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『Wii Sports』も『Wii Fit』も基本無料ソフトになった

 9月18日、自分が期待していた「Wii Fit U Direct」の映像が公開されました。
 この映像の中では『Wii Fit U』だけでなく、『Wii Sports』の新作『Wii Sports Club』も発表されました。前世代機Wiiの象徴だった『Wii Sports』と『Wii Fit』の新作が一緒に公開されたということですね。





 色々と思うことがあってTwitterにも愚痴愚痴書いていましたけど……
 一日経って冷静になって考えてみると、自分が不満に思っていることの根本は「あんまり面白そうじゃないな……」というだけの話で。
 これは『Wii Sports』も『Wii Fit Plus』も大好きだったために、前作にオンライン対戦を足したとか前作にフィットメーターを足したとかの情報に「俺が好きだったのはそういうとこじゃなかったんだけどなぁ」とガッカリしてしまっだだけの話で。結局のところ「好きなゲームの続編は楽しめない」といういつもの私の我侭で。

 こういう話は誰にも同意されないことは分かっていますし、皆さんも興味ないでしょうから……今日は私の感想なんかは置いといて、「この二つのソフトで任天堂は何をしたいのか」「任天堂にとってはこのソフトはどういう位置付けなのか」を考えていこうと思います。一日経って、冷静になったところもあるので。



 まずは二つのソフトの説明。
 『Wii Sports Club』は10月30日よりダウンロード専用ソフトとして発売されます。
 このソフトのダウンロードは無料です。

 2006年に発売された『Wii Sports』に収録されていた「テニス」「ボウリング」「ベースボール」「ゴルフ」「ボクシング」を、それぞれWii U用にリニューアルしたソフトです。Wii U用にリニューアルしてあるので、HDグラフィック・モーションプラス専用・オンライン対戦対応になりました。

 10月30日に遊べるのは「テニス」と「ボウリング」。
 残りの種目は随時追加されていくんだと思います。


 このソフトの最大の特徴は、その料金体系です。
 まずは普通のダウンロードソフトのように、各種目を一つずつ1000円で購入するという方法があります。『すれちがいMii広場』で追加の4つのゲームを買うとか、『だるめしスポーツ店』で野球ゲームを買うのとかと同じ方法ですね。



 もう一つは200円で「24時間利用券」を買うという方法です。
 200円を払えば、その時に配信されている種目全てが24時間遊べるということで―――『WiiカラオケU』に近い方法ですね。「友達が遊びに来たから、200円払ってみんなで遊ぼう!」という接待ゲーム向けの方法なのです。

 また、『Wii Sports Club』は最初に起動した時から24時間は全ての種目が遊び放題ということで――――「最初の200円はサービスだよ」ってことですね。記事タイトルに“『Wii Sports』も基本無料ソフトになった”と書きましたが、正確には「『Wii Sports』も基本無料ソフトになった(ただし24時間だけ)」です。



 現在のところはパッケージ版は発表されていません。
 完成した種目からダウンロード配信して5種目全てが配信されたら全部入りのパッケージ版を出すって可能性はあると思いますし、本体に最初から5種目入っている本体内蔵版とかも出る可能性もありますが……
 現時点で発表されているのは、Wii Uをインターネットに繋いでいる人だけが買えるダウンロード版だけですし、恐らく“ダウンロード版の新しい形”を多くの人に体験してもらいたいために(少なくとも最初は)パッケージ版は出さないんだと思います。パッケージ版が出たら、みんなそっちを買っちゃうでしょうからね。





 次に『Wii Fit U』
 ダイレクトの映像ではフィットメーターの話ばかりで、フィットメーターに興味のない自分はガッカリするだけだったのですが。公式サイトによると随分と前作からパワーアップしているところもあるみたいです。

 Wii Uゲームパッドの内カメラを使って、「ヨガ」「筋トレ」「ダンス」をしている自分の姿を映し姿勢チェックが出来る―――とか。
 『Wii Fit』は全48種類のトレーニング、『Wii Fit Plus』は21種類追加されて全69種類のトレーニングでしたが……『Wii Fit U』はその内の58種目+新作19種目で全77種類のトレーニングになっているとか。

 「前作までのトレーニングが11種類削られている」けれど、重複しているトレーニングもあったので整理されているのはそんなにおかしくないかな。「ながら○○」もゲームパッドの画面があるからなくなっていると思われますし。

 

 新作19種目の中で既に発表されているのは「足踏み水鉄砲」「ウェイター」「ボブスレー(スケルトン?)」「レガッタ」「フラダンス」「スキューバダイビング」「トランポリン」……2012年時点の情報も入っているので、没になったのもあるかもですが。



 ソフトの正式発売は来年の2月1日。
 ソフト単体のダウンロード版は3500円。
 ソフトのパッケージ版とフィットメーターのセットは5985円。
 バランスWiiボードとソフトのパッケージ版とフィットメーターのセットは9975円。



 しかし、このソフトは10月31日からダウンロード版の先行キャンペーンが行われます。
 バランスWiiボードを持っていないと遊べませんが、Wii Uをインターネットに繋いでいる人ならば誰でも無料でダウンロードすることが可能です。そして1ヶ月間は遊び放題です。

 1ヶ月以上遊びたい人は、2485円のフィットメーターを買って登録すればその後もずっと遊び続けることが出来ます。バランスWiiボードを持っていて、Wii Uをインターネットに繋いでいる人限定ですが、周辺機器を買えば『Wii Fit U』は無料で楽しめるということです。


 前作『Wii Fit Plus』もバランスWiiボードを持っている人は定価2000円のパッケージ版で遊べたので、フィットメーター一つ2485円で遊べるというのは前作に引き続いて嬉しい価格設定ですね。家族全員分フィットメーターを買いますって人は大変でしょうけど(笑)。





 自分はWii U本体を発売日に買いましたし、任天堂以外のメーカーからもWii U用ソフトがたくさん出て欲しいと思っています。そのためにはWii U本体がたくさん売れて、たくさん普及しなければ―――と思っていたので、『Wii Sports』の新作や『Wii Fit』の新作にはWii U本体を普及させる役目を期待していました。

 『Wii Sports』も『Wii Fit』も国内だけで300万本以上売り上げた超キラータイトルだというのもあるのですが、それ以上にこの二つのシリーズは「3DSでは絶対に出来ないソフト」だからです。
 Wii Uのキラータイトルとして期待されている『Newマリオ』も『マリオ3D』も『マリオカート』も『スマッシュブラザーズ』も『どうぶつの森』も、「でも、それって3DSでも出ているよね」という現状ですから。「3DSでは出ない、Wii Uならではのソフト」は、『Wii Sports』や『Wii Fit』や『Wii Party』が最後の砦になると思っていたのです。



 ですが、蓋を開けたら「ダウンロード専売ソフト」「ダウンロード版を実質3ヶ月先行」です。ダウンロード専売ソフトを応援し続けていた私ですら、というか私ですから、これは無謀極まりないと思います。
 パッケージソフトが品切れだった『とび森』や『モンハン4』は例外として、『トモコレ』なんかの例でもダウンロード版は全体の10分の1という比率だそうです。その状況で、Wii U最後の希望の光だった両ソフトをダウンロードソフトとして売っていくというのは――――「あぁ……これでWii U普及の可能性は完全になくなった」と落胆してしまいました。




 しかし、一日経って冷静になってみると、その意図がなんとなく分かりました。
 『Wii Sports』や『Wii Fit』がキラーソフトだからこそ、「新しいビジネスモデルの模索」に当てはめてみようという試みなんじゃないかと思うのです。パッケージ版で手堅く売るのは後回しにして、インターネットを使った新しい売り方を見つけようと。


 『Wii Sports Club』の「24時間200円」という売り方は、今日初めてプレイしてもそこそこ楽しめる『Wii Sports』ならではだと思います。もしこれを『Newマリオ』シリーズのように「上手くなることが楽しい」ゲームに当てはめてしまったら、楽しくなる前に終わってしまいます。

 『Wii Fit U』の「最初の1ヶ月は無料」という売り方は、長く続けることに意味のある『Wii Fit』ならではだと思います。もしこれを『ゼルダの伝説』シリーズのように「クリアを目指す」ゲームに当てはめてしまったら、無料期間の間にクリアしてしまうと思います。




 任天堂はもちろん私達より多くのデータを持っています。
 以前に書いた3DSやWii Uの基本無料ソフトのダウンロード数と売上げ数のデータ等から、『Wii Sports Club』や『Wii Fit U』は「この方法で行こう」と決めたのでしょうし。

 もしこの二つのソフトがビジネスとして成功したのなら、任天堂はもちろん他のメーカーさんからもこういう売り方のソフトが出てくるかも知れませんよね。その礎として300万本クラスのソフトを投入するというのは、逆に考えるとそれほど大きな覚悟があるということなのかも知れません。



