ててくるとは想像もつきませんでした。いやね……9話のEDクレジットに(多分だけど)彼の名前があって、「え?あんなキャラに名前付いているの?」と驚いてはいたんですけどね。
講習する側も『とある魔術の禁書目録<インデックス>』から小萌先生と、アンチスキルの……名前忘れた、甲斐田さんがやっている人(中の人で覚えているのか)と。既出キャラを使うことにイミがあるという。
小萌先生は『禁書目録』ファンへのサービスなんだろうけど、『超電磁砲』からの視聴者にとっては「何故、子どもが先生を??」という疑問だけが残りそうですね(笑)。
講習の話は、12話のAIMバースト戦で美琴が言ったことの繰り返し。
「自分で自分にウソつかないで」「もう1度頑張ってみようよ」
この作品は“罪を犯した者達”を悪とはしない―――
銀行強盗にすら「次はその力を正しく使って下さい」と言う(その銀行強盗もレベルアッパー使用者だったんですけど)。
過ちはやり直せばイイ、だから一度は道を間違えた彼ら彼女らを集め、「もう一度頑張ってみようよ」と言う。
ただそれだけのことに1話を使ってしまうところが、自分は大好きなのです。
『かなめも』もそうだったよね。ああいうやり方は娯楽としては評価されないかも知れないんだけど、愚直なまでに「伝えたいこと」を描き続けた―――そういう作品に自分は惹かれるんだろうなぁ。
佐天さんは相変わらずレベル0だけど―――
佐天さんの真っ直ぐさは重福さんを変えた。きっとアネゴも変わることでしょう。
初春達にとっても、佐天さんは“いなくてはならない”存在―――
「佐天さんは欠陥品なんかじゃありません!」
「レベル0だって、佐天さんは佐天さんです!」
必要のない人間なんていない。
レベルアッパーを使ってしまった人達を再登場させた理由はそこなんだろうなぁと思うのです(重福さんのサンドウィッチを食べるシーンとか、象徴的ですよね)。
この回がなくても、多分お話は成立するでしょう。
でも、恐らくこの後に描かれるもののイミが分かるためには、こういう回が必要なんです。
1クール目は初春物語が非常にアツかったけど、2クール目は佐天さん物語がアツくなるだろうと期待していますよ!
あと、この回はオブジェクトの使い方が非常に好みでした。
窓から光が差してくるとことか、ラストシーンで階段の下に仲間がいるとことか。
※ 補足コメント
サブキャラメイン回ではこの回が一番好きだったなぁ。
佐天さんメインだからサブキャラメイン回と呼ぶのはアレかも知れないんですけど、この回は“主役になれなかった人達”を集めた回なので。ちなみにこの回に登場したキャラ達は最終回にチラッと登場しているんですよね。その辺の心遣いも大好きなところ。
そう言えば……2度目観た時に思ったことなんですけど、講習から帰る際にアネゴがチラッと重福さんを見るシーンがあるんですよね。あれって「影が薄い」「誰にも気付かれていない存在なんだろう」と自分のことを思っていた重福さんのことを、実は見ていた人がいたってシーンだったのだと気付きました。<1月17日 21:43>
○ 15話「スキルアウト」感想 新章突入でOP&EDが新しくなりました。
『舞-乙HiME』の例があるから「後期OPを見るとネタバレかも」と思うところもあって絵を見るかに躊躇して、現に多少のネタバレはあったんですけど。
カッコイイから見ちゃった♪
このチームのコンテは本当格好良いんだ。EDの絵も大好き。
ちょっと面白いなと思ったのは、後期OPの内容は前期1~14話の内容を受けたものになっているということ。初春の腕立て伏せとか、友人と一緒に歩いている光子とか―――彼女らには一人一人に物語があってそれをOPでもなぞっているというのが面白かったし嬉しかったです。
さてさて、新章突入。
思いっきりカマセ犬のように描かれていましたが、スキルアウトやビッグスパイダーの組織の描き方は興味深いです。
「裏切りものは背中から撃つ」とか。「武器を持って」「徒党を組んで」「相手の能力を封じ込んで」能力者を狩るとことか。
1クール目の主人公サイドがやっていたことの正反対を突き進んでいるんですよね。特に初春は、「道を誤った佐天さんを見捨てなかった」し、「何の力もなかったけど」「友を救うために勇気を持って」「学園都市を救った」ワケで。
スキルアウトがやっていることは、レベルアッパー使用者達や彼らを迫害してきた人達とほぼ同じことで。何故、これをまた描いたかというと……当然ながら、ここからひっくり返すためなんだろうなぁと。
1クール目も、5~7話では「力がないことを言い訳にするな!」とレベルアッパー使用者達を“間違った人達”として描いた。でも、8話以降ではそんな彼らも「まだやり直せるよね」と描いた―――「もう一度頑張ってみよう」と、美琴に彼らを全肯定までさせた。
一度は否定してしまった彼らをやっぱり否定しちゃいけなかったんだと描いた話だったと思うのです。
ということで、現在は2クール目で描くものが何かを少しずつ見せている段階なのかなと思います。
スキルアウトの連中が根城にしている街は「そのまんま」とも言える外観なのだけど、ビルの屋上まで上れば隠れた絶景が見えるという。
どんなに上を見上げても届かなくて届かなくて苦しい時は、「ここが底辺なんだ」「もう上には上がれないんだ」と辛くて仕方がないんだけど。でも、届かない青空を眺めて絶望するのではなく、少し階段を上って横を見れば違う景色が待っている―――
今週の佐天さんと後期OPの美琴がシンクロしているというのも、何か意味があるのかもですね。
佐天さん話で言えば、「レベルアッパーに手を出した佐天さん」に対しての三者三様の扱いが面白かったです。
美琴は「佐天さんの勇気」を知っているから、「何言ってるの?佐天さんはアイツらとは違うじゃん」と平然と言える。
