○ 一人プレイ専用「ミニアトラクション」 「ヨッシー」はともかく、残りの5つは原作が『オクトパス』(ゲーム&ウォッチ)、『ドンキーコング』(アーケード、ファミコン)、『バルーンファイト』(アーケード、ファミコン)、『謎の村雨城』(ファミコンディスクシステム)、『F-ZERO』(スーファミ)と―――
最近は新作が出ていないレトロゲームが題材となっているアトラクションです。
『ドンキー』は出ているんじゃ…?と思われるかも知れませんが、今現在シリーズが展開されている2代目ドンキーコングの『スーパードンキーコング』ではなく、80年代の“マリオに退治される”初代ドンキーコングが今回は題材となっています。
なので、基本的に「おっさんホイホイ」です。
ゲームとしても、セーブポイントも救済措置もなく、死んで覚えて上手くなるという“体育会系のゲーム”となっています。ジャンルはそれぞれ違いますが、根底にながれている空気は近くて。「昔のゲーセンのゲームみたいだな」というのが第一印象でした。
◇ 『鷹丸の手裏剣道場』 題材となっているのは
『謎の村雨城』。
2011年のE3で発表されたコンセプト映像の中にあった、ゲームパッドの画面をスライドさせて手裏剣を飛ばして遊ぶガンシューティングです。
Wii UにはセンサーバーもWiiリモコンも標準で付いていないのにどうやってガンシューやるの?と思ったのですが、これは結構面白い演出で。まずステージの最初に「太鼓」を3回撃たせるんです。これによってその位置が始点となり、そこからジャイロセンサーで動きを感知して照準が動くという仕組みになっているという。
ただ、
ゲームとしてはとにかく「疲れる」。 今までのガンシューティングはボタンを押していれば弾を発射してくれましたが、今回のコレは1発1発手裏剣を飛ばさなきゃいけないから超大変です。E3のコンセプト映像は「タイミングを合わせて飛ばす」みたいなイメージでしたが、実際に商品化されたコレはやたらめったら手裏剣を飛ばさなきゃならないんで……
なので、自分は12コのアトラクションの中で一番コレが苦手ですし好きじゃないです。
分かりやすいゲームなんで子ども受けとかはするかなと思うのですが。
◇ 『C.ファルコンのツイスターレース』 題材となっているのは
『F-ZERO』。名前の通りレースゲームです。
「テレビとゲームパッドの二画面をどう使うか?」で分かりやすい形を見せてくれているアトラクションです。テレビ画面は「普通の3Dのレースゲーム」が映っていて、ゲームパッドの画面の方には「昔懐かしい見下ろし型2Dレースゲーム」が映っていて―――局面局面で、ゲームパッドの画面を観たりテレビの画面を観たりしなきゃならないという。
細かい障害物の間を抜けていくのは2Dが有利で、遠くのものを見るのは3Dが有利で―――
その両方の利点を二画面のWii Uならイイトコ取り出来るという形を見せてもらいました。
自分にとってもお気に入りのアトラクションなんですが、
欲を言えば自分がプレイした後に「リプレイ映像」を見せてもらいたかったです。
基本的には「ゲームパッドの画面」を観ている時間の方が長いので、テレビ画面に映っている“3Dで自分がカッチョよく走っている映像”はほとんど観る余裕がないんですよ。ならば、プレイが終わった後にじっくりとそれを眺められる機能を欲しかったなーと。それでこそ「ゲームパッドを活かした2Dレースゲームと3Dレースゲームの融合」と言えたのにと。
◇ 『ドンキーコングのクラッシュコース』 題材となっているのは
『ドンキーコング』。
ゲームパッドのジャイロセンサーを使って傾き具合を検知することで、ステージを傾けて壊れやすいトロッコをゴールまで運ぶというゲームです。どのくらい壊れやすいかというと、『スペランカー』かオマエは!と思わずツッコミたくなるくらいの段差でも壊れてしまうほどです。
分かりやすい操作方法に、分かりやすい成否判定、イジワルなステージ構成ゆえにMiiverseについつい愚痴を書き込みたくなるなど、「ミニアトラクション」の中でTVCMで使われるのも分かる
ものすごくよく出来たアトラクションだと思います。失敗した後にも、「もう1回!もう1回!」とリトライしたくなる魅力があるんですよね。
ただ、これは別に「二画面じゃなくても出来ますよね?」(笑)。 自分はテレビ画面は全く使わず、ゲームパッドの画面だけ見て遊んでいました。一応名目としては「テレビの方は全体像が映るので家族に見てもらったりショートカットを探したりしよう」ってことなんでしょうが、我が家の場合は家族がテレビを使っている時にも遊べるアトラクションとして重宝していました。
そういう意味ではあんまり「Wii Uでしか出来ないゲーム体験!」ってほどでもないかなぁと。
すっげー面白いのは面白いし、そういうアトラクションが入っちゃダメってこともないんですけどね。
◇ 『オクトパスダンス』 題材は
『オクトパス』。
題材と全く関係ない気がするけど……細かいことは気にしちゃダメだ!
