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壮絶の極み!『無敵超人ザンボット3』全23話を完走したので感想を残しておきます

 サンライズのYouTubeチャンネルでは過去の名作を週に1話ずつ配信してくれていて、無事に『無敵超人ザンボット3』を最終話まで観ることが出来ました! 『3』って書いてあるけど3作目じゃなくて、3機のメカが合体して巨大ロボになるって意味の『3』ね。

 第1話は現在でも配信中みたいですね(1話で真価が分かる作品じゃないと思いますが……)。




 数年前、Amazonプライム会員になっていた時期にプライムビデオで観ていたら、途中プライム対象外になってしまって11話あたりで止まってしまっていました。最後まで観られてサンライズチャンネルには感謝しかありません。

 調べてみたところ、2023年5月11日現在『ザンボット3』が見放題のサブスクはバンダイチャンネルのみみたいです。私がバンダイチャンネルの有料会員だったときにはなかったと思うので、ここも入れ替わりがあるのだと思いますが……もしこの記事を読みながら興味が湧いてきたという人がいましたら、この記事は全体的なザックリとしたネタバレを含むので途中で読むのをやめてでも観てもらえたら嬉しいです。



◇ 後に『ガンダム』を作る富野由悠季監督の作品

 このアニメは、現在のサンライズが東北新社傘下から離脱して「日本サンライズ」という名前になって初めて自社企画で制作したロボットアニメです。監督は富野喜幸さん(1982年以降は富野由悠季というペンネームを使用)で、後に作る『機動戦士ガンダム』の礎になった作品だと言って良いと思います。

 富野さんは恐ろしく多作な人なので、監督・総監督を担当された「アニメ作品」だけを列挙しても以下の通りになります。

・1972年 テレビアニメ『海のトリトン』
 …手塚治虫先生の漫画が原作だけど、オリジナル要素が強くて別物
・1975年 テレビアニメ『勇者ライディーン』
 …ロボットアニメとオカルトブームの融合、色々あって後半は監督を下ろされる
・1975年 テレビアニメ『ラ・セーヌの星』
 …『ベルばら』風のオリジナルアニメ、こっちは後半から監督を任される
・1977~78年 テレビアニメ『無敵超人ザンボット3』
 …この記事で取り上げる作品。衝撃的な展開が続くロボットアニメ

・1978~79年 テレビアニメ『無敵鋼人ダイターン3』
 …前作から一転、コミカルな作風になったロボットアニメ
・1979~80年 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』
 …ロボットアニメで「人間同士の戦争」を描き、社会現象になった
・1980~81年 テレビアニメ『伝説巨神イデオン』
 …とてつもないスケールのロボットアニメ。打ち切りなので突然終わる
・1981~82年 劇場用アニメ『機動戦士ガンダム』三部作
 …基本的には総集編だけど、『III』は特に新規カットが多い
・1982~83年 テレビアニメ『戦闘メカ ザブングル』
 …西部劇のようなロボットアニメ。今で言うポストアポカリプス?
・1982年 劇場用アニメ『伝説巨神イデオン』二部作
 …前編は総集編、後編は打ち切りになった後を描く「真の完結編」。これも壮絶
・1983~84年 テレビアニメ『聖戦士ダンバイン』
 …異世界召喚から始まるファンタジー世界を舞台にしたロボットアニメ、革新的すぎる
・1983年 劇場用アニメ『ザブングル グラフィティ』
 …総集編+新規カットだけど、尺が短いので回想形式で進むらしい
・1984~85年 テレビアニメ『重戦機エルガイム』
 …新人:永野護さんをキャラ&メカ両方のデザインに抜擢したロボットアニメ
・1985~86年 テレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』
 …『ガンダム』の7年後を舞台にした新作。政治や経済の要素を取り込んだ
・1986~87年 『機動戦士ガンダムΖΖ』
 …『Z』の最終決戦直後から始まる新作。こども向けの分かりやすい作風に
・1988年 劇場用アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
 …完全新作で、『ガンダム』から続くキャラ達の最後の戦いを描く
・1991年 劇場用アニメ『機動戦士ガンダムF91』
 …『逆シャア』から30年後を舞台にして、キャラクターを一新した完全新作
・1993~94年 テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』
 …『F91』から更に30年後を舞台にした新作。この後の『Gガン』以降は別監督になる
・1996~97年 OVA『バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼』
 …『ダンバイン』と同じ世界を描いた作品だけど、オーラバトラーは出ないらしい
・1998年 テレビアニメ『ブレンパワード』
 …5年ぶりに一線に復帰し「第二のデビュー作」と本人が言うロボットアニメ
・1999~00年 テレビアニメ『∀ガンダム』
 …ガンダム20周年で作られた、すべてのガンダムのうんと未来を描いた作品
・2002年 劇場用アニメ『劇場版∀ガンダム』二部作
 …総集編+新規カットの劇場版
・2002~03年 テレビアニメ『OVERMANキングゲイナー』
 …「戦争」ではなく「脱出」「逃避行」を描くロボットアニメ
・2005~06年 WEBアニメ『リーンの翼』
 …『ダンバイン』と同じ世界を描いた作品、小説版とは別物
・2005~06年 劇場用アニメ『機動戦士Ζガンダム A New Translation』
 …総集編+新規カットの劇場版だけど、監督なりの『新訳』と言える作品
・2009年 イベント公開用アニメ『リング・オブ・ガンダム』
 …ガンダム30周年で作られた、数分の短編アニメ
・2014~15年 テレビアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』
 …宇宙世紀の1000年以上後の世界で、宇宙を舞台にした少年少女のロードムービー
・2019~22年 劇場用アニメ『劇場版Gのレコンギスタ』五部作
 …詰め込み過ぎて難解になってしまったテレビ版の再編集・新訳


