『Wii Sports』も『Wii Fit』も基本無料ソフトになった
この映像の中では『Wii Fit U』だけでなく、『Wii Sports』の新作『Wii Sports Club』も発表されました。前世代機Wiiの象徴だった『Wii Sports』と『Wii Fit』の新作が一緒に公開されたということですね。
色々と思うことがあってTwitterにも愚痴愚痴書いていましたけど……
一日経って冷静になって考えてみると、自分が不満に思っていることの根本は「あんまり面白そうじゃないな……」というだけの話で。
これは『Wii Sports』も『Wii Fit Plus』も大好きだったために、前作にオンライン対戦を足したとか前作にフィットメーターを足したとかの情報に「俺が好きだったのはそういうとこじゃなかったんだけどなぁ」とガッカリしてしまっだだけの話で。結局のところ「好きなゲームの続編は楽しめない」といういつもの私の我侭で。
こういう話は誰にも同意されないことは分かっていますし、皆さんも興味ないでしょうから……今日は私の感想なんかは置いといて、「この二つのソフトで任天堂は何をしたいのか」「任天堂にとってはこのソフトはどういう位置付けなのか」を考えていこうと思います。一日経って、冷静になったところもあるので。
まずは二つのソフトの説明。
『Wii Sports Club』は10月30日よりダウンロード専用ソフトとして発売されます。
このソフトのダウンロードは無料です。
2006年に発売された『Wii Sports』に収録されていた「テニス」「ボウリング」「ベースボール」「ゴルフ」「ボクシング」を、それぞれWii U用にリニューアルしたソフトです。Wii U用にリニューアルしてあるので、HDグラフィック・モーションプラス専用・オンライン対戦対応になりました。
10月30日に遊べるのは「テニス」と「ボウリング」。
残りの種目は随時追加されていくんだと思います。
このソフトの最大の特徴は、その料金体系です。
まずは普通のダウンロードソフトのように、各種目を一つずつ1000円で購入するという方法があります。『すれちがいMii広場』で追加の4つのゲームを買うとか、『だるめしスポーツ店』で野球ゲームを買うのとかと同じ方法ですね。
もう一つは200円で「24時間利用券」を買うという方法です。
200円を払えば、その時に配信されている種目全てが24時間遊べるということで―――『WiiカラオケU』に近い方法ですね。「友達が遊びに来たから、200円払ってみんなで遊ぼう!」という接待ゲーム向けの方法なのです。
また、『Wii Sports Club』は最初に起動した時から24時間は全ての種目が遊び放題ということで――――「最初の200円はサービスだよ」ってことですね。記事タイトルに“『Wii Sports』も基本無料ソフトになった”と書きましたが、正確には「『Wii Sports』も基本無料ソフトになった(ただし24時間だけ)」です。
現在のところはパッケージ版は発表されていません。
完成した種目からダウンロード配信して5種目全てが配信されたら全部入りのパッケージ版を出すって可能性はあると思いますし、本体に最初から5種目入っている本体内蔵版とかも出る可能性もありますが……
現時点で発表されているのは、Wii Uをインターネットに繋いでいる人だけが買えるダウンロード版だけですし、恐らく“ダウンロード版の新しい形”を多くの人に体験してもらいたいために(少なくとも最初は)パッケージ版は出さないんだと思います。パッケージ版が出たら、みんなそっちを買っちゃうでしょうからね。
次に『Wii Fit U』。
ダイレクトの映像ではフィットメーターの話ばかりで、フィットメーターに興味のない自分はガッカリするだけだったのですが。公式サイトによると随分と前作からパワーアップしているところもあるみたいです。
Wii Uゲームパッドの内カメラを使って、「ヨガ」「筋トレ」「ダンス」をしている自分の姿を映し姿勢チェックが出来る―――とか。
『Wii Fit』は全48種類のトレーニング、『Wii Fit Plus』は21種類追加されて全69種類のトレーニングでしたが……『Wii Fit U』はその内の58種目+新作19種目で全77種類のトレーニングになっているとか。
「前作までのトレーニングが11種類削られている」けれど、重複しているトレーニングもあったので整理されているのはそんなにおかしくないかな。「ながら○○」もゲームパッドの画面があるからなくなっていると思われますし。
新作19種目の中で既に発表されているのは「足踏み水鉄砲」「ウェイター」「ボブスレー(スケルトン?)」「レガッタ」「フラダンス」「スキューバダイビング」「トランポリン」……2012年時点の情報も入っているので、没になったのもあるかもですが。
ソフトの正式発売は来年の2月1日。
ソフト単体のダウンロード版は3500円。
ソフトのパッケージ版とフィットメーターのセットは5985円。
バランスWiiボードとソフトのパッケージ版とフィットメーターのセットは9975円。
しかし、このソフトは10月31日からダウンロード版の先行キャンペーンが行われます。
バランスWiiボードを持っていないと遊べませんが、Wii Uをインターネットに繋いでいる人ならば誰でも無料でダウンロードすることが可能です。そして1ヶ月間は遊び放題です。
1ヶ月以上遊びたい人は、2485円のフィットメーターを買って登録すればその後もずっと遊び続けることが出来ます。バランスWiiボードを持っていて、Wii Uをインターネットに繋いでいる人限定ですが、周辺機器を買えば『Wii Fit U』は無料で楽しめるということです。
前作『Wii Fit Plus』もバランスWiiボードを持っている人は定価2000円のパッケージ版で遊べたので、フィットメーター一つ2485円で遊べるというのは前作に引き続いて嬉しい価格設定ですね。家族全員分フィットメーターを買いますって人は大変でしょうけど(笑)。
