【三つのオススメポイント】 ・複雑なようで、根っこにある操作は実はシンプル ・これらは「オマケのミニゲーム」ではない!現代に蘇ったワイワイワールドだ! ・誰でもエンディングまで遊べる任天堂チューニング『The Wonderful 101』 Wii U用/ユナイト・アクション
任天堂/開発:プラチナゲームズ
2013.8.24発売
セーブデータ数:30(ユーザーごとに作成可能)
公式サイト ※ 音が出ます VIDEO プレイ時間は約26時間
基本的にはイージーモードでのプレイでクリアしました
やりこみ要素や隠しステージは無視しましたが、記事を書くために同じステージを何度もやり直したりはしています
◇ 複雑なようで、根っこにある操作は実はシンプル このゲームは2013年に任天堂から発売されたWii U用ゲームで、開発は元カプコンの人達が中心となって設立した会社プラチナゲームズ、ディレクターは『バイオハザード2』『デビルメイクライ』『ビューティフルジョー』『大神』『ベヨネッタ』を手がけた神谷英樹さんです。
「プラチナゲームズが任天堂と一緒にゲームを作るの??」というのは第1報の時には話題になりましたが、その後『ベヨネッタ2』がWii U独占で発売されて、『スターフォックス零』の開発もプラチナゲームズが参加しているということで―――今ではもうすっかり
任天堂にとってプラチナゲームズは「HDグラフィックの骨太アクションゲームを作れる貴重なパートナー」になった と言えると思います。
さて、今作の話。
プラチナゲームズにも、神谷さんのゲームにも熱烈なファンがいるので、今日の記事は「書くのが気が重い」というのが正直な気持ちです。一歩間違えたら、また一部分だけを抜粋されてどこかに貼り付けられて、そこしか読んでいない人が記事本文を読まずに「みんなが愛するゲームのことを批判するけしからんやつだ!」とコメント欄に押しかけてきて、炎上しかねません。だから、しっかりと覚悟を持って伝えたいことを伝えられるように書こうと思います。
私には、このゲームは肌に合いませんでした。 ただ、それは「このゲームがダメなゲームだから」ではありません。 このゲームが思う「ゲームの面白さ」と、私がゲームに求めている「ゲームの面白さ」がズレていただけなんです。なので、このゲームのどこが私の肌に合わなかったかを書くことで、逆に「それって面白そうじゃん!」と思ってくれる人もいると思うんですね。
私には肌に合わなかったけど、このゲームを面白いと思う人はたくさんいると思うんです。 また、このゲーム……遊んでいない人には「どういうゲームなのか」がイマイチ伝わっていないと思います。いや、もっと言うと
遊んでいた私ですら終盤まで「どういうゲームなのか」が分かっていなかった です。
発売前に出た紹介映像とか
社長が訊く では、頑なに伏せられていたところを見ると……ひょっとしたらネタバレを気にしてプロモーションでは敢えて見せないようにしていたのかも知れませんが、発売から2年が経った今ならば「どういうゲームなのか」を語ってもイイと思うのです。
手を出せば「このゲームを面白いと思える」のに、それを知らずに手を出していない―――という人のためにも、このゲームが「どういうゲームなのか」を語っていこうと思います。 <画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> このゲームの基本は、斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲームです。味方キャラを大勢引き連れて戦う見た目から「『ピクミン』みたいなゲームかな?」と思われるかも知れませんが、『ピクミン』のようなストラテジー要素はほとんどなく、どちらかというと
『ファイナルファイト』 のような“ベルトアクション”に近いゲームです。
・Aボタンで攻撃 ・Bボタンでジャンプ(二段ジャンプ可能) ・Yボタンを押している間はダッシュ 基本操作はこんなカンジ。
ビックリするくらいシンプルです。それこそ『ファイナルファイト』のような“ベルトアクション”って、後に大流行する格闘ゲームなどに比べて覚えなきゃならないことが少ないシンプルなジャンルでしたからね。
ただ、このゲームはそれだけではありません。
100人まで引き連れられる大勢の仲間を“合体”させることで多種多様なアクションをすることが出来る のです。
まずは、
ゲームパッドの画面に「図形」を描き込んでAボタンで、操作キャラを切り替えて違ったアクションが出来ます。 ゲームパッドの画面を使いたくない人は右スティックでも代用可能です。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 円を描けば隊員達が「拳」に合体して、Aボタンでの攻撃が強力なパンチになります。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 直線を描けば隊員達が「剣」に合体して、Aボタンでなぎ払って広範囲を攻撃できます。