ゲームパッドを使ったリズムゲームです。左右のアナログスティックが自分の両腕になっていて、ゲームパッドを傾けたり持ち上げたりする操作も使います。リズムに合わせてインストラクターがやった動きと同じ動きをするだけのゲームなんですが。
これは意外に面白いんです。
テレビ画面は「自分達の正面」を映していて、ゲームパッドの画面は「自分達の背中」を映している―――普通は「背中」側からの画面だけを見てプレイすればイイんですが、インストラクターやタコがジャマをしてくるので両方の画面を観なくてはならず、この
“二つの画面を活用しなくてはならない”ドタバタ感が楽しいんです。
実際にプレイする前と後では印象が一番変わったアトラクションでした。
◇ 『バルーントリップ ブリーズ』 題材となったのは、現在の任天堂の社長がプログラミングをした
『バルーンファイト』。
元の『バルーンファイト』にもあった「バルーントリップ」というモードが題材になっていて、この『ニンテンドーランド』のアトラクション全般が「原作と全然違ぇ!」という別物になっているのに比べると、原作のままなアトラクションと言えるかも知れません。
ボタン操作ではなく、ゲームパッドの画面をスライドすることで風を起こすとか。
そもそもグラフィックがキレイになっているとかはありますけど。
テレビ画面の方が全体像が見えるので基本的にはテレビ画面を見て遊ぶのですが、ゲームパッドの画面でタッチしたものは壊せるということもあって、これも両方を見てプレイする必要のあるアトラクションですね。ただ、自分は終盤を除けば、ほとんどテレビ画面ばかりを見ながらプレイしていました(笑)。
なので、「ドンキーコングのクラッシュコース」同様に
「Wii Uでしか出来ないゲーム」という印象は受けなかったのですが、元が名作なのでこれもやっぱり面白いです。タッチパネルスライドで操作するのも、自在に動かせるようになるとすごく気持ち良かったですし。
◇ 「ヨッシーのフルーツカート」 題材となっているのは、御存知
ヨッシ-。
このゲームのアトラクションの中で、唯一の非アクションゲーム的なゲームと言えるでしょう。
思考力が試されるパズルゲームのようなアトラクションで、言われてみればヨッシーって『ヨッシーのたまご』や『ヨッシーのクッキー』といったパズルゲームに使われることが多いんですよね。パズルゲームの客層と上手く合った世界観だからなのかしら。
このゲームもテレビ画面とゲームパッドの二画面の違いを活かしたゲームで。
テレビ画面の方には取らなければならないフルーツ、当たってはいけない障害物などが全部映っているのですが、ゲームパッドの画面にはスタートとゴールしか映っていません。
テレビ画面を観ながら、ゲームパッドの画面に進むルートを書き込んでゴールへと向かわせるというゲームになっています。
こういうゲームを作らせると、やっぱり任天堂は凄いですね。
最初の方の面はフィールドに縦横の線が入っていて「目安」がちゃんとあるんで簡単なんですが。しかし、面が進むと「動く雲」とか「雨によって出来たり消えたりする水の跡」とどんどん難易度が上がっていって、後半になると「動くフルーツ」にタイミングを合わせなきゃならなかったり、裏面に行くと切り替えスイッチが出てきたり。
難易度曲線が絶妙なんですわ。
貴重な非アクションゲームのアトラクションですし、一人で遊ぶとついつい夢中になって遊んでしまいます。12コのアトラクションの中でトップ3に入るくらいお気に入りのアトラクションでした。
以上で、ミニアトラクション6つの詳細な紹介を終えます。
どのアトラクションも「新しいことをしている」のに、昔ながらのゲームのジャンルや構造をしているために
「むしろ懐かしい」印象を受けました。ファミコンのゲームとかは、このくらい難しくて、何度も何度もリトライして上手くなったよなーと思い出して感慨深くなったり。
