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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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くにおくんシリーズ4作品の配信を行っていました【跡地】

【お知らせ】10月22日~12月5日の間に、Youtube Liveでゲーム実況プレイを行い、『ダウンタウン熱血物語』『ダウンタウン熱血行進曲』『くにおくんの時代劇だよ全員集合』『びっくり熱血新記録』を最初から最後までプレイしました!

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 この記事は「くにおくんシリーズ配信の告知用の記事」でした。

 ↓ログは格納しています。

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| ゲーム実況 | 20:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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オンライン対戦の実装は本当に幸せなことなのか?

 ファミコンの『くにおくん』シリーズが全部(+海外タイトル4つ)収録されて、全タイトルがオンライン対応になった『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』が2018年にNintendo Switch/PS4/Steam/Xbox Oneにて発売されると発表されました。



 私が一番気になっているのは「キーコンフィグが出来るかどうか」です。
 新作だったPS3の『ダウンタウン熱血行進曲~それゆけ大運動会~オールスタースペシャル』やPS4の『ダウンタウン乱闘行進曲 かちぬきかくとうSP』はキーコンフィグ出来たけど、移植作だった3DSの『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』では出来なかったらしいので……

 ファミコン時代の『くにおくん』シリーズは「AボタンとBボタンを同時押しでジャンプ」のゲームが多いのですが、ファミコンのAボタンとBボタンは横に並んでいるのに対して、スーファミ配置の4ボタンのコントローラはAボタンとBボタンが右上がりの斜めに並んでいるので同時押ししづらいんですね。
 『Newスーパーマリオブラザーズ』のように「AボタンとBボタン」か「BボタンとYボタン」に切り替えられるんだったらイイのですけど……

 あと、自分が買うとしたらNintendo Switch版になるでしょうから、おすそわけプレイをした際に左スティックでちゃんとダッシュ(方向キーを素早く二回押す)操作が出来るのかも気になりますね。



 自分の気になる点は置いといて……バーチャルコンソールのない「Nintendo Switch/PS4/Steam/Xbox One」で15作品が遊べるようになるというのは素晴らしいことだと思います。私は基本的に「過去に発売されたすべてのゲームが現在でも手軽に遊べるようになって欲しい」と考えていますからね。


 ただ、ちょっと思うのは「オンライン対応」がウリなところです。
 3DSの『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』から変わったところと言えば、「発売する機種がちがう」「海外タイトル4つが加わっている」「オンライン対応になった」ですから、このソフトが発表されたときの反響も「オンライン対戦できるんだ!」という声が多かったのですが……

 果たして本当に幸せなことなのか?って思うんですね。
 みんな、なんか「オンライン対応」を無条件に素晴らしいことだと考えすぎていませんか?って。



 3DSの『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』の初週売上を見ると、メディアクリエイト調べの4gamerさんの記事で「初週8266本」、アスキー・メディアワークス事業局調べの電撃さんの記事で「初週8300本」でした。
 翌週はどうか?というと、4gamerさんの記事でも電撃さんの記事でもランク外です。電撃さんの記事はトップ50の集計ですから、51位以下に下がったということなんですね。

 3DSという「国内で普及しきったハード」でコレですから、「Nintendo Switch/PS4/Steam/Xbox One」という4機種で発売した合計もそんなに変わらないんじゃないかと思いますし、仮に「オンライン対応」が魅力になって売り上げ倍増したとしても数万本くらいだと思います。

 もちろん数万本でも売り上げたら立派なことなんですけど、「オンライン対応」のことを考えるとシビアな現実が待っています。その数万本の売上が「Nintendo Switch/PS4/Steam/Xbox One」の4機種で分かれてしまって、「異なる機種同士での対戦が可能なクロスプレイ」に対応していなかったらオンラインに集まる人も分かれてしまいます。数万人どころか1機種あたり数千人くらいしかいなくなってしまうでしょう。

 更に更に!今回の『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』は収録タイトルが15タイトルもあります。どのソフトでオンライン対戦(または協力プレイ)をしたいかと考えると、その数千人を更に15タイトルで分けなければなりません。タイトルごとの人気・不人気もあるでしょうから、『熱血行進曲』はまだマッチングするけど『ホッケー』は全く人がいないみたいなことにもなるでしょう。

 「いやいや!国内の売上だけ見たらそうかも知れないけど、海外でも販売して世界中の人とオンライン対戦できるなら大丈夫でしょう」と思う人もいるかも知れません。海外の『くにおくん』人気がどれくらいなのかは分かりませんが、海外タイトルを収録しているというのも「オンライン対戦で世界中から人が集まればマッチングする人も増えるだろう」という目論見があるのでしょう。
 でも、海外タイトルが収録されているのなら海外の人はみんなそっちに集まるんじゃないかと思いますし、日本国内版と海外版の両方を収録したことでマッチングする人も分かれちゃうんじゃないかと思うのです。


 野良で人が集まらないなら友達とやればイイ―――という考えもありますが、今回の『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』は恐らく『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』と同じように5千円前後のパッケージソフト(ダウンロード版もあり)という形で販売されるのでしょうから。
 リアルな友達でも、オンラインでのフレンドでも、5千円出してこのソフトを買う人が何人いてくれるだろう……と思いますし。仮にこの記事を読んでくれたフレンドが「いやいや!やまなしさんがオンライン対戦やると言うなら僕も買いますよ!」と手を挙げてくれたとして、それが私を入れて4人ならばちょうど4人対戦が出来て幸せですが、5人だった時の「1人あぶれる」気まずさと言ったら!


 『Splatoon2』みたいな大人気ゲームだったら、発売から1年後でもオンラインで一緒に遊んでくれる相手に困らないと思いますが。
 こういう1機種あたり数千人しか買わないようなゲームは、発売後1ヶ月も経ったら「オンライン対戦やりたいのに誰ともマッチングしない」みたいな状態になっちゃうんじゃないかと不安です。だから、「オンライン対応」を無条件に素晴らしいことだと言う風潮に、私は疑問があるのです。





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<画像はNintendo Switchソフト『バトルスポーツ めく~る』より引用>

 今年の5月に発売されたNintendo Switch用ダウンロードソフト『バトルスポーツ めく~る』、発売日に買ってファーストインプレッション記事も書いたソフトなのですが……実はこのゲーム、無料アップデート第1弾が7月に、第2弾が8月に、第3弾が9月に行われるなど毎月どんどん機能やモードが追加されているんですね。

 ですが……オンライン対戦を遊びたくても全然マッチングしないのです。
 第3弾アップデートが9月20日に行われた直後の金曜日の夜でも、対戦相手がいないのです。

 ランダムマッチは10分待っても誰一人遭遇せず。
 新モードのクラスマッチは運良く一人遭遇したのですが、この人しかオンラインにいなかったのかずっと同じ人と20分くらい1vs.1で戦っていました。4人対戦が面白いゲームなのに!4人なんか揃わん!

 20分くらいクラスマッチをやって、そろそろ他の人とも対戦したいなーと思ってランダムマッチに戻ったらやっぱり人がいなくて、同じことを考えたのかさっきまでクラスマッチで1vs.1をやってた人がランダムマッチにもやってきてまた対戦したりなんかして。この世界にはもう私達2人しか残っていないのかな?なんて考えたほどです。

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<画像はNintendo Switchソフト『バトルスポーツ めく~る』のものを加工しました>

 ちなみに第3弾アップデートで追加されたクラスマッチは成績によって世界ランキングが表示されるのですが……20分のプレイで私は世界7位になっていました。私が20分1vs.1で戦っていた人は8位でした。あの対決は世界7位と世界8位の決戦だったのか……


 すっごい面白いゲームであっても、『Splatoon』みたいな人気作でなければ発売後4ヶ月も経ったらオンラインには誰もいなくなってしまいます。そのせいで、オンラインありきのゲームは、購入する前に「これ面白そう!」だけじゃなくて「オンラインに人がいるほど人気が出るかな?」を考えなくてはならず……売れるゲームが人気シリーズや話題作ばかりにどんどん偏っていくと思うんですね。

 ユーザーからすると、数ヶ月もすると誰ともマッチングしないモードが入っていて。
 メーカーからすると、数ヶ月もすると誰も遊んでくれなくなるモードを頑張って開発して。更に「あんまり売れそうにないから、すぐオンラインが過疎るだろうな」と買わない理由にされて。


 それでもみんな、「オンライン対応」を無条件に素晴らしいことだと言うのですか?
 その恩恵を受けるのは一握りの勝ち組・人気作だけじゃないのですか?