言ってしまえば、『ゼルダの伝説』などのゲームで「アイテムを切り替える」のと変わらないのですが。メニュー画面を開いてアイテムを選ぶのと違って、瞬時にその場で形態が変わっていくので、上手い人なら銃→剣→ハンマーみたいに
攻撃をしながら形態を変えてコンボを繋げる ことも出来ます。
「たくさんの形態があるのなら覚えるのが大変そう……」と思われるかもですが、最初は使えるのが「拳」と「剣」だけで、ストーリーが進むごとに徐々に使えるものが増えていくってカンジなのでその辺の心配は必要ないと思います。思いますが……という話はまた後で。
<画像はどちらもWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> この「形態の切り替え」を使った仕掛けも多く、例えば「拳」形態でハンドルを回し、敵が露わになったら「剣」形態になって攻撃をする―――みたいな場面もあります。
次に、“合体”していない「余っている隊員」の活用方法。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> Xボタンでチームアタック。
余っている隊員を敵にぶつけて敵の動きを封じたり出来ます。イメージ的には、「Xボタンが弱攻撃」「Aボタンが強攻撃」みたいなカンジですかね。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> ゲームパッドに図形を描いてXボタンを押すとマルチユナイト。
プレイヤー自身は「剣」で広範囲を攻撃している間に、余っている隊員には「拳」で強力な一撃を食らわして欲しい―――みたいなことが出来ます。
続いて、ショップで買わないと使えない特殊操作ですが、縛りプレイでもしない限りは真っ先に買って使えるようにしないとものすごく大変な目に合う基本的な特殊操作(矛盾)です。私はMiiverseで買うことを教えてもらうまでは1-Bもクリア出来ませんでした。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> ZLボタンでユナイト・ガッツ。
巨大なプリンに“合体”することで敵の攻撃や砲弾を跳ね返せる技です。これなしでクリアとか出来るの?レベルで必要、絶対に真っ先に買おう。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> ZRボタンでユナイト・スプリング。
身も蓋もない説明をすれば「回避」ボタンです。
このゲームは「回避」ボタンがショップで買わないと使えない というのは、何ともこのゲームらしいですけど……これもものすごく大切な操作なので真っ先に買いましょう。
・Aボタンで攻撃 タッチパネルor右スティックで図形を描いて、攻撃形態の切り替え ・Bボタンでジャンプ(二段ジャンプ可能) ・Yボタンを押している間はダッシュ ・Xボタンでチームアタック タッチパネルor右スティックで図形を描いてXボタンで、味方が合体して援護してくれる ・ZLで防御 ・ZRで回避 こんなところですかね。
いきなりこれをパッと見ると「使うボタン多いなぁ……」と怖気づくかも知れませんが、ボタンごとの役割が分かってくるとそれほど混乱するものでもないと思います。
ただ……私、この「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」のパートが
最後まで面白いとは思えませんでした。 これは元々、
私が“ベルトアクション”のゲームを好きじゃない ってのもあると思うんですけど……
どこのステージでも同じような敵が出てきて、同じように戦うだけって思えてしまいました。敵の弱点に合わせたキャラを選んで、敵の攻撃を避けて、その隙に攻撃をする―――それを1面から最終面までずっと続けているという印象でした。その敵の数も多く(ザコ敵の種類は多くなくて同じ敵と何度も何度も戦う)、耐久力も高い敵が次から次へと登場するので、1ステージに1時間前後かかってしまうのもつらかったです。
ゲームの面白みとしては、「色んな技を組み合わせて自分だけのコンボを見つける」とか「マルチユナイトで効率よく敵を倒す」辺りがポイントだと思うのですが……
そもそもゲームパッドに図形を描いてもこちらの意図と全然違う図形に認識されるので、コンボどころの騒ぎじゃなかったんですね。 「ハンマー」出したいのに「鞭」、「鉤爪」出したいのに「鞭」、「銃」出したいのに「鞭」、「爆弾」出したいのに「鞭」……どんだけ俺に「鞭」を使わせたいんだよ!!