 多い!
 途中から何をまとめているんだろうと分からなくなってしまったほどに多いです。『ザブングル』~『ガンダムZZ』まではほとんど休みなくテレビアニメを作り続けていたのか。これ以外にも小説や漫画原作もやっていたりするんでワケが分かりません。

 アニメの歴史の話をすると、1972年から『マジンガーZ』のアニメが始まって(パイロットが乗りこむタイプの)ロボットアニメが流行し、「ウチもロボットアニメを作ろう!」と企画されたのが『勇者ライディーン』だったり。1974年に『宇宙戦艦ヤマト』のアニメが始まって宇宙を舞台にした戦争SFアニメがスタンダードになったことが、『ザンボット3』や『ガンダム』に繋がったりしているところはあると思います。


 ゲームもそうなんですけど、アニメも「無から名作が生まれる」のではありません。他作品からの影響や、その作品を受け入れられるだけの土壌が既に出来ているからこそ、名作が生み出されるのだと思います。
 『ザンボット3』や『ダイターン3』がヒットしたからこそ、『ガンダム』ではある程度自由にやらせてもらえたなんて話もありますし。『ザンボット3』には『ガンダム』に繋がる要素が多々見られます。そもそも、その『ザンボット3』もアニメ版『海のトリトン』からつながっている要素があるらしいんで、いつかそっちも観てみたいですね。



◇ 「敵」でも「味方」でもなく、「一般人」の描き方が凄い

 『ザンボット3』の敵は、宇宙からの侵略者「ガイゾック」です―――

 『マジンガーZ』(1972~74年)の敵はDr.ヘルというマッドサイエンティストで、『勇者ライディーン』(1975~76年)の敵は海底に眠っていた妖魔帝国と、黎明期のロボットアニメは「世界征服を目論む敵」が多かったのですが……
 恐らくは1974年の『宇宙戦艦ヤマト』の影響か、『UFOロボ グレンダイザー』(1975~77年)以降は、『大空魔竜ガイキング』(1976~77年)も『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976~77年)も『超電磁マシーン ボルテスV』(1977~78年)も、敵は「地球侵略を目論む宇宙人」なんですね。

 つまり、この当時のロボットアニメのトレンドに乗っ取っているんです。


 ちなみに、『ザンボット3』の主人公側も宇宙人の末裔で、かつて「ガイゾック」に滅ぼされた星の生き残りだった―――という設定も、異星人の王子が主人公だった『UFOロボ グレンダイザー』(1975~77年)や、『ザンボット3』の数ヶ月前に始まって同じ日本サンライズが制作していた『超電磁マシーン ボルテスV』(1977~78年)の「異星から逃げ延びた男の息子達が主人公」の影響があるように思えます。

 主人公達の一族が海底を探索して、ご先祖様が残してくれた移動要塞と巨大ロボを引き揚げて戦う……という「考古学的な存在のロボット」も、富野監督のデビュー作『海のトリトン』から『勇者ライディーン』を経て『ザンボット3』に継承されているもので、それは後の『伝説巨神イデオン』や『∀ガンダム』に繋がっているように思えます。
 『ガンダム』を「リアルロボットアニメの祖」という立ち位置で捉えている人は、「ガンダムにオカルト要素は要らない」的に言う人も多いのですが……富野さんの作風は、元来「よく分からない超常的な力に頼って、不安定な状態のまま戦う代償」を描いているんですよね。



 ちょっと話が脇道に逸れてしまった気がする。
 要は、『ザンボット3』は当時のスタンダードだった「地球に攻め込んでくる宇宙人」を「宇宙人の末裔である主人公達」が撃退していくという話なんですね。そのテンプレートに乗っ取った上で、衝撃的なことをやっているので……1話だけ見て「テンプレみたいなロボットアニメだなぁ」と思って観るのを辞めちゃうともったいないと思います。

 では、「敵」も「味方」もスタンダードなこの作品の、どこが凄くてわざわざ「みんな知ってくれ!」とブログに書いているのかというと……それは、「敵」でも「味方」でもなく、その他大勢の「一般人」の描き方にあります。


 主人公の勝平は、「ガイゾック」が攻め込んでくるまで自分が普通の地球人だと思って普通に生活していました。仲の良いガールフレンド(2人)もいたし、いっしょにバイクを乗り回す悪友もいました。よくよく考えると、この悪友ポジションって『マジンガーZ』におけるボス・ヌケ・ムチャなのか。
 宇宙から「ガイゾック」が攻めて込んできて、主人公である神ファミリーがザンボット3に乗って戦っているのを見て、こうした「一般人」が応援してくれたり、いっしょに戦ってくれたり……なんかはしません!


 まず、町が壊滅します。

 そして、住むところのなくなった大勢の「一般人」は家族ともはぐれ、日本中を逃げ惑い、なんとか避難民が集まるキャンプに身を寄せ合って生きていくのだけど、世界中が「ガイゾック」の攻撃を受けているのでそこも追われ、安息の場所などなく、ひたすら逃げ続けるのです。
 太平洋戦争時に東京が定期的に空襲に合い、田舎へと疎開する者も少なくなかったですが、それがもっと徹底的に町を破壊されて、ありとあらゆる場所が攻撃され続けるみたいなものです。

 この「住むところを失った避難民」の描写は『機動戦士ガンダム』でも出てきて、「戦争がありとあらゆるものを奪う」ことを視聴者に突きつけてきたのですが……まだ『ガンダム』の描写は優しかったんだなと思いました。あちらの避難民は、こどもを人質に立てこもったくらいですもの(それもどうかと思う)。


 『ザンボット3』の人々は、「ガイゾック」が攻めてきたのは「主人公達(神ファミリー)のせい」だと主張して、「ガイゾック」と「主人公達」はグルなんじゃないかとか、「主人公達」を無視して「ガイゾック」と和平交渉するべきじゃないかという話をしていきます。実際、主人公達もルーツ的には宇宙人らしいんでね。

 そのため、『ザンボット3』の主人公達は、守っているはずの地球人から常に迫害され続け、石を投げられ、罵倒されて、孤立無援のまま戦い続けることになります。仲の良かったガールフレンドや悪友も、容赦なく「迫害する側」に回ってしまいます。
 確かに、『イデオン』でも『ダンバイン』でも「一般人」から追い回されるシーンがあったけどさ! ショウ・ザマなんて母親から銃で撃たれたけどさ! アレがマシに思えるレベルですよ!