自分はとりあえず「全アトラクションの表の面クリア」を目指しているのでほとんどノータッチなのですが、どのアトラクションにもクリア後には「更に難しい裏面」が用意されているそうです。
また、救済措置として「Wiiリモコンがあればアシストプレイが可能」で、ゲームが上手い人も下手な人も遊べるゲーム達としてよく出来ていると思います。
それと、これは書いておかなければならない重要なこと。
順番的には逆らしいんですが、
これらのミニアトラクションって「Miiverseありき」で作られたんじゃないかと思うくらいMiiverseと相性がイイんですよ。
すぐ死ぬから「また死んだー!」と誰かに愚痴りたくなる、だからこそクリアした時は嬉しくなって「クリアしたぞーーーー!」と自慢したくなる、裏技的なテクニックも多数用意されているのでつい「みんな!こんなこと出来るの知ってる!?」と教えまわりたくなる。
かつては「友達の家で集まってみんなでゲームしていた」とか「ゲームセンターに集まって知らない人とゲームしていた」みたいに、
Miiverseが情報交換の場になっているんです。
発売直後、「ドンキーコングクラッシュコース」の終盤で「エリア9どうやるんだよコレ!」とか「エリア10はこうやれば楽勝ー!」みたいに情報が行き交っていて、一人では絶対に思いつかなかった方法をMiiverseのおかげで知ることが出来て―――
Wii Uという新しいゲーム機の可能性を感じました。 あ、一応書いておきますけど「俺は自力でクリアしたいからMiiverseでネタバレしたくない!」って人は、表示をオフにも出来ますよ。
○ 一人でもみんなでも、「チームアトラクション」 ゲームパッドを使った「新しい操作方法」と、Wiiリモコンを使った「お馴染みの操作方法」の協力プレイのアトラクションです。ステージが多数用意されていて、1面をクリアすると2面が現れ、どのステージを遊べるか選べる
標準的な「ステージクリア型のゲーム」ですね。
一人で遊ぶ場合はゲームパッド役もWiiリモコン役も選べますし、クリア達成率を100%にするためには両方でクリアしないとならないみたいですね。また「協力プレイのアトラクション」と書いていますが、アトラクションごとに「一人で遊ぶタイムアタック」や「みんなで対戦するモード」もあります。
◇ 『ピクミンアドベンチャー』 題材となったのは
『ピクミン』。
ゲームパッドでプレイする人は「オリマー」役となります。
ゲームパッドの画面を観ながら、アナログスティックで移動&タッチペンでタッチしたところにピクミンを投げて攻撃&タッチペンで自分を弾くと回避&ZLボタンを押すことで全ピクミンを強制集合。
こっちのプレイヤーは、「遠距離攻撃」が出来るんですね。
Wiiリモコンでプレイする人は、ファミコンのような横持ちスタイルで「Miiピクミン」役となります。
2ボタンがジャンプで1ボタンが攻撃と、ホントに昔懐かしいファミコンのゲームのような操作感覚で遊べます。グラフィックは当時とは段違いですけど。
鉄板のアトラクションです。
新型ゲーム機らしい緻密に描き込まれたグラフィックで、ファミコンのような慣れ親しんだ操作方法で5人まで遊べるゲームです。味方への攻撃は基本的には出来ないみたいですが、パワーアップアイテムの奪い合いや、クリア後に「活躍度」が表示されるなど、単なる協力プレイには収まらない楽しさにしているところも流石。
ステージ構成も時間制限系やボスとの対決など、飽きさせないように配慮してあります。
ただ、
あんまり「新しい」と感じるゲームではないんですよね。 凄く面白いから黙々と一人で遊んでしまって、自分のプレイ回数ランキングでは1位になっているくらい気に入ってはいるんですが。昔ながらのゲームなので、『Wii Sports』みたいに誰でも楽しめるゲームではありません。協力プレイ時はハートが全プレイヤー共有なので、ヘタクソな人は肩身の狭い思いをするところがあるのもちょっと惜しいかな。