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> ゲームパッドも
「図形を描く場所」以外のところをタッチしてしまうと画面が切り替わってユナイトアクションが出来なくなってしまう のにイライラしました。こっちはゲームに集中して「よーし!ここでハンマーに切り替えてトドメだー!」と思って図形を描いているのに、ゲームパッドの画面はのんきに「クイックヘルプ」を表示してて、慌てて元の画面に戻している間にテレビ画面ではボコボコにやられている―――みたいなこともしょっちゅうでした。
ゲームパッドで「図形を描く」ゲームにするなら、ゲームパッドの画面はそれだけに集中させてくれたらよかったのに…… 2012年のE3 の画像を見る限り、当初はそういう仕様だったみたいなのにねぇ。
<画像はどちらもWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> あとまぁ……根本的なことを言っちゃうと、
画面がよく見えない んです。
自分が24インチという大きくないテレビでプレイしているということもあるのかもですが、敵も味方も100人単位で入り乱れるので何が起きているか分からないし、エフェクトが派手で敵の動きは見えないし、障害物とか大きな敵の向こうに入ると自分のキャラが見えなくなるのでそれで攻撃を喰らったり……
「それもゲーム性なんだよ」ということなんでしょうけど、私は「画面を見づらくすることで難易度調整するゲーム」が好きじゃないです。
ゲームが3Dになって遊びやすくなるならともかく、「ゲーム3Dになったからカメラアングルを工夫して画面を見づらくしたよ」なんて言われるから「昔のゲームは良かった……」なんて懐古主義の嘆きが出てきてしまうんだ と私は思うんですけどね。
ということで、私の肌には合いませんでした。
合いませんでしたけど、これは元々私がこの手のジャンルのゲームが好きではないことに理由があると思います。甘いものが嫌いな人に、すっごく高級なスイーツを「美味しいよ!」と食べさせても「うわっ……甘ったる!」としか思われないみたいなことです。
「元々“ベルトアクション”のゲームが好きな人」とか、「たくさんの敵味方がゴチャゴチャと動きまわるゲームが好きな人」とか、「カメラアングル固定型の3Dアクションゲームが好きな人」とかは、また別の感想になるんじゃないかなと思います。 無責任に「オススメだよ!」とは言えませんけど、私が好きでなかったからと言って、全ての人が好きになれないワケじゃないと思いますしね。
それと、もう一つ。
このゲームを“基本は、斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム”と私は書きました。実際、発売前にプロモーションに使われた紹介映像や「社長が訊く」ではここばかりが取り上げられていたのですが……
このゲームにとって「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」なんて、
このゲームに収録されているたくさんのゲームの一つに過ぎない と私は思っています。
◇ これらは「オマケのミニゲーム」ではない!現代に蘇ったワイワイワールドだ! このゲーム……先ほど散々説明した「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」だけでなく、ところどころに「全く別のゲーム」が入っていて、ストーリーに合わせて次から次へと色んなことが起こります。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 野球が始まったり。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> シューティングゲームが始まったり。
最近のゲームではこういうことは珍しくも何ともないと思います。
『マリオ』にも『ゼルダ』にも『FF』にも
「ゲーム本編とは全く違う操作のミニゲーム」 が入っていて、完全にオマケのお遊びとして収録されているものもあれば、ストーリー進行のためにクリアが必須のミニゲームとして入っているものもあります。
私は「クリアが必須のミニゲーム」があまり好きでなく、その度に「どうしてゲーム本編とは違う操作のミニゲームがクリア出来ないからといって先に進めなくするんだ」と思ってきました。 『The Wonderful 101』のこれらのゲームも、最初はそう思っていました。
あまりに頻繁に入ってくるミニゲームに、例えばボスをノーコンティニューで倒したのにその後の脱出ミニゲームで壁にぶつかって一撃死→コンティニュー→ステージクリア後の評価も最低評価になる、みたいなことが繰り返されてムキーーーッ!となっていました。
しかし、終盤になってようやく気付きました。
このゲーム……
「本編」のオマケで「ミニゲーム」が入っているんじゃなくて、色んな「ミニゲーム」を次から次へと遊ばせるための繋ぎとして「本編」があるんじゃないのか、 と。