 んで、この辺の流れを踏まえると……『機動戦士ガンダム』終盤の、ララァ・スンの「あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに」の意味が分かりやすくなった気がするんですね。本来なら「社会の中で爪はじきにされるポジションの主人公」が、どうしてその「社会」を守るために戦わなくちゃならないんだ―――と。

 富野さんはそれをずっと描いていて
 その影響を受けた人達が描く後の作品、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995~96年)とか、現在の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(2022~23年)にまでつながっている命題だと思いますね。

(関連記事:帰る場所を探すストーリー。 『機動戦士ガンダム』全話を視聴し直して



◇ 「一般人」が兵器に替わる「人間爆弾」

 しかし、そんな『ザンボット3』の「一般人」達もストーリーが進むにつれて、「ガイゾックはマジでやべえぞ」「主人公達(神ファミリー)があんなにボロボロになってまで戦っているのに……」と、少しずつ理解してくれるようになります。あぁ、良かった。勝平、キミは一人じゃないんだよ。

 というところで出てくるのが、「人間爆弾」です。


 このアニメを観る前から、「ザンボット3と言えば人間爆弾」という話は聞いていたので、どんなすごい回なんだろうと身構えていたのですが……「1回」じゃなくて「中盤ずっと」人間爆弾でした。


 「人間爆弾」とは。
 「ガイゾック」が生け捕りにした地球の「一般人」の体内に爆弾を埋め込み、記憶を消去した上で解放し、町や難民キャンプに帰ったところで爆破―――同時多発的に地球人のコミュニティを破壊する恐怖の兵器です。もちろん爆弾にされた人間は死亡、その周りも一斉に死んでしまいます。ロボットアニメだろ! ロボットで戦えよっ!

 『ガンダム』シリーズにおける「強化人間」がまだ人道的に思える鬼畜の所業で、「ガイゾック」に和平交渉など聞かず、ヤツらは地球人を根絶やしにすることしか考えていないことが分かります。手口が害虫駆除のソレだもの……


 そして、この「人間爆弾」―――
 主人公達を迫害していた「一般人」達が、主人公達に理解を示してくれるようになったタイミングで出てくるのがたちが悪いんですよ。
 「人間爆弾」にされた人は直す手段がなく、そして「人間爆弾にされると星形のアザが出来る」と判明した後は、自分が人間爆弾になっていることを自覚してしまい、なるべく人がいないところに移動してそこで爆破されるのを待つしかありません。主人公達もそれを遠くから眺めるしかなく、ロボットに乗って戦うだけでは救えない命があると視聴者に突きつけてくるのです。

 こども向けロボットアニメで、どうしてそんなことするの!?
 でも、当時これが大ヒットしたんですよね……すげえな、当時のこども達。



◇ 面白かったですか?

 むちゃくちゃ面白かったです!
 私は『機動戦士ガンダム』を始めとした富野アニメを結構観ている方だと思うので、「後の作品」→ 「前の作品」と遡って観たことによって「あー、○○ってコレが元ネタなのか」と理解できたところが多々ありました。

 「富野作品、1作だけ観ようと思うんですがどれから観るのオススメです?」と言われてファーストチョイスで『ザンボット3』を選ぶことはないと思いますが(笑)、富野作品をたくさん観ている人ほどいろんな発見のある作品じゃないかと思います。

 ちなみに「富野作品、1作だけ観ようと思うんですがどれから観るのオススメです?」をマジメに考えるなら、『聖戦士ダンバイン』か『機動戦士ガンダム』かなぁ。
 『ガンダム』はもちろん面白いのだけど、初代だけ観て「ガンダム面白かったです!」と言うと「『○○』も観ろ」「いいや、『××』だ」と言ってくる人がわんさか湧いてくるのが難点なんですよね……


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夢の終わりに見るもの/『BanG Dream!3rd Season』アニメ最終話

 とりあえず「テレビアニメ」としてはここが一区切り。
 2017年の1期から続いてきた物語はここで一旦の幕を閉じます。


 「まだ観ていないんだけど」という人は、YouTubeAbemaTVでも1週間限定無料配信で観られますよ!