 そう!これはつまり『安藤ケンサク2』のフラグだったんだよ!!
 ってなワケはないと思いますが……

 パーティゲームやボードゲームは「24時間○○円」という売り方はアリだと思います。
 バンダイナムコから『TANK!TANK!TANK!』が既に出ていることを見れば、任天堂はサードメーカーにもこのやり方を開放するのだと思われますし、今までの「売り切り」のビジネスモデルでは成功していなかったソフトが出てくる可能性はあるんじゃないかと期待しています。

 eShopの項目で「友達が遊びに来た時向け24時間○○円ソフト!」みたいな特集をすればイイだけですしね。






 こういうことを書くのは気が引けるんですけど。
 『Wii Sports Club』の「1種目1000円」は高いですよ。
 『Wii Sports』が同じ5種目で定価4800円だったことを考えると、お値段アップしています。追加要素のモーションプラス対応も「ボウリング」と「ゴルフ」は既に『Wii Sports Resort』で対応されていますし、オンライン対戦もボイスチャットはないみたいですしね。
 「Miiverseで簡易メッセージが送れます」って言われても、Wiiリモコンプラス振り回して「テニス」している傍らにゲームパッドに書き込むような余裕あるかよ!って思ってしまいます。


 でも、「24時間200円」という方法もあることを考えると、この価格設定は任天堂としても「ユーザーは高めでも買い切りを選ぶのか、時間限定だけど安い方を選ぶのか」を知りたいのかなーと。




 パッケージ版も後から出すかも知れませんが……
 DSの時に『絵心教室』をDSiウェア版→パッケージ版という順番で出してもパケ版は売れた経緯があるので、「パッケージ版は後回しでも売れる」って見方も出来なくはないんですね。もちろん当時と今ではダウンロードソフトの認知率が違うとは思いますが。




 ということで、最後は「私の感想」で締めくくろうと思います。
 「大好きなゲームの続編」としては正直あまりテンションが上がりませんでしたし、少なくともこの年末商戦でWii Uが普及するのは難しいだろうとは思いました。その点はガッカリなんですけど、任天堂が300万本クラスのソフトを投入してまで「新しい方法」を提案していることで、これから面白いソフトが出てくるんじゃないかと期待できました。

 Wii Uの記事は毎回最後に「これから面白いソフトが出てくるんじゃないかと期待できました」って書いている気がするんで、「それはいつだよ!」って話なんですけど(笑)。
 今回の二つのソフトは、このブログで今まで書いてきた「Nintendo Web Framework」や「Unity」の話や、「Free to Play型のソフト」の話の流れに沿ったソフトとも言えて―――ようやくそれが形になって見えてきたってことかも知れませんね。


| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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『Wii Sports Resort』の憂鬱

 『ゼルダ』の記事を書いて、ちょっと誤解されちゃったみたいなんですが……
 僕はWiiモーションプラス持っていますよ!『レギンレイヴ』のために単品を買いました。そして、今回『GO VACATION』の対戦プレイ用にWiiリモコンプラスも買いました。『Wii Sports Resort』同梱版を。なので今日は『Wii Sports Resort』の話。


Wiiスポーツ リゾート (「Wiiリモコンプラス (アオ) 」1個同梱)
Wiiスポーツ リゾート (「Wiiリモコンプラス (アオ) 」1個同梱)


 結論から言っちゃうと、「やっぱ俺は好きだったゲームの続編は買うべきじゃなかったなぁ」というところです。
 不満だったゲームの続編は不満点を解消してもらえるだけで「良くなった」と思えるのですが、満足していたゲームの続編は自分の好きだった部分が削られていたりして楽しめないのです。「俺の好きだった○○と違っちゃったなぁ……」と。



 『Wii Sports』も『Wii Sports Resort』も知らん!という人のために解説。

 『Wii Sports』は2006年12月2日にWii本体と同時に発売されたソフトです。
 Wiiリモコンの機能を知らしめる意図があったのでしょう、「Wiiリモコンを振って遊ぶ」ゲームが「テニス」「野球」「ボウリング」「ゴルフ」「ボクシング」と5種類入っています。『Wii Sports』最大の魅力は、遊びに来た友達が初めてコントローラを触っても遊べてしまうところにあったと思います。

 この辺の話は過去に何度も書いているので、そちらの記事もどーぞ。

(関連記事:『トモダチコレクション』が売れた理由から目を背けてはならない
(関連記事:Wiiが成し得なかった“革命”~その2.予備知識の要らないゲーム



 『Wii Sports Resort』はその続編。
 2009年6月25日に、Wiiリモコンに取り付ける周辺機器“Wiiモーションプラス”同梱&専用ソフトとして発売されました。Wiiモーションプラスというのは、Wiiリモコンにジャイロセンサーをくっ付けるというもの。ざっくり説明すると、Wiiリモコン単体では検出できない「より正確な動き」を検出してくれるのです。


 具体例を。
 『Wii Sports』の「テニス」は“振ったかどうか”しか検出してくれませんでした。Wiiリモコンをフォア(利き手側)で振ろうが、バック(利き手の逆側)で振ろうが、「振った!」と検出して返してしまったんですね。

 『Wii Sports Resort』の「ピンポン(卓球)」は、Wiiリモコンを構えている時点で“フォアに構えているかバックに構えているか”まで検出してくれます。なので、飛んできたボールに対して“フォアで打てるように”“バックで打てるように”キャラクターが動くのです。
 これにより、「フォアで構えていたら急にバックにボールが来て打ち返せなかった」というリアル卓球のようなゲームになっているのです。



 もういっちょ。
 『Wii Sports』の「ゴルフ」は“振った強さ”しか検出してくれませんでした。基本的にボールは真っ直ぐにしか飛ばず、意図的にスピンをかけることが出来なかったんですよね(敢えてミスして横に曲げることは出来ましたけど)。

 『Wii Sports Resort』の「ゴルフ」は、手首の傾きまで検出して“右に曲げながら打つ”“左に曲げながら打つ”ということが出来るようになりました。リアルなゴルフに近づいたんですね。





 ということで、『Wii Sports』に物足りなさを感じていた人は、『Wii Sports Resort』発売当初絶賛している人が多かったです。「これが本当のWii Sportsだ!」とまで言われていて、現に任天堂の商品展開も『Wii Sports』に取って換わって『Wii Sports Resort』を主力商品としていますよね。

 僕自身も「一人で楽しむ」分にはコレもありかなと思っています。
 何だかんだ、毎日起動して「ピンポン」はプレイしています。



 でも、接待ゲームとしての良さはなくなったなと思うのです。
 『Wii Sports』は本当に「誰にでも操作できてしまう」ゲームでした。ゲームの知識も、スポーツの知識もいらなかったんです。だから、ポンと渡してその場ですぐに遊べてしまえたし、接待ゲームとして重宝したんです。僕はその点に大満足していたので、『Wii Sports Resort』には「俺の好きだったWii Sportsじゃなくなっちゃったなぁ……」とガッカリしてしまったのです。

 『Wii Sports Resort』は「リアルに近づいた」せいで、「ピンポン」でフォアとバックの違いに気を使わなきゃならなくなったし、「ゴルフ」でまっすぐボールを飛ばすのも一苦労になりました。一人用のゲームだったら「難しくなったくらいで文句言うなよ」と言われるのも納得ですけど、接待ゲームとしては「初心者がマトモに遊べない」のは致命傷だろうと思うのです。


 僕は遊べますけど、両親には「これは自分にはムリだ」と言われました。
 「誰でも遊べる」ことが最大の魅力だった『Wii Sports』の続編が、リアル&複雑になってプレイヤーを選ぶようになってしまったのは本当に残念です。


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 もちろん、そうは言っても『Wii Sports Resort』も大ヒットしていますし、楽しんでプレイしている人からすると「何てことを言うんだ!」「ウチでは普通に両親も楽しんでいるぞ!」「即刻この記事は削除しろ!」と思われることでしょう。
 自分が楽しめなかったからと言って、楽しめている人にどうこう言いたいワケじゃありません。



 自分が言いたいのは、何かが変わると“得るもの”と“失うもの”があるというだけの話。
 これは別に『Wii Sports』に限った話じゃなくて、先週書いた『ドラクエ2』と『ドラクエ5』の話にも通じる話なんです。

 出来ることが増えれば増えるほど、間口は狭くなる――――ということなんです。


 ゲームの続編は「色んなことが出来るようにしよう」とどんどん複雑化することが多いですし、前作に不満のあったファンもそれを望んでいたりもします。だから、続編は「良かれと思って」色んなことが出来るようになるし……その結果として新規ユーザーへのハードルが高くなってしまう。

 「色んなことは出来なくていいや」でヒットした『Wii Sports』ですらそうなんです。



 ……そう考えると、やっぱり『ドラクエ』って凄いですね。
 スーファミ時代に「自由度を捨てた」話もそうですけど。
 『ドラクエ3』で呪文や道具がとてつもない種類になって使いこなせなくなった人が増えたのを受けて、『ドラクエ4』は「主人公以外は勝手に動いてくれるから覚える必要がない」ようにしたんですもの。ファミコン時代の話ですよ。
 当時はオートで動く仲間に批判は集中しましたけど、あの頃から「出来ることが増えれば増えるほど間口は狭くなる」と分かって実際に舵を切っていたんだから、先見の明があったんだなぁとつくづく思います。すっげえ批判された結果、『ドラクエ5』では「めいれいさせろ」が付いちゃうんですけどね(笑)。


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| ゲーム雑記 | 17:42 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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接待用ゲームでの勝利とは何だ

 「Wiiで今まで遊んだ全ソフトを3行レビュー!」という記事を書いてみて、「自分一人で遊んだ時に面白いか」とは別に「友達が遊びに来た時に盛り上がれるか」という評価軸を自分は持っているんだなーと思いました。滅多に人が遊びに来ないのにね!