言ってしまえば、このゲーム。
任天堂版『コナミワイワイワールド』を作りたかったんじゃないのか? と気付いたのです。
終盤まで閉口しながらプレイしていた私ですが、それに気付いてからは「次はどんなゲームがやってくるのかな」とワクワクするようになりました。
「図形を描いてユナイトアクション」みたいな押し出し方ではなくて、『ワイワイワールド』みたいなお祭りゲームだよと押し出せば興味を持った人はたくさんいたんじゃないかと思いましたし、
どうして私以外誰も「『The Wonderful 101』は『ワイワイワールド』みたいなゲームだよ」と言ってくれなかったのか と思いました。
そしたら、
<以下、引用>
山上「そうですね。これが、はじめて任天堂にプラチナゲームズさんが持ち込まれた時の企画書です。」 岩田「はい・・・。」 神谷「これはですね、最初うちの三並から「任天堂のキャラクターを中心に、世界的に有名なキャラクターが一堂に会する企画を考えてくれ」という、オーダー があったんです。」 岩田「なんともまあ、大胆なオーダーですね(笑)。」 <中略> 岩田「神谷さんは社内でこのオーダーを受けて、どう思いましたか?」 神谷「僕はファミコンの『ワイワイワールド』とか『ファミコンジャンプ』がすごく好きだったんですね。 別々の作品から多数のキャラクターが参加するオールスター・ミックス系のゲームっていろいろあると思うんですけど、それぞれの枠を超えて競演するところが、とにかく感動的だし、夢があるじゃないですか。」 </ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました 最初に「社長が訊く 」で言っていました! いや、確かに私は発売当時にこの話を読んでいました。
しかし、実際にゲームを遊んでみるまで(しかもその終盤まで)すっかり忘れていました。というのも、この話は単に「人気キャラクターが一同に集まったゲーム」の例として出しただけだと思っていたんですね。そして「人気キャラクターを集めること」が現実的に不可能なので一旦企画は流れて、オリジナルキャラクターを立てて復活したので、もうそれは『ワイワイワールド』や『ファミコンジャンプ』とは無関係なものだろうと思っていました。
しかし、出来上がった『The Wonderful 101』はキャラクターこそオリジナルキャラクターばかりですが、ゲームとしては『ワイワイワールド』とか『ファミコンジャンプ』にものすごく通じるものがあるし、最初の企画も
単に人気キャラクターを集めただけではない『任天堂版ワイワイワールド』とか『任天堂版ファミコンジャンプ』みたいな壮大な“夢のようなゲーム”だったんじゃないか と思います。
<以下、引用>
神谷「とくに『ファミコンジャンプ』は僕はジョジョ目当てで買ったんですけど、主人公たちが出入りするので、必ずしもお気に入りのキャラクターを中心に活躍するものではなかったんですね。 それで「好きなキャラをずっと使えて、みんなが満足できる形はないか?」と考えていて。 」 岩田「はい。」 神谷「そういう意味では『スマブラ』ってすごくよくできていますよね。自分の好きなキャラクターで遊びこめるし、あれはひとつの完成形だと思うんです。 じゃあ「こっちはどうしよう?」と考えたとき、「あっ、ぜんぶ一度に出しちゃえばいいんだ」って思いついたわけです。」 岩田「「いつも全キャラ出てればいい」と? 」 神谷「はい、それがこの企画の最初でした。 そこから、大人数がゾロゾロいることでどんなことができるだろうかとふくらんでいった形ですね。」 </ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました ここはすごく面白い話。
「たくさんの人気キャラクターを一同に集めたゲーム」で、その「たくさんの人気キャラクター」をどう操作させればイイのかという話です。 ここで例に出ている『スマブラ』とか、格闘ゲームとか、『マリオカート』とかだってそうだと思うんですけど、「その中の1人だけを操作キャラに選ばさせる」というのが1つのパターンです。
後は例えば『スーパーロボット大戦』のようなSRPGとか、リアルタイムストラテジー(RTS)のように、人気キャラクターを「1つの駒」に見立ててプレイヤーは「それらのキャラに指示を出す指揮官に徹する」というのも1つのパターンです。
それでは、神谷さんが好きだったという『ファミコンジャンプ』や『ワイワイワールド』はどうだったかと言うと……その前に、これらの作品を全然知らないという人もたくさんいると思うのでそこから説明します。
『ファミコンジャンプ 英雄列伝』 は1989年にバンダイから発売されたファミコン用のアクションRPGで、週刊少年ジャンプに当時連載中だった作品や過去に連載されていた作品のキャラクターが多数登場するのが特徴でした。登場作品は合計33作品、仲間になるキャラクターも(オリジナルの主人公を除いて)16人という豪華なものでした。
しかし、一度に16人を引き連れられるのではなく、