黒子は佐天さんのことは肯定しつつも「道を誤ったこと」に対しては「悪い」と思っているから、フォローっぽくないフォローにしかならない。
初春は佐天さんに言わなきゃいけないことは全部言ったから、これからの自分が出来ることはただ横にいることだと分かっている。
「道を誤っても、またもう一度頑張ってみようよ!」と描く作品だから。
佐天さんが犯した“罪”をしっかりと彼女自身に背負わせているというのが、この作品が心からキャラを愛しているんだと分かるところです。ここを「反省しているみたいだからもう許してあげよう」とする作品は沢山あるし、そういう作品の方が説教臭くなくてスッキリ楽しめたりするんですけど。
でも、この作品はそれじゃダメなんですよね。
しっかりと罪を背負わせて、迷わせて、「上手くいかねー!」と叫ばせて、そこから先に見える景色を描くのだから。
5話でただ助けを願って叫び続けることしか出来なかった初春が、12話では自分の力で立って走って学園都市を救ったのですもの。「初春さんは、人質でも、逃げ遅れているワケでもないわ…!」
ということで、神がかっていた1クール目を2クール目が超えられるのか、本当にそんなことが出来るのか注目しております。
※ 補足コメント
自分の感想を読み返して気付かされることが結構ありますねぇ……(笑)。
15~16話の頃は視聴がしんどかったというか、意図が分からないところがあったんですけど。全てはここからひっくり返すためにあったのかなと思います。スキルアウトの根城に行って、色んな人達と出会って、学園都市の色んな部分を見たからこそ、最終話の美琴のあのセリフになるのかもなって思いました。
サブキャラメイン回って「中だるみしていた」と言われることが多いと思うんですけど、こうして思い返してみるとどの回もムダな回ではなかったなと分かります。<1月24日 22:04>
○ 16話「学園都市」感想 先週は書かなかったんですけど、この15~16話は『CLANNAD』アニメの宮沢有紀寧編を思い出しました。
突然の大量の新キャラ、しかも作品にそれまで出てこなかったような人達、というか時代錯誤なヤンキー像。描いていることはそれまでの文脈の延長線上にあるとは分かるんだけど、脳がそれを理解する前にどんどん話が進んじゃって。「この作品っぽくないなぁ」と、つい思ってしまうというか。
まー、でも描きたいことは分かりますし、今後への重要な伏線がありましたよね。
曰く「居場所とは」という話。
自分の居場所を見つけられなかった固法先輩が今ではジャッジメントをやっていて、黒子や初春はそこに自分の居場所を見出していて。恐らくは、佐天さんもまたそうした「居場所」を探せるのか―――という話になっていくんだと思います。
壁にぶち当たった時に「居場所」が分からなくなるという固法先輩のルームメイトの話は、実はレベルアッパー編の佐天さんの話にも通じるんですよね。
帰る場所はあった。手を差し伸べてくれた仲間もいた。
でも、それでも「レベル0」の自分がイヤでそこから逃げ出してしまった―――レベルアッパーを使えば世界が変わるんじゃないかと。
象徴的に描かれてちょっと可哀想だったのだけど、あの三人娘は「初春ではない場所」だったんですよね。固法先輩話で言うビッグスパイダーの位置にある存在。彼女らにも罪はないんで(むしろそそのかしたのは佐天さんだし)、責任押し付けるのは可哀想なんだけど。
そうしたことを踏まえて観ていると、
佐天さんの細かい所作を初春が見ているところとか、「居場所」の話をした時に二人が目を合わせるところとか。レベルアッパー編の彼女らを知っているからそういう変化だけで嬉しくなってしまうのです。
題材がことごとく『かなめも』を思い出すんだけど、『かなめも』と『超電磁砲<レールガン>』をシンクロさせて観ている人は日本にどれだけいるのだろう。
『かなめも』も自分の居場所がなくて、いつまで経っても成長できない自分がイヤで―――という主人公の物語。佐天さんの物語にものすごく通じる話だと思うのです。
それはさておき。
レベルアッパー編では“匂わされていた”だけだった「裏の存在」が、今回は露骨に描写されているんですね。もちろん今回のスキルアウトもレベルアッパー使用者同様に“利用されただけ”なんだろうけど……二度同じことやると「またか」臭は消せませんよね。
そういう意味では不安要素も感じる2クール目のスタートかなぁ。自分としては1クール目との差別化狙ってどうにかしてインデックス出してくるんじゃないかと思っていたんだけど、それだと時間軸がよく分からなくなるんですよね。ふーむ。
※ 補足コメント
15話の補足を受けて16話の補足を書くのですが……
最終話で美琴が「学園都市は…私達が私達がいられる最高の居場所なの」と言ったのは、この回の“自分の居場所を見つけられなかった”スキルアウトのこの話を受けてのことなんですよね。「居場所っていうのは自分が自分でいられるばしょのことを言うんだよ」という。
この回に「学園都市」というサブタイトルが付いていることに当初は「そこまでのタイトル付ける回か?」と思っていたのですが、全話通してみるとしっかりと納得出来るだけのものがあったという。<1月31日 21:53>
○ 17話「夏休みのつづり」感想 インデックス、キタ――――――!!
超チョイ役だったけど!「知っている人だけニヤケて」的な扱いだったけど!
前作を知らない人も多いだろうから、これでイイと思いますよ。
出てきただけで満足。「この世界にも確かにインデックスは生きているんだ」と思えただけで嬉しいです。あと、ゆかちの声が聴けただけで満足だ!こんなに可愛らしい声なのに、ラジオだと「連れションです、グフフ~」なんだぜ。良いのかソレで!