 特にWiiウェアやバーチャルコンソールのソフトは価格が500~1000円と安めなワケで、カラオケだとかボウリングだとかの近所のレジャー施設に行くよりも安価に楽しめます。ゲームって「友達と遊ぶ娯楽」としてはかなりリーズナブルな選択肢なんですよね。ゲーム機本体を持っている場合は、ですけど(笑)。



 んで、この“接待用ゲーム”……
 単に「プレイ人数1~4人」のゲームなら接待用ゲームになるというワケではありませんよね。
 僕:持ち主、友達:初心者、で対戦をするとボッコボコにやっつけてしまうゲームも沢山あります。ボコボコにやられる友達はもちろん楽しくありませんし、ボコボコにやっつける僕も全然張り合いがありません。場の空気も微妙になりますし、「このゲームは面白くない」と友達に思われてしまいます。

 これとは逆の喩えで……
 自分は『みんなのゴルフ』が超苦手で、友達の家でプレイするとみんなは3~5打のパープレイでまわっているところ、僕だけ12打とかかかるので。何かもうずっと僕一人でゲームしているみたいになるんですよ。僕も申し訳ないし、みんなもシラーッとしてしまう。



 接待用ゲームの「勝利」とは、友達に勝つことではないんです。
 僕も友達も手加減抜きで楽しんで、場が盛り上がることが「勝利」なんです。

 では、どういうゲームがこの条件を満たすのか?を考えていこうと思います。



1.「説明の要らないゲーム」は盛り上がる
 言うは易し、行うは難し。
 この代表のゲームは『Wii Sports』だと思うんですけど、『Wii Sports』が何故「誰にでも遊べるのか」ってあまり議論されないんですよね。もうちょっと盗むところを盗めば良かったのに、ゲーム会社の偉い人ですら「あれだけCMすればそりゃ売れるよ」みたいに言っちゃったのが勿体なかったです。

(関連記事:『トモダチコレクション』が売れた理由から目を背けてはならない
(関連記事:Wiiが成し得なかった“革命”~その2.予備知識の要らないゲーム


 『Wii Sports』が接待用ゲームとして優れていたところは、遊ぶ前に「説明」をしなくても遊べるところです。だから気軽に「みんなでやろうよ!」と言えるのです。

 Wii本体の発売直前、経済系のニュース番組に岩田社長が出演して、冷静に質問してくるキャスターの女性にWiiリモコンをポンと渡して「ハイ、ボールが来たんで振って下さい」と『Wii Sports』のテニスをやらせたのは衝撃的でした。
 ある程度の仕込みはあったのかも知れないけど、予備知識ゼロで「ハイどうぞ」で始められるゲームの威力を見せ付けられたというか。



 『もっと脳トレ』の「対戦お絵かき」も衝撃でした。
 1本のソフトで(DS本体があれば)16人まで対戦可能、ソフトの経験の有無に関係なく盛り上がれる凄いツールでしたね。何度も遊ぶと同じようなお題が出てくるのが惜しいところ。

 Wiiに限った話ではなく、『太鼓の達人』が人気シリーズなのもここの理由に当てはまりますね。
 熟練者しか踏み込めない領域になってしまった(と思われている)音ゲーの中で、ずーっと「誰にでも遊べそう」な位置を保ち続けているシリーズ。ちなみにWiiのサードメーカーソフト売上げランキング上位は『モンハン』『太鼓』『ドラクエソード』『太鼓2』『ドラクエモンスターバトルロード』です。『モンハン』『ドラクエ』に並んでいるという(笑)。


 言ってしまえば、Wiiウェアの『人生ゲーム』が売れていたのもこういう理由ですよね。
 ゲーム経験なんてなくても誰でも楽しめるだろうって、子どもでも楽しめるだろうって買った人が多かったのでしょう。蓋を開けてみたら…の話はともかく。『人生ゲーム』以上に「誰にでも遊べそうなゲーム」を提案できなかったことに、もどかしい想いを感じてしまいます。

(関連記事:『人生ゲーム』はどうしてWiiウェアランキング1位になり続けたのか



2.「昔遊んでいたゲーム」は盛り上がる
 新しいゲームは操作を覚えなきゃなりませんから、持ち主と初心者の間に実力差が生まれてしまいます。最近のゲームコントローラーはボタンも多いですしねぇ。どのボタンが何かを覚えるのに1週間くらいはかかっちゃいますよ。互角に戦ってもらうには、友達には1週間毎日通ってもらわないと。


 なので、「昔遊んだゲーム」は重宝します。
 バーチャルコンソールやゲームアーカイブスだけじゃなくて、「昔遊んだゲーム」のシリーズだったりリメイクだったり復刻版だったり、「対戦の定番ゲーム」はやっぱり強いです。

 WiiショッピングチャンネルのWiiウェアランキングを見ると……1位は『人生ゲーム』なのですが、2位は『ボンバーマン』、7位『テトリス』、10位『Dr.マリオ』と。1990年前後に出てきたシリーズ3作がトップ10に入っているという。キングカズか、オマエら!!
 ちなみに『ボンバーマン』はDSiウェアランキングでも有料2位です。どんだけ人気あるんだよ『ボンバーマン』は!!



 自分は苦手なんですけど、『マリオカート』が人気シリーズなのはこういう理由ですよね。
 スーファミ、64、ゲームキューブ……と、どの時代でもヒットしてきたことで、世代を超えて楽しめる接待用ゲームになっているという。キャッチボールやろうぜ!ババ抜きやろうぜ!と同じレベルで、「マリオカートやろうぜ!」が通用するという。

 あー、『NewマリオWii』のヒットもコレか。
 昔遊んだあのゲームが、今度は4人で遊べる―――



 「最近のゲーム批判」みたいに取られたら申し訳ないんですけど……
 最近の最新のゲームはやっぱり接待用には難しいと思うんです。昔は、ゲームがシンプルだったから1本のヒットに群がるジャンルが多かったじゃないですか。『ファミスタ』ヒットで野球ゲームが乱立したり、『ストII』ヒットで格闘ゲームが乱立したり。

 そうしたゲームは、『ファミスタ』さえ遊んでいれば他の野球ゲームをいきなり操作することは出来ましたし、『ストII』さえ遊んでいれば他の格闘ゲームをいきなり操作することは出来ました。んで、微妙な違いに文句を付けるという(笑)。

 でも、最近の最新のゲームは1本1本が「オリジナル」すぎて、それは一人で遊ぶ分にはとっても良い長所なんですけど、友達が遊びに来て初めて操作してもマトモに操作出来ないまま終わっちゃうんですよ。



3.「ハンデや逆転要素で互角の勝負になる」は盛り上がる……?
 実力差があっても、勝敗が確定しないタイプのゲームですね。

 『スマブラX』にはハンデ機能があって、上手い人に最初からダメージを付けた設定で対戦することが出来ます。設定によっては「勝っている人にはハンデが付く」みたいなことにも出来ます。そもそも『スマブラ』自体、偶発要素で逆転が起こりやすいゲームですしね。

 ハンデ機能っていつからあるんですかねぇ。
 スーファミの『ぷよぷよ』の頃には既にあったと思いますし、そもそも『ファミスタ』とかでチーム選べるのもハンデって言えばハンデだった気もします。あの頃「俺ライオンズファンだからライオンズ使ってイイ?」と言うと、「お前サイテーだな」と言われていたっけ。



 逆転が起こりやすいゲームと言えば、『マリオカート』は最近そういう傾向が強いですよね。
 下位にいるほど強力なアイテムが出やすいので、迂闊に序盤で1位を独走しているとトゲこうらとかキラーで吹っ飛ばされるという。



 実は、自分はこういうゲームが苦手です。
 ハンデって、「ハンデ付いているから負けただけだ」とか「ハンデあるから勝てただけだ」と思うだけであんまり盛り上がらないと思うんです。いや、もちろん自分ほど性格が捻くれ曲がっている人ばかりではないと思うんですけどさ。これが最適解だとは思わないんです。

 逆転要素も、クイズ番組とかの「最後の問題に正解した人には1000000000点です!」「今までの問題がイミないじゃないですか!」に通じるものがあると思うんです。『安藤ケンサク』の「パネル9」で、最終ターンまでトップ独走していたのに、他キャラの「お助け措置」で全部パネル奪われて0点で終わったことありますもの!