エリアによって決まったキャラクターを2人まで引き連れられる という仕様でした。エリア1はケンシロウと抜作先生、エリア2は冴羽獠と悟空、みたいなカンジで。
こういう仕様にしたメリットは今ならば分かるのですが、当時は「せっかく悟空を仲間に出来たのに先に進むには別れなくちゃならないのはおかしい」って思っちゃっていましたねー。
続編の
『ファミコンジャンプII 最強の7人』 は1991年にファミコン用のRPGで発売されるのですが、こちらは登場作品は7作品に絞っていて、仲間になるキャラクターも7人で、その中の3人でパーティを組むRPGとなっていました。
お祭り感は薄れましたが、前作で出来なかった「好きなキャラをずっと操作して進める」ことが出来るようになった んですね。
一方の
『コナミワイワイワールド』 は1988年にコナミから発売されたファミコン用のアクションゲームで、当時のコナミの人気作品のキャラクター6人+主人公キャラ2人を切り替えながら遊ぶことが出来ました。
「↑+Aボタン」でキャラを切り替えることで、 ゴエモンは宝箱を開けられるとか、マイキーは背が低いので狭い場所に入れるとか、
キャラの特性を活かしたアクションが出来る のがこのゲームの特徴でした。
『コナミワイワイワールド』は当時から非常に評価の高いゲームだったと思うのですが、敢えて問題点を探すとすると「せっかくのお祭りゲーなのに仲間になるのが遅いキャラは使われる機会が少ない」とかそんなところですかね。
続編の
『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』 は1991年にファミコン用アクションゲームとして発売されて、こちらにもコナミの人気キャラクターが5人登場します。登場しますが、実は本人ではなく主人公ロボのリックルがアイテムを取ることで
一定時間だけそれらのキャラクターに変身できる というものでした。
これが『1』に比べてイマイチ『2』は評価されていないポイントなのかも知れませんが、『ファミコンジャンプ』の例と同様に「好きなキャラだけずっと使って遊べる仕様になった」とも言えて、続編としては割と真っ当だったんじゃないのかと私は思っています。
さて、
『The Wonderful 101』はこの中では『コナミワイワイワールド』に一番近い と思います。仲間にしたキャラクターはずっと一緒についてきていて、いつでも操作キャラを切り替えられる、それぞれのキャラはそれぞれの特徴を持った武器が使えて、それらを切り替えながら色々な場面を突破していく――――
実際に出来上がった『The Wonderful 101』は、仲間になるキャラクター100人がこの作品のオリジナルキャラクターなのでキャラクターを切り替えることにありがたみは特に感じなかったのですが……
企画当初の「任天堂のキャラクターを中心に、世界的に有名なキャラクターが一堂に会する」ゲームだったとしたら、ものすごく魅力的な企画だったと思う んですね。
ゲームパッドに円を描くと、操作キャラがマリオになってパンチ攻撃。
ゲームパッドに直線を描くと、操作キャラがリンクになって剣攻撃。
ゲームパッドに直角を描くと、操作キャラがフォックスになって銃攻撃。
ゲームパッドに曲線を描くと、操作キャラがヨッシーになってベロ攻撃。
全員で冒険をしているカンジがするし、全員で地球を守る戦いをしていることに熱さがあるし、『スーパーロボット大戦』とも『スマッシュブラザーズ』とも違う“新たな形のオールスターゲーム”のスタンダードになったのかも知れないと思うのです。
どうして没になったのか!と言ったら、そりゃ「マリオとヨッシーとカービィとピカチュウが合体して剣になってそれをリンクが振り回して敵をやっつける」なんて企画は原作者からOKがもらえるワケがないとも思いますが(笑)。
ということで、この作品――――
任天堂版『コナミワイワイワールド』(ただし任天堂キャラはいません) と説明すると手っ取り早いかなと思うのですが、余計ワケが分からないような気もします。
話を戻します。
そんなカンジで「大勢のキャラクターを切り替えながら遊ぶ」ところが『ワイワイワールド』っぽいと書いてきたのですが、
“「本編」のオマケで「ミニゲーム」が入っているんじゃなくて、色んな「ミニゲーム」を次から次へと遊ばせるための繋ぎとして「本編」があるんじゃないのか”というのも『ワイワイワールド』っぽい のです。
どちらかと言うと……『ファミコンジャンプ』の『1』の方と、『ワイワイワールド』の『2』の方がそれっぽいのですが。これらのゲームは、ファミコンのあの時代なのにも関わらず、ストーリーの進行に合わせて原作の雰囲気を受け継いだミニゲームが次から次へと出てきてそれらをクリアしていくオムニバスっぽいゲームになっていました。
話題に出してきた4作品の内バーチャルコンソールに唯一出ているのは『ワイワイワールド2』なので、これをちょっと見ていきましょうか。