自分はWii U本体を発売日に買いましたし、任天堂以外のメーカーからもWii U用ソフトがたくさん出て欲しいと思っています。そのためにはWii U本体がたくさん売れて、たくさん普及しなければ―――と思っていたので、『Wii Sports』の新作や『Wii Fit』の新作にはWii U本体を普及させる役目を期待していました。
『Wii Sports』も『Wii Fit』も国内だけで300万本以上売り上げた超キラータイトルだというのもあるのですが、それ以上にこの二つのシリーズは「3DSでは絶対に出来ないソフト」だからです。
Wii Uのキラータイトルとして期待されている『Newマリオ』も『マリオ3D』も『マリオカート』も『スマッシュブラザーズ』も『どうぶつの森』も、「でも、それって3DSでも出ているよね」という現状ですから。「3DSでは出ない、Wii Uならではのソフト」は、『Wii Sports』や『Wii Fit』や『Wii Party』が最後の砦になると思っていたのです。
ですが、蓋を開けたら「ダウンロード専売ソフト」「ダウンロード版を実質3ヶ月先行」です。ダウンロード専売ソフトを応援し続けていた私ですら、というか私ですから、これは無謀極まりないと思います。
パッケージソフトが品切れだった『とび森』や『モンハン4』は例外として、『トモコレ』なんかの例でもダウンロード版は全体の10分の1という比率だそうです。その状況で、Wii U最後の希望の光だった両ソフトをダウンロードソフトとして売っていくというのは――――「あぁ……これでWii U普及の可能性は完全になくなった」と落胆してしまいました。
しかし、一日経って冷静になってみると、その意図がなんとなく分かりました。
『Wii Sports』や『Wii Fit』がキラーソフトだからこそ、「新しいビジネスモデルの模索」に当てはめてみようという試みなんじゃないかと思うのです。パッケージ版で手堅く売るのは後回しにして、インターネットを使った新しい売り方を見つけようと。
『Wii Sports Club』の「24時間200円」という売り方は、今日初めてプレイしてもそこそこ楽しめる『Wii Sports』ならではだと思います。もしこれを『Newマリオ』シリーズのように「上手くなることが楽しい」ゲームに当てはめてしまったら、楽しくなる前に終わってしまいます。
『Wii Fit U』の「最初の1ヶ月は無料」という売り方は、長く続けることに意味のある『Wii Fit』ならではだと思います。もしこれを『ゼルダの伝説』シリーズのように「クリアを目指す」ゲームに当てはめてしまったら、無料期間の間にクリアしてしまうと思います。
任天堂はもちろん私達より多くのデータを持っています。
以前に書いた3DSやWii Uの基本無料ソフトのダウンロード数と売上げ数のデータ等から、『Wii Sports Club』や『Wii Fit U』は「この方法で行こう」と決めたのでしょうし。
もしこの二つのソフトがビジネスとして成功したのなら、任天堂はもちろん他のメーカーさんからもこういう売り方のソフトが出てくるかも知れませんよね。その礎として300万本クラスのソフトを投入するというのは、逆に考えるとそれほど大きな覚悟があるということなのかも知れません。
そう!これはつまり『安藤ケンサク2』のフラグだったんだよ!!
ってなワケはないと思いますが……
パーティゲームやボードゲームは「24時間○○円」という売り方はアリだと思います。
バンダイナムコから『TANK!TANK!TANK!』が既に出ていることを見れば、任天堂はサードメーカーにもこのやり方を開放するのだと思われますし、今までの「売り切り」のビジネスモデルでは成功していなかったソフトが出てくる可能性はあるんじゃないかと期待しています。
eShopの項目で「友達が遊びに来た時向け24時間○○円ソフト!」みたいな特集をすればイイだけですしね。
こういうことを書くのは気が引けるんですけど。
『Wii Sports Club』の「1種目1000円」は高いですよ。
『Wii Sports』が同じ5種目で定価4800円だったことを考えると、お値段アップしています。追加要素のモーションプラス対応も「ボウリング」と「ゴルフ」は既に『Wii Sports Resort』で対応されていますし、オンライン対戦もボイスチャットはないみたいですしね。
「Miiverseで簡易メッセージが送れます」って言われても、Wiiリモコンプラス振り回して「テニス」している傍らにゲームパッドに書き込むような余裕あるかよ!って思ってしまいます。
でも、「24時間200円」という方法もあることを考えると、この価格設定は任天堂としても「ユーザーは高めでも買い切りを選ぶのか、時間限定だけど安い方を選ぶのか」を知りたいのかなーと。
パッケージ版も後から出すかも知れませんが……
DSの時に『絵心教室』をDSiウェア版→パッケージ版という順番で出してもパケ版は売れた経緯があるので、「パッケージ版は後回しでも売れる」って見方も出来なくはないんですね。もちろん当時と今ではダウンロードソフトの認知率が違うとは思いますが。
ということで、最後は「私の感想」で締めくくろうと思います。
「大好きなゲームの続編」としては正直あまりテンションが上がりませんでしたし、少なくともこの年末商戦でWii Uが普及するのは難しいだろうとは思いました。その点はガッカリなんですけど、任天堂が300万本クラスのソフトを投入してまで「新しい方法」を提案していることで、これから面白いソフトが出てくるんじゃないかと期待できました。
Wii Uの記事は毎回最後に「これから面白いソフトが出てくるんじゃないかと期待できました」って書いている気がするんで、「それはいつだよ!」って話なんですけど(笑)。
今回の二つのソフトは、このブログで今まで書いてきた「Nintendo Web Framework」や「Unity」の話や、「Free to Play型のソフト」の話の流れに沿ったソフトとも言えて―――ようやくそれが形になって見えてきたってことかも知れませんね。
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