やりこみ要素があるから初心者でも安心して遊べるね!
Xbox360の「実績」とか、PS3の「トロフィー」とか、『スマブラX』の「クリアゲッター」とか、ゲームソフトによっては「称号」とか「賞状」とか、様々なネーミングで呼ばれている“(クリアとはまた別の)個別の条件をリストで提示されて、それを達成することで「達成しました!」と誉められるシステム”ってあるじゃないですか。
あの手のシステムは「やりこみ要素」の一つとしてメジャーなものになっていて。
「やりこみ要素があるから長く楽しめる!」とか「やりこみ要素があるからゲーマーも大満足!」なんて言われたりもします。「やりこみ要素があるからってゲーマーが喜ぶか?」という疑問は置いといて……
ああいう「実績」的なシステムって、実はゲーム初心者の人や、そのゲームを始めたばっかの人にとってもありがたいシステムになっているんですよね。ゲーム熟練者やそのゲームを長く遊んでいる人“だけ”が嬉しいシステムではないのです。
『鬼トレ』(正式名称:東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング)をプレイしていて、そう思ったのです。
このゲームにも「賞状」という形で、その「実績」的システムが入っているのですが……プレイする前まで自分は「脳トレにやりこみ要素とか入れて誰が喜ぶんだよ」なんて思っていました。んで、実際にプレイすると「俺が喜んでる!」となりました(笑)。
『鬼トレ』にはたくさんのトレーニングや機能が入っています。
超辛い「鬼トレ」が8種類。
前作までの『脳トレ』っぽい「鬼トレ補助」が9種類。
ミニゲーム的な「脳トレ」が9種類。
「リラックス」が3種類。
この他にも「集中時間測定」がありますし、すれちがい通信やハンコのデザインなんかも出来ます。
まだ自分は全要素を解放していませんが、「鬼トレ」全8種類が出た時点で「もうムリ。俺にはこれ以上の成績は出せない」と心が折れかけていました。しかし、「賞状」のリストの中にこういう条件があったんですよ。「3日続けて鬼計算をプレイする」というものが。
まぁ、成績は上がらなくても3日連続でプレイするだけで達成できるんだから、とりあえず毎日「鬼計算」だけプレイしてみようかなと続けてみました。これを達成すると「7日続けて鬼計算をプレイする」という新たな条件が出るんですけど、それは置いといて(笑)。
賞状目当てで「成績は上がらなくてもいいから3日連続でプレイしてみるか」と3日連続でやってみると、成績も結構伸びるもんなんですよね。賞状というエサに釣られたプレイヤーが、「鬼トレは毎日続けると成績が伸びるんだよ」と身をもって体感できるようになっているんです。
「賞状」の一覧を見て達成条件を見ると、「このゲームはこう遊ぶとイイんだよ」と教えてくれているんです。
「○日出席」とか「○日続けて鬼トレをする」みたいな継続させる条件から、「計算20」で新幹線以上・ロケット以上みたいな一つ一つのトレーニングの目標を設定している条件、「すれちがい通信を設定する」とか「ハンコを自作する」といった機能を使うだけで達成させる条件なんかがあるんです。
「このゲームを極めてください!」みたいな途方もない達成条件ももちろんありますし、それこそ「やりこみ要素があるから長く楽しめる!」とか「やりこみ要素があるからゲーマーも大満足!」と言われるようなものでもあるんですけど――――
「実績」的なシステムには、初心者を「このゲームはこう遊ぶとイイんだよ」と誘導する機能もあるんです。
例えば「鬼計算」でもらえる「賞状」には「3日続けてプレイ」「7日続けてプレイ」の他に、「4バック到達」「7バック到達」というものがあります。必ず2段階用意されているんです。これが凄く重要なんです。
「鬼計算」は「3バック」が最初の壁と言われています。
「1バック」は楽勝、「2バック」はコツをつかめば、しかし「3バック」は一発ではなかなかクリア出来ません。「4バック到達」という賞状は、初心者に与えられる「最初の目標」に設定されているんです。
ここに到達すれば脱・初心者で、次は頂となる「7バック到達」が高い高い目標になるのです(ひょっとしたらもっと上の条件もあるのかも知れませんが、今の自分はここまでしか条件解放出来ていないんで、あったらゴメンナサイ)