 まぁ、トップが頻繁に入れ替わった方がワーキャー盛り上がれるってのはあるんでしょうけどね。
 ゲーム側のコントロールでそれがあまりに露骨だと「頑張るのがバカらしくなる」ところはあります。




4.「もういっそのこと対戦しない」方が盛り上がる
 「魔法少女同士で戦ってもイミないよ!みんなで協力して魔女をやっつけようよ!」ってアレ。

 協力プレイは一つの“解”ですよね。
 対戦プレイは同じくらいの実力じゃないと盛り上がりませんが、協力プレイはむしろ実力差がある方が盛り上がったりします。

 『モンハン』は言うまでもなく、『NewマリオWii』も、地味にヒットしたWiiの『ドンキーコングリターンズ』も協力プレイが可能なゲームです。この「協力プレイが可能」とはオンラインによる協力プレイではなく、友達が遊びに来た時に可能なオフライン協力プレイという意味ですね。


 この「オンライン協力プレイ」と「オフライン協力プレイ」は全くの別物で、接待用ゲームという発想なら「オフライン協力プレイ」が重要だってのは分かってもらえると思いますし。現に日本では「オフライン協力プレイ」の有無で売上げが変わっているんですけど……(喩えば『モンハン』の据置版と携帯版の売上げ差とか)。


 なんだか、一部のメーカー以外はここをあまり重視していないよなぁと思ったりするのです。
 ぶっちゃけた話、「オフライン協力プレイ」って超強力な販売促進になると思うんですよ。特に据置機や、携帯機のダウンロードプレイのように“ソフト1本で複数人が遊べるゲーム”は、友達に誘われて「何この面白いゲーム!」と知る機会になるじゃないですか。


(関連記事:ニンテンドーDSのワイヤレスプレイ、使いました?


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 こう考えると、色んな方法がありますし実践しているソフトも沢山あることが分かりますね。


 んで、やっぱり思うのは……「一人で遊ぶと面白いゲーム」「同じくらいの実力の人と遊ぶと面白いゲーム」「違う実力の人と遊ぶと面白いゲーム」の3つは別だってことです。もちろん全部備えているものもありますけど。


 んで、「接待用ゲーム」に向いているのは基本的には「違う実力の人と遊ぶと面白いゲーム」なんですよね。例外として「みんなが遊んだことのあるゲーム」「みんな持っているゲーム」なんかもありますけど。大人になると、友達みんなが同じゲームを持っていることなんて機会は少なくなりますし、親子などの家族で遊ぶ場合は実力差が付くのが当然ですし。


 こういう“3つの評価軸”を意識すると、自分が面白くないと思ったゲームが「どうしてこんなに売れているの?」と理解出来ないことが減ると思うんです。ゲームを何に使っているのかに差があるというお話。


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Wiiが成し得なかった“革命”~その2.予備知識の要らないゲーム

 当初はWii発売3周年の12月2日にこの記事を書くつもりだったのですが、『トモコレ』話桜井さんの新作について先に語った方がイイかなと思っている間に1ヶ月以上が経ってしまいました。なんてこった。


 ということで、「その1」に続く「その2」を今日ようやく書きますよー。




 昨年の11月くらい。
 ペン入れでフラフラの頃に友達が差し入れに来てくれまして、僕も寝ていないしソイツも寝ていないという状況だったので、よし!じゃあ帰る前に『Wii Sports』やろうぜ!と寝ていない時特有のテンションで久々に全力で『Wii Sports』を勝負しました。

 いやー、久々にやると驚きますね。
 3年も前のゲームなのに、ちっとも古臭さを感じないという。

 そして、3年前も別に新しさは感じなかったという。
 もちろん「今までゲームをやらなかった人を巻き込めた」衝撃は凄かったんですけど、ゲームとして斬新なことをしているワケではなくて。どっちかというと『Wii Sports』って“ベタ”を極めていったゲームだと思うのですよ。ババ抜きとかオセロとかかくれんぼとかと一緒で。「ゲーム」というより「遊び」と表現した方がしっくりくるかも。


 なので、時代の波に関係なく楽しめる―――




 『Wii Sports』がヒットした理由って「簡単操作で誰でも遊べるから」とか「実際のスポーツのような直感操作だから」みたいなことがよく言われていて、もちろんそれらを否定はしませんけど、自分はそれらと同じくらい重要なことに「予備知識0で楽しめる」があったと思うのです。

 実際に友達や家族に『Wii Sports』を遊ばせたことがある人は分かると思います。
 このゲーム、説明が異様なほど短く済むんですよ。

・テニスの場合「ボール来たらリモコン振って!」
・ボクシングの場合「こう構えて、パンチするとパンチする」

 ゴルフだけはちょっと説明が面倒なんだけど(当時ゴルフの評判が悪かったのもそう考えると頷けます)(自分は好きなんだけどね)、他の4種目は10秒あれば説明が終わってしまいます。これ、接待ゲームとしては重要な要素だと思うんですよ。


 自分も大好きなゲームなので比較対照にするのは申し訳ないんですが、『スマッシュブラザーズ』ですら操作方法やルール説明に5分・10分はかかってしまいます。始めれば初心者でも楽しめるんですけど、始める前に説明しようとするとその間にみんなが飽きてしまうという。
 まー、自分もそっちの立場だったらそう思いますもの。説明はイイからさっさと始めようぜ、と。



 『Wii Sports』がここまで「説明が簡単なゲーム」になれた理由―――
 一つには、誰もが知っているスポーツを題材にしたことがあると思います。開発開始当初は「テニス」「野球」「ゴルフ」の3種目だったのが、「野球」に馴染みのない地域(ヨーロッパとか)を考慮して「ボウリング」と「ボクシング」を加えたという話ですしね。



 しかし、もっと重要なのは二つ目。
 『Wii Sports』のスポーツって、実際のスポーツより遥かに簡略化されているんですよ。
 テニスは選手の移動が出来ないし(オート移動)、野球はただ打つことしか出来ないし(送りバントやヒットエンドランはない)、ボクシングには距離の概念がないし―――宮本さんがコレらの理由を「開発期間が短かったから」と仰っているのを聴いたことがありますし、実際に簡略化されたことで物足りなさを感じなくもないんですが。


 『Wii Sports』の後―――喩えば『パワプロWii』のリモコン振るモードでは送りバントが出来るなど、実際のスポーツのように色んなことが出来るゲームがWiiでも出てきたんですけど。ただ振ることしか出来ない『Wii Sports』の方が、何も考えなくてイイから楽しかったりするんです。


 もちろん個人差はあるでしょうけどね。
 テニスの知識がない人は「どこでボールを待てばイイか」分かりませんし、野球の知識がない人は「送りバントをするべきカウント」が分かりません。『Wii Sports』前のスポーツゲームって、リアルなスポーツを再現しようとしていった結果「そのスポーツの予備知識がある人が有利」なゲームになっていったと思うんです。

 『ウイイレ』とかもそうですよね。サッカーの戦術に詳しい人が有利。


 『Wii Sports』が起こした本当に凄い“革命”ってココだったと思うのです。
 ゲームの予備知識も、スポーツの予備知識も要らない。
 “誰もが同じ条件で楽しめる”ゲームを目指していった結果、予備知識のある人が有利なゲームはもうやめようよというゲームが出来たんだと思います。だからこそ予備知識のある人が「あんなのはゲームじゃない!」と文句を言うんでしょうけど。



 ちなみにちなみに。
 『Wii Sports』のゲーム性に関して、自分は「ギリギリまでシンプルに削ってある」と思っているんですが……この“ギリギリ”のラインについてちょっと興味深い話があります。これは『NewマリオWii』発売に向けての「社長が訊く」で、宮本さんが『ドンキーコング』について語った話です。


<以下、引用>
宮本「どんどん上にのぼって行くのはカンタンなんです。
 転がってくるタルをよけるのもカンタンなんです。
 でも、その2つを同時にしようとすると難しくなる。
 しかも近道をしようと考えるから、さらに難しくなる。」
</ここまで>




 『ドンキーコング』は「避ける」と「進む」を同時にしなくてはならないゲーム。もっと言うと「避ける」べきか「進む」べきかを瞬時に判断しなければならないゲームだと思います。もし「一つのところに留まってタルを延々とジャンプして避けるゲーム」だとか、「ひたすら上に進むゲーム」だったとしたら、『ドンキーコング』はヒットしなかったと思います。



 『Wii Sports』もそうなんです。
 先ほど書いたとおりゴルフはもうちょっと複雑なんですが……
 テニスは「前衛で返す」か「後衛で返す」かを一つのリモコンで操作しなくてはなりません(二つor二人に分けることも出来ますけど。デフォルト設定では一人で二人のキャラを動かすようになっている)。野球は「打つ」か「見送るか」を判断するゲームだし、ボクシングは「撃つ」か「守るか」ですよね。

 選択肢は常に2コ用意されているんです。
 「シンプルなゲーム」を作ろうとして選択肢のない=1つのことだけを単にやるゲームも世の中にはあるんですけど、『Wii Sports』はそうではないんです。選択肢を用意して「リスク」と「リターン」があって、だからこそゲームになるという思想で作られているんです。この話、『Wii Fit Plus』の追加ゲームにも言える話ですよね。リスクをかけなければ高得点は狙えないという。



【三行まとめ】
・『Wii Sports』は「遊ぶための説明」が簡単に済むので、接待ゲームとして重宝する
・ゲームに関してもスポーツに関しても「予備知識が要らない」ので、誰でも楽しめる
・でも、プレイヤーに対して2つ以上の「選択肢」を与えることによって“ゲーム”になっている



 一番重要なのは、記事タイトルにもした「予備知識が要らない」というフレーズだと思っています。
 凄いね『Wii Sports』!ワーイワーイ最高だ!これでゲーム業界の未来も輝かしいものになるに違いないね!みんなが笑顔で楽しめるゲームがたくさんたくさん出てくるに違いないね!