<写真は『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用> このゲームの基本は「横スクロールアクションゲーム」なのですが……
<写真はどちらも『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用> ステージが進むと、当時コナミの大人気シリーズだった『ツインビー』や『グラディウス』まんまのステージになったり。
<写真はどれも『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用> ステージによってはパズルゲーム(『ガッタンゴットン』というゲームが元ネタらしい)だったり、レースゲーム(『シティボンバー』というゲームが元ネタらしい)だったり、『フロッガー』だったり、様々なジャンルのゲームを遊ぶゲームとなっているのです。
<写真はどれも『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用> 元ネタを知っているとニヤリと出来るものも多く。
『ゴエモン』ステージは、『がんばれゴエモン』じゃなくて『Mr.五右衛門』オマージュだったり。パスワード入力画面が『クォース』風だったり。無線で仲間からの通信が入ってくるのは『メタルギア』っぽかったり、ってのはこじつけじゃなくて本当なのだろうか。
『ワイワイワールド2』は、もうどっちが本編だか分からないくらいたくさんのゲームが入っていて、当時の自分も
「色んなゲームが1本に詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲーム」 と認識していました。『ツインビー』や『グラディウス』がクリア出来ないからって「どうしてゲーム本編とは違う操作のミニゲームがクリア出来ないからといって先に進めなくするんだ」なんて怒ったりはせず、「『ツインビー』や『グラディウス』まで遊ばせてくれるなんて!」と感動していました。
『The Wonderful 101』もそうなんです。
本編は一応「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」なのかも知れませんが、様々なゲームが入っていて次から次へと押し寄せてきます。
このゲームも「色んなゲームが1本に詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲーム」なんです。 <画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 『パンチアウト』風のボスとの対決とか!
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 『スペースハリアー』風のシューティングゲームステージとか。
任天堂的には『スターフォックス』と言っておいた方がイイのかな……
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 『すりぬけアナトウス』まである!!
他の作品と比べて知名度がアレなんで、これはたまたま似ちゃっただけかも知れない!
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> これは「本編とは違った操作をさせる色んなゲーム」ではなく、本編とも言える「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」なのですが……ステージによっては『ゼルダの伝説』っぽい謎解き要素もあります。
ここまでやるのなら「2D『マリオ』っぽいステージ」とか「『スマブラ』っぽいステージ」とか「『マリオカート』っぽいステージ」とかも入れた方が、一層お祭り感が出たんじゃないのかとも思うのですが……そう言えば「『F-ZERO』っぽいステージ」ってなかったですよね。レースっぽいところはあったけど『F-ZERO』みたいな疾走感があったワケじゃないし、どうして入れなかったんだろう。
ということで、「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」のパートは好きではなかった私ですが、
「色んなゲームが1本に詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲーム」と気付いてからはこれらのパートは楽しめるようになりました し、面白かったです。『パンチアウト』と『スペースハリアー』がお気に入りかな。
今の技術で『ワイワイワールド』みたいなお祭りゲーを作ったらこんなことが出来る というゲームだったと思います。任天堂オールスターのキャラでなくなってしまったのは残念ですが、それでもゲーム自体は十分に豪勢で豪華な詰め込みまくられたゲームでした。
一方、不満点は……これらのゲームが面白いからこそ
「これらのゲームだけ」遊ぶことは出来ない というところです。先ほども書きましたが、このゲームは1ステージに1時間前後かかります。その中で次から次へと色んなことが起こり、その中に『パンチアウト』や『スペースハリアー』が入っているだけなのです。