◇ 『ゼルダの伝説 バトルクエスト』 題材となったのは
『ゼルダの伝説』。
このアトラクションの剣士役は通常のWiiリモコンでは操作できず、WiiリモコンプラスもしくはWiiモーションプラスを付けたWiiリモコンが必要です。また、『ニンテンドーランド』の「チームアトラクション」「対戦アトラクション」は5人までプレイできるのが基本なのですが、このアトラクションだけは4人までとなっています。
Wiiリモコンプラスでプレイする人は「剣士」役。
まんま『Wii Sports Resort』の「チャンバラ」の「組み手」です。Wiiリモコンプラスを振った動きが剣の動きになり、Bボタンで防御。敵も一定方向を防御しているので、その防御に当たらないように斬りかかる必要があるところも一緒ですね。
ゲームパッドでプレイする人は「弓使い」役。
ゲームパッドの動きをジャイロセンサーが検知してくれるので、ゲームパッドを動かすだけで照準合わせ&右スティックで矢を射ります。溜め撃ちしている間は歩きが止まるので、周りを見渡してアイテムを探したりも出来ます。
ぶっちゃけ
「ジャイロセンサーを使ったガンシューティング」+「Wiiリモコンプラスを使ったチャンバラ」というだけのゲームです。でも、この二つを組み合わせることで、全く違うゲーム操作同士で協力プレイが出来るという新しい魅力を生み出しました。1+1が3にも4にもなるパターン。
一人用で遊んだ時も「これは弓役一人でクリアするのはムリじゃねえの?」と思ったのですが、実はガンシューティングとしてよく出来ていて、パターン覚えたりしっかり溜め撃ちをしたりすることでちゃんと一人でもクリア出来ました。
剣士役一人プレイは腕が疲れそうなのでやっていません!すみません!
一人で遊ぶ人には弓役だけですが「タイムアタック」モードもあります。
なかなか侮れないアトラクション。
◇ 『メトロイドブラスト』 題材となったのは
『メトロイド』。
このアトラクションのサムス役は通常のWiiリモコンでは操作できず、WiiリモコンプラスもしくはWiiモーションプラスを付けたWiiリモコンが必要です。また、サムス役にはヌンチャクも人数分が必要です。
店頭で配られている『ニンテンドーランド』の紹介冊子には「ニンテンドーランドの中で最も難しい上級者向けアトラクション」と書かれていますが、
そもそもコントローラを人数分揃えるのが難しいアトラクションだと思います。これを5人プレイ出来る環境のある人はどれくらいいるのだろうか……
Wiiリモコンプラス+ヌンチャクでプレイするのは「サムス」役です。
『メトロイドプライム』はFPSでしたが、こちらはWiiリモコンを使ったTPSで、アナログスティックで移動&Wiiリモコンのポインター操作で照準合わせて撃つというスタイルです。リモコンプラスやモーションプラスが必要なのは『レギンレイヴ』と同様に、画面から外れた動きも追いかけてくれるためだと思われます。
ゲームパッドでプレイするのは「スターシップ」役です。
2本のアナログスティックで上昇下降旋廻水平移動をして、空中から攻撃をすることが出来るみたいです。
ムズイ。 「サムス」役は何とかなるんですが、「スターシップ」役はマトモに操作も出来ませんでした。
協力プレイをするにもヌンチャクが人数分足りないし……
一人プレイで「サムス」役で遊んでいる分には、「初心者向けTPS」ってカンジですかね。自分は3Dアクションゲーム自体がかなり好きじゃないので、このアトラクションもイマイチでしたが。TPSに馴染みのある人、特に海外市場なんかでは欠かせないアトラクションなんだと思います。
以上で、チームアトラクション3つの詳細な紹介を終えます。
チームアトラクションに共通することは、