 ……んで、そこから3年後の未来が現在ですよ。
 「成し得なかった“革命”」というか「続かなかった“革命”」というべきか。


 『Wii Sports』がどれだけヒットしても「予備知識の要らないゲーム」は「あんなのはゲームじゃない」扱いのままだという。
 何故『Wii Sports』が大ヒットしたのかの理由を「任天堂は資金があるからCMを大量に投入できるもんな」で済ませてしまった結果、任天堂だけが「予備知識の要らないゲーム」でヒット連発ウハウハ状態という。もちろん『トモコレ』もこの「ヒット連発」の中に含まれます。


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○ 「ゲームの文法」が分からない人達
 この話をブログに書いたかは忘れてしまったのですが……
 その差し入れに来た友達が『ドラクエ9』を貸してくれましてね、ただその当時は死ねるほど忙しかったので「母ちゃん、やる?」と渡してみたのです。『どうぶつの森』が大好きだった母ならハマる要素はあるだろうなという勝算の元に。

(関連記事:『ドラゴンクエスト9』が狙う「どうぶつの森の“次の1本”」の位置


 結果、今ではプレイ時間が200時間を超えたそうです。
 2007年から続けていた『どうぶつの森』も「時間が勿体ない」という理由でやめて、今はひたすら『ドラクエ9』をやっています。堀井雄二恐るべし、話を聞けば聞くほど『どうぶつの森』ユーザーに向いたゲームだと思うのだけどどうだろう。



 というのは結果であって、始めた当初は酷かったんですよ。
 母にとって初RPGですから、「RPGの文法」がさっぱり分からなくて戸惑ったそうです。手に入れたアイテムは片っ端から道具屋に売り払っていたとか、ストーリーが勝手に進むことにイライラするとか、RPGに慣れた人からすると信じられないことを話されていまして。

 極めつけはコレ。
 「ボタンを一生懸命押しているんだけど、敵の攻撃を避けてくれない」

 確かに……魔物の攻撃を棒立ちで受け続けるのって、慣れていないとイミ分からないですよね。「ダメージ1」でも喰らうことにストレス感じるとか。こういうものの見方があるんだ!と驚きましたよ。




 前に「2D『マリオ』はもはや文化である」という記事を書きまして、あの記事ではそれを肯定的に書いたんですけど……逆に否定的に捉えることも出来るよねと最近は考えています。
 「アクションゲームが苦手」と説明する時に「マリオですらクリア出来ない」と言う人が沢山いますもの。アクションゲームの代表であるがゆえに、世界一「自分にはムリだ」と思われているゲームかも知れないと思ったりもします。

 そういや、こないだ友人宅で『NewマリオWii』の4人同時プレイを遊んだんですけど……
 自分が“壁キック”をしていたら、他の3人から「ナニソレ!」と驚かれました。DS版『Newマリオ』やWii版『ギャラクシー』をやっていない人からすると“壁キック”は未知のテクニックなんですね。
 僕ら世代の男のコならば『スーパーマリオ』初代は8~9割の人が遊んでいると思いますし、Bダッシュジャンプは出来ると思うんですが……『マリオ3』のしっぽマリオで空が飛べる人、『マリオワールド』のマントマリオで空が飛べる人は数が減っていくだろうって思うのです。




 「そんなの知っていて当たり前だろ?」「そんなの出来て当たり前だろ?」
 でも、それについていけない人は沢山いるのです。

 だから、予備知識0でも楽しめる『Wii Sports』はヒットしたんです。
 今までのゲーム経験が全く役に立たないゲーム(本当は“慣れる”スピードにゲーム経験は関係あるんですけど)と思われたからこそ、『Wii Sports』のようなゲームはヒットしたんです。『Wii Fit』も半分くらいはそうだと思うし、『リズム天国ゴールド』とか『トモダチコレクション』とかもそうだと思っています。



 まーね。『ドラクエ9』も『NewマリオWii』も売れまくっているから、「予備知識0でも楽しめるゲーム」しか売れないってワケじゃないんですけどね。でも、それは『ドラクエ』ブランドや『マリオ』ブランドを維持し続けた結果に、プラス“今の時代で売れるためには”を考えてあるゲームだったからだと思っていて。




 「Wiiユーザーはゲームらしいゲームを買わない」
 アンチWiiの人達に限らず多くの人が言っている文言だと思うんですが……よく分からない現象を、よく分からない独自の言葉で説明した気になっているだけの文言だと自分は思っています。その単語を別の言葉に置き換えて考えてみれば、理由が分かるんじゃないでしょうか。


・Wiiユーザー →『Wii Sports』や『Wii Fit』目当てにWii本体を買った人達
・ゲームらしいゲーム →前世代(PS2、GC、Xbox)からあったようなゲーム


 「『Wii Sports』や『Wii Fit』目当てにWii本体を買った人達は、前世代(PS2、GC、Xbox)からあったようなゲームを買わない」

 ほらほら、分かりやすくなりました。
 もういっちょ分かりやすくするために踏み込んで、この記事で書いてきたことを代入してみましょう。


・『Wii Sports』や『Wii Fit』 → 「予備知識が要らないゲーム」
・前世代(PS2、GC、Xbox)からあったようなゲーム→ 予備知識が必要なゲーム


 「「予備知識が要らないゲーム」を求めてWii本体を買った人達は、予備知識が必要なゲームは買わない」

 そりゃそうだ!
 非常に分かりやすくてシンプルな文章になりましたね。



 実際、Wiiソフトの売上げ上位ソフトは「予備知識が要らないゲーム」が多いです。
 『街森』と『モンハン3』は例外かなと思いますし、『スマブラ』や『マリオカート』もグレーゾーンでしょうが。『Wii Sports』『Wii Fit』『はじめてのWii』は言うまでもなく、サードでは『太鼓の達人』や『カラオケ』、もっと言えば『ドラクエソード』や『バイオUC』もそっちの方向のソフトだと思うのです。


 従来からある「予備知識が必要なゲーム」にWiiリモコンを振る操作を取って付けて、「Wiiリモコンで簡単操作!」とかのCMコピーで結果ちっとも売れない―――とか、オマエは一体誰に売りたいんだというソフトって沢山ありますもんねぇ。
 今ではすっかり「Wiiリモコンをウリにしても売れない!」→「クラコン対応をウリにするぞ!」という流れで。恐らくこの後は「クラコン対応でも売れないじゃないか!撤退だ!」となるに100マーベラスを俺は賭けるぜ!




 「予備知識がない人」に「予備知識が必要なゲーム」を売るのは、任天堂ですら大苦戦しているのにねぇ。『マリオギャラクシー』にしても『トワイライトプリンセス』にしても……

 何百回と書いてきて誰にも同意されないことなんですけど。
 日本には「ゲームは好きだけどアナログスティックは使えません」って人が沢山いると思うんですよ。特に「予備知識が要らない」からWii本体を買ったって人達には多いと思っています。なのに、「アナログスティックくらい誰でも使えるっしょ?」というゲームがひっきりなしに出てくるという。


 なんで?
 Wii本体の普及台数が(そろそろ到達する)1000万台として、その内の半分の人しかアナログスティックを使えないとしたらアナログスティックを使うゲームは「俺には関係のないゲームだ」と思われて、普及台数500万台と変わらなくなると思うんですけど。

 半分は言いすぎ?
 僕はもっと少ないと思っていますよ。アナログスティック必須のソフトで最も売れたWiiソフトは『マリオギャラクシー』『モンハン3』の90万本付近ですもの。


(関連記事:アナログスティックに触れてこなかった世代をどう取り込むか
(関連記事:「思ったように操作できる」喜びと、「思ったように操作できない」楽しさ


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○ 「予備知識が必要なゲーム」を売るためには
 誤解されるといけないんで一応書いておきますけど、「予備知識が必要なゲームを作るな」と言っているワケじゃないですよ。でも、そういうゲームを売るために何をすべきかは考えないと苦しいよねと言いたいのです。


 『マリオギャラクシー』なんか典型的なソフトだったと思います。
 あのゲームは3Dマリオでありながら2Dマリオのような感覚で楽しめるように配慮してあるために、「初めてアナログスティックを使う人」でも「初めて3Dのアクションゲームを遊ぶ人」でも楽しめる凄まじい作品だったと自分は思っているのですが……

 でも、そういう売り方はしなかった―――
 「3Dマリオの新作が出ますよー」「どうです?楽しそうでしょう?」というCMを展開してしまった―――

 そのため「アナログスティック」や「3Dのアクションゲーム」に馴染みのない人は、「自分には関係のないゲームだ」と思ってしまったんじゃないかと思います。2Dマリオが大ヒット中の現在からすると、「どうしてわざわざ3Dで出したんだろう」と思ってしまうほどに。


 マジメな話、「アナログスティックなんて私には使えないよー」「いやいや、慣れると自由に動かせるのが楽しくなるんだよ」みたいな“はじめてのアナログスティック”的なCMをどこかでやる価値はあると思うんですけどねー。




 どこかのブログのコメント欄で、「『NewマリオWii』目当てにWii本体を買った人達には是非他のゲームにも興味を持ってもらいたいですね」みたいな意見を読んだことがあって……ちょっと考えさせられたんですけど。『NewマリオWii』の“次の1本”のソフトなんてあります?


 わーい!『NewマリオWii』楽しかったー!!
 次は何のゲーム遊ぼうかなー!よーし、『モンハン』だー!