まーまーまー。
新OPにチラッとインデックスは映っていましたからね。初春の腕立て→光子が歩いているシーンの切り替えの一瞬。登場は必然と言えば必然だったのか。
さてさてさて。
インデックスが出てきたというのは、それだけじゃないんですよ。
「作中世界が夏休みに入った」ということです。
『とある魔術の禁書目録<インデックス>』第1話に「夏休み初日」という言葉があったので、夏休みになかなか入らなかった『超電磁砲<レールガン>』アニメのこれまでは『禁書目録<インデックス>』第1話よりも前の出来事だったんですが……これで晴れて『禁書目録<インデックス>』第1話よりも後の話が描けるということです。
自分は『超電磁砲<レールガン>』観終わるまで『禁書目録<インデックス>』は封印するつもりだったので、まだ6話までしか観ていないんですけど―――小萌先生の「屋根が吹き飛ばされた」というセリフから推測するに、『禁書目録<インデックス>』6話よりも後の時間軸になっているみたいですね。
この辺のバランスは難しいですね。
「前作キャラがファンサービスで出ている」のか、「今後の展開の伏線になる新キャラ」なのか、前作を観ていない人には分かりませんから。置いてけぼりには出来ないけど、ファンサービスも忘れてはならない。うーん。
「あれ?この銭湯って……」と思ったら、小萌先生が既に入っててフイタ。
小萌先生、インデックス、あと巫女服のコ(cv.能登麻美子)は前作キャラとして―――ペンダントを捜していた女のコ(cv.花澤香菜)は新キャラ?写真が伏線みたいでしたし。
とまぁ……こうやって色んなキャラが出てくる話を、サブキャラクター視点で描くというのは上手い試みですね。美琴メインで描いちゃうと『禁書目録<インデックス>』とパラドックスになっちゃうので(この時点で出会っているのはおかしい!とか)。
15~16話は突拍子もない世界を見せられた感覚でしたけど、今回の話は「普段の学園都市」の姿が垣間見えて楽しかったです。当麻が命を賭けて戦っている頃、『超電磁砲<レールガン>』キャラはゲーセンで遊んでいたというのも何だかね(笑)。
そして当然のことながら描かれるのは『超電磁砲<レールガン>』のテーマ。
「好きなこと」「楽しいこと」とは何か。
今週の小萌先生、鉄装さん、鴻野江は。レベルアッパー編の初春、佐天さん、重福さんを角度変えて描いた姿ですよね。
「自分に自信を持って生きることって何なのか」。
答えなんて簡単に「分かった!」とは言えないけど、迷って、躊躇して、ハードルに跳ね返されて、何も成し遂げられなくて、でも、そんな人だからこそ目の前にいる人を救えるかも知れない。
力がなくても学園都市を救った初春のように、力がなくてもアネゴに立ち向かった佐天さんのように。
必要なのは“力”ではなく“意志”。
愚直なようだけど、しつこいくらいにそれを描いた作品なんだなーとつくづく思います。落ち目のゲームメーカーの話も、グッと来る話でした。ゲーヲタとしては「大好きだったけど消えてしまった企業」なんて沢山知っているもの。それが時代の流れだけど、でもそれに抗うには“意志”が大事だよね。
サブキャラメインの回にしたことは賛否両論あるかなと思うのだけど、どれだけ“本編”の話に絡めるか次第だと思いますし。“本編”で知り合った関係がココでも活きていることが嬉しかったです。初春って何気にコミュニケーション能力高いよね。ゲーヲタのくせに!
ということで、流石の『超電磁砲<レールガン>』。超面白かったです。
メインキャラ4人にほとんど出番がなくてもこんなに面白いというのは凄いな。キャラの立たせ方を知っているということか。
※ 補足コメント
アンチスキルメイン回。
この回も大きな回です。当麻にしろ美琴にしろ「超能力開発を受けている学生」の身なので、ふとするとソレ以外の人がこの街に住んでいることを忘れてしまいがち。でも、こういう回があるから「色んな人が住んでいて、色んな人の居場所になっているんだ」と気付かせてくれるのです。そして当然、それが最終決戦に活きてくるという。<2月07日 23:29>
○ 18話「あすなろ園」感想 こ、コメントに悩む回だな……
AIMバースト戦以後の2クール目序盤は、サブキャラクター掘り下げつつ作品世界を別の角度から描く意図があるのは分かるんです(恐らく今週までかな?)。
13話の光子の話とか、14話のレベルアッパー使用者の話とか、17話の鉄装さんの話は自分も大好きな話です。この作品に別の可能性を感じさせる見事な回だったと思うんです。
が、何だろう。今週のこの「イメージぶち壊された」感は(笑)。
寮監さんのキャラを壊して、終盤の1話を使ってまでやることなのかーというのが正直な気持ちかな。
「自分にウソつかないで」「もう1度頑張ってみようよ」という美琴→佐天さんへと繋がるメッセージを、反復させる目的は分かるんだけど。13話、14話、15~16話、17話と反復してきた後に、このベタ過ぎるストーリーというのがなぁ……で、結論が「その内イイことあるよ」なんだもの(笑)。
うーん。“ノリきれなかった”最大の理由はやっぱりキャラかも。
14話や17話はこれまでのキャラを上手く使った印象だったんだけど、15~16話や18話は唐突に出てきた新キャラが中心になっちゃって。18話なんて、そもそも寮監さん自体がほとんど出番なかったキャラだし(多分2回くらいしか登場してませんよね)。
上手く感情移入できなかったというコトかな。