「Wiiの操作体系は継承しつつ」「ゲームパッドによる新しいものを加える」というものだと思われます。完全な新しい体験というワケではなく、Wiiの操作が好きだった人のためにプラス要素を足してくれたというカンジ。
なので、安定した面白さはあります。 積み上げてきたものに上乗せした魅力があるので、「ピクミン」も「ゼルダ」もお気に入りのアトラクションだし、表の面クリアした段階でこの記事を書いていますが裏面もプレイしたいと思っているくらい楽しかったです。
でも、
「これが新型ゲーム機だ!」というインパクトが最も薄かったのはチームアトラクションかもなぁって思います。
また「ゲームに慣れている人」でないと厳しいゲームなのも確かです。「ピクミン」も「ゼルダ」もハートが全プレイヤー共通なので、協力プレイ時にヘタクソな人が一人でもいるとクリア出来ないんですよね。
というワケで、「ミニアトラクション」も「チームアトラクション」も、手堅い面白さはあるけど新しい面白さはそんなにかな……と思っていたところで。「対戦アトラクション」を遊んで度肝を抜かれたという話をこれから書くのです。
○ 多人数以上でしか味わえない魅力がある「対戦アトラクション」 Wii Uが提案する新しいゲーム体験「非対称の多人数対戦ゲーム」です。
Wiiリモコン側が1人~4人までWiiリモコン横持ち(ファミコンスタイル)で操作し、自分専用モニターを持っているゲームパッド側1人と対戦するというゲームになっています。
「1人でゲームを遊ぶ人」はプレイできないので、『ニンテンドーランド』を買ったは良いけど全く遊んでいないという人も多いと思います。自分も年末年始の機会に友達の家に持ち込んで遊ぶまでは1度も遊んでいなかったのですが、
気付いたら朝の6時でした。ゲームやってたらいつの間にか徹夜していたなんて何年ぶりだよ!
◇ 『マリオチェイス』 題材となったのは
『マリオ』……って、説明は必要ですかね(笑)。
Wiiリモコンでプレイする人は「キノピオ」役。
テレビ画面を観ながらマリオを追いかけるのですが、カメラが自分の後ろから前を映す「3D視点」なので視野が狭いのです。
ゲームパッドでプレイする人は「マリオ」役。
ゲームパッドの画面を観ながらキノピオから逃げるのですが、カメラが上空から自分を見下ろしている「2D視点」で見やすい上、キノピオがどこにいてどっちを向いているかまで分かる全体マップが常に表示されています。
言ってしまえば「鬼ごっこ」「かくれんぼ」「缶けり」の融合なんですが。
それらの遊戯と決定的に違うのは、
マリオだけは“神の視点”を与えられているので追いかけてくる敵を全部把握出来るというところです。この感覚は、今までのどの遊戯でもどのゲームでも味わったことがないものです。
12コ揃えた「アトラクション」の中から看板キャラクター「マリオ」をコレに当てはめたのも分かるくらい。
全く新しい
なのに分かりやすくて
操作は難しくなく
奥が深いアトラクションになっていると思います。
自分も12コの中でこのアトラクションが一番好きです。 ステージが「赤」「青」「緑」「黄色」に分かれていることで「今!赤にいるぞ!」とキノピオ同士で声を出し合えるようになっていたり、ゲームの中盤に「マリオだけが無敵になれる」スターが現れることで“スター防衛”の要素が加わったり、キノピオ側にも「マリオとの距離」が表示されることで目安になったり、ステージによって進みにくい泥や一方通行の滑り台があったり。
よく考えた遊び場にしてあるんです。
また、自分が12コのアトラクションで一番好きだと言った理由は、
このアトラクションだけ「リプレイ」機能が付いているんです。マリオとキノピオが2分30秒間どういう動きをしていたかを、決着が付いた後に見せてくれるので、「うわー、あの時あそこにいたのかよ!」とか「ここで左に進んでいれば挟み撃ちに出来たのに!」と後から盛り上がれるのです。