 とはならんでしょ。
 同じ“アクションゲーム”というカテゴリーであっても、2D『マリオ』と『モンハン』じゃ「必要なスキル」「必要な知識」が違いすぎます。日本のプロ野球が好きな人に「スポーツ好きならアメフトにも興味あるよね?」と言うようなものです。そこは全然違うものだからっ!と言いたくなるのです。



 思うに……昔、ファミコンとかの時代ってマシンスペックに限りがあったんで「作れるゲーム」はある程度似通って当然だったと思うのですよ。もちろん「二匹目のドジョウ」を狙ったというのもあるんでしょうけど、多くのゲームが「○○みたいなゲーム」というジャンルに分けられたじゃないですか。「マリオみたいなゲーム」「グラディウスみたいなゲーム」「ドラクエみたいなゲーム」「テトリスみたいなゲーム」などなど……

 だから、「得意なジャンル」「好きなジャンル」みたいなプロフィールが成立したワケです。それぞれのジャンルに共通の部分が多かったですからね。


 ですが、プレステ・サターン・64くらいの時代から表現出来ることが増えて、多種多様なゲームが生まれるようになったじゃないですか。その分、一つ一つのゲームが“独立したもの”になっていって、共通する部分が減っていったんじゃないかと思います。それは作り手にとってもそうですが、遊び手にとっても深刻な問題で。

 「このゲームが楽しめれば、こっちのゲームも楽しめる」みたいなルートがなくなってしまったんだと思うのです。




 そう言えば……ウチのブログで何度かFPSの話を書いたことがあるんですけど、その度によく言われたことに「FPSは1本遊べれば他のFPSソフトも楽しめるのがイイ」というものがありました。つまり、ジャンル内で共通する部分が多いので、『ドラクエ』が流行った時のRPGだとか、『ストII』が流行った時の格闘ゲームみたいに、“次の1本”に手が出しやすいということなのかなと。

 まー、日本市場“全体”の数で言えば、“次の1本”の前に“最初の1本”がどれだか分からないというのが問題なんですけどね。「初心者にオススメのFPSを紹介するよ!」と10本くらい名前を挙げる人とかいますけど、その時点で初心者はブラウザを閉じると思うんだけど(笑)。




 流石に長文すぎてきたので、そろそろ締めようと思います。
 「予備知識の要らないゲーム」がヒットを重ねた00年代後半を受けて、「予備知識が必要なゲーム」はどういう売り方をしていけばイイのか―――が、ここからの焦点になるのかなーというのが現時点での僕の考えです。

 「予備知識の要らないゲーム」がヒットして、その続編も沢山出たじゃないですか。
 でも、任天堂がDSで展開したタチジェネ群も、Wiiで売れたサードのファミリー向けゲームも、続編はこぞって数字を落としています。『Wii Sports Resort』と『Wii Fit Plus』は例外なケースなんですよ。「予備知識の要らないゲームの続編」って、そりゃ欲しい人が減って当然だとも思いますし。



 『トモコレ』のように「予備知識の要らないゲーム」の新作をバシバシ出していければイイのだけど、流石に新作ゲームばかりに人員は割けないでしょうし(岩田さんは桜井チームにココを期待しているんじゃないかと自分は思っているのですが)。なので、『ドラクエ9』とか『NewマリオWii』のような売り方が他のソフトでも出来るかというのが一つのポイントなのかなと。

 シリーズソフトでありながら“今の時代に売れるもの”をどう組み込めるか。
 そういう意味で考えると……任天堂がWii用『ゼルダ』新作や『マリオギャラクシー2』をどう売ってくるのかが、“ウォッチャー”の立場での次の興味です。前作と同じことをやって「日本ではやっぱり売れなかったね」という結果だったら、据置ゲーム市場はいよいよ持って…と思わざるを得ません。


 いつも以上な長文すみませんでした。
 お読み下さって、どうも感謝しております。ではでは。


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「思ったように操作できる」喜びと、「思ったように操作できない」楽しさ

 1週間前に始めた『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』―――
 無事に“馬車護衛”のイベントを越え、2年半前に「もうイイや」とソフトを封印したところに追いつきました。2年半前よりも7時間ほど早いタイム。『ゼルダの伝説』というゲームは「解き方を思いつくか」が重要なので、一度クリアしたところはすんなりクリア出来るのは当然なことなんですけどね。


 ―――にしても、です。
 この2年半の間に、随分とアナログスティックに慣れたもんだと我ながら思いました。



 我が家のゲーム機遍歴は、ファミコン→スーファミ→サターン→プレステ→PS2→DS→Wiiという流れで、PS2は速攻でぶっ壊れたこともあり、スティック操作必須のゲームは実は『トワイライトプリンセス』が初めてでした。
 なので2年半前は全然イメージ通りに操作出来ず……ゲームの超序盤で、馬に乗って牧場の門を飛び越えて村に戻るシーンで10分以上かかったり。ゴロン鉱山最初のフロアで10回連続で溶岩に落っこちたり。


 「思ったように操作できない」ことで完全に心が折れてしまいました。
 それでも続けていれば上手くなるだろうと思っていたのだけど、20時間ほどプレイしても一向に上手くならなかったので「もーイイや」と封印したのが2年半前(他にも理由はゴマンとあるのだけど割愛します)。それ以降3Dアクションゲームにトラウマを抱いていました。



 そこから2年半―――
 『スーパーマリオギャラクシー』があって、『スマッシュブラザーズX』があって、『街へいこうよ どうぶつの森』があって。アナログスティック必須のゲームをプレイすることによって(『スマブラX』は十字キーでもプレイできるけど)、自分もアナログスティックに随分と慣れたんだなぁ…と改めて。

 特に『スーパーマリオギャラクシー』は、前述した3Dアクションゲームに対するトラウマを完全に払拭してくれて、アナログスティックをイメージ通りに動かせるように自分を育ててくれたゲームでした。
 ゲームとしての完成度や出来不出来はまだ分かりませんけど、「プレイしている間にアナログスティックに慣れていけるゲームバランス」という点では『トワイライトプリンセス』よりも『マリオギャラクシー』の方が上だったなぁと思いました。

(関連記事:アナログスティックに触れてこなかった世代をどう取り込むか


 というのも当然な話で……
 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は元々ゲームキューブ用ソフトの“集大成”として開発されていたゲームで、それが開発延期とともに「じゃあ、Wii版も作って本体同時発売にしよう!」となった複雑な経緯があって。

・ゲームキューブ版は「ゲームキューブを既に持っている人達に対する“集大成”なソフト」
・Wii版は「Wiiというゲーム機ではこんなことが出来るんだという“お披露目”的なソフト」

 という2つの側面を持たなければならなかったからでしょうね。
 ゲームキューブ版が「アナログスティックに慣れていない人」を対象にしないのも当然ですよね。本体発売から何年も経っていたのですから、既にゲームキューブのコントローラに慣れているプレイヤーを対象にして不思議はないです。
 でも、Wii版はそうではない。本体と同時発売のソフトでしたから。特にDS&Wiiはファミコン・スーファミ以降に任天堂機に触っていない人を大量に取り込んだこともあって、僕と同じようにアナログスティックに慣れていない人も少なくなかったんじゃないかと思うのです。そういう人が『トワイライトプリンセス』に手を出して、僕と同じように挫折した人が少なくなかったんじゃないかと思うのです。当時、誰にも同意されませんでしたけど……



 「だから誰誰が悪いんだ!」みたいなことが言いたいワケじゃないですよ。
 運命の難しさというか面白さというか……もしWii本体発売と同時に『マリオギャラクシー』が発売され、その1年後に『トワイライトプリンセス』が発売されていたら、なんてifを考えるのです。アナログスティックを普通に使える今『トワイライトプリンセス』をプレイすると、すげー面白いんですもん。挫折した人がいたのなら勿体ないなーと。


 『マリオ』は取っつき易さを、『ゼルダ』は奥深さを―――
 任天堂の二枚看板とも言える2シリーズの違いは、案外シンプルな説明で出来てしまうものなのかもなぁと思いました。そこを逆転させ、『ゼルダ』→『マリオ』という順で発売されたことがWiiというゲーム機の不幸だったのかも。


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 自分に起こった出来事を、その他のものに当てはめて考えてみると……
 喩えば『Wii Sports』は“操作の簡略化”によって、「思ったように操作できる」人を増やしたことにヒットの要因があるんだろうなぁと思いました。テニスの移動操作をオートにすることで、「思ったように移動できない」部分を削ったように。


 対照的に、『Wii Fit』の狙いは逆なんですよね。
 『Wii Fit』考察で非常に面白かった記事をご紹介します。

 今だからこそ振り返ろう、「WiiFit」とはなんだったのか?枯れた知識の水平思考さん)

 バランスWiiボードは「思ったように操作できない」をゲームに落とし込んだコントローラーと言えるという話。hamatsuさんが例に出されている「座禅」はもちろん、「玉入れ」も「バランスMii」も「綱渡り」も「ペンギンシーソー」も「思ったように操作できない」から面白いワケです。アレを十字キーで操作できたら簡単すぎて何も面白くないはず。
 (Wiiリモコンで遊べる『コロリンパ』とか、PS3の『あひるちゃん』とかも、そういう狙いのゲームだと思います)