シナリオ的に気になったのは、チャイルドエラーの掘り下げと地震の伏線くらいか。
まぁ……2クールだとこういう回もありますよね。
それはそうと……
先週のインデックス登場はやっぱり
戒厳令箝口令が敷かれていたみたいですね。ゆかちがラジオで「事前にお知らせ出来なくてゴメンなさい」と言ってました。でも、アレはサプライズじゃないと意味がありませんから。結果的に正解だったんじゃないかと思いますよ。
※ 補足コメント
しかし、なかなか擁護出来ないのがこの回です(笑)。
他の話ではサブキャラに“救い”をしっかり描いているのに、この回の寮監さんだけは何にも救われないまま終わってしまっているという。地震の伏線やチャイルドエラーの伏線とかはあったけど、他の回ほど最終章に繋がっている部分もありませんでしたし、残念な回だったかなぁ……<2月14日 22:49>
○ 19話「盛夏祭」感想 正直、ラストシーン付近までは「いつまでこんな話を続けるんだ」とか「メイド服回かよ!」とか「夏休み中に文化祭話を入れてくるとは!」とか「文化祭話ってハズレなことが多いよね(けいおんは例外として)」とか思っていたんですけど…
最後のシーンで、ようやくここ数週間の意図が分かったような気がしました。
13話から続いた“サブキャラメインの回”のまとめが今週のお話。
そこに登場したほとんどのキャラが登場しましたからね。どうせなら重福さんとか小萌先生も出せば良かったのに。
そして、最後に登場した上条当麻。
自分は『禁書目録<インデックス>』アニメを6話までしか観ていないんですけど、時間軸的にはちょうど6話の後くらいに繋がっているっぽいので。すごく……切ない話だと思いました。
今から『禁書目録<インデックス>』6話までのネタバレをします。
当麻はインデックスを救うために戦って、記憶を失ってしまうんですよ。
だから、時間軸『超電磁砲<レールガン>』13話の頃には「ビリビリ」と認識していた美琴のことを、この19話では「知らない人」として話しかけてきたという。でも、美琴はその事情を知らないから「からかいに来たのか、コイツ!」と思ってしまったという。
※ 『禁書目録<インデックス>』本編とパラドックスにならないか?と思わなくもないんだけど、今回だと互いにそれを認識していないからセーフなのかな
これって、13話以降のこの作品が描いてきたものそのものだと思うのです。
傍から見ると、当麻は大事なものを失ってしまったように見えるんです。記憶を失って、今まで積み上げてきたものを全て失くしてしまったように見えるんです。
でも、本人が知らないところで美琴は当麻を忘れていない。
当麻が失った記憶が、美琴の中では大切なものとして生き続けていて、それが彼女にとっての救いになったという。
13話の光子の話も、14話の重福さんの話も、17話の鉄装さんの話もそうでしたよね。役に立たないと思い込んだ自分が、実は誰かの救いになっているという。
「レベル0なんて欠陥品なのかな」と言った佐天さんが初春の大事な人になっていて、
「自分には何の力もない」と思っていた初春が学園都市を救って―――
サブキャラメインの回を何週間にも及んで描いてきたのは、
美琴や黒子のような「主役を張れるメインキャラ」以外の人達にもしっかり物語があって、そういう人達もまた誰かの救いになっている―――と、描く意図があったのだと思うのです。
そう考えると、サブキャラ同士のやり取りを描き続けた13話以降の話が、最後の最後に主人公:御坂美琴の葛藤→昇華を描いて幕を閉じるというのは美しい構成に思えたのです。
美琴ですら、誰かに救われて生きているんだ―――と。
確認していないから自信がないんですけど、多分、回の最後に「つづく」が出なかったのって今週とか12話とか“節目の回”だけだったと記憶しているので。
ということで、今週を節目に次週から新展開だと思います。話数から考えても最終タームに入りそう。
終わってみればサブキャラ回もなかなか面白い試みだったと思いますが、やっぱり先週の寮監さんの話は酷かった(笑)。
今週を見る限り寮監さんが子ども好きだったのは間違いないんだろうけど、先週の段階だと「男に入れ込んで失敗したアホな女」みたいな印象でしたもの。なんつーか、この作品にしてはキャラを突き放した描き方だったと思うんです。
それに比べて、光子の愛されっぷりは一体。
中の人が美菜たんだから、むしろメイドモードの方が違和感がない(笑)。
「お茶が入りましたよー」と言ってくれそうな雰囲気でした。かあいい。
※ 補足コメント
「つづく」に関しては完全な勘違いでした。結構「つづく」入っていない回があったんですね。
文化祭にしたのはサブキャラも沢山登場させるためで、今回出てこれなかった重福さんやアネゴや小萌先生は最終話に出てきます。「一度描いたサブキャラのその後」をしっかりと描こうという姿勢はやっぱり大好きなところ。この回も、まー光子が可愛くて可愛くて。
あとやっぱり「美琴の弱さ」というものを、この作品全体は大切にしているなーという印象があります。
この回、みんなから信頼されて、下級生からも慕われてって描かれている一方で、実は抱えているものがあって。それを晴らしてくれるのは“大切な人”だとしっかり描いていて。これが最終話に活きてくるって話はいい加減しつこすぎですかね(笑)。<2月21日 23:10>
○ 20話「乱雑開放<ポルターガイスト>」感想 ま、まさかこんな形で念願の豊崎&花澤コンビが実現するとは!