もし「鬼計算」の賞状達成条件が「7バック到達」しかなかったら、こうはいきません。作り手は「やりこみ要素があるからゲーマーも大満足!」と思うのかもしれませんが、遊び手はそうは思えません。高すぎる目標だけを与えられても、そこに登ろうとは思えないのです。
具体的な名前は挙げませんけど、そういうソフトもありますよね……「実績」的システムを上級者だけが目指すやりこみ要素だと思っているソフト。すげー勿体ないと思います。
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『鬼トレ』もそうですし『スマブラX』もそうだったんですけど、たくさんのモードを用意して「好きなように遊んでね!」としてくれるゲームは、逆にどのモードから遊んでイイか分からないってことがあります。
「クリアゲッターのあるスマブラXでダメだったんじゃ、実績的なシステムがあってもダメってことじゃん!」という例になっちゃうかも知れませんが……
『スマブラX』の発売直後、某レビューサイトに投稿されていたレビューで、「メインとなるアドベンチャーモードは10時間程度で終わってしまった。オマケモードは他にたくさんあるみたいだが、メインのモードがこのボリュームではこの定価では高いと言わざるを得ない」と書かれてて驚いたことがありました。
『スマブラ』のメインモードは「大乱闘」ですから!
「アドベンチャーモード」の方がオマケですから!!
まぁ、これはメニュー画面で「みんなで遊ぶ」「ひとりで遊ぶ」という分け方をしたせいだと思うんですが(大乱闘は一人でCPU戦をしても面白い。むしろそれが面白い)、たくさんのモードを用意したせいで「どう遊べばイイのか」が分からなくなってしまった悲しい例だと思うのです。
一本のゲームで色んなモードが入っているよ!というゲームは最近のトレンドでもあります。
任天堂は『鬼トレ』以降も『ニンテンドーランド』とか『Wii Fit U』なんかも用意しているので、こういうゲームにも「実績」的なシステムは搭載しているんじゃないかと思われます。
ちょっと前にシミュレーションゲームと和製RPGについての記事を書いたことがありましたが。
何故日本でRPGが人気ジャンル(だった?)かというと、「次に何をすればイイかという目標を与えられ」「それを達成する喜びをコンスタントに与えられる」からだと思うのです。
「洞窟のゴブリンに旅商人が襲われるので助けてください」と頼まれる→プレイヤーがやっつけにいく→「ありがとうございます!おかげで商人がやってきて町も助かりました」とお礼を言われる→次の町に行って、また頼まれごとをする→以下ループ
2D『マリオ』とかもそうか。
ステージが与えられる→クリアする→やったー!次の面だ→以下ループ
これって『鬼トレ』で、教授の望みどおりに「賞状」の条件を達成するのと似ていますよね。
「4バック到達したら賞状あげますよ」→やった達成した!→「おめでとうございます。次は7バック到達したら賞状あげますよ」
「実績」的なシステムって、和製RPGとか2D『マリオ』のように一つ一つの「目的」と「それをクリアした達成感」をコンスタントに与えてくれる文法を、別のジャンルのゲームでも味わわせてくれるシステムと言えるのかも知れません。
ならば、「4バック到達」と「7バック到達」の2段階の条件があるのも分かりますよね。
超難しい面が一つしかない2D『マリオ』なんか誰が遊ぶんだって話です。
というワケで、こうした「実績」的なシステムは「いやぁ、自分はやりこみ要素とかやれるほど上手くないっすからー」という初心者の人にこそ役に立つシステムですし、作り手もそうしたシステムだと意識して作って欲しいですし(多くのソフトは分かって作っていると思いますが)、ゲームレビューなどをする人も注目して欲しいところだなって思います。
あと、『鬼トレ』の「賞状」達成条件の中に「誕生日に鬼トレをする」というものがあるんですけど、7月24日が誕生日な私には無理ゲーです。
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| ゲーム雑記 | 18:05 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
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