 また、オンライン対戦には、以前この記事に書いたオンライン対戦を実装すると「バランス調整」で評価のすべてが決まってしまうという問題もあります。

 こないだNintendo Switchで出るかも知れないし出ないかも知れないダウンロードソフトの記事を書くために、たくさんのインディータイトルの評判を読んだのですが。

 例えば『Brawlout』という『スマブラ』風の対戦アクションゲームは、オンライン対戦を実装したせいでSteamアーリーアクセス版の感想が「人がいなくてマッチングしない」「アメリカと日本で対戦するとラグが酷い」「強いキャラが一人決まっているのでそのキャラ以外はいないも同然」といったカンジにオンライン対戦への不満ばかりになっていて。
 対照的に、『BackSlash』というレトログラフィックな対戦アクションゲームは、オンライン対戦がないので「とても面白いのでオンライン対戦に対応して欲しい」という前向きな要望ばかりになっていて。

 どっちを遊びたくなった?と訊かれたら、断然後者なワケですよ。

 ひょっとして、オンライン対戦って入れない方がゲームの評価が上がるんじゃないの??
 私としては「たくさんのキャラ」とか「たくさんの必殺技」をガンガン入れていってくれた方が嬉しいんですけど、オンライン対戦を入れるとどうしても「全部のキャラの強さが同等になるようにしなくてはならない」とバランス調整に労力がそそがれてて、キャラや技を安易に増やせなくなっていたりして――――それってゲームにとって幸せなことなのかなぁと思うのです。


 もちろん「それでもオンライン対戦で遊べるゲームを作るのが夢だったんだ!」という熱意で作られるゲームに「オンラインモードを入れるな!」なんて言いませんけど、今回の『くにおくん』シリーズのように元々友達同士でワイワイ遊べるオフライン専用ゲームだったものに後からオンラインプレイを加えることはそんなに歓迎することなのかなーと思うのです。


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| ゲーム雑記 | 17:56 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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対戦ゲームのキャラの強さは均等であるべきか

 最近思いついたことではなくて、ずーーーーーーっと胸の中にあったんですが「コレは今書いても誰にも同意してもらえないだろう」と躊躇して書かずに今日まで来ました。しかし、最近『Splatoon2』についてこの話が出てきて、同意はされなくても書かなくてはならないと思ったので今日書きます。


 『Splatoon2』でよく言われる批判に、「強すぎるブキがある」というものがあります。
 自分がよく見かけるのは、「ヒッセン」について。絵具を洗うバケツのような形状で、広い範囲に塗れるのが特徴のスロッシャーです。私はガチ勢ではないので詳しい理由は分からないのですが、どうやら前作より中距離シューター系のブキの射程が短くなったことで、相対的に前作で不人気だったこのブキが一気に「最強クラス」と呼ばれるブキになってしまったみたいです。

 あとは、スペシャルウェポン「ジェットパック」。発動すると、下に地面がある限りは地形を無視して飛べる手段になるし、発射するランチャーの威力・射程ともに凶悪なものがあります。


 他にも批判されているブキがあるかもですが、私の観測範囲内ではこの2つが特に言われていて、「早くアップデートで弱体化させろ!」という声を毎日のように目にしますし。こうしたことから「『1』に比べてバランスが悪くなった」「クソゲーになってしまった」みたいに言う人までいます。

 『Splatoon2』については、実際にアップデートでそれらのブキが弱体化されるのかも知れませんし、その結果遊びやすくなることもあるかも知れません。エンジョイ勢な私には分かりませんけど、「『1』に比べてバランスが悪くなった」というのも真実なのかも知れません。



 ただね、私はずーーーーーーっと言いたかったのですよ。

 対戦ゲームを「全てのブキの強さが均等ではない」とか「全てのキャラの強さが均等ではない」というたった一つの評価軸で、「クソゲーだ」と断定することに私は納得がいっていません。


 「好きか嫌いか」だったら別にイイですよ。
 ゲームの評価なんて所詮は主観的なものですから。「ヒロインのおっぱいがヒンヌーだからこのゲーム大好き」みたいな、客観性の欠片もない理由で私達は作品を「好き」になったり「嫌い」になったりするんです。「ヒッセンが強すぎるから『Splatoon2』は嫌いだ」と言うのも思うのも自由です。

 でも、それがあたかも客観的で絶対的で万人の総意であるかのように「クソゲーだ」と言われると、私はそうは思わないぞ!!と言いたくなります。「ヒロインのおっぱいがヒンヌーだからこのゲームはクソゲーだ」って言われても納得がいかないように、「ヒッセンが強すぎるから『Splatoon2』はクソゲーだ」なんて言われても私は納得がいきません。


 「全てのブキ(キャラ)の強さが均等でなければならない」「対戦ゲームで強すぎるブキ(キャラ)があったらクソゲーだ」という価値観は、あくまで“ガチ勢”の価値観であって。“エンジョイ勢”の私にとってはそこまで重要なポイントでもないです。


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◇ 「原作」を再現するからこそ起こる性能差
 ちょっと昔の話からしていきます。

 コンピューターで行う対戦ゲームの歴史において、「選んだキャラ(チーム)によって性能がちがう」ということが始まったのは1985年11月発売の『キン肉マン マッスルタッグマッチ』や、1986年12月発売の『プロ野球ファミリースタジアム』辺りの時期じゃないかと思います。
 例えば、任天堂から1985年4月に発売された『サッカー』なんかは、どこのチームを選んでも見た目以外の差はありませんでした。


 『キン肉マン マッスルタッグマッチ』は当時マンガもアニメも大人気だった『キン肉マン』を原作にしたゲームで、8人のキャラから2人ずつを選んでタッグマッチで戦う対戦ゲームになっていました。出てくるキャラは原作に合わせて基本性能がちがう他、「命の玉」というアイテムを取った時に使える必殺技がそれぞれちがっていました。

 『プロ野球ファミリースタジアム』は「プロ野球」という冠をつけたことも分かるように、(実名ではありませんが)実在するプロ野球をモチーフにしたチームで遊ぶことが出来ました。ライオンズ以外のパ・リーグのチームは、本来5チームなのに2チームにまとめられているというのが当時のパ・リーグの扱いがよく分かるものですが……


 どちらも「原作」というか「元ネタ」があって、それを再現するために「キャラ(チーム)の性能差」が生まれたのです。そして、性能がちがうだけでなく明らかに「このキャラよりこのキャラの方が強い」といったカンジに、「強さが均等ではない」ゲームでした。
 しかし、それも原作を再現するゲームとして考えればむしろ「原作を忠実に再現している」とも言えるのです。原作ファンからすれば、ウォーズマンの基本性能がキン肉マンと同じくらいだったり、西武ライオンズがヤクルトスワローズと同じくらいの強さだったりした方が「このゲームを作った人は何も分かっていない!」となるでしょう。




 もうちょっと時代を進めて、1990年8月発売の『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』―――このゲームは昨年秋に発売されたミニファミコンにも収録されているくらい「ファミコン時代の対戦ゲームの定番」となっていました。前作『ダウンタウン熱血物語』に登場したキャラが4つの高校(連合チームのみ複数高校の寄せ集め)に分かれ、「クロスカントリー」や「かちぬきかくとう」といった競技で戦うゲームです。

 このゲームについて、インターネットが普及してからレビューを読んで愕然としたことがあります。それは「冷峰高校が強すぎてバランスが破たんしているのが欠点」というものでした。

 なにを言っているんだ……?と思いました。
 前述したように『ダウンタウン熱血行進曲』というゲームは、前作『ダウンタウン熱血物語』に登場したキャラを集めた対戦ゲームです。冷峰高校というのは『ダウンタウン熱血物語』において周辺地域を牛耳っている最強の高校で、最強の敵「りゅういち」「りゅうじ」と冷峰四天王を擁するチームです。強すぎるのは当然です。むしろ、仮に熱血高校や花園高校が冷峰高校と同じくらいの強さだったら、「前作でくにおとりきがたった2人で冷峰高校に立ち向かっていったのは何だったんだ」という話になってしまいます。

 『ダウンタウン熱血行進曲』で冷峰高校が強すぎるのは、「原作を忠実に再現した」からです。当時、少なくとも私の周囲にそこに文句を言っている友達なんて一人もいませんでした。その上で、「冷峰を選ぶの禁止なー」としたり、アクションゲームが苦手な人にハンデとして「冷峰使ってイイよ」としたりしたのです。「強すぎるチームがいる」ことに何の問題もありませんでした。むしろプラスに作用していました。

 それが、インターネットの時代になって調べてみれば「欠点」と言われているのですよ。
 そりゃ確かに『ダウンタウン熱血行進曲』ガチ勢の人達からすれば、「e-sportsの大会で『ダウンタウン熱血行進曲』世界大会を開こうとしても“冷峰高校を選んだ人が優勝”になってしまう」となってしまうのかも知れません。
 でも、ゲームって別にe-sportsのためだけにあるわけじゃないですよ。大多数のエンジョイ勢からすれば友達と遊ぶときに楽しいかどうかが重要ですよ。エンジョイ勢にはエンジョイ勢なりの評価軸があるのです。


 それなのに「全てのチームの強さが均等ではない」というガチ勢のたった一つの評価軸でそれが「欠点」扱いされるというのなら、私はそうは思わないぞ!!と声を大にして言いたくなります。




 この話、実は『Splatoon2』よりもずっと前―――『スマブラ』についてずっと思ってたんですね。
 このシリーズも、「○○が強すぎるからクソゲーだ」とか「××を優遇しすぎている」といったカンジに、「全てのキャラの強さが均等ではない」という評価軸でゲームが批判され続けてきました。