ゲームに慣れていない人でもキノピオ役ならば気軽にプレイ出来ると思いますし、親戚同士で集まって「マリオチェイス」を遊んでいるTVCMを流すだけの威力はあるアトラクションです。
ただ、難点もあって。
キノピオ役の方は「3D視点」のため、3D酔いする人は厳しいだろうということと。
キノピオ役は「遠くの方に走っているのはマリオか、味方のキノピオか」を判断できないとならないため、小さいテレビで遊ぶのは厳しいかなというところ。
◇ 『ルイージのゴーストマンション』 題材は
『ルイージマンション』。
こちらは画面分割もない見下ろし型2D表示の対戦アトラクション。
細かい操作も反射神経も必要としないアトラクションとも言えるんだけど、正直ちょっとルールが複雑で分からないところがあるんですよね……
Wiiリモコンでプレイする人は「ルイージ」役。
懐中電灯で照らしながらお化けを探します。お化けを一定時間懐中電灯で照らせば勝利です。
ゲームパッドでプレイする人は「お化け」役。
ルイージ達に見つからないように背後から襲い、全員を気絶させれば勝利です。
このアトラクションは2012年のE3で江口さんが『ニンテンドーランド』を紹介する時に使ったアトラクションで、後に「このゲームは遊んでみないと面白さがなかなか伝わらない」と言われたほどなんですが、正直ルールが複雑だと思うんです。
ルイージ側の懐中電灯にはバッテリー残量があって、電池を補充しないとならなかったり。
お化けは「魔術」を使うことでルイージ達のバッテリー残量を強制的に0に出来たり。
「魔術」の説明は説明書にも載っていないのでよく分からないんですよね……
恐らく「4人固まって四方を照らしながら歩く」みたいなことをルイージ側にやらせないための方法だと思うんですが、正直分かりにくくて「今日初めて遊ぶ人」にとっては分かりづらく、接待プレイにはあまり向いていないかなという印象でした。
「マリオチェイス」みたいなリプレイ機能があれば、また違ったかも知れないんですけどねぇ。
◇ 『どうぶつの森 キャンディーまつり』 題材となっているのは
『どうぶつの森』。
Wiiリモコンでプレイする人は「どうぶつ」役。
フィールドを逃げ回りながら、キャンディを全員で目標個数集めれば勝ち。
ゲームパッドでプレイする人は「二人のモンバンさん」役。
左右のアナログスティックで二人のモンバンさんを動かし、どうぶつ達を目標回数捕まえれば勝ちです。
「マリオチェイス」と違って見下ろし視点なので3D酔いは弱いでしょうし、「ルイージマンション」よりルールが分かりやすいと思います。左右のアナログスティックで二キャラ同時に動かすのは難しいですけど。
キャンディはそのまま落ちているのだけ集めても足らず、「一定時間スイッチの上に規定人数乗っていると大量のキャンディが落ちてくる」木があったり。キャンディを食べると食べる分だけ脚が遅くなるのだけど、捕まりそうな時はキャンディを吐き出して身軽になれたり。
単なる「追いかけっこ」にはしない工夫がされているのがイイですね。
ただ、何回もやっていると解禁されるのかも知れませんが、20回ほどプレイした段階だと「ステージが2種類」しかなくてちょっと物足りないかなぁと思いました。その2種類も、「マリオチェイス」ほど分かりやすい差があるワケじゃないですし。
以上で、対戦アトラクション3つの詳細な紹介を終えます。
Wii Uを象徴する「非対称の対戦ゲーム」の3つですが、「マリオチェイス」が一番シンプルで分かりやすくて遊びやすく、そこからちょっと複雑にしたのが「どうぶつの森」、もっと複雑にしたのが「ルイージ」ってとこですかね。
いずれにせよ「凄く面白い」反面、
ゲームパッドを操作する人の力量にも依るというのはあります。
そりゃ全ての対戦ゲームに当てはまることなんですが……ゲームパッドの人が上手すぎても下手すぎても、ゲームとして盛り上がりに欠けてしまうところがあるし。Wiiリモコン側