自分としてはラジオで組むところを聴きたかったんですけどね(笑)。
ということで、新キャラとしてcv.花澤香菜さんが登場。
鉄装さんメインの回で顔見せはしているので新キャラという印象でもないんですけど……こんなにも観ていてイライラするコだったか。
「誰かに似てるなー」と暫く考えていですが、アレだ『クラナド』のことみです。ことみは境遇知ると別にイラつきもしなかったのだけど、こちらはどうでしょう。
恐らくアニメの最終章突入ということで、メイン4人に+1を加えるというのはナルホドな展開でした。
メイン4人は1クール目である程度成長しきっちゃっているので、コレ以上ドラマを起こすためには新キャラを加えるしかないんですよね。当然、その新キャラを通すことで、「かつての初春の姿」とか「初春&佐天さんの友情」だとかを描くのが本当の狙いだと思います。
美琴たちはまた影が薄くなりそうな……
事件のカギに「AIM拡散力場」が絡んで、木山先生復活フラグに、今回は「コイツが黒幕じゃねーの?」というキャラを見せていて。物語は一気に加速しそうな予感ですね。
今週はその前の「最後の幸せな時間」なのか。サブキャラメイン回で登場した場所やキャラやアイテムを使うというニクイ心遣いがありました。
あからさまに見たことあるシューティングゲーム映った(笑)。あの原色だらけの横シューはイイのかアレ。
あんなに牛乳飲んだらお腹緩くならないのだろうか、固法先輩は。
そして相変わらず“カマセ犬”街道まっしぐらな光子。やられる姿すら描かれない。
『超電磁砲<レールガン>』は死ぬほど伏線を張って、後でそれを使って合点がいく構成の作品なので。伏線を張りまくる段階だと真意が見えてきませんね。1話だけだと真価が見えないというか。
なので、最終章に「絶対に描かなきゃならないもの」を整理しておこうかなと。
<佐天さんの活躍>
しかも、だた活躍するだけじゃなくて「誰かの救いになる」必要があります。でないと佐天さん物語は完結しませんからね。普通に考えたら相手は美琴なんですが……「美琴が救われる話」は、先週当麻で描いちゃったので果たして。
<スキルアウト事件の首謀者>
超能力が使えなくなるあの機械を渡していた人。
ベタだったらあの人が犯人なんだけど……そんなストレートなことしますかねぇ。
<初春の能力とは?>
初春の能力が明らかになる―――というのは、ラジオが始まったばかりの時期に話題になったことなんですが。逆に言うと、「初春が能力を使わなくちゃならない」時が来るってことですよね。
グラビトンの時も、AIMバースト戦でも、今週でも使っていないということは……実戦で使える能力ではないのだと思うのだけど。ここまで引っ張ったのだから、使いどころを間違えないで欲しいとは思います。
<大切なものとは?>
佐天さんの御守り、春上衿衣のペンダント、今週撮ったプリクラ―――
それ自体に大した意味はなくても、そこに込められた想いがある……と、キーアイテムは揃ってはいるんですが。1クール目の「レベルアッパー←→御守り」の対比構造ほどの強い引きがあるワケじゃないんだよなぁ。
事件自体も爆弾事件で被害者続出だった1クール目に比べて、「なんか地震が起こっている」くらいの地味さですし。
ふーむ。そうは言っても、何だかんだ期待はしています。
『レールガン』は前半1クールだけだったよね…みたいなことになりませんように。
※ 補足コメント
伏線整理は、まぁ順当な結果ではありましたが……プリクラは大した出番もなかったですね。
どっちかというと最終章は「目には見えないもの」とか「目に映っているもの」をどう信じるのかって話だったので、佐天さんのお守りも出てきませんでしたよね。佐天さんはメイン4人の中で一番(人間的に)成長したので、そうしたものももう必要なかったのですけど。
ポルターガイスト事件は、この時点ではまだ未解明だったので「地味」とか言っちゃっていたのか……<2月28日 21:58>
○ 21話「声」感想 来たよ!きたよ!キタよーー!!
最終局面に向けて面白くなってきましたよ!
初春と黒子のラインを崩すというのは面白い展開。
この4人の関係にとって、この2人は核であり支柱だったワケで。
その上で、この2人はそれぞれ正義を持っているために衝突もしょっちゅうしていましたから今回の件も自然な展開ですし。ここを崩してしまえば、逆に言うと美琴と佐天さんが活躍しなくてはならなくなるという。
納得がいき、かつ今後が楽しみな一手を打ってきたなぁと思いました。
しかしまぁ、一人年長者だから気を使っている美琴が不憫ですよね(笑)。
主人公なのにねぇ。
佐天さんが自分のレベルを言わなかったのは、間違いなくフラグでしょう。
これをどう使ってくるかは何パターンか考えられるけど、あまり想像せずにフラットな気持ちで楽しもうと思います。
初春も、ここまで追い詰められることによって、どこかで能力を使うタイミングが来るでしょうし。かなり楽しみな展開になって参りましたよ!
あ、あとフラグと言えば……まさかの光子活躍フラグが(笑)
今まで能力も出さずにカマセ化してきたのはこのためか!
たった数分で山ほど伏線張られて、どこか忘れているところがあるかもってほどでした。
春上さんがチャイルドエラー出身というのは、見事なまでにトラップに引っかかった展開です。
木山せんせいの回想で…キャラの名前を忘れてしまいましたcv.佐藤聡美さんが小学生だったというのは“過去”だから当然なんですが。寮監さんのエピソードで、チャイルドエラー=子供という刷り込みが出来てしまっていたので。ここのラインが繋がってくるとは想像もしませんでした。
でも、当然ながらチャイルドエラーだって成長するワケで。あの子供達は実は初春達と同年代だったみたいで。春上さんは「あの実験を免れた」例だったんじゃないかと推測されます。どの段階で能力に目覚めたかによって事情もまた変わりそうですが。
佐天さんだってひょっとしたらチャイルドエラーだったかも知れない。
いや、初春だって黒子だって美琴だって。一つボタンを掛け違えていたら、身寄りがなくて能力に目覚めなかったら……「幸せになれる人」と「幸せになれない人」が分かれてしまう現実で、彼女らは何を思って戦うのか。
とりあえずメイン4人の物語に見せ場がありそうでワクテカしています。
たった1話でここまでテンション回復させてくれるとは、流石のシナリオですわ。
※ 補足コメント
最後の展開に向けて、死ぬほどフラグを立ててきた回です。
ここで見せた伏線は全部消化しているんだから凄いし……ちゃんと4人全員に見せ場を用意していたのも流石ですよね。そうするために、初春と黒子を衝突させたのだからお見事。1クール目もそうでしたが、掌の上で弄ばれていた気分ですよ(笑)。<3月07日 23:00>
○ 22話「レベル6<神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの>」感想 まずは豊崎さん&かな恵ちゃん、声優アワード新人女優賞おめでとう!