アニメ3期が始まる前に、“今からでも追いかけられる”初心者のための『BanG Dream!(バンドリ)』講座(前編)
アニメ3期が始まる前に、“今からでも追いかけられる”初心者のための『BanG Dream!(バンドリ)』講座(後編)
正真正銘、シリーズの集大成が幕を開ける!/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第1話
『BanG Dream!』アニメ1期&2期がYouTubeで期間限定配信されているそうなので、オススメ回をチョイスします!
その道は、かつて通った道/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第2話
そして、彼女は走り出す。誰のために、何のために/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第3話
『BanG Dream!3rd Season』3話でPoppin'Partyはどうしてライブハウスを満員に出来たのか
マジで彩ちゃん出てこねえ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第4話
私の推しががんばる回/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第5話
衝突するロゼリアと、衝突すらできないRAS/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第6話
まだなっていない三つ巴/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第7話
CGアニメの弱点を感じる/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第8話
光と影/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第9話
大人ぶった時間の終わり/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第10話
これ、俺じゃん/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第11話
見つけた鼓動、物語が行きつくところ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第12話



『BanG Dream!3rd Season』公式サイト
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第13話より引用>

 冬服を、着てる……だと。
 短いシーンだからここだけ手描きってことですかね。11月~12月の話のはずなのに、前話までずっと同じ服装(春服)なの気になっていました。CGアニメはまだまだ万能じゃないんだなーと。もし次回作があるなら、その辺もうちょっと気を遣って欲しいかな……


 それはさておき、有咲と香澄が語る出会いの日の話。
 先週香澄が「星の鼓動を見つけた」ように、ここで有咲に「ポピパに入れて良かった」と言わせてしまうの、もう最終回じゃん! いや、3期の最終回なんだけどさ……ここから先に話がもう残っていないかのような、まとめの最終回じゃん。わざわざここで冬服を着させたの、「季節の経過」を視聴者に意識させるためだと思えてきました。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第13話より引用>

 先週から様子がおかしかったりみりんは、武道館のステージ直前に「行きたくない」と言い出します。かつて「ステージに立つのが怖い」「みんなに見られていると思うと頭が真っ白になっちゃう」と言っていたのとは別の理由で、「このステージに立ったら終わってしまう」と彼女は言います。


 これ、唐突に思えた人もいるかも知れませんが、牛込りみガチ勢からするとここで彼女がこのセリフを言うのは必然なんですよ。彼女は「夢の終わり」を知っているコですから。

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<画像はiOS版『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』より引用>

 彼女の2歳上の姉:牛込ゆりは高校卒業後に海外に行き、ゆりさんがギターボーカルをしていたGlitter*Greenも(多分)休止中です。高校生でいられる時間はすぐに終わる、バンドをしているみんなともいつかは離れ離れになる、この楽しい時間は永遠に続かないということを――――りみりんは一足早く「姉の物語」で知ってしまっているんです。



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第13話より引用>

 でも、ポピパがいつもライブ前にやっている掛け声「ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパ!」を、武道館のいっぱいの観客が一緒にやってくれたことでりみりんも上を向きます。かつて「ステージに立つのが怖い」「みんなに見られていると思うと頭が真っ白になっちゃう」と言っていた彼女に、最後の最後に勇気を与えてくれたのが“武道館いっぱいのみんな”なんですよ!


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第13話より引用>

 そして、ここで歌われるのが「ミライトレイン」なんですよ!
 自分達を応援してくれている人達への感謝を全部乗せて、未来に向かおうって曲なんですよ!


 夢の終わりに、一緒に未来に向かおうって曲を歌うのがポピパなんです!



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第13話より引用>

 そう言えば、『けいおん!』(アニメ1期)のラストって「目指せ武道館!」で終わるんですよね。彼女達のそれは夢を語っただけなのだけど、『バンドリ』は本当に武道館まで来てライブをしてしまった。たどりついてしまった夢、夢の終着点、でも戸山香澄はまだ夢を語るのです。

「ポピパでしょ、ロゼリアでしょ、RASと……アフターグロウとパスパレとハロハピと、チスパにグリグリ!今まで出会ったみんなも、もしかしてこれから出会うみんなも一緒に、いっぱいキラキラドキドキしよっ!」


 過去も、未来も、全部ひっくるめてバンドリ。
 その新しい夢の中には、(多分)休止中のグリグリも一緒に入っているのが香澄らしい。



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第13話より引用>

 その言葉が象徴するような、ポピパ・ロゼリア・RASの3バンド合同による最後の曲。
 六花―――ポピパと同じステージに立てて良かったね。


 アニメ3期はRASがメインだったというか、六花が実質主人公だったので……ゲーム版のファンとしては物足りなかったと思う気持ちもなくはないのですが、最後に笑顔で六花がライブしてくれたこの絵だけで泣いてしまいそうになります。良かったね、六花。ゲーム版での実装も待っています。





 そして、ロゼリアの劇場版アニメが2本、ポピパの劇場版アニメが1本発表されました。りみりんが「これで終わっちゃう」と言っていたのは何だったのか……(笑)。

 ロゼリアの劇場版アニメ2本のサブタイに付いているのは、ロゼリアの曲のタイトルで、ゲーム版でこの2曲が使われたのはFUTURE WORLD FES.に関する2つのイベントでした。
 アニメ版だけ観ている人は「FUTURE WORLD FES.とは、一体……」というカンジで、結局FUTURE WORLD FES.がテレビアニメで描かれることはなかったのですが、まさかの劇場版アニメでFUTURE WORLD FES.を描こうということだったのか。これは前後編にするのも納得ですわ。出来ることなら、ロゼリア結成から描いてくれた方が終盤のセリフがむっちゃ泣けると思うのだけど……どういう構成にしてくるのかなぁ。

 ちなみに……ゲーム版準拠のストーリーだった場合、「ロゼリアの劇場版アニメ」と言っても他のバンドのキャラも登場すると思われます。


 ポピパの方はタイトルだけではどんな内容か想像もつきませんが……もう2022年の展開まで発表されてるんだ、と思いました(笑)。ひょっとしたら、この辺りでまた時間軸を進めてくるのかもなーと思ったり。



 そして、5月から『バンドリ!TV』内にて『ガルパ☆ピコ』の第2期が配信開始(地上波放送は7月から)。キャラの衣装は4年目仕様ですが、モルフォニカとRASはいないみたい。

 全然終わらないじゃないか、バンドリ!