 『スマブラ』に登場するキャラは、どれも「原作」のあるキャラです。
 そのキャラ達の強さを均等にすることって、本当に最優先事項なんでしょうか?マリオとピーチ姫とクッパの強さが均等なのって、「原作」を考えるとおかしくないですか??まぁ、最近のピーチ姫は割と自分でも戦いますけど……

 例えば、同じ『ファイアーエムブレム』のキャラであってもマルスとアイクが同じ強さじゃないとならないというのは、「原作」破壊じゃないの?って思うんですね。マルス、原作だと貧弱極まりなくてすぐにあっさり死ぬじゃん。自分は弱いけど周りに強力なキャラがいるから、それを率いて戦うって主人公じゃん。主人公のくせに鬼のように強かったアイクと均等の強さというのは納得がいかないし、たった一人で世界を救うマリオやリンクと同格とも思えません。

 ガチ勢の人達からすれば「強すぎるキャラがいたら、大会やオンラインでそのキャラを使う人ばかりになってしまう」と批判するのでしょうが、エンジョイ勢からすれば「それは勝つことにしか興味がないガチ勢の意見だ」としか言えません。エンジョイ勢は楽しむことが第一だから、弱くても好きなキャラを使ったり、いろんなキャラを使ったりして楽しみます。「全てのキャラの強さが均等ではない」というのも全然問題ではないと私は思います。




◇ そもそも「そのキャラは本当に強すぎるのか?」という疑念
 確か、Wiiの『スマブラX』の頃だったと思うんですが、バランス調整をした桜井さんのコラムにこんなことが書かれていました。『桜井政博のゲームを作って思うこと』の「ネットが遊びを狭くする?」より。以下、意訳。

桜井政博のゲームを作って思うこと (ファミ通Books)

「こちらはオンライン対戦の全てのデータを見ることが出来るので分かったのだけど……ネット上で「○○が強い」「××が弱い」と言った情報が一人歩きしたせいか、キャラの使用率は相当偏っている。しかし、実際の勝率は、意図して最弱に設定してあるキャラ(多分プリンのこと)を除けば、全てのキャラの勝率が20~30%の中に収まっていた」


 これは上に挙げた「○○が強すぎるからクソゲーだ」とか「××を優遇しすぎている」といった『スマブラ』に対する毎度の批判に対して、「○○が強すぎる」というネット上の批判なんてアテにならないんだよと遠回しに反論しているのかなぁと私は思ったんですね。


 実際、『スマブラ』に限らず「○○が強すぎる」という批判って勘違いじゃないのって思うことも多いです。

 『Splatoon2』の「ヒッセン」も実はそうで……
 私が見たことのない「S帯」の世界ではヒッセンが猛威を振るっているのも知れませんが、私が普段マッチングするナワバリバトルや「C帯」~「B帯」のガチマッチではヒッセン使っている人はそこまで多くないですし、ぶっちゃけ全然「強い」というカンジもしないです。

 そもそも『Splatoon』って「役割」と「相性」のゲームだから、単独で強いか弱いかって語りづらいゲームだと思うんですけどね。『ドラゴンクエスト』で言えば、「戦士」と「僧侶」のどっちが強いかって「役割がちがうだけ」で決められないじゃないですか。ヒッセンも短距離射程のブキには脅威かも知れませんが、長距離射程のジェットスイーパーあたりだと「簡単にカモれる相手」です。私のいる「C帯」~「B帯」だったら。

 ゲームを極めたガチ勢が「○○が強すぎる」と言ったことを鵜呑みにして、それほど上手くない初心者達が「○○」をこぞって使って全然使いこなせなくて、結果的にその「○○」の勝率が低くなるということもあると思うんですね。





 今日の記事の序盤で紹介した『キン肉マン マッスルタッグマッチ』もそうです。
 あのゲームでは「ブロッケンJr.が強すぎる」と言われていて、友達と一緒に遊ぶときは「ブロッケンJr.は禁止な」と冷峰高校みたいな扱いを全国的にされていたそうなのですが……ブロッケンJr.は「命の玉」をとった時の必殺技が飛び道具だから強そうに見えるだけで基本性能は低く、最強キャラは実はウォーズマンじゃないのかと言われているんですね。

 あのメンツの中で「ウォーズマンが最強、キン肉マンが最弱」というのは原作ファンなら納得でしょうし、基本性能は低いけど「命の玉」をとった時だけ強くなれるブロッケンJr.というキャラは対戦ゲームのバランスの取り方としては悪くないでしょう。

 つまり、子ども達が言っている「○○が強すぎる」なんてのは一面でしかなくて、実はゲームとしてしっかり対処法が用意されていることに気づいていないだけってこともあると思うんですね。



◇ バランスばかりを考えて弱体化させることは「楽しい」のか?
 とは言え、『キン肉マン マッスルタッグマッチ』や『ダウンタウン熱血行進曲』の頃には「全てのキャラの強さが均等でないとならない」なんて価値観はなくて、そういう価値観が生まれたのは1991年稼働の『ストリートファイターII』とそれ以降の格闘ゲームの大ブームからかなぁと思います。

 格闘ゲームのブームはゲームセンターで始まり「ゲームセンターで知らない人と対戦する」というのが普通だったため、ファミコンの『キン肉マン マッスルタッグマッチ』や『ダウンタウン熱血行進曲』のように「ブロッケンJr.禁止なー」とか「冷峰禁止なー」という決めごとを作るワケにもいきませんでした。また1プレイごとに100円を支払うというビジネスモデルですから、強いキャラに人気が集まるのも仕方がなかったんですね。

 初代『ストII』で強キャラとされていたのは、ガイルとダルシムでした。大会などでも上位プレイヤーはこの2キャラを使っていることがほとんどで、逆に弱いキャラとされていたのはザンギエフやリュウでした。


 ただ、じゃあみんながみんなガイルやダルシムを使ってザンギエフやリュウを使わなかったかというとそうでもなく、1992年に移植されたスーパーファミコン版だと「友達と一緒に遊ぶ」し「遊ぶたびに100円を投入する必要もない」ため、割とみんな色んなキャラを使っていました。エドモンド本田で春麗にサバ折りくらわすのとか流行りましたよね。

 そもそも私みたいなエンジョイ勢には「ガイルやダルシムが強い」というのもピンと来なくて、友達同士で遊ぶ分にはザンギエフでガイルやダルシムに勝つのも普通でしたし、「ゲームが下手な人には冷峰を使わせてあげる」みたいに「格ゲー上手くない友達と遊ぶ時には苦手なキャラを選ぶ」ということもやっていましたからね。




 『ストII』の続編『ストIIターボ』……というのはスーファミ移植版の話なので。
 ゲームセンターで出た順番で、『ストII』の次の『ストII’』の話をします。

 この作品は『ストII』で敵専用キャラとして登場した「バイソン」「バルログ」「サガット」「ベガ」という四天王をプレイヤーも使えるようになっただけでなく、前作の「強キャラ・弱キャラ」問題も解決させようとバランスが調整された新作です。現在ではインターネットを介したバージョンアップでやるようなことですが、当時はそんなことは出来なかったから新作を出して解決しようとしたんですね。
 強かったキャラは弱体化され、弱かったキャラは強化され―――というはずが、前作のボスクラスである四天王が追加されたことで、強キャラはベガ、サガット、そして弱体化させたはずのガイルが三強で、続いてバルログ、という「さすがの四天王」というバランスになっていたそうです。バイソン?はて……

 私『ストII’』はほぼプレイしたことがないんですけど、これはこれで良いバランスなんじゃないのかって思うんですね。『ダウンタウン熱血行進曲』で冷峰高校が強いのは「前作の強キャラが集まっているから」なのと同様に、前作でボスキャラとして君臨していたベガやサガットが自分達で使えるようになったら強くて当然じゃないですか。仲間になった途端に弱くなったら、『スーパーロボット大戦』じゃないですか。



 ですが、『ストII’』の次の『ストII’ターボ』……こちらがスーファミで発売された『ストIIターボ』の元と言える作品なんですが。
 『ストII’』のキャラに「追加の必殺技」が与えられた他、様々なバランス調整がされていて、この時期の『ストII』シリーズでは最も「キャラの強さの差」が少ないゲームになっていたみたいです。
 そのため、『ストII’』で強かったベガやバルログは最弱クラスになってしまい、前述したようにスーファミユーザーからすれば『ストII』の続編が『ストIIターボ』だったため、前作で敵だった時はあんなに強かったベガやバルログが自分で使えるようになった途端にクソ弱くなったという印象にしかならなくなったという。

 また、『ストII』『ストII’』で最強クラスだったガイルも極端な弱体化が図られただけでなく、他の初期メンバー7人が「新必殺技」によって局面を打開できるように調整されたのに対して、ガイルのみ「新必殺技」がないというイジメみたいな扱いを受けていました。
 『ストII』から『ストIIターボ』という新作にワクワクしながら1万円近くを出して買うのは、「四天王が使える」「今までのキャラも新必殺技が追加されている」というところが大きかったと思うのですが、四天王は弱いわ、ガイルだけ必殺技が追加されていないわ―――