例えば……1時間のステージは、最初の30分は「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」が続き、5分間ムービーとQTEがあって、その後に強制スクロールで奥に進む3Dアクションゲームが10分あって、その後に『パンチアウト』が5分、その後にまた「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」が5分あって、奥からの攻撃を避けながら脱出するパートが5分あって―――といったカンジに「1時間の間に色んなゲームが押し寄せてくる」ように構成されていて。
『パンチアウト』だけ遊びたくても、そこに行くまでにものすごく時間がかかる のです(この例の時間はテキトーです)。
せめて、1ステージがこんなに長くなければなぁ…… と思ってしまいます。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> QTEもやっぱり自分は好きになれません。
苦労してボスをノーコンティニューでやっつけたと思っても、その後のQTEで図形を思ったように認識してもらえずに失敗を繰り返す→ゲームオーバー→コンティニュー→ステージクリア後の評価が最低評価になるというパターンを何回味わったことか。
◇ 誰でもエンディングまで遊べる任天堂チューニング 社長が訊くのラスト で、任天堂の山上さんがこんなことを仰っています。
<以下、引用>
山上「プラチナゲームズさんのゲームというと、ハードでちょっと難しいという印象があると思うんですね。 でも今回はあまりアクションが得意でない方に向けても十分楽しめるような、任天堂チューニングを行っています。 「プラチナゲームズのゲームって、ちょっとハードル高そうだな~」と思って様子を見ている方がいらっしゃったら、その心配はまったくありませんので、ぜひ手にとって、多彩なユナイト・モーフを楽しんでいただきたいなあと思います。」 </ここまで>
これはまさにその通りで、プレイする前は「この手のジャンルが苦手な自分にはクリア出来ないんじゃないか」と思っていましたが、そんな人でもゴリ押しでクリア出来るようになっていました。
山上さんの発言だと「プラチナゲームズのゲームは難しい、任天堂のゲームは簡単、今回は任天堂に合わせた難易度になっている」的に読めるかもしれませんが、
ぶっちゃけ任天堂のゲームって別に簡単じゃないですし、『The Wonderful 101』はクリアだけなら他の任天堂のゲームよりも「誰にでも」クリアできると思います。 <画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> まずは
難易度選択 。
このプレイヤーを挑発しているともとられる画像は置いといて(笑)、基準となるノーマル、それよか簡単なイージー、更に簡単なベリーイージーが最初から選べます。ノーマルで全ステージをクリアするとその上の難易度が出て、更にその上の難易度もあるみたいです。
私はほぼ全ステージをイージーでクリアしましたが、「オペレーションセレクト」でクリア済のステージに挑戦すると仲間や能力が引き継がれているので、ノーマルでもそこそこ太刀打ち出来るようになっていましたね。
また、
コンティニューすると「すぐその場から」再開になります。 任天堂のゲームはコンティニューすると随分と前に戻らされて「ぐへー」となることが多い のですが、このゲームは「すぐその場から」体力も回復した状態で再開されるため、何度もコンティニューしてゴリ押しすれば誰でもクリア出来てしまうのです。それで楽しいのかという問題もありますし。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> すぐさま「最低評価」を突きつけられますけどね!
頑張ってクリアしても、誉められるどころか、呆れたような溜息をつかれるだけ ですけどね!どんどんやる気がなくなってくる!!
このゲーム、確かに「クリア出来ない」とか「難しい」とかの部分には任天堂チューニングは入っていて、「多くの人がクリアは出来る」「難易度は下げられる」ようになっています。しかし、個人的にはこのゲームはそれよりも
全てにおいて「分かりづらい」ことがネック だと思います。
例えば、
基本操作とも言える「ユナイト・ガッツ」「ユナイト・スプリング」をショップで買わないと使えない仕様 も分かりづらいです。神谷さんはトークイベントで
「チュートリアルが長いので最初から使えるとその効果に気付かない人がいるかも知れない」「ショップに置いておけば流石に効果を読むだろう」 と
仰っていた んですけど……
私、この手のアクションゲームの序盤で「ショップ」なんて開きもしないですよ。 だって所持金が減るじゃないですか。「所持金が減る」というリスクがあるものは、ゲームを熟知するまではなるべく使わないようにしていました。なので、「ユナイト・ガッツ」と「ユナイト・スプリング」を買わずに進めて、しばらく1-Bもクリア出来ませんでした。