「どっちかは取るかなー」と思っていましたが、二人揃っての受賞でした。ふむ。納得。「新人賞」は「人気賞」みたいなところがありますけど、『レールガン』10話の二人のシーンを見ると「取って当然」の賞だと思いましたよ。
さて、ラスト3話かな?
一つの描写に2つ・3つの意味が込められている密度の高い脚本で、「これぞレールガン!」とテンション上がってきました。まー、今週の段階では主人公サイドに良いところがない我慢の展開なので、観ていて苦しいところではあるんですけどね。
この22話は1クール目10~12話辺りの裏返しになっているのが非常に面白かったです。
初春の「大丈夫です!」は10話で佐天さんにかけた声のまんまだし、美琴の独断専行も木山戦→AIMバースト戦に通じる描写でした。でも、2クール目の今回は肯定的に描かれているワケではなく、それだけでは子ども達を救うことが出来ないという現実を突きつける結果に。
4人がすれ違ってギクシャクしている状態では壁は超えられない――
美琴だけでも、初春が加わってもダメで。子ども達を救うためには、11話・12話で脱落していた佐天さんと黒子の力が必要なんだろうって思います。それを見せるために、今の時点では「我慢の展開」なんでしょう。
唐突に明かされた初春の能力は「たいやきの温度を一定に保つ能力」。
な、なんじゃあそりゃああああああ!
15話で佐天さんと二人でたいやき食べていたのはその伏線だったのか。いや、たいやきに限った能力ではないんですけどさ。「あまりに熱いものは持てません」って何だそりゃあ!
しかし、この何ていうか。非常に可愛らしくてほっこりな能力を「ここで披露した」のは上手いなって思いました。
これが初春なりの“距離”なんですよね。
春上さんを救おうとするために、美琴や黒子達との仲がギクシャクしてしまったって表現を――「春上さんにだけ能力を見せる」シーンで描写するんですよ。ストーリーの山場で格好良く披露するよりも自分としてはズッシリ重いものを感じたシーンでした。切ない描写。
当然、これをやるからにはどうにかしてひっくり返してくるんでしょうけどね。
そしてそして。1クール目とは逆に、佐天さんの活躍フラグが半端ない。
というか、コレで活躍させなかったら盛大なズコーッだよなぁというくらいにお膳立てが揃ってきました。
・テレスティーナは佐天さんを「レベルの高い能力者」と思い込んでいる
・今回の事件の“鍵”は「能力者」
・佐天さんの存在は「レベル至上主義」へのアンチテーゼ
・佐天さんは、木山を「子ども達を救おうとした」と肯定的に表現
・窮地に立たされそうな初春に、今度こそ恩返しをしなくてはならない
・“親友”とは何か
・1クール目とちがって美琴が佐天さんを“仲間”として認識している
個人的には“呼び名”をキーワードにするんじゃないかと思っていて、根拠はそれなりにあるんですけど……可能性としてはそんなに高くないからまだ書きません。実際にそういう使い方をされたなら「あそこが伏線だったんだよ!」と言い張ることにします(笑)。
※ 補足コメント
呼び名については使われませんでした。
一応「そう思った」根拠がいくつかあって、この作品での“親友”は美琴&黒子も固法先輩とルームメイトも春上さんのところもみんなファーストネームで呼び合っているんですよ。んでんで、思い返せば第1話で佐天さんは初春に「クラスメイト相手に敬語なんて相変わらずだねー」と言っていたので、これをどこかでひっくり返してくるのかなと。
使われませんでした(笑)。
まー、別に使う必要もなかったなというのが正直な気持ちです。実際ここからのラスト2話はベストな2話だったと思います。お見事だとしか言いようがないです。<3月14日 22:44>
○ 23話「いま、あなたの目には何が見えてますか」感想 「御坂さん……いま、御坂さんの目には何が見えていますか?」
よくぞっ!よくぞここまで持ち直した!