 結果、それで「全てのキャラの強さがそこそこ均等になった」と言えるのかも知れませんが、私は当時すっかりガッカリして以後のシリーズを買わなくなったのを覚えています。



 「全てのキャラの強さを均等にする」のってそんな大事なことなんですかね?
 仮にそれが大事だったとしても、「弱いキャラを強化する」のではなく「強いキャラを弱体化させる」ことでバランス調整を図ろうとすれば、そのキャラを使っていた人達をガッカリさせることにならないのかって思うのです。


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 ちょっと話が変わりますけど……「オフライン対戦のみ、オンライン対戦なし」というゲームが発売されるたびに、「今日日オンライン対戦もないなんて!」とか「友達のいない人間を軽視しているのか!」と批判する人がいるのですが。


 「オンライン対戦のゲーム」と「オフライン対戦のゲーム」はまったくの別物で、「オンライン対戦」を入れた時点でこの「全てのキャラの強さを均等にしなければならない」問題に巻き込まれてしまうと思うんですね。
 「オフライン対戦」ならば、強キャラがいても「○○使うの禁止なー」とか「ハンデとして○○使ってイイよー」と言えば済む話が、「オンライン対戦」になると「○○が強すぎてオンラインに○○しかいない!クソゲーだ!」と言われてしまいますからね。オンライン対戦を入れるとそういうバランス調整をしなければならないし、「強すぎるキャラ」「弱すぎるキャラ」を意図的に入れることも出来なくなります。


 例えば『ストII』ブームの頃には、ゲームセンターではなく家庭用に漫画やアニメを原作にした格闘ゲームがたくさん発売されましたが……『幽遊白書』の格ゲーなら「戸愚呂(弟)」を意図的に最強にすることに誰も文句はないだろうし、『ドラゴンボール』の格ゲーなら「完全体セル」を意図的に最強にすることに誰も文句はないと思うんですよ。むしろ、「戸愚呂(弟)」が「朱雀」と同じくらいの強さだったり、「完全体セル」が「人造人間20号」と同じくらいの強さだったりした方が、原作無視だと思うんですよ。

 ですが、こうしたゲームに「オンライン対戦」を入れてみたら、「戸愚呂(弟)が強すぎてオンラインに戸愚呂(弟)しかいない!クソゲーだ!」「完全体セルが強すぎてオンラインに完全体セルしかいない!クソゲーだ!」みたいに言われてしまうという。そういう極端なバランスのゲームは、「オンライン対戦」があって当然という時代では許されなくなっちゃうんです。





 それはそうと、現実のパ・リーグはソフトバンクホークスがあまりに強くて「全てのチームの強さが均等でない」ので、柳田の打力を下方修正するアップデートを早くやってくれないかなと日々思っています。逆に、去年の6月くらいまでは恐ろしい打力を誇っていたヤクルトの山田哲人が、『ストIIターボ』のガイルみたいな弱体化をされたのはあまりにヒドイ運営だなと思って観ています。

 西武ライオンズが優勝するシナリオは有料DLCですかね?
 無課金でガンバってもちっとも優勝できないんですけど。


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| ゲーム雑記 | 17:53 | comments:20 | trackbacks:0 | TOP↑

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壁を越えれば分かるスピード感と戦略性!『いけいけ!熱血ホッケー部』紹介(7点)

【三つのオススメポイント】
・「サッカー」とは違う、「アイスホッケー」ならではのスピード感
・倒した敵の「コスチューム」を奪って強くなる成長要素
・敵に合わせて様々なプレイスタイルを変えられる戦略性


『いけいけ!熱血ホッケー部 「すべってころんで大乱闘」』
 ファミリーコンピュータ用/アクション
 テクノスジャパン
 1992.2.7発売
 Wii Uバーチャルコンソール用
 アークシステムワークス/ミリオン
 2014.6.19配信開始/476円+消費税
 公式サイト
 ※ 3DSWiiのバーチャルコンソールでも配信されています

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※ この紹介記事はWii Uバーチャルコンソールにてダウンロード販売されたものをプレイして書いているので、オリジナルのファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。

○ 「サッカー」とは違う、「アイスホッケー」ならではのスピード感
 くにおくんシリーズの「アイスホッケー」のゲームです。
 くにおくんシリーズは一つのゲームが多機種で展開されていてそれぞれ微妙に中身が違ったりするので、これを何作目と数えるのかは意見が分かれそうですが……大きな流れで考えれば、「ドッジボール」「サッカー」に続く「くにおくんのスポーツゲーム3作目」と言えますね。

 それまでの「くにおくんのスポーツゲーム」が、小学生が休み時間に遊ぶ定番競技「ドッジボール」「サッカー」だったのに比べると……恐らく「アイスホッケー」を実際にやったことのある日本人はそれほど多くないでしょうし、私は「アイスホッケー」のテレビ中継すら観たことがありません。ルールもほとんど分かりません。

 マイナー競技を題材にしたせいか……「ドッジボール」や「サッカー」が他機種に移植されまくったり続編が出たりしたのに比べて、この「アイスホッケー」は移植も続編もなくファミコン版の1作限りになってしまっています(※1)。故に、「くにおくんシリーズ」の中ではマイナーな知名度の作品かも知れませんね。

(※1:正確にはとてつもなく評判の悪いゲームボーイアドバンスの移植版もありますが)


 ゴールキーパーが守っているゴールネットにボールを撃ち込む競技―――と考えると、「サッカー」も「アイスホッケー」も似たようなものとも言えるので、自分はずっと「サッカーのような競技のゲーム化」と捉えて遊んでいました。しかし、それは間違いです。
 「アイスホッケー」は「サッカー」とは全然違う競技だし、このゲームは「アイスホッケーならではの魅力」を再現しているゲームです。「サッカーのような競技のゲーム」として遊んでしまうと、操作のしづらさにイライラしてしまうことでしょう。このゲームは「アイスホッケー」のゲームなんだと理解して遊ぶことが大事です。


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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 『サッカー編』は1チーム「5人+ゴールキーパー」で、操作出来るキャラは1人だけで、他のキャラには指示を出すだけ―――というゲームだったのに比べると。
 この『熱血ホッケー部』は「3人+ゴールキーパー」で、キーパーも含めた全部のキャラを操作するゲームになっています。操作キャラの切り替えはオートで、ゴールキーパーだけは他のキャラを動かしている時にも同時に動きます。
 ファミコンのコントローラは「十字ボタン」と「Aボタン」「Bボタン」しかないから、キャラの切り替えが自分で出来ないんですね。2人協力プレイや4人対戦の際には一人はゴールキーパーを操作することになるみたいですが、それ……楽しいのかな。


 Wii版バーチャルコンソールのサイトを見ると、操作方法が書かれていますが……「十字ボタン」と「Aボタン」「Bボタン」しかないのに、多彩なアクションが可能で「何をどうしてイイか分からない!」と思ってしまうことでしょう。

 覚えるべきは
・「十字ボタン」を素早く2回押すとダッシュ
・「Aボタン」「Bボタン」同時押しでジャンプ
・攻撃時は「Bボタンでショット」「Aボタンを短く押すとパックを浮かせる」
・守備時は「Aボタン」でも「Bボタン」でも敵を吹っ飛ばす


 基本はこんなところです。



 『サッカー編』が、実際のサッカー同様に「スペースの奪い合い」が肝となっているゲームだったことは以前に書きました。なので、あのゲームは「ボールを持っていないキャラの操作」や「パスを要求するタイミング」が大事で、故に「操作出来るキャラは最初に決めた1人だけ」というシステムだったんですね。

 この『熱血ホッケー部』は、対照的に「パックを持ったキャラを操作する」ゲームです。
 なので、『サッカー編』のような「ボールを持っていないキャラの操作」や「パスを要求するタイミング」は重要ではなく、パックを持ったキャラがスピードに乗って敵のタックルをかいくぐりながら敵ゴールに迫るゲームなのです。パスワークよりも、カウンターの応酬が続くんですね。

 また、アイスホッケーなのでダッシュに強い慣性がかかりますし、ダッシュしたまま壁やゴールポストにぶつかると一定時間行動不能になってしまいます。そうしたリスクを制御して、華麗に氷上をかけめぐりゴールを決めていくスピード感がとてつもなく気持ちよいゲームなのです。

 サッカーゲームの感覚で「パスワークで崩そう」みたいに考えてしまうと、「動きに慣性がかかって操作しづらい…!」とイライラしてしまうのですが。ここは氷の上です。氷の上なのに陸と同じような感覚でプレイすることが間違っているのです。最初の壁は高いですが、それを乗り越えて思ったように動かせるようになるとスピード感が溢れるゲームに化けるのです。


○ 倒した敵の「コスチューム」を奪って強くなる成長要素
 『サッカー編』には「試合に勝っていくと、食中毒で倒れていたサッカー部員が次々と戻ってくる」展開がありました。
 今回の『熱血ホッケー部』にも「途中で入部してくる強力な新入生」はいるんですが、それ以上に目玉になっているのは「コスチューム」システムです。


 このゲームの大まかなストーリーを説明すると、「廃部寸前のアイスホッケー部を見かねたくにおが助っ人として参戦するだけでなく、くにおのツテで組まれた様々な練習試合に勝って自信と実力を付けていく」という話です。
 くにおのツテで組まれた練習相手はアイスホッケー部ではありませんが、それぞれの競技の特技を活かしたチームになっていて……そのチームに勝つと、そのチームが着ていた「コスチューム」を譲り受けて、それを着ることによって「その特性」を受け継ぐことが出来るのです。