 んで、今日発売の『Wii Sports Resort』とWiiモーションプラスも実は『Wii Sports』よりも『Wii Fit』に近いコンセプトなんじゃないかなと僕は思っています。スタッフが「自分の武者震いまでゲーム内に反映されてしまうゲーム」と仰っていたように、従来コントローラーでは感知せずに済んだ部分まで感知しやがる余計なアンチクショウというか。

 「それが面白い」という人もいるでしょうし、「それでは敷居が高い」という人もいるでしょう。
 「思ったように操作できない」を「思ったように操作できるようになった」時の喜びはそりゃ凄いと思いますけれど、そこをすっ飛ばしたからこそ『Wii Sports』はヒットしたと思っている自分としては、案外『Wii Sports Resort』は苦しむんじゃないかなぁなんて思っているのですが。


 それでも、1月に自分が予想した「国内25万本」という数字は、初週であっさり越えられそうですね(笑)。


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ブランクがあっても大丈夫なゲームor厳しいゲーム

 次の火曜日にはとうとうバーチャルコンソールで『熱血高校ドッジボール部』が配信開始されるのですが、現在の僕はそれどころじゃなくWiiの『パンヤ2』にハマリ中です。プレイ時間34時間でようやく全ての仲間が揃いました。コースも対戦相手も徐々に手ごわくなってきた印象……。果たしてクリア出来るのだろうか。


 このゲームを一旦中断したのは『スマブラX』発売前の1月下旬、再開したのは5月下旬なので4ヶ月間のブランクがあったことになります。再開する前は「4ヶ月も経っているのだからマトモにプレイできないんじゃないか」と不安だったのですけど……蓋を開けてみると。

 12月~1月の2ヶ月間では1度も出せなかったアルバトロス(パーが5打のホールを2打で上がる)を、この半月の間に3回出した程です。前より上手くなっている……??

 まぁ……種明かしをしますと、4ヶ月前にクラブを改造しまくっていたので飛距離が伸びていたことや、『パンヤ』はリアルなゴルフゲームというよりはアイテムや必殺技のある『マリオカート』的なゴルフゲームなので―――慣れさえあれば狙えるものだったんですけどね。


 しかし、「前より上手くなっている」ことはなくても、「前より格段に下手になっている」こともありませんでした。
 これはWiiリモコンの操作ゆえなのか、複雑な操作を必要としないゴルフゲームだからこそなのか。“タイミングを合わせてAボタン”が下手すぎてWiiリモコンを使わないゴルフゲームはマトモにプレイ出来ない僕なので(パー4打のところを9打で上がるのが常識)、ちょっと自信がないのですが……多分、後者なのかな。



 流石にパターの感覚が戻ってくるのには時間がかかりましたが……4ヶ月前と同じ感覚でプレイ出来たこと、ようやっとアリンが仲間になったのでエロイ太ももにハァハァ出来ることなどで、買ったばかりの頃のようにハマりまくってしまいました。おかげで投稿用漫画が……ゴニョゴニョ。


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 さてさて。
 こんな風に「4ヶ月間のブランクがあっても大丈夫なゲーム」ってどれくらいあるんでしょう?

 実を言うと、ちょうど1年前の同じくらいの時期の話……
 プレイ時間20時間辺りで挫折していた『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』を、数ヶ月ぶりに起動したことがあったんですよ。このまま挫折したままでいいのか、俺!と奮起して。起動した5分後には道に迷っていました。
 地図には「次に行くダンジョン」の場所が示されているのですが……地図では繋がっているように見える道が通れなかったり、そもそも3Dだと自分がどっちに向かっているのかも分からなかったり、その上で「温泉水を冷めない内に届けてね」なんてサブイベントを申し込まれたり。

 あー!もう、やってらんねえ!!と再び封印してしまいました。


 『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』は面クリア型のSRPGなので道に迷うことはありませんでしたが、3ヶ月ぶりに起動した時は味方の特性をすっかり忘れていてバシバシ殺されてしまい、10回くらいリセットを押しました。


 プレイヤー自身がどんどん上達していくアクションゲームなんかは更に厳しく、少しのブランクでどんどん衰えていってしまうものです。
 『ウイニングイレブン』なんかも、数ヶ月ぶりにプレイしたら全然勝てなくなっていて唖然とすることがありました。なので、1年ごとに新作を出してイチから始めさせるあの方法って、実はライトユーザーにとってはありがたいことなのかも知れませんね。


 RPGとかでも、魔法やアイテムの名前を忘れちゃうことはあるか……
 『ドラクエ』『FF』『ポケモン』と言ったように、限られたシリーズのRPGしか売れない今の時代って、そういう「魔法やアイテムの名前に馴染みがある」という原因があるからなのかも知れませんね。もういっそのこと全部のRPGがホイミでイイんじゃね?



 Wii発売前、宮本茂さんはインタビューで「『Wii Sports』は一旦飽きてしまっても、たまーに週末に遊びたくなるんですよ」と仰っていましたっけ(ニンドリのインタビューより)。
 確かに、我が家でも突発的に「久々にやる?」という話になるし、兄貴宅に遊びに行った親父が「テニスで勝負してきた!」と話したりしていたもんなぁ。ひょっとしたら『Wii Sports』も他のゲーム同様に前よりは下手になっているところはあるのかも知れないんだけど、それを自分の体で微調整して「そうそう!この感覚!」と思い出していくのも楽しいというか。


 ただ、じゃあ“Touch!Generations”のソフトが全部そうかと言われるとそうでもなくて……『脳トレ』や『Wii Fit』のように「毎日続けて下さいね!」というソフトって、暫くやっていないと小言を言われたりするので、一旦やめてしまうと再開しにくいところがあります。『どうぶつの森』でゴキブリが出てくるのとかもそうか。
 また……『脳トレ』や『Wii Fit』みたいに「脳を鍛えるぞ!」「体重落とすぞ!」と気合入れてプレイしていたものにブランクが出来ると、脳年齢や体重が鍛える以前の状態に戻っていたりして普通のゲーム以上にショックだったりするんですよね。


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 こういう“ブランクがあっても大丈夫かどうか”って、一人用ゲームよりも多人数プレイ推奨ゲームの方が重要なのかも知れませんね。一人用のゲームは一気にダーッとプレイしてブランクが開く前にクリアしちゃえば良いのだけど、対戦ツールとして使うゲームってみんながみんな毎日やっているワケじゃないですからね。

 「久々に遊んだけどそれなりにプレイできた」というのが、多人数プレイ推奨ゲームにとって一番大事なことなのかもって思いました。


 さっきの話と思いっきし矛盾しちゃうんですが(汗)、『ウイニングイレブン』が対戦ツールとして人気なのってこういうことだと思うんですよ。細かい変更点はあるけれど、大まかな操作方法は初代プレステのころからずっと一緒。なので、『6』までしかプレイしていない僕と、最新の『2008』をプレイしている人とが『2008』で対決したとしても、それなりに勝負になってしまう。
 1本1本の売上げ以上に、シリーズ全体に蓄積されているプレイ人口の数が多いから「『ウイニングイレブン』でも勝負する?」と言いやすい。

 ファミコン時代のくにお君シリーズとかもそうで、『ドッジボール部』『熱血物語』『熱血行進曲』『時代劇』あたりはルールは全然違うんだけどダッシュやジャンプの操作感覚が一緒だったというのが大きかったのかもと今更ながらに思いました。スーファミに移って勢いが落ちてしまったのも、その辺のファン層を引き継げなかったということなのかな。


 そう考えると……操作方法を一新したWiiの『ウイイレ』が売れなかったのって、「Wiiだからゲームらしいゲームは売れない」とか「ウイイレには保守的なファンが多かった」とかだけでなく、これまでに積み上げてきたファン数の財産を失ってしまったことにあるのかもと思いました。
 「Wiiの『ウイイレ』買ったから対戦しようぜ!」と、Wiiの『ウイイレ』持っていない人には誘いづらいというか。だからこそ、1作品で終わらせずにシリーズを新たに積み上げて欲しいんですけど、海外でもそんなに売れなかったそうですし。厳しいのかなー。




 こないだ「一人用ゲームが売れなくなっているんじゃないか」という記事を書いた後に思ったことなんですけど……

 喩えば、『Wii Sports』が300万本売れていて、『トワイライトプリンセス』が40万本くらいしか売れなかったのって―――新品で買った人の数であって、プレイした人の数ではないんですよね。一人用ゲームの場合は中古で買った人、友達から借りた人というのも多いでしょうし。
 逆に『Wii Sports』なんかは突発的に遊びたくなるから、中古に売られる数もあまり多くないんじゃないでしょうか?(まぁ、「飽きたからすぐ売った」という人もいるでしょうから数では判断出来ないんでしょうけど)。


 あまりイイ目安の数字ではないんですが……一応、『みんなのニンテンドーチャンネル』の数字を見てみますと。


○ 『Wii Sports』(2006年12月2日発売)
 総プレイ時間:12925806時間/平均プレイ時間:29時間57分=431579人
 総プレイ回数:12250066回/平均プレイ回数:28.39回=431492人

○ 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(2006年12月2日発売)
 総プレイ時間:8929633時間/平均プレイ時間:50時間8分=178129人
 総プレイ回数:3802590回/平均プレイ回数:21.34回=178190人


