第3話「縞の舞/乙女の迷宮」
脚本:吉野弘幸 絵コンテ:水草一馬 演出:渡邊哲哉
キャラ作画監督:久行宏和 メカ作画監督:大塚健
「縞の舞」って(笑)
この感想を読んでいるくらいの人なら分かっていると思いますが……アニメ版『舞-HiME』での「炎の舞」(3話と20話)、アニメ版『舞-乙HiME』での「蒼の舞」(7話と17話)と、これまでストーリーの大きな転換点で使われてきたサブタイトルです。それを3話目に持ってきたこと自体は別に驚きでもないのですが、よりによってシマシマ団なのかよと。これで4話目のサブタイが「渦の舞」だったらどうしようか。
○ 各キャラの出番があって嬉しかったのは確かだ 1話目は小原さんの楽しい絵コンテに魅了され、2話目は限定条件下で無駄なくキャラを動かす吉野脚本にひれ伏し……今回の3話目は、
上半身裸祭りという相変わらずのバカ回であって「あー、やっぱこういう回がなきゃ舞-HiMEじゃねえよな」と懐かしい気分になりました。いやね、結構凄いテクニックだとは思うんですけどね。
元々、テレビ版の終盤に大量に出てきた各国のオトメ。姿こそは序盤からチラホラ出ていましたが、キャストや性格付けが見えてきたのは最終決戦直前の23話辺りだったと思います。そうして出てきた大量のオトメの出番はメテオブレイカーだけなのかと思いきや、そこで「引退せずに出撃してるロザリー」「何故か出撃していないシホ」という新たな伏線が貼られていたからさあ大変。そう言えば、アカネちゃんとマーヤとかもテレビ版で消化しきってなかったぞ―――
………とまぁ、これだけ広げたキャラを残り2話でどう描くのか、しかも単純に登場させるだけでは退屈なだけだし、お話として面白いものになるか?という不安も大きかったのですが。流石、小原&吉野コンビですね。
本筋はナオとニナに任せて、残り全員のオトメで水着でお風呂。 これで未消化だった伏線を大量に消化しました。ロザリーは出戻りでシホと犬猿の仲(メテオブレイカーの最中シホがマキマキしてたのは、自分ではなくロザリーが出撃したことへの恨み?)、アカネちゃんは幾度もオトメ卒業を試みるもマーヤによって妨害され、チエとアオイちゃんは相変わらずの距離感で、伏兵だったアインさんで落とす…と。やってることはパッと見バカなんだけど、抜かりないんだよなぁ。外角のボール球を強引に引っ張ってホームランにするような技術でした。
前述のAmazonでのイメージ図でアリカとニナのショットを見て、「え?もう二人は再会するの?」と思ったんですが……典型的なミスリードに引っかかりましたよ。アルタイでSOLTが開かれるということは1話目から繰り返し言われていたことなんですけどね。
ちなみに…水着姿の簡単な感想でも述べるなら。
・アリカ…意外にこの髪型はイケるかも。本編中ならニナと被っちゃうけど、ニナがストレートにした今ならアリでしょう。1年間の発育は誰かに開発されたからか?みたいなことがライナーノーツに書いてあったけど、それが次回予告のウソ絵に繋がってて笑いました。
・ロザリー…
これは酷い。みったんがノリノリで演技をしているのが輪をかけて、僕のなかのロザリーが壊れていきました(笑)。テレビ版の頃はともかく、メテオブレイカーの頃には既にコレを考えていたのかもですね。不自然なほど真剣な台詞を回されていましたもの。
・マーヤ…一瞬、脱ぎながら喋ってるのかと勘違いしてしまいました。
・カズくん…流石にカギ付きパンツは可哀想だと思います。あんなの見たの、『シティハンター』以来だよ。
激しく今更ですけど、ロザリーとマーヤの“終盤出てきた二人”の中の人って昔コンビだった二人なんですね。テレビ版で出てきた頃は声優さんのラジオとかも聴いたことがほとんどなかったので、そうした中の人の関係とかも分からなかったです。
○ ナオとニナの変わらない関係 というワケで、今回のメインはむしろこっち。
この二人の関係は実はテレビ版の序盤から非常に好きで、その役回りから最終決戦時にあまり絡めなかったことが不満の一つでした。一応、吉野さんの気遣いで「アリカ!ニナのこと任せたよ」というナオの台詞は入れられていたんですけどね。
ちゃんとそこをOVAで補完してくれる辺り、というか補完することが決まっていたからテレビ版はあっさりだったのかも知れませんが、とにかく嬉しかったです。セルゲイの日記を人に読ませたくないからという理由で付いてくるのも、しっかり考えてあるなーと感心しましたし。