 具体的に言うと、「剣道部」に勝つと「剣道着」が着られるようになって……
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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「剣道着」を着ているので、竹刀から衝撃波を出すことが出来ます。
 「剣道着」を着ているので当然ですね。



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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「野球部のユニフォーム」は攻撃力・守備力は低いのですが、ゴールキーパーが敵の必殺ショットを打ち返すことが出来るという特殊能力があります。「野球部」だから必殺ショットを打ち返せるのは当然ですね。


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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 百合ヶ丘女子に勝つと「スカート」が手に入ります。
 可愛い。

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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「アメフト部の防具」は攻撃力・守備力ともにバランスが高く、アメフト部なので頭突きやバッグドロップが可能です。これもアメフト部だから当然ですね。「頭突き」が出来るということは豪田からもらうのかと思いきや、まさかのりきからもらうという(笑)。


 
 「コスチューム」は全部で8種類。特殊能力だけでなく、攻撃力・守備力も設定されているので……「攻撃力重視」か「守備力重視」か「特殊能力重視」か、プレイヤーのプレイスタイルと敵の能力を考えて選ぶ必要があります。

 “倒した敵の能力を奪って強くなる”ゲームは、『ロックマン』に代表されるようにゲームの王道システムではあるんですが……それが私達に馴染みのある「剣道着」や「野球部のユニフォーム」だったりする上に、ちゃんとストーリーに組み込まれているのも個人的にはポイントが高かったです。ストーリーとシステムが噛み合っている、ここ大事。



○ 敵に合わせて様々なプレイスタイルを変えられる戦略性
 このゲームで必殺ショットを撃つ方法は、「Bボタンで溜め撃ち」「Aボタンでチョンとパックを上げた後タイミングよくBボタンを押す」などがあるのですが……予備動作に時間がかかるので、相手のタックルを喰らってしまいがちです。
 私はこのページで書かれている「ダッシュ→Aボタンを短く押してパックを上げる→ABボタン同時押しで自分もジャンプ→空中でAボタンを押してジャンプマッハスイング」を使っていました。タイミングがシビアなので毎回必殺ショットが出せるワケじゃないですけどね。


 ただし、いずれの方法の場合も「パワーゲージが0だと必殺ショットは撃てない」のが基本らしいです。スクリーンショットを見てもらえれば分かる、HPゲージみたいなヤツです。敵に殴られたりすると、このゲージが下がってしまって必殺ショットが撃てなくなるんですね。

 そこで「コスチューム」の「攻撃力」「守備力」が大事なのです。
 「攻撃力重視」のコスチュームを着て、ピリオドが始まったらパックなど気にせずとにかく敵をぶん殴りまくってパワーゲージを0にして必殺ショットを封じるとか。
 「守備力重視」のコスチュームを着て、こちらが常に必殺ショットを撃てるようにするとか。
 相手に必殺ショットを撃たれることを覚悟して、「野球部のユニフォーム」で敵の必殺ショットを打ち返す作戦とか。


 こちらの布陣とプレイスタイルと敵の能力に合わせて、「コスチューム」を変えることで様々な戦い方が出来るんですね。バランスの良い「コスチューム」はありますが、最強の「コスチューム」はありません。自分と敵に合わせた「コスチューム」を選ぶ戦略性の高いゲームなのです。



 また、ゲームをやりこんだ人向けの裏技として、パスワードを「4728」と入力すると「メンバーはドッジボール部のまま」「コスチュームも最弱のまま」という戦略性も何もない裏モードも用意されています。

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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 コンティニューは出来るけど、パスワードによる再開をするとメンバーはホッケー部に戻ってしまいます。
 全面クリア後に腕試しの目的で自分もやってみましたが、白金戦で力尽きました。どんだけ敵をぶん殴ってもパワーが減らないので、必殺ショットを撃たれまくるんですもの……



 とまぁ……ファミコン後期のゲームなだけあって「作りこみ」は凄まじいゲームですし、『サッカー編』とは全然違うことをやろうとした意欲作なのは間違いないです。『サッカー編』と違って対戦モードでほとんどのチームが選べることもgoodです。ただ、志は買うけどファミコンでコレをやらせるのは厳しいと思うところも残念ながらあります。
 途中でチラッと書きましたが、ファミコンのコントローラは「十字ボタン」と「Aボタン」「Bボタン」しかありません。「スタートボタン」と「セレクトボタン」は2コンには付いていなかったので、対戦ゲームでそれありきの操作方法に出来ないんですね。故に、プレイヤーが自分で操作キャラの切り替えが出来ないのが非常にイライラするのです。

 コンピューターがオートで操作キャラを切り替えてくれると言っても、パックに一番近いキャラが操作できるワケではありません。パックが目の前にあったり敵が溜め撃ちをしようとしたりしてても棒立ちなこともしばしば。
 また、味方のコンピューターがダッシュしている際に自分に操作が切り替わると急にダッシュが止まるみたいで、そのせいで敵に追いつけなかったりもします。一瞬の隙で必殺ショットを敵が撃ってきたり、味方が壁にぶつかって操作不能になったりするゲームでこれはキツイ。

 ダッシュに慣性が付くのはそれを使いこなせるようになる楽しさがあって「アイスホッケー」ならではの魅力だと言えますが、この操作キャラの切り替えのイライラは理不尽さしか感じません。


 『ドッジボール部』や『サッカー編』は後に色んな機種でも展開されるんだから、この『熱血ホッケー部』もスーファミ以降の機種で展開されて「LRボタンで操作キャラの切り替え」とか「操作キャラの切り替えのオン/オフ」「ゴールキーパーだけオートに出来る」とかの改良がされていれば万人にオススメできる傑作になったのになぁ……と思ってしまいます。このゲームこそが続編を出すべきだったと言いたいけど、「アイスホッケー」という題材ゆえにそんなに売れなかったんですかねぇ。

 現状だとやはり、「意欲は買うけど理不尽さも強い」ゲームかなぁと。


○ 総評
 ということで……クセの強いゲームですし、壁を乗り越えるまでが大変ですし、乗り越えてもまだ「ここさえ何とかなればなぁ」「続編で改良してくれないかなぁ」と思ってしまうゲームではあるのですが。
 続編が出ていないことで逆に、何十年経ってもまだ「このゲームにしかない魅力」を持っているとも言えて……私は、バーチャルコンソールで出ているファミコンの「くにおくんのスポーツゲーム」三作品『ドッジボール部』『サッカー編』『熱血ホッケー部』の中で、一番好きな作品になりました。

 もし、「昔遊んだことがあるんだけど、操作しづらいだけでよく分からなかったなぁ……」って人がいらしたら、その壁の向こうにこのゲームにしかない魅力があることを強く主張したいです!


 「くにおくんシリーズ」のバーチャルコンソール配信は、Wiiで出ていたものをWii Uでも出すだけになって久しいのですが……そろそろ『熱血!すとりーとバスケット』とか『くにおくんの熱血サッカーリーグ』も出して欲しいですね。「くにおくんのスポーツゲーム」、全作品制覇を目指したいです!
 それを言い始めると、『熱血格闘伝説』や『初代熱血硬派くにおくん』なんかも……いや、その前にアーケード版の『熱血高校ドッジボール部』を(キリがない)。


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「このゲームはどうやって遊ぶのか」を教えてくれるサイトのありがたさ

 ゲームを遊ばないと、ブログに書くゲームの話題があっという間に尽きちゃうなーということで……2月に入ってからWii Uのバーチャルコンソールで『いけいけ!熱血ホッケー部』を始めました。くにおくんシリーズのアイスホッケーゲームです。

 このゲームは元々はファミコンのソフトなのですが、このゲームが発売された1992年はスーパーファミコンの大ヒットソフトが連発した年なのです。『ロマンシング サ・ガ』『弟切草』『ストリートファイターII』『マリオペイント』『スーパーマリオカート』『ドラゴンクエストV』『ファイナルファンタジーV』……
 くにおくんシリーズも『初代熱血硬派くにおくん』をスーパーファミコンで発売しているくらいで、みんなの遊ぶゲームがファミコンからスーパーファミコンに移行した時期と言えます。我が家がスーパーファミコン本体を買ったのも、『ストII』目当てでこの年でした。そういう時期だったので、この年の2月にファミコンで発売された『いけいけ!熱血ホッケー部』にはそれほど存在感がなく、遊ぶ機会がほとんどありませんでした。友達の家で1~2度遊んだくらい。


 このゲームがWiiのバーチャルコンソールで配信された時も「くにおくんシリーズはとりあえず応援のために買おう」と買ったのですが、面白いか面白くないか以前に「どうやって遊ぶゲームなのかが分からない」状態でした。
 いや、まぁ……ファミコンのゲームなのでボタン数は多くないし、「十字ボタンで移動」「Bボタンでショット」「Aボタンはパス?」「ABボタンでジャンプ」というのは触ってみれば分かるのですが……どうやれば必殺シュートが撃てるのかとか、どうやれば相手のシュートを防げるのかとかが全然分からなかったのです。