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見つけた鼓動、物語が行きつくところ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第12話

 「3期は集大成になる」の言葉通り。
 アニメ1期から繋がっていたものが次々と決着していく流れが、嬉しいのだけど少し寂しい……


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その道は、かつて通った道/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第2話
そして、彼女は走り出す。誰のために、何のために/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第3話
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マジで彩ちゃん出てこねえ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第4話
私の推しががんばる回/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第5話
衝突するロゼリアと、衝突すらできないRAS/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第6話
まだなっていない三つ巴/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第7話
CGアニメの弱点を感じる/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第8話
光と影/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第9話
大人ぶった時間の終わり/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第10話
これ、俺じゃん/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第11話



『BanG Dream!3rd Season』公式サイト
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第12話より引用>

 武道館での決勝に向けて、有咲が作っていた曲を披露―――そこにおたえが真っ先にギターを足すシーン、2期の『Returns』披露のときに有咲が真っ先にキーボードで音を足したシーンのアンサーなんですよね。一人で作っていた曲を、みんなで完成させていく、ポピパの物語の行きつくところはここなんですよね。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第12話より引用>

 一方のロゼリアも、紗夜さんが高熱の際に浮かんだフレーズを新曲として準備していました。ロゼリアは元々、友希那さんが「FUTURE WORLD FES.への復讐」のために結成したバンドです。そのために必要な曲を友希那さんが作り、その曲を演奏できるメンバーを集めたバンドです。

 でも、そこからロゼリアは変わりました。
 5人の誰が欠けても成り立たないバンドとなり、リサ姉が歌詞を書くこともあったし、今回の紗夜さんの作曲もそうです。メンバーの作ったものを友希那さんが「自分一人では生み出せないもの」として受け入れられるようになった、これがロゼリアの物語の行きつくところだったのでしょう。



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第12話より引用>

 そして、1期からずっと描かれてきたあっちゃんの物語も……
 キラキラドキドキしているものを追いかけて走り続ける姉の背中を見て、少しずつ変わった妹。ボランティアスタッフに入った理由は「六花やあこを見ていて」と、姉とは関係のないところなんですよね(ちゃんとこの回に伏線があります)。彼女の物語は、姉から離れ、それでも成長していく物語なんです。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第12話より引用>

 それを見ているお姉ちゃんがさぁ! お姉ちゃんの表情がさぁ!
 最高すぎません?

 こういうのを見ると、ああやっぱり香澄ってお姉ちゃんなんだなぁって思うんですよね。



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第12話より引用>

 そして、姉妹で語る「星の鼓動」から始まった物語。
 アニメ1期1話と同じ「あっちゃん、キャンプ行ったの覚えてる?」という質問―――あの頃はまだ香澄も明日香も「キラキラドキドキするもの」には出会えていなかった。でも、そこからたくさんの人に出会って、もっともっと大きな「キラキラドキドキ」に出会えた。


 戸山香澄の物語の行きつくところ。
 あぁ……『バンドリ』シリーズはゲーム版も含めてまだまだ続くんでしょうが、1期から続くテレビアニメはここで一区切りなんだなぁと寂しくなりました。ありがとう、バンドリ。1期1話のAパートを観ていたころは、まさかこんな長い付き合いになるだなんて思わなかったよ。


◇ で、百合なの?
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第12話より引用>

 性格的には相いれなさそうなのに、運動苦手組で一緒に走っている有咲とチュチュに和みました。考えてみると、チュチュって貴重なツッコミ要員なんで、彼女がゲーム版に実装されたら有咲と美咲ちゃんの負担が減るよやったね!(そこ?)

 運動できる組は、超万能タイプのパレオ、毎日走り込んでいるおたえが1位・2位なのは分かるんだけど、続くのがマスキング、六花というのは意外。香澄よりも六花の方が体力あるんですね。毎日デカイ風呂掃除している賜物か。


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これ、俺じゃん/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第11話

 気付いたら残り2話なんですね。
 いや……あの、すごく楽しんだのは間違いないんですけど、マジでパスパレとハロハピの出番ほとんどなかった……



 「まだ観ていないんだけど」という人は、YouTubeAbemaTVでも1週間限定無料配信で観られますよ!

アニメ3期が始まる前に、“今からでも追いかけられる”初心者のための『BanG Dream!(バンドリ)』講座(前編)
アニメ3期が始まる前に、“今からでも追いかけられる”初心者のための『BanG Dream!(バンドリ)』講座(後編)
正真正銘、シリーズの集大成が幕を開ける!/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第1話
『BanG Dream!』アニメ1期&2期がYouTubeで期間限定配信されているそうなので、オススメ回をチョイスします!
その道は、かつて通った道/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第2話
そして、彼女は走り出す。誰のために、何のために/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第3話
『BanG Dream!3rd Season』3話でPoppin'Partyはどうしてライブハウスを満員に出来たのか
マジで彩ちゃん出てこねえ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第4話
私の推しががんばる回/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第5話
衝突するロゼリアと、衝突すらできないRAS/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第6話
まだなっていない三つ巴/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第7話
CGアニメの弱点を感じる/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第8話
光と影/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第9話
大人ぶった時間の終わり/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第10話



『BanG Dream!3rd Season』公式サイト
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第11話より引用>

 今週は、2期の頃から仄めかされていたパレオの過去が明らかになる回でした。
 また一人「普段はメガネをかけているのにライブの時は外す」、メガネ好きを怒らせるようなキャラが増えてしまった……


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第11話より引用>

 YouTube的なところに「弾いてみた」の動画をアップしても、なかなか視聴回数が増えなかった彼女……この数字がリアルというか何というか、俺もあんまり変わらないので俺まで気分がズーンとなる!
 でも、この「他にも何曲か弾いています」とか「るん♪って気持ちを込めて」みたいなコメントが生々しいんですよね。「見てもらいたい」という欲求と、でも「型からは外れられない生真面目さ」のバランスが。今までのバンドリのキャラの中でも、トップクラスに「これ、俺じゃん」と思わせるキャラでした。早くゲーム版にも実装してもらってモルフォニカと絡んで欲しい!