かつては優等生の後輩と、(成績は良かったけど)問題児の先輩。
今はオトメの世界を離れ平穏に暮らそうとしたニナと、望まない大出世をしつつも自分を変えなかったナオ。
こうした二人の歩んできた道があるからこそ、ナオだけがニナに言える「鈍ってんじゃないの?」という言葉が熱いです。もちろん、この言葉の通りに後に足手まといになってしまったことと、そこからの奮起に向かうであろう最終話への伏線になっているのが燃えます。ナオというジョーカーを、こうやってニナ復活劇に使う辺りがやっぱ凄いよなぁと。
そしてもちろん……この「相変わらずだね」と言い合うナオとニナのカットと並行して、アリカが変わってしまったマシロとの関係を想うのも切ない。変わらなかったからこそ奮起に繋がるニナと、変わってしまったからこそ奮起に繋がるアリカと、ニ方向からタメを作っての最終話になるのですから。何つーか、ホントもう、凄い脚本だよなあと改めて身に染みます。
まぁ……ニナが未だにオトメだというのはちょっと笑ったけど。
アレだけ菊地&小清水コンビとか中原さんが「ニナはもうオトメじゃないんじゃ…」とツッコんできたのに。もちろんニナの心情を考えれば御都合主義ってワケでもないし(しかも、オトメの貞操観念は現代日本のソレとは随分違うでしょうしね)、そうしたニナの気持ちをしっかり描こうとするのは好印象なんですが。
世界を破滅に導きかねない事件を乗り越えても、まだ「踏ん切りが……」とか言っているオマエラ何なんだよと(笑)
○ ナオvs謎の生命体 謎の生命体とか言ってても、ライナーノーツに普通に名前が書いてあるんだけどね。なんで?
戦闘前にヨウコ先生から「(サロゲートシステムは)あと3回……頑張れば4回」という説明がありました。いや、正確にはコアがどうのこうのという言葉だったんですけど、ここで数字を出すというのは回数制限だと思って間違いないでしょう。
そして、そのサロゲートシステムを使ってのナオがマテリアライズ!
2話のサラもそうだったんだけど、システムの認証シーンの台詞がカッチョいいなぁ。
『舞-乙HiME』でのナオはアニメ版・漫画版ともにジョーカーとして使われていたので、ボスクラスと2対1でも五分に戦えるのも納得。事前に情報が入っているというのもあるんでしょうが、最強クラスのミユ・シズル・ミスマリア・ハルカと撃退してきた生命体を相手に戦うナオが格好良かった!
そして……「鈍ってる」くせに手助けしようとして、見事足手まといになってしまうニナ。ベタだけど、このせいでナオが撃たれた時はショックでした。さっきまでの変わらない先輩・後輩関係を見ていたからさ余計にダメージがデカかったです。ナオの仇(別に死んでないけど)と、コーラルナンバー1だった誇りと、セルゲイへの愛……ニナ復活フラグは万全なほどに揃っていますが、果たして。
予想外に、ニナとマシロが再会してしまったということは―――マシロと契約してニナがオトメ化?という可能性もなくはないんですが、それだとアリカ-マシロラインが上手く描けそうにないので。どう料理してくるのか、素直に楽しみに待ちたいと思います。
○ HiME→乙HiMEの世界を繋ぐ遺跡 まぁ、この辺はしっかりと設定を考えて作っているというよりは、匂わせるだけのファンサービスなんでしょうが…今回ニナとナオが入り込んだ遺跡はかつて風華学園だったところみたいですね。僕は『舞-HiME』はバンダイチャンネルで1周観ただけなので、細かい部分まで「あ!ここは」と気付けたワケじゃないですが……
・ニナが気絶していたのは教室だったところ?
・ナオとニナが話していた場所は、学園の廊下
・マシロが釣り上げたのは、思いっきり水晶宮
・リボンちゃんがマシロを拝んでいた場所も風華学園の庭にあったような……(ちょっと自信なし)
観始めたのが『舞-乙HiME』からで『舞-HiME』ネタは分からないよーって方は、公式サイトに
学園の全景があるので、真ん中にある水晶宮を確認でもして下さいな。内部もしっかり今回マシロ達が入った状態のままですね。確かここでナツキのノーパンが…(笑)。こういうネタがあると、久々に『HiME』観返したくなりますねー。
<次回予告> 『舞-乙HiME』(恐らく)最後の次回予告。
リボンちゃんとエルスの声優ネタをここで使ってくるとは……
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