 なので、今度こそWii Uのバーチャルコンソールでリベンジだ!としたところ……
 やはりよく分からない。
 説明書を読んでも「特殊な操作がいっぱいある」ことは分かるのですが、それらをどう使えばイイのかが分かりません。Wiiのバーチャルコンソール公式サイトの「アドバイス」を読んでも、「このパスワードを入れるとサウンドテストが出来るよ!」というどうでもイイ情報しか載っていません(笑)。


 実は、くにおくんシリーズって「取っつきやすいようで取っつきにくい」シリーズだと私は思うのです。『ドッジボール部』の頃から「必殺シュートの撃ち方」なんてノーヒントですし、『熱血行進曲』だって「このキャラがこういう特徴を持っている」なんてことをいちいち教えてくれませんでした。

 ものすごく奥が深い要素を仕込んであるのに、一切説明せずに「さぁ!楽しむが良い!」と放り投げてくるだけなので……「どうやって遊ぶゲームなのかが分からない」ことも多く、それなのにキャッチコピーなんかだと「敵をぶん殴ったり出来るハチャメチャスポーツ!」と気軽に遊べるゲームとして紹介されていて。
 友達みんなで同じゲームを遊んでいる時期はそれでも「このキャラ実は強いらしいぞ」とか「あそこに秘密の店があるらしいぞ」みたいな情報がまわってきて問題なく楽しめたのですが、一人で遊ぶと「どうやって遊べばイイのか」がさっぱり分からないという。


 「ファミコンの頃のゲームはみんなそうじゃん」と思うかもしれませんが、『スーパーマリオブラザーズ』にしろ『ドラゴンクエスト』にしろ、最初の数分で「このゲームはどうやって遊ぶゲームなのか」を教えてくれていたことを考えると。
 くにおくんシリーズが行き詰ってしまった理由として、「スーパーファミコンに移行出来なかった」とか「テクノスジャパンがくにおくん一本になりすぎた」とか色々言われていますが、「奥が深い要素」に気付かれないまま「底の浅いゲーム」として思われてしまったからというのもあるんじゃないかと思いました。

(関連記事:私は(貴方は)そのゲームの魅力をちゃんと把握していますか?



 ということで、攻略方法が書かれているホームページを探しました。

 いけいけ!熱血ホッケー部の部屋MARKN'SHomepageさん)

 おぉ!すごく分かりやすい。
 「たくさんある特殊操作」の中で「特に覚えた方がイイ操作」を書いてくれているのがありがたい。また、「このゲームすげえ難しいんじゃ……」と途方に暮れた自分にとって、「このゲームは最初は難しいです」「操作に慣れてしまえば爽快感のあるゲームに変わります」と書いてくれているのが勇気付けられます。


 じゃあ、実際にここに書かれていることをやってみよう!と1試合プレイしたところ、全部が全部出来たワケではないのですが、見違えるように「このゲーム面白ええええええ!」と驚きました。
 このゲーム、「ダッシュ」が肝なんですね。守備時に使う「ダッシュ回転足払い」も、このページでテクニックとして紹介されている「ジャンプマッハスイング」も、ダッシュ時にしか使えません。しかし、このゲームはダッシュしたまま壁やゴールにぶつかると一定時間行動不能になってしまうので、「ダッシュ中ターン」などのテクニックでキャラの動きを制御しなくてはならないという。
 なので最初は「思ったように動かせない……」と戸惑ってしまうのですが、恐らく実際のアイスホッケーだって最初はそうでしょうし、慣れてきて自在に動かせるようになるとスピード感溢れるゲームに変わってくるという。


 このページを読まなければこんなことは分かりませんでしたし、このゲームが面白いことにすら気付きませんでした。23年越しに知る、このゲームの魅力。こういうサイトがWEBに残り続けてくれていることに感謝です。


 さて、この話……別にレトロゲームに限った話ではないですよね。
 ファミコン時代とは比べ物にならないほどゲームが複雑になった今、「このゲームはどうやって遊ぶゲームなのか」が分からないままゲームを辞めてしまう人はむしろ増えているんじゃないかと思うのです。

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 あれだけたくさんの人に遊ばれている『スマッシュブラザーズ』ですら、「ボタンをテキトーにガチャガチャ押していれば初心者でも上級者に勝てる底の浅いパーティーゲームでしょ?」と言う人はいます。
 私自身も3Dアクションゲームは世間でものすごく評価の高いゲームであっても、エンディングまで到達してもなお「何が面白いのか分からない……」ままだったりします。で、その感想をそのままブログに書いたら「オマエのようなヤツは二度とそのゲームについて語るんじゃない!」と炎上する日々。


 こういうのは「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」が分からずにプレイしているからではないかと思うのです。「そんなことも教えてもらわないと分からないのかよ!」とまた炎上しそうですけど……

 例えば、ゲーム内で「全部のテクニックをチュートリアルで説明してくれるゲーム」であっても、「この操作をするとこういうことが起こるんだ」は分かっても、「この操作はどういう時に使うのか」がサッパリ分からなかったりします。
 ファミコンの『いけいけ!熱血ホッケー部』ですら「ノーマルスケーティング」「ダッシュスケーティング」「ダッシュ中ストップ」「ダッシュ中ターン」「チョン!パス」「スラップショット」「フリップパス」「スラップショット」「あしばらい」「スティック振り抜き」「ショルダータックル」「どすこいパンチ」「ダッシュ回転あしばらい」「ジャンプマッハスイング」と特殊な操作がいっぱいあって、どれを使えばイイのかサッパリ分かりませんでした。あのページは、特に使うのはこの4つだ!と教えてくれたから実用的だったのです。


 また、最近のゲームは「買った人は全員クリアまでは出来るようにしよう」と、難易度選択とか稼ぎプレイでのパワーアップとかで下手くそな人でもクリアは出来るようになっているものも多く。そうしたゲームは、「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」が分からなくてもクリア出来ちゃったりするんですね。
 それこそ『スマッシュブラザーズ』も、難易度が低ければ「ボタンをテキトーにガチャガチャ押していれば初心者でもシンプルモードのクリアは出来るゲーム」です。難易度を上げたり、オンライン対戦でちゃんと上手い人と戦ったりすれば全然適わないのだけど、クリアだけして「底の浅いゲームだったなー」と辞めちゃう人もいるんです。前作『X』の時はそういうレビューもそこらで見ました。



 もし自分がプレイしているゲームの何が面白いのかが分からなかった場合―――
 今回私が「攻略方法が書かれているホームページ」を頼ったように、インターネットという集合知に頼るというのも手だったのかなと思うのです。攻略Wikiを読むでも、Miiverseみたいな場所でアドバイスを求めるでも、上手い人のプレイ動画を観るでもイイんですけど……
 23年間、私が『いけいけ!熱血ホッケー部』のことを「底の浅いゲームだ」と思っていたことを考えると、自力で攻略したり上達したりという楽しさを放棄したとしても、「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」を知ることは大事だったんじゃないのかなと思うのです。


 いや、もちろん……その上で「何にも面白くないゲーム」もありますし……
 世間でものすごく評価されていて、その楽しみ方を熟知してもなお「自分の肌には合わないゲーム」もあるとは思いますけど……




 で、逆に自分の好きなゲームが何が面白いのか分かってもらえていない場合―――
 「なんでこんな面白いゲームが売れないんだ!」とか「ヌルイ世代はこの程度で投げ出すのか!俺らの若い頃のゲームはもっと難しかったぞ!」とか愚痴るんじゃなくて、「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」を広めていくのが大事なんじゃないかなぁと思うのです。
 攻略サイトを作ったり、攻略Wikiを作ったり……というのが面倒くさいんだったら、Miiverseみたいな場所でアドバイスするとか、他の人が書いた「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」という記事をRTしていくとか、手は何だってあると思うのです。


 「上達」が楽しいのか、「攻略」が楽しいのかという話で考えると、「上達」が楽しいゲームはともかく、「攻略」が楽しいゲームはネタバレになってしまうとも思うのですが……

 くにおくんシリーズの話を思い出しても、友達同士でみんなで遊んでいる時は「集合知」によって「こうやると必殺技が出せるぞ」とか「このキャラ実は強いぞ」とかの情報が共有されていましたが、一人で遊ぶとそうしたものを全部自力で見つけなきゃいけないんですね。そりゃとっつきにくいよと思うのです。
 好きなゲームを本気で応援していきたいのなら、ウチのブログもそういう「このゲームはこうやって遊ぶと楽しい」みたいな情報を書いていくべきかなぁと思いました。自分がオススメしたゲームを買ってくれた人が「手も足も出ません!」とブン投げている様を見ると、オススメするだけじゃ無責任だとも思うんですね。


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| ゲームプレイ日記 | 17:47 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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リメイク作品の適正価格とは

 これについてはコメントせざるを得ない……!