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第11話より引用>

 実生活では「優等生の自分」を演じ、ネットの中ですら誰にも見られなかった彼女を、チュチュが見つけ出す。どうしてチュチュの言葉が彼女に届いたのか、彼女の気持ちがチュチュには分かったのか――――――


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第11話より引用>

 実はこの2人、似た者同士なんですよね。
 親から愛情を受けていないワケじゃないけれど放任されていて、他人の期待に応え続けなきゃというプレッシャーの中で自分の気持ちを押し殺して、どこにも理解者なんていない、たった一人で生きてきた―――そんな2人が出会い、そして「パレオ」というありのままの自分が生まれた。


 「言葉は悪いけど人を見る目は確か」―――2期の頃にパレオがチュチュを評した言葉でした。
 狂犬だったマスキングに場所を与え、六花の内なる衝動を目覚めさせて、ありのままの「パレオ」を生み出した……そう考えるとチュチュの人を見る目とプロデュース能力は本物だし、RASは「この5人じゃなければRASじゃない」というのも納得の話でした。先週・今週とRASの物語はすごく良かったです。



◇ で、百合なの?
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第11話より引用>

 かたくなに「首から上」しか描かれることのなかった入浴シーンが、今回初めて「肩から上」が描かれることに! どうした!? これが出来るのなら、どうして温泉回でやらなかったんだ!?


 ひょっとして、RASを除いた25人の中に「肩に大きな刺青を入れているキャラ」がいて、それを隠すために温泉回では首から上しか描かなかったのでは……? 犯人は、誰だ!


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大人ぶった時間の終わり/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第10話

 あぁ……あぁ……
 これが観たくてずっとこの作品を応援してきたんだと思える回でした……


 「まだ観ていないんだけど」という人は、YouTubeAbemaTVでも1週間限定無料配信で観られますよ!

アニメ3期が始まる前に、“今からでも追いかけられる”初心者のための『BanG Dream!(バンドリ)』講座(前編)
アニメ3期が始まる前に、“今からでも追いかけられる”初心者のための『BanG Dream!(バンドリ)』講座(後編)
正真正銘、シリーズの集大成が幕を開ける!/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第1話
『BanG Dream!』アニメ1期&2期がYouTubeで期間限定配信されているそうなので、オススメ回をチョイスします!
その道は、かつて通った道/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第2話
そして、彼女は走り出す。誰のために、何のために/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第3話
『BanG Dream!3rd Season』3話でPoppin'Partyはどうしてライブハウスを満員に出来たのか
マジで彩ちゃん出てこねえ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第4話
私の推しががんばる回/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第5話
衝突するロゼリアと、衝突すらできないRAS/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第6話
まだなっていない三つ巴/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第7話
CGアニメの弱点を感じる/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第8話
光と影/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第9話



『BanG Dream!3rd Season』公式サイト
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 前回のラストでマスキングとチュチュが衝突して、バラバラになってしまったRAS。
 しかし、この話って「チュチュ一人が悪者」と描いているワケじゃなくて、六花もマスキングもレイヤもみんなそれぞれ足りないものがあったよねと描いていると思うのです。あの衝突によって、それぞれが抱えていた問題が浮き彫りになったというか。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 商店街でたまたま出会った香澄に話を聞いてもらう六花。
 この公園のベンチは、春にポピパが壁にぶつかったときに香澄が六花に話を聞いてもらった場所(正確には隣のベンチだけど)。六花は気付いていないけど、六花のおかげであの時ポピパは「腹くくるか」と主催ライブに向かって走り出すことが出来たんです。

 今回の香澄の「諦めない!」って、2期3話で「キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~」を聴いた後の六花の「私、諦めません!」にかかっていると思うんですね。あの時は「バンドメンバー探しを諦めない」という意味だったけど、それが香澄達の背中を押したのだし、今ここで六花にその言葉をかけるのは「あの時の気持ちを忘れないで」という意味だと思うんです。


 そして、香澄の「バンドはみんなでバンドだから―――」というバンド観が六花に伝わります。このセリフ……やっぱ香澄が言うのものすごく説得力あるんですよね。この公園は、かつて香澄が歌えなくなった時に、みんなが交替で歌ってくれた思い出の公園。あの経験をした香澄だから、ポピパはみんながいたからポピパなんだという言葉が出てくるんです。

 しかし、それは六花に突きつけることになります。
 彼女は今まで何をやっていたのかと。チュチュが集めたメンバーで、チュチュに言われるがままにギターを弾いてきただけじゃないかと。「みんなでバンド」と言えるだけのことをしてきたのか。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 なので、六花はマスキングに会いに行きます。
 RASを守るために、RASを壊さないために―――

 ここで六花がマスキングを説得する言葉が「練習帰りにラーメンを食べに行くのが楽しみになってた」なのが、すごくイイんですよ。だって、六花にとって「憧れのバンド」はいつだってポピパだから。RASがどんなにレベルの高い演奏をしていても、どんなに人気のバンドでも、彼女にとって「憧れのバンド」は「みんな仲良しのポピパ」なんですよ。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 一方のレイヤは、おたえに話を聞いてもらいます。
 ここでおたえが言うのは、「バンド観」でなくて「ボーカル観」なんです。