「持ち直した」ってのは表現が違うか。これも含めて全部狙い通りでしょうしね。
「ちょっとタルイなぁ」と思われたサブキャラメイン回の積み重ねが、全てこのクライマックスに繋がっていたという。
「スキルアウトは…モルモットじゃない!!」という美琴の言葉は、サブキャラメイン回があったからこそ視聴者に伝わるのです。
スキルアウトもレベルアッパー使用者もアンチスキルもチャイルドエラーも、誰一人不要な人間なんていなかった。この学園都市に生きる人々はみな必死に生きていて、みな誰かの救いになっているんです。
そう。
佐天さんも。
かつて「自分には何の価値もない」と思い込んだ彼女が、美琴を止める。
一人で背負い込んで、心を閉ざして、それが世界の全てだと思い込んでしまった結果「能力なんかよりもずっとずっと大切なものを失うところだった」彼女だからこその言葉。
先週~今週の中盤までは、敗北の物語でした。一人で行動した初春や美琴では、子ども達を救えませんでした。
「一人で背負い込む」ことではダメなんです。
仲間がいることで、失敗も弱さも涙も全部まとめて肯定できる―――この作品はそれを描いてきたんです。
この言葉を佐天さんに言わせるために、あそこまで彼女を追い込み続けたんでしょう。
「超電磁砲<レールガン>は1クール目までだったよね」なんて、もう言えないです。爆発力・分かりやすさの点では1クール目の方が上だったろうけど、完成度や信念は2クール目に軍配が上がるんじゃないかなぁ。
当然サブキャラメイン回をリアルタイムで観ている頃は「タルイなぁ」と思っていたし、2クール目の構造は勧善懲悪すぎるとは思うんで好き嫌いはあるでしょうけどね。
自分としては、佐天さんの成長をきっちり描ききったという点で2クール目を評価したいなぁ。
まだ「テレスティーナは佐天さんを能力者だと誤解している」伏線があるので、活躍は終わってはいないでしょうけどね。
「限界を超えることに意味があるんじゃないんですかっ!」
佐天さんがひたすらカッコ良いよ。
佐天さんを救ってきた色んな人達が、佐天さんに導かれる熱い展開――アンチスキルにもしっかり出番をあげましたね。
当然、光子も。
まさか彼女の能力は最終回まで見せないつもりだったのか。1話でチラッと見せてから長いこと経ったもんだ(笑)。予想通りに光子が美琴を救って、予想外にちゃっかり仲間になっていました。嫌いになれないなぁこのコは。
水泳部の二人もしっかり光子の心配をしていて、こういう描写もこの作品ならでは。もちろん光子が活躍する伏線にもなっていたし一石二鳥。
固法先輩が炊き出し要員になっているのにフイタ。お、お母さん!
そしてちゃんと牛乳推しだという。光子もちゃんとおにぎり食べてるし。オマエ、お嬢様設定はどうした!と(笑)。
笑えて、泣けて、キャラの仲良し具合に心が優しくなって、色んなことを考えさせられて、そして少しだけ勇気をもらえる。
これぞ『超電磁砲<レールガン>』。
追いかけ続けて良かった。この作品を大好きで良かった。
後は最終決戦。AIMバースト戦を超えるものを見せてくれたら、今度こそ神になりそうです。ラストの次回予告の熱さも『舞-HiME』『舞-乙HiME』を思い出すなぁ。今から一週間楽しみにしています。
※ 補足コメント
ひたすら続いた「我慢の時間帯」を、佐天さんが全て無化してしまうという熱い回。
一人で背負い込んで、そして確かに「一人で救えてきた」美琴だからこそ視野が狭くなってしまって。それを“何の力も持っていない”佐天さんが止めるというのが、この時点でグッとくるすげー展開でしたよ。これでもまた「最終決戦に向かう前」の話なんですけどね。
しかし、今思うとテレスティーナは初春相手に表面上取り繕っていれば良かったのにね(笑)。
レベル6が見えてしまったからこそ詰めが甘くなったか。<3月21日 23:17>
○ 24話「Dear My Friends」感想「モルモットだろうが、なんだろうが!そんなの知ったことじゃない!!
私の友達に!手を出すなあああ!!!」
凄い作品でした。
凄い最終回でした。この作品と同じ時期に生きて、出会えて、毎週毎週楽しみにさせてもらったことが財産になるくらい。とてつもないアニメでした。1点も文句の付けようがない、震えっぱなしの最終回でした。
終わってしまうのが惜しかったです。何度も観返すだろうけど、「最初の1回はあと数分で終わるんだ」と寂しかったほどです。
Aパート。
週刊のテレビアニメでこんなことやろうとすんな!とプロデューサー陣は怒らなかったのだろうか(笑)。EDクレジットで作画監督の欄を見て吹き出しました。どれだけ人員かけたんだ!と。
高速道路上で、走り続ける車の上部にしがみついた美琴vs巨大ロボットで追いかけてくるテレスティーナのド迫力バトルでした。第1話以来の長井監督のコンテが、まぁトンでもなかったこと。
AIMバースト戦は「原子力発電所を防衛する」という一要素を加えて単純なバトルにしなかったのですが、今回のカーチェイスも心理的・絵的に迫力が凄まじかったです。
それでいてシナリオ面でも「何のために戦うのか」をしっかり描き、
その上で「オマエの能力は全てバンクに入っている!」という相手に対して、しっかりそれを乗り越えるというバトル漫画の“熱さ”もあって。
しかもしかも、その“最後の切り札”が黒子との合体技なんだから!
後期オープニングの絵が伏線になっていたのには興奮しましたよ、もう!
前期オープニングはラストに美琴がレールガンを撃っていたのに、後期オープニングではレールガンの弾道しか映らなかったんですよ。「同じ構図は嫌がったのかなー」なんて漠然と思っていたら、まさかアレは巨大レールガンだったという伏線とは。
AIMバースト戦ではいなかった黒子がココでしっかり活躍するというのも嬉しかったし、やっぱり美琴の相棒は黒子なんだとグッときました。
美琴が黒子を呼んで、黒子が阿吽の呼吸で飛んできてアシストする―――最終決戦に相応しいレベル5とレベル4の最高の切り札でした!