 『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会~オールスタースペシャル~』24年の時を経ていま蘇る!ファミ通.comさん)

 PS3で「くにおくん」シリーズの代表作『ダウンタウン熱血行進曲』が発売されるそうです。
 現時点で明らかになっている情報だと「種目」「登場キャラクター」「マップ」いずれもがファミコン版と同じっぽいので、「続編」というよりは「リメイク」という立ち位置のソフトですかね。横に広いワイド画面に、やたらリアルな背景、背景の観客のゴチャゴチャ感に、オンライン対戦対応―――と、3DS以降の「くにおくん」の路線を継承しつつ、PS3版らしいパワーアップをしているかなぁと思ったのですが。


 4800円[税抜](5184円[税込])


 お、おう………
 マジか……これからたくさんの追加要素が発表されるのかも知れないけど……24年前のゲームのリメイクをこの価格で発売するのか。
 「オールスタースペシャル」って言われてもファミコン版の時点で「ほぼオールスター」だったので、追加キャラがあったとしても「みすず」「しんじ」「さぶ」とか、「もるどふ」とか、いつものメンバーでしょ!どうせ!



 と、第一印象は「高い!」だったんですが……
 3DSで発売した『熱血硬派くにおくんすぺしゃる』も、『熱血硬派くにおくん』の25周年リメイクで税別4200円でした。それを考えると今回の『熱血行進曲』のリメイクが特別高いというワケではないし、くにおくんシリーズ初のオンライン対戦モードが入っている(※1)とすればこのくらいの価格は妥当だろうとアークシステムワークスさんは考えているのかも。あとは追加要素次第ですかねぇ。

(※1:家庭用ゲーム機では、という話。黒歴史を掘り返してはならぬ)


 個人的には……「くにおくん」シリーズはアーケードで生まれ、ファミコンで育ち、スーファミで死んだシリーズなので。過去作品のダウンロード販売をしようとするとどうしても任天堂ハードのバーチャルコンソールになるし、最近の新作も任天堂ハードで出ることが多かったので。

 敢えて「PS3専用パッケージソフト」で発売する今作がどのくらい売れるのかは気になります。Twitterの反応を見る限り、好意的な反応も少なくないみたいですしね。私はオンライン対戦自体が大嫌いなので買いませんけど(笑)。




 そう言えば……と、思い出した話題が。

 高精細画像で蘇る「バイオハザード HDリマスター」発売決定GAME Watchさん)

 『バイオハザード』は元々1996年にPS用ソフトで発売され、2002年にゲームキューブ用ソフトとして大幅リメイクされ、2008年にはWii版も出たものを、今回HDリマスター化してPS4&PS3&Xbox One&Xbox360&PCで発売するそうです。『FF4』と「何回リメイク&移植されたか対決」でもやっているんですかね?(※2)

(※2:『FF4』の製品展開『バイオハザード1』の製品展開

 そして、定価。
 様々な機種から出るし、限定版とかダウンロード版とかややこしいんですが……

 PS3のパッケージ版は税別3990円、PS3とXbox360のダウンロード版は税別3694円だそうです。
 『熱血行進曲』の税別4800円からすると「安い!」と思いかねませんし。リメイク前の作品と比較するのは筋違いかも知れませんが、リメイク前のゲームアーカイブス版が税別571円で遊べることを考えると……流石に高いかなぁ、というところ。ちなみにWii版はBest Price版が出ているので税別2000円で販売されています。



 ゲームのリメイク作品なんて今に始まった話ではありません。
 スーファミの頃から「ファミコンのリメイク作品」はありましたし、10年くらい前までは「あの懐かしの名作が最新機種でよみがえるんだ!」という喜びは確かにあったと思います。でも、今って「懐かしの名作そのもの」を安価でダウンロード販売しちゃっていますもんね。

 『熱血行進曲』のファミコン版は、Wiiでも3DSでもWii Uでもバーチャルコンソールで販売されています。価格は税別476円。
 「どうしてバーチャルコンソールを展開している3DSやWii UじゃなくてPS3でリメイク作を出すんだろう?」と最初は思ったのですが、476円の横に4800円の商品を置いても誰も4800円を手にしないでしょうから、「リメイク前の作品をダウンロード販売していないPS3」という選択肢は必然だったのかもと。




 当たり前なことですが、「過去作品をそのままダウンロード販売する」ことよりも「過去作品をリメイクする」方が大変なワケです。だから、バーチャルコンソールやゲームアーカイブスでは500~600円で売っているものを、リメイクすると何千円という定価になるのは仕方がないことだと思います。

 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』だって、Wiiのバーチャルコンソールでは税込1200円で売っていましたが、3DS版のリメイクを税別4571円で発売してそこそこのヒットになっています。
 リメイクじゃないですけど『ロックマン9』や『みんなでスペランカー』は、過去作品が税込500円でダウンロード販売されていたのに合わせて、新作の定価は税込1000~1200円に抑えましたが。その代わり、追加コンテンツを有料DLCとして売っていました。




 手はないワケじゃないし、絶対に売れないワケでもない。
 しかし、「わーい!○○のリメイクだー!」「○○の新作が出たぞー!」と手放しで喜べた時代とちがって、過去作品のダウンロード購入が出来る現在だと“過去作品の活用”ってすごく難しくなったなと思うのです。大金かけてリメイクしても、「そんなに高いのなら別にイイや」って言われかねない。

 それこそ、『ファイナルファンタジー7』なんかは「今のグラフィックでリメイクして欲しい」という要望が国内外から挙がっているなんて話ですけど。“今のグラフィック”で作ったら新作を作るくらいの開発費がかかるのでしょうから……ゲームアーカイブスやPC版が税別1429円でダウンロード販売されている状況で、「リメイク版の定価は税別8800円です!」って言われたとしてもみなさん買うんですかね?



 今回の『ダウンタウン熱血行進曲』の価格で条件反射的に「高い!」と思ってしまったことって、何かゲームの未来に対して重要な危機が潜んでいるんじゃないかって思わなくもないのです。

| ゲーム雑記 | 17:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

意外にちゃんとサッカー!『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』紹介

【三つのオススメポイント】
・「日本代表の選手」すら一人も有名でない時代のサッカーゲーム
・あの時代にちゃんと「サッカーの楽しさ」をゲームで表現していた!
・ゲームを理解するとガンガン攻略できる絶妙な難易度


『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』
 ファミリーコンピュータ用/サッカー
 テクノスジャパン
 1990.5.18発売

 Wii Uバーチャルコンソール用
 アークシステムワークス/ミリオン
 2014.3.19配信開始/476円+消費税
 公式サイト
 3DSWiiのバーチャルコンソールでも配信されています

熱血高校ドッジボール部サッカー編熱血高校ドッジボール部サッカー編

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※ この紹介記事はWii Uバーチャルコンソールにてダウンロード販売されたものをプレイして書いているので、オリジナルのファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。


○ 「日本代表の選手」すら一人も有名でない時代のサッカーゲーム
 移植作品を一つと考えるなら、「くにおくん」シリーズ第4作目。
 ベルトアクションだった『熱血硬派くにおくん』が第1作、その主人公だったくにおくんがドッジボールで世界一を目指す『熱血高校ドッジボール部』が第2作、第1作のベルトアクションにRPG的な要素を加えて二人協力プレイで遊べた『ダウンタウン熱血物語』が第3作―――すっかり人気を確立していた「くにおくん」の4作目はなんとサッカー!しかも『ドッジボール部サッカー編』!分かりづらいタイトル!!


 このゲームについては、ちょっと言いたいことがあるのです。
 色んなレビューサイトとか、バーチャルコンソールの公式サイトでさえ、このゲームのことを「くにおくんシリーズなのでルール無用のケンカサッカー」だとか「選手は6人だけでオフサイドもないのでサッカーを知らない人でも楽しめる」だとか書かれているのをよく目にします。


 いやいやいやいや!
 そりゃ確かに昨今の超リアルなサッカーゲームに比べれば、ものすごく「サッカーのルール」を無視していると思いますよ。でもそれは「1990年のファミコンのゲーム」ではスタンダードなことだったじゃないですか。

 あの時代は“リアルな選手の動き”どころか“11人vs11人を動かす”ことがそもそも至難の業でした。
 1985年の任天堂の『サッカー』も“6人vs6人”でしたし、1988年の『キャプテン翼』はアクションゲームというよりシミュレーションやアドベンチャーゲームの方向でサッカーを成立させていました。野球ゲームは『ファミスタ』のようにファミコンで人気のジャンルでしたが、サッカーゲームはファミコンでリアルに表現するのは難しかったんですよ。
 Jリーグブームになる1992年~1993年頃になると「ファミコンでも無理矢理リアルなサッカーを表現しようとするゲーム」も出てきましたけど、その頃の主戦場はスーパーファミコン等の次世代機に移っていて、サッカーゲームが人気のジャンルになっていくのはスーパーファミコン等の世代以降なんです。『フォーメーションサッカー』『プライムゴール』『エキサイトステージ』等々……


 今、サラッと書きましたけど……
 このゲームが発売された1990年はJリーグブームの前、まだ日本にプロのサッカーリーグはないんです。
 日本プロサッカーリーグの設立が1991年、第1回ナビスコ杯が1992年、Jリーグの開始が1993年―――日本代表の監督にハンス・オフトが就任してダイナスティカップとアジアカップを優勝するのも1992年。