「ボーカルは……星。
真っ暗になって、自分がどこにいるか分からなくなりそうな時も、見上げたら必ずそこにいて目印になってくれる―――」


 香澄は「ボーカル」の立場から、「バンドはみんなでバンド」と六花に伝え。
 おたえは「ギター」の立場から、「ボーカルは星」とレイヤに伝える。

 これって、香澄がおたえ達をどう思っているのかと、おたえが香澄をどう思っているのかという話だと思うんですね。そうか、おたえにとって香澄はずっと星だったんだ―――と。何度も何度も何度も壁にぶつかってきたけど、そのたびにおたえは香澄という星を見上げてきたんです。


 この言葉が、レイヤに突きつけられます。
 自分は今までそうしてきたのか。ちゃんとみんなの光になっていたのか。チュチュに言われるがままに歌ってきただけじゃないのか。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 だから、レイヤはチュチュに向き合います。
 いや、これは目を逸らし続けてきた己との邂逅です。

 反射されて映る顔に向かってレイヤは言う―――

「大人ぶった関係も、言われたことだけやってるボーカリストも終わり。
これからはRASのために、必要だったらケンカだってしようと思う。」



 成熟されたRASの演奏と関係。
 それは、青春を知らずに“大人ぶった関係”に酔っていただけに過ぎない。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 そうだ、これは青春アニメだった。
 ダサかったり、カッコ悪かったり、情けなかったりしても、心と心をぶつけあうのが『バンドリ』だった―――

 そして、ようやくRASも走り出す。
 本当の「みんなでバンド」になるために―――



◇ で、百合なの?
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第10話より引用>

 なんだこの、ベタベタなお嬢様学校観は……

 ちなみにこの2人が話している「シブースト」と「ダックワーズ」はフランスのケーキと焼き菓子の名前だそうです。



 ゲーム版で追加されたモルフォニカもお嬢様学校が舞台なんですが、そちらは「月ノ森女子学園」という別のお嬢様学校なんですね。どうせなら同じ学校にした方が絡みも描けて面白くなるんじゃないかと思っていたんですが、これは別の学校で良かった!(笑)


  

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光と影/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第9話

 前回の温泉回は、そういうことか……
 えげつねえ。えげつねえよ、相変わらず『バンドリ』アニメは……


 「まだ観ていないんだけど」という人は、YouTubeAbemaTVでも1週間限定無料配信で観られますよ!

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正真正銘、シリーズの集大成が幕を開ける!/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第1話
『BanG Dream!』アニメ1期&2期がYouTubeで期間限定配信されているそうなので、オススメ回をチョイスします!
その道は、かつて通った道/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第2話
そして、彼女は走り出す。誰のために、何のために/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第3話
『BanG Dream!3rd Season』3話でPoppin'Partyはどうしてライブハウスを満員に出来たのか
マジで彩ちゃん出てこねえ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第4話
私の推しががんばる回/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第5話
衝突するロゼリアと、衝突すらできないRAS/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第6話
まだなっていない三つ巴/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第7話
CGアニメの弱点を感じる/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第8話



 『BanG Dream!3rd Season』公式サイト
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 今週はポピパの逆襲回!
 武道館圏内の2位を目指すため、3週間毎日ライブやっている上に更に「1日2回ライブする」「もっと大きなライブハウスで」とスケジュールがどんどんハードになっていきます。
 「もっと大きなライブハウスで」とは言うものの、入れそうなところは「ロゼリアと対バンになるCiRCLE」か「RASと対バンになるdub」くらいしかないので、そこでポイントが取れるのかは微妙。更には期末テストも重なっていて……


 普通だったら、オーバーワークの破滅フラグだと思うんですよ。
 『ラブライブ!』の穂乃果ちゃんがなっちゃったヤツとか、『バンドリ』でもゲーム版のポピパ・バンドストーリー2章はこれが原因でみんながバラバラになっちゃう話でしたし、今のご時世「根性だけでは乗り越えられない」と描くことが多いと思います。

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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 友希那にも「その状態で満足のいく演奏ができるの?」と言われますし。



 でも、数々の危機を乗り越えてきたポピパは「ハイ!」と答えられる―――――


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 期末テストは、学年トップの有咲の鬼指導で何とか乗り越えられる。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 過酷な移動も、先輩達が力を貸してくれる。

 「ポピパの5人で力を合わせて」だけじゃなく、ハロハピやパスパレきっかけでポピパのことを知ってくれた人がいたし、アフターグロウのつぐみちゃんが喫茶店で宣伝してくれたし、ロゼリアとの対バンはポイント的には惨敗だったのだけど……

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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 その後のポピパのライブに、ロゼリアのファンと思われるコ達が来てくれているのよね。


 1人では出来ないことも5人なら出来る、5人だけでは出来ないことも25人なら出来る―――それがポピパの力なんですよね。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 そして、このコ達―――
 こんな過酷なスケジュールで、かつ順位としてはかなり絶望的な状況だったにも関わらず、毎日楽しそうなんですよね。これはかつてゲーム版でまりなさんに言われた「プロになりたいがために私達は音楽を楽しむということを忘れてしまった」「ポピパはそうならないと信じている」というあの話を思い出します。


 ポピパは、「音楽を楽しむ」ということを忘れない。
 そうして出来た輪があるから、こんなスケジュールでも、こんな状況でも壊れたりはしないんだ。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 一方のRAS。
 六花だけじゃなく、レイヤやマスキングも他バンドのメンバーと仲良くなっていることにチュチュが苛立っていきます。先週の温泉回が、ここでボディブローのように効いてくるという。いや、確かに「自分の仲間」が「自分が倒そうとしている相手」と一緒に温泉に行ってたら、こんな気分にもなるよな……チュチュの場合その「倒そうとしている」こと自体が間違っているのだけど。