 『Wii Sports』の300万本に対しては約6.95倍、『トワイライトプリンセス』の40万本に対しては約2.24倍という売上げとの差が出ています。これを僕は……

・『トワイライトプリンセス』を遊んだ人の方がコアなゲーマーが多いので、(インターネットにつないで)『みんなのニンテンドーチャンネル』も使っている人も多い
・『Wii Sports』は最近でも売れているため『みんなのニンテンドーチャンネル』の数字に反映されていない

と解釈していたんですが―――『トワイライトプリンセス』の方が新品で購入したという人が少ないという仮説も立つよなと思ったのです。中古ゲーム市場を全否定するワケにはいかないんですが(僕もお世話になっていますし)、一人用ゲームにとって中古ゲーム市場は厄介な存在なのかも知れませんね。
 『メタルギアソリッド4』ですらも「クリアまでが短いので中古への戻りが不安」みたいな意見がありましたし。『ドラゴンクエスト』も『8』では中古への戻りが多かったために、『9』では多人数プレイ推奨ゲームに移行したなんて説もありますし。「『ドラクエ9』買ったら一緒にプレイしようぜ!」と友達に言われていると、なかなか売りに行けないでしょうしね。



 えぇっと……何の話か自分でも分からなくなってきたのでまとめてみます。

○ ブランクがあってもプレイできるゲームと、ブランクがあるとプレイできなくなるゲームってあるよね
○ 多人数プレイ推奨ゲームは、「ブランクが開いてもプレイできるゲーム」じゃないとキツイ
○ 逆に「ブランクが開いてもプレイできる」多人数プレイ推奨ゲームは、中古ゲームに売りにくいんじゃないだろうか?という仮説

 オンラインプレイは微妙か……
 これは性格的な問題なのかも知れませんが、見ず知らずの人との対戦は“ちょっとでも自分の腕が落ちている時には”したくないと僕は思っちゃいます。でも、友達とのオンラインプレイならば(ボイスチャットがあれば尚更)、その辺も楽しめそうな気が。

 ただまぁ、日本ではそもそもオンラインプレイ自体にそれほどウェイトが置かれていないのが現状だと思うので……考察対象としてはサンプルが少なすぎるか。



 個人的には……一人用ゲームでも多人数プレイ推奨ゲームでも、ブランクがあっても大丈夫なように気を使って欲しいですね。社会人なら“忙しくなってゲームをやる暇がない時期”が定期的にやってきますし、学生でもテスト前や部活の大事な時期などはブランクになってしまうでしょうし。
 ストーリーメインのゲームならば「次にすべきこと」が明示されるとか(仲間に話しかけると「早く○○に行きましょう!」と言ってくれるみたいな)、アクションゲームならばどのタイミングでもチュートリアルモードが出来るとか、スコアアタック系のゲームならハイスコアが並ぶだけじゃなく前回の記録と比べられるとか。

 それも立派に「ユーザーの目線に立って作られている」ことであって、もっと注目されるべきポイントだと思うのです。

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≫ EDIT

右手にはWiiリモコンを、左手にもWiiリモコンを

 ちょっと前の話ですが、面白かった記事があったのでご紹介。

 2005年TGSのトレイラーから見る、任天堂がWiiで果たせていないこと

 2005年9月の東京ゲームショウでの、Wii(当時はレボリューションというコードネームですね)の「こんなことが出来るゲーム機ですよ」というお披露目映像です。ゲーム画面は一切なく、Wiiリモコンを使って遊んでいる人と音だけで構成されている変わった映像ですね。
 上述の記事では、映像で「こんなことが出来ますよ」と使われている例を一つずつ「実際にゲーム化されているか」で判定しています。歯医者のゲームは、Wiiより先にDSで実現されてしまいましたね。


B0012PM366SIMPLE DSシリーズ Vol.34 THE 歯医者さん

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 次に、2006年5月のE3のページ。こちらにもコンセプト映像がありますね。
 初めてWiiソフトの画面がお披露目された発表会で……この映像とは別の話ですが、岩田さん・宮本さんなどによる『Wii Sports』の実演、『スマブラX』の映像披露とスネーク参戦で、ゲーム業界に「Wiiイケるんじゃないの?」という空気を呼び込んだ時期ですね。日本だと丁度DSバブルの時期でしたし(『Newマリオ』が発売された頃)。

 ついでに、2006年9月のWii Previewのページも紹介しておきます。
 順々に見ていくことで気付く面白さもあるでしょうし。「あ!リンクが左利きから右利きになった!」みたいに(笑)。



 さて……これらの映像は「Wiiならこんなに色んなことが出来るんだ!」と思わせてくれるインパクトがあり、その結果として様々なソフトが発売されてきたと思うのですが―――部分部分にハッタリがあったのも確か。
 具体的な例を挙げると……Wiiリモコンを両手に持ってドラムのように叩くゲームは、上で紹介した3つの映像には登場していますが、実際のゲームは未だに出てきていません。『Wii Music』に期待したいところですが、2008年4月の時点ではそういった機能が付いているのかも不明です。


 本体発売から1年以上が経過してもドラムのゲームが出てこない理由。
 一つには―――Wiiリモコンには位置センサーが付いていないことが挙げられます。
 Wiiリモコンは(ポインターをセンサーバーに向けない限りは)「加速度」と「傾き」くらいしか感知できないので、多くの“振るゲーム”は苦戦をしてきました。ドラムのように“どこを叩くか”が重要なゲームを作るのには向いていないんですよね。

 加えて言うと―――Wiiリモコンを二つ使うゲームの場合、「Wiiリモコンを一つしか持っていない」人は遊べないということもあります。
 いやまぁ、『はじめてのWii』が200万本売れているのだから少なくとも200万台のWiiには2本のWiiリモコンが装備されているんですが……その場合であっても、2本のWiiリモコンでは一人用でしか遊べませんよね。流石に4本Wiiリモコン持っている人は少ないでしょうし、「複数Wiiリモコンを持っている人」というのは「複数人プレイで遊びたい人」が多いでしょうから、商品化が難しいのかも知れません。

 個人的には、Wiiウェアでなら「Wiiリモコンを2つ使った一人用専用のゲーム」を出してみるのも面白いと思うんですけどね。それで手ごたえがあったのなら「もっと本格的に作ってパッケージでも出してみるか」となればイイのですし。



 Wiiリモコン+ヌンチャクだと、ヌンチャク側に振動とスピーカーがないのが痛いんですよね……『Wii Sports』のボクシングをやっていても、左手で見事なパンチを当てても振動するのが右手(側のWiiリモコン)なのが残念でした。

 せっかく“片手で操作出来る”Wiiリモコンなんだから、それを活かしてWiiリモコン二刀流のゲームがもっと出てきてもイイと思うんですが……僕が知る限りは、『はじめてのWii』の射撃くらいしかありません(しかも、あれは二刀流の方がスコアが上げにくい……)。


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 しかし、これはオフィシャルな遊び方での話。
 ゲームというものは、いつだって作り手の想像を超えた遊び方を遊び手が編み出していくものです。

 つーか、ウチの親父の話なんですけどね。
 『Wii Sports』のテニスで、右手と左手にそれぞれMiiを用意してWiiリモコン二刀流で“一人ダブルス”を遊んでました。

 なるほど!この手があったか!
 通常、『Wii Sports』のテニスを一人で遊ぶ場合……前衛と後衛を1本のWiiリモコンで操作するため、前衛が空振った時に後衛も一緒に転んでいるということがよくありました。そのため、実力が伯仲すると「前衛がボレー出来ない球を見極められるか」ゲームになってしまい、爽快感に欠けるよなーとゲンナリしていたのですが。

 右手と左手の役割を分けることで、思い通りのダブルスが可能に!
 これこそ“片手で操作出来る”Wiiリモコンの恩恵!!



 ……というところでやめておけば「ウチの親父ってスゴいなー」と思えたんですが。
 その一人ダブルスにも飽きてきたらしく、次には「右手vs左手」の一人対戦で遊んでいました。延々とラリー。もうこうなるとワケが分からん。アンタは誰と戦っているんだ。



 従来の“両手で持つコントローラ”では、一人で二人分の操作をするなんてことは不可能でした。
 ですが、片手で操作出来る”Wiiリモコンならば一人で協力プレイ・対戦プレイが可能というのは面白い発想ですよね。
 『細菌撲滅』や『みんなでパズループ』でも同様のことが出来そうです。ただでさえ脳を酷使するゲームを、二人分同時に考えなきゃならないのが楽しいかは知りませんが……


 実際、コントローラを変えたことによって「これからはアイディア勝負の色んなゲームが出てくるぞ!」と思われたほどには……色んなゲームは現れていませんよね。ひょっとしたらゲーム業界の「アイディア」なんて大したことなかったのかなぁと寂しい気持ちになったところも正直言ってあります。
 ロンチのソフトを除けば、「Wiiリモコンにはこんな使い方があるのか!」と驚けたのは『Wii Fit』の「ながらジョギング」くらいでした。それを考えたのも『Wii Sports』スタッフですしねぇ。

 今後はWiiウェアもあるワケですし……ウチの親父の「右手vs左手」のように、「何じゃそりゃ!」と言いたくなるゲームが今後はもっと出てきて欲しいです。


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| ゲーム雑記 | 18:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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