 こういうことを書くと当時からのサッカーファンに怒られそうですけど、1990年の時点では自分の周りの子ども達は禄にサッカー選手の名前なんて知らないくらいでした。みんなが知っているのはマラドーナくらい。日本のサッカー選手となると……うーむ、というレベル。

 では、サッカーは全然人気がなかったのか?と言うと、そんなこともなく。
 1980年代を席巻した『キャプテン翼』の超人気で、サッカークラブに入る子ども達は多く、サッカークラブに入っていない子ども達も放課後集まって公園でサッカーをしているくらいでした。サッカー漫画やサッカーアニメはみんな知っているけど、現実のサッカーは観たことがないので、ルールも曖昧なままみんなでボールを蹴っているというカンジで。



 そういう子ども達にとって、このゲームの「サッカー」って決して「ハチャメチャなサッカー」じゃなかったんですよね。“6人vs6人”で、石だらけのフィールドや氷のフィールドの上で戦い、必殺シュートが飛び交って、タックルやスライディングではファウルにならない―――それらは全然おかしいことではなかったし、しっかりとサッカーのゲームだったと思います。




 ……とは言え、です。
 今はもう2014年です。

 リアルなサッカーゲームはどんどん進化しているし、本田圭佑や香川真司の名前なら子ども達だって知っているだろうし、1990年にこのゲームをプレイした時と違って2014年にこのゲームをプレイしたら私だって「ハチャメチャなサッカーだなぁ(笑)」と思うのかと思ってプレイしてみたら……驚きました。


 あれ?意外にちゃんとサッカーしているぞ……!




○ あの時代にちゃんと「サッカーの楽しさ」をゲームで表現していた!
 そもそもなんですけど……『熱血高校ドッジボール部』だって決してリアルなドッジボールゲームではありませんよね。「相手のHPが0になって死ぬまでボールをぶつける」のがリアルなドッジボールだったら危険極まりありません!

 でも、あのゲームはちゃんと「ドッジボールの楽しさ」をゲームで表現していました。
 敵のボールをキャッチする気持ちよさ、リスクのあるダッシュシュートやダッシュジャンプシュートを撃つ時のドキドキ感、味方が一人しか残っていない時に外野でパスを回される怖さ、ボールをキャッチしたら一番強いヤツに渡してシュートを撃たせるソ連こんにゃろう。


 この『サッカー編』も同様に、“6人vs6人”だったり、必殺シュートが飛び交うゲームになっていたり、後ろからスライディングしてもファウルにならなかったりしていて……けっしてリアルなサッカーとは言えないのですが、ちゃんと「サッカーの楽しさ」をゲームで表現しているんです。それは、サッカーとは“スペース”の奪い合いだということ。



 “スペース”というのは、簡単に説明すると「敵のいない場所」。
 敵がいない場所ならば、自分にマークが付かないので思うようにボールが蹴られます。現実のサッカーも、この「敵のいない場所」を如何に作って、如何に使ってゴールに結びつけるのかというスポーツなのです。

 んで、『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』の話に戻します。
 このゲームを「ルール無用のケンカサッカー」と紹介する人が言う「後ろからスライディングやタックルをしてもファウルにならない」という部分なんですけど、この“ルール”があるおかげでむしろちゃんとしたサッカーゲームになっているのです。

 スライディングやタックルでボールが奪われやすい
→ 敵からスライディングやタックルを受けない位置でプレイをしなくてはならない
→ 「敵のいない場所=スペース」を如何に作るかというゲームになっている



 「後ろからスライディングやタックルをしてもファウルにならない」というゲームになっているから「ハチャメチャなサッカー」になっているワケではなくて、「後ろからスライディングやタックルをしてもファウルにならない」というゲームだからこそ「ちゃんとサッカーのゲーム」になっているのです。

 このゲームの特徴である「操作キャラは最初に一人を選んで、残りのキャラはコンピュータが動かす」であったり、“6人vs6人”というシステムであったりは、恐らくは当時のスペックとしてそういうものしか作れなかったということだとは思うんですが……
 こういうシステムのおかげで、「守備時に自分が敵のスペースを消す」プレイをしたり、「攻撃時に味方が作ったスペースに走りこむ」プレイが出来たりするので―――狙ってやったのか、結果的にそうなったのかは分かりませんが、「サッカーの楽しさ」の根源部分をしっかり楽しめるゲームになっているのです。


 これは、サッカーのルールを禄に知らなかった子どもの頃には気付きませんでした。
 サッカー大好きな大人になった今、プレイしてみてようやく気付けたことでした。



○ ゲームを理解するとガンガン攻略できる絶妙な難易度
 「くにおくん」シリーズは、「ルール無用のハチャメチャサッカー」みたいに表現されてしまうように「テキトーにガチャガチャやっていればクリア出来る」という誤解があるかも知れませんが、このゲームにはこのゲームなりのルールがちゃんとあって、それを理解することで攻略も楽になるしゲームとしても楽しくなるという特徴があります。


 Wiiのバーチャルコンソールで再プレイした時、どうやって遊ぶのかをすっかり忘れていてガチャガチャプレイしていて最初の敵にも勝てず、「何が面白いか分からねえや!」と投げてしまったのですが……
 今回Wii Uのバーチャルコンソールでリベンジを目指すため、各攻略サイトを熟読してからプレイしたところ、子どもの頃は倒せなかった服部学園も倒すことが出来て、「こんなに面白いゲームだったのか!」と発見することが出来ました。

 このゲームは「必殺シュート」以外の普通のシュートで得点を取るのは難しいです(※1)
 必殺シュートは、「空中のボールをオーバーヘッドかダイビングヘッドでシュートする」か「各キャラ固有の歩数時にシュートする」で出すことが出来ます。まずこれを知らないと最初の敵相手にすらどうしようもありません。

(※1:普通のシュートでも点が取れるパターンもありますが、一応ここでは伏せておきます)


 「くにおくん」シリーズではよくあることで、ついつい「主人公だから」という理由でくにおくんを使ってしまいがちなんですが、このゲームは操作キャラを他の部員にして、くにおくんはコンピュータに動かしてもらった方がイイです。
 初心者はこうじが楽らしいです。必殺シュートは上下がゴールからズレても入るし、“各キャラ固有の歩数”が3歩なので少しでもスペースがあると必殺シュートが撃てますし……あまりにも強力なので、慣れてきたら「操作キャラをこうじにするの禁止」という縛りプレイが必要なくらいです。


 序盤はキャラ性能が「味方>敵」なので、スペースなんて考えなくても敵を吹っ飛ばしたり引き離したり出来るのですが……
 後半は日本vsコートジボワールの身体能力の差が可愛く見えるくらい「味方<<<敵」というキャラ性能の差になるので、フィジカルとスピードに劣るチームで如何にしてスペースを消して敵にシュートを撃たせないか、一瞬のスキを狙ってこちらがシュートを撃つのか、という白熱の試合になっていきます。

kunio-soccer2.jpg
※ サッカーの試合の点数です



 とまぁ……ここまで絶賛してきましたが、
 欠点は「すぐ飽きる」ことです(笑)。

 得点パターンが限られているので、1周目は楽しいんですけど、操作キャラを変えて2周目をやろうとしてもやることは一緒なんですね。難易度調整もなくなっていますし。
 それは1人プレイで遊んだ場合であって、2人プレイは違うかも知れませんが……協力プレイはともかく対戦プレイは使えるチームが5チームしかないので、登場する全チームが使えた前作『ドッジボール部』からグレードダウンしている感は否めません。


 もちろんファミコンのゲームなんだから今のゲームみたいにボリュームたっぷりなワケがないし、バーチャルコンソールの500円だったらこれくらいのプレイ時間でも全然構わないと思うんですけど、他の「くにおくん」シリーズの傑作達に比べると物足りないかなとは思います。


○ 総評
 ということで、「みんなにもオススメ!」と言いたいワケでもないのですが、このゲームを「ハチャメチャなサッカー」だと誤解している人が多いのは「くにおくん」のファンでもあり「サッカー」のファンでもある自分には耐えられませんでしたし、1990年の時点でこういうゲームを出していたテクノスジャパンの凄さにもっと気付いてもらいたくて紹介記事を書きました。

 この『サッカー編』は、実は「くにおくん」シリーズの中で一番作品が出ていると言われていて……この後にゲームボーイで『熱血高校サッカー部 ワールドカップ編』、PCエンジン CD-ROM²で『熱血高校ドッジボール部 CDサッカー編』、PCエンジン Huカードで『熱血高校ドッジボール部 PCサッカー編』、メガドライブで『熱血高校ドッジボール部サッカー編MD』、ファミコン版の続編である『くにおくんの熱血サッカーリーグ』、そのDSリメイクである『くにおくんの超熱血!サッカーリーグぷらす ワールド・ハイパー・カップ編』が出ています。

 出すぎだっ!

 しかし、このゲームを遊んでいると「アイディアは素晴らしいからもっと煮詰めれば傑作になりそう」な予感がプンプンしてくるので。続編が出る度にブラッシュアップされていった可能性もありますし、メガドライブ版あたりは一度遊んでみたいなと思っているのですが、出してくれませんかねバーチャルコンソールに!

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