 順位は低いけれど「みんながいるからがんばれる」ポピパと。
 順位は高いけれど「みんなを拒絶する」チュチュ――――――

 光は影をより濃く映し、影は光によって生まれる。
 ポピパに出会ってしまったことで、RASはその歪さを露呈してしまったという。


◇ で、百合なの?
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第9話より引用>

 あぁ……

 あぁ……パレオにそんな表情をさせてしまうだなんて。


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CGアニメの弱点を感じる/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第8話

 何だったんだ、この回は……
 いや、まぁ……「全員登場させて」「各バンドキャラがシャッフルされて」「ここでしか出来ない会話をさせたい」というのは分かるんですけど、色々なことを思ってしまった回でした。


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そして、彼女は走り出す。誰のために、何のために/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第3話
『BanG Dream!3rd Season』3話でPoppin'Partyはどうしてライブハウスを満員に出来たのか
マジで彩ちゃん出てこねえ/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第4話
私の推しががんばる回/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第5話
衝突するロゼリアと、衝突すらできないRAS/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第6話
まだなっていない三つ巴/『BanG Dream!3rd Season』アニメ第7話



 『BanG Dream!3rd Season』公式サイト

 今更ですけど、『バンドリ』のアニメは2期からCGアニメになりました。ところどころ「手描き」で補っているところはあるけれど、キャラクターの動きや表情はCGで作られています。
 アニメ1期は基本的に「手描き」だったのですが、そのクオリティが安定していなかったためアニメファンの間での評判はイマイチで……という反省から、アニメ2期からはCGアニメになってクオリティが安定するようになって、評判も上がったんですね。


 CGアニメ最大のメリットは「使いまわしが効く」ことにあると思います。
 アニメ2期で作ったモデリングがアニメ3期でもそのまま使えますし、25人全員が一堂に介して動くなんて「手描きだったら卒倒しそうなシーン」も破綻なく作れます(それも、実際に作るのは大変なんでしょうが、手描きに比べれば出来るって話ね)。

 逆に、デメリットは「応用が効かない」ことです。
 モデリングしていないことは出来ないというか……


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 温泉旅行に来ているのに、全員制服!


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 パスパレに至っては、ステージ衣装で温泉リポートしている……!



 CGアニメって「制服」とか「スーツ」とか、いつも同じ服を着ているような作品には向いているのですが……例えば『三ツ星カラーズ』みたいに「小学生なので着ている服が毎回変わる」みたいなアニメには向いていないんですね。「使いまわしが効かないアニメ」には向いていないんです。
 『バンドリ』も各キャラは基本的に「制服」で、ライブの時は「ステージ衣装」なので、CGアニメに向いていると判断されたのでしょうが……こういう“普段とはちがうイレギュラーなことをする回”には弱いんですね。短いシーンとか、動きの少ないところだと、「手描き」で補うこともやっているのですが………


 だから、せっかくの温泉回なのに……


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 首から上しか映らない!

 これは別に『バンドリ』は中高生も観ている健全なアニメだからお色気シーンを排除しているんですよというワケではなくて、肩から下の裸のモデリングは作られていないというだけの話だと思います。なので、風邪で寝込むシーンとかも、きっちり肩まで布団をかけて、絶対に体が出ないように微動だにしないという……



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 香澄、オマエ風呂上りでもその髪型なのか……

 とかね。温泉回は「普段は見せないキャラクターの様子が見られる」のが良さで、例えば普段は結んでいる髪の毛をお風呂上りだから下ろすみたいのが見たいワケじゃないですか。なのに、CGアニメだとそれを見せることが出来ない―――まだまだCGアニメは万能じゃないんだなぁと痛感しました。



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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 でも、じゃあ「見所のない回」なのかというとそうでもなくて……
 この6バンドのドラムが全員集まるシーンは、「いろんなバンドがあるから他から学べるものがある」と描いてきた『バンドリ』を象徴するシーンで今後につながっていきそう。
 ドラム全員集まるネタは『ガルパピコ』にもあったし、ゲーム版では時たま「各パート5人で集まって話す」ところがあるんですけど、ドラムはみんなしっかりしているからこういうマジメな話が出来るんですよね。ギターだとほら、ぶっ飛んだ人しかいなくて大変じゃないですか(笑)。


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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 ハロハピとパスパレとポピパの話を聞いたマスキングは何を思うのか……
 バンドとは何か、仲間とは何か。



◇ で、百合なの?
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<画像はアニメ版『BanG Dream!3rd Season』第8話より引用>

 百合かどうかは置いといて、このクロスワードパズルおかしくない?

 カギの番号が置いてある位置がめちゃくちゃで、13番とか15番とか19番とか22番、23番24番30番39番42番とか……文字の途中にカギの先頭が来ちゃっているんです。
 かと言って、テキトーにそれっぽい画像を用意してあるワケじゃなくて……実はカギの通りに文字は埋まるように出来ているという。例えば「縦の1」はマスの数は6マスですが、「霧の都」なので正解は「ロンドン」。「縦の9」は「リスの大好物」なので「どんぐり」。普通のクロスワードならば「縦の1」に6マスの言葉を入れるのに、このクロスワードは4マスの言葉が2つ重なるようになっているという。

 クロスワードパズルの文法としては間違っているのに、ちゃんとパズルとして作ろうとはしている痕跡が垣間見えて……「ここにクロスワードの問題を映したいからテキトーに作っておいて」と指示された人が、パズルなんか作ったことないのに少ない時間で必死に作ったのかなぁなんて考えたりして……



 ということで、途中までしか問題は見えませんが解きました!

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 クロスワードの文法としては間違っているけど、面白かったです!



 

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