スキルとか調合とかも最後までよく分からなかったし、説明もなかったので一度も使わずにクリアしました。
操作キャラの変更をしたかったのだけど、どこの画面からそれが出来るのかすらよく分かりませんでした。
ラスボス戦で「回復アイテム使いたい!」と思っても使い方が分からず使えませんでした。スタートボタンで使えたと記憶しているんですが、スタートボタンが無効化される場面が何度かあったんですよ……謎。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> あとは、例えばショップの画面。
桁が多すぎて、どれが買えるのかパッと見だと分かりません。 一、十、百、千、万……と数えなきゃ分からないレベルです。スケールの大きいゲームだから桁を大きくしたいのなら、所持金と価格の数字を同じサイズにして上下に並べるとか、3桁ずつ点を入れるとかしてくれればイイのに。
<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用> 調合も最後までよく分からなかったので使いませんでした。
道中で手に入ったアイテムで右のアイテムが作れるのだと思いますが、右のアイテムは小さな絵が描いてあるだけで効果がさっぱり分かりません。作ったら素材はなくなってしまうのに、「とりあえず作る」なんて勿体なくて出来ません。
「1ステージが長い」という話は散々してきましたが
、ところどころに「オートセーブ」が入るので途中でやめてもコンティニューをすればそこから再開にはなります。 そこは確かに親切仕様です。
しかし、どこで「オートセーブ」をしてくれたのかは、「セーブ中」の文字が一瞬出るだけなので、プレイヤーにはよく分かりません。「流石にセーブされているだろう」と電源を切って、後日再開したらものすごく前の場所からやり直しだったこともあります。こういう仕様にするのなら、1ステージの長さを分割して半分にするとかの方が自分は嬉しかったです。
「1ステージが長い方が、まだ終わらないという緊張感があって面白いだろう」という狙いなのかも知れませんし、それについていっているファンが多数いるのは分かります。
分かりますが、個人的には1ステージ20~30分が限界で、それ以上に1ステージが長いゲームは
「○時から観たいテレビがあるのに、その時間までに終わらない……どうしよう……」みたいな時間に追われるプレイになってしまう ので、起動するのが億劫になってしまうのです。
◇ 総評 とまぁ……こんなカンジで、「私の好みには合わないゲーム」ではありました。
・“ベルトアクション”のようなゲームが好きではない ・画面が見づらいゲームが嫌い ・そもそも3Dアクションゲームが嫌い ・1ステージが長いゲームがつらい ・QTEが嫌い ・ステージクリア後に評価されるゲームが嫌い ・要素が多すぎるゲームはもうワケが分からない 私が思う「自分が嫌いなゲームの要素」がものすごく詰め込まれていたゲームで、むしろここまで肌に合わないゲームだったら
「なんで買ったの?」と自分でも疑問に思うくらい です。嫌いなジャンルのゲームを買って遊んで「やっぱり嫌いでした!」って、そりゃ買った自分が悪いだろうと思いますもの。
でも、ネット上だと「絶賛する人ばかり」だったからさぁ……
食わず嫌いをしちゃいけないなと思ったんですよ……
ただ、繰り返しになりますが、「レベルの低いゲーム」とか「クオリティの低いゲーム」とかでは全然ないんですよ。私の好みではなかっただけでこのゲームを面白いと思うであろう人はたくさんいることと思います。
私とは正反対な好みの人ならば、このゲームを楽しめるんじゃないか と思うのです。
・“ベルトアクション”のようなゲームが好き ・派手なエフェクトやカメラワークのゲームが好き ・カメラ固定の3Dアクションゲームが好き ・1ステージが長いゲームが楽しい ・QTEが好き ・ステージクリア後に評価されることに燃える ・たくさんの要素があるゲームの方がやりこみ甲斐を感じる そういう人はこのゲームを楽しめるんじゃないかなぁと思います。
あとは、
「色んなジャンルのゲームが次から次へと押し寄せてくるゲーム」が好きな人 にもオススメです。
私個人の好みとしては、
もっと振り切っちゃって、『任天堂ワイワイワールド』として押していった方が良かったんじゃないかな とは思うんですけどね。「2Dマリオっぽいステージ」とか「スマブラっぽいステージ」とか「マリオカートっぽいステージ」とか、「どうぶつの森っぽいステージ」とか「ファイアーエムブレムっぽいステージ」とか「MOTHERっぽいステージ」とか、見たかったです。それこそ“夢のようなゲーム”になっちゃいますけど。
やまなしレイ(管理人)(01/23)
ああああ(01/23)
やまなしレイ(管理人)(01/22)
あ(01/22)
やまなしレイ(管理人)(01/19)
竜騎兵(01/19)
やまなしレイ(管理人)(01/11)