……では、終われないのが『超電磁砲<レールガン>』なんですけどね。
そうそう。アバンでとうとう光子の能力公開。
ヘリコプターを吹っ飛ばすところが死ぬほど格好良かった!そして決め台詞を奪われてムッとするとことか、黒子と背中を預けあうところとか、あー可愛いなとニヤニヤしてしまいました。
これをちゃんと最終回に入れるあたりが凄いですよ。光子ポジションのキャラを活躍させられずに終わる作品が大半だというのに。当然、光子というキャラを魅力的に描くためには2クール目が必要だったワケで、やっぱり2クール目のサブキャラ回は各所に効いてきたなと思います。全部終わった今だからこそ言える話ですが。
続いてアンチスキルの見せ場。1クール目では「肝腎な時には助けてくれない」と言っていた木山を、2クール目ではアンチスキルが助けるというのも熱い展開でした。「アンチスキルも人間なんだ」と思わせてくれた17話があってこそ。
Bパート。
超超超ハイクオリティだった高速道路上のバトルを終えて、研究所にて子ども達を見つける初春達。しかし、そこにキャパシティダウンとパワードスーツ(?)に身を包んだテレスティーナがやって来て一転して大ピンチ。
「キャパシティダウンを破るのは佐天さん」というのは誰もが予想していたことでしょうけど、そこまでの過程が凄かったです。単に「予想通り」とは言えない熱さがまたここにも。
初春は佐天さんを信じてキャパシティダウンの破り方を延々と喋り続けるんですよね。これはAパートの美琴&黒子に通じるコンビ愛。
第1話の時点では守られるだけだった。勇気を出しても戦える力がないのは今も一緒。
でも、でも、不要な人間なんていない。
崖っぷちまで追い詰められて「能力なんかよりずっとずっと大切なもの」を知った佐天さんは、仲間のためにキャパシティダウンを破壊する――あの咆哮とともに。
分かりきっていた展開だけど、予想通りの展開だけど、欠かしちゃいけないとってもとっても大事な描写に心が熱くなりました。「私の友達」という台詞の重みは24話かけたからこそ。
佐天さんの声が届いた美琴は言います。
「私一人じゃ出来ないことも…みんなと一緒ならやり遂げられる
それが私の……私だけの……!!」
この作品が言い続けてきたこと。
どんなに自信がなくたって自分のことを「欠陥品だ」なんて思っちゃいけない。価値がないと思い込んだ自分が、誰かにとって大切な存在になるのだから。
最後のレールガン。
“理屈”と“感情”の対立を描いてきた1クール目を彷彿とさせる撃ち合い。
“理屈”ではテレスティーナに分があっても、もはや美琴達に負ける要素はありませんでした。何よりも大切で強い“感情”が彼女達にはあったのですから。
木山や春上さんにもちゃんと見せ場があって、しっかりと子ども達も復活させて。
これが『超電磁砲<レールガン>』なんだ。これぞエンターテイメント。
最後の最後の1シーンまで本当に無駄なく、心が暖かくなる作品でした。
最終回が終わったら“総括”のようなものを書こうと思っていたんですが…
今はまだちょっとまとめきれそうにないです。最終回があまりにも凄かったんで。
最終回は「100点満点」で採点して250点くらいで(笑)
このまま作品全体を250点だーっ!!と言ってしまいたいのですが、流石にそれはね。サブキャラメイン回で心が折れかけたのも確かですし、もうちょっと冷静になってから語ろうかなと思います。
いやーでも、ホント凄い作品でした。
今はただ興奮しているというか、最終話を観てから2日経っているんですけどまだ興奮しています(笑)。スタッフ陣&キャスト陣にただただ感謝です。素晴らしい作品をありがとう!
※ 補足コメント
最終回から1週間近く経っていますがまだ興奮しています(笑)。
第1話を観た時も第12話を観た時も「これを上回る回は不可能だろう」と思ったんですけど、ものの見事に上を通過されました。上の感想では触れなかったんですけど、やっぱり一番の泣きポイントは「大好きだよっ!」だよなー。ありゃ反則だわ。かな恵ちゃんも多分あそこで泣いたんだろうし。
○ 総括的なこと 一言で言うと、「化け物みたいな作品」でした。
脚本・コンテ・作画に演技とどれも高レベルなもので、しっかりと“描きたいもの”を描いた強さがありました。
最近の流行に倣って「女のコ達の日常を描く」萌えアニメの側面もありつつ、心の闇の部分を描こうとする鬱アニメのテイストもありつつ、超能力バトルアニメとしても物凄くワクワクさせてくれるものでしたし、群像劇としても色んなキャラがこの世界に生きているということを見せてくれました。
色んなものが詰め込まれた玩具箱のような作品でした。
でも、ケチがつくならソコなのかもなぁとも思うのです。 萌えアニメを期待していた人はシリアス展開に辛くなってしまい、シリアスな話を期待していた人達はサブキャラメイン回で心が折れてしまったとしてもおかしくなくて。『けいおん!』や『化物語』のような一点突破型の作品に比べて、コアなファンが付きにくかったのかも……と。
この辺…『ゼルダの伝説』シリーズが日本であまり売れなくなっているという話にも通じるのかも。
色んなゲームの要素を兼ね備えているからこそ、「アクションが苦手だから」「頭使うの苦手だから」「長いゲームをやる時間がないから」と“買わない理由”が見つかりやすくなってしまうという。それら全部が好きな人には「ゲームの魅力が全て詰まった作品!」なのだけど、そうでない人には“苦手な部分”が目に付いてしまうのかなと思うのです。
自分は『ゼルダ』も『超電磁砲<レールガン>』も大好きですけどね。
『超電磁砲<レールガン>』のことも「アニメの魅力が全て詰まった作品!」だと思っているんですけどね。 凄い作品でした。
何より、この作品が“描こうとしたもの”が大好きでした。
「ありがとう。大好きだよっ」と、この作品に言いたいです。
VIPな5まとめっさん(11/28)
ああああ(11/27)
やまなしレイ(管理人)(11/15)
ああああ(11/12)
やまなしレイ(管理人)(11/10)
ああああ(11/09)
やまなしレイ(管理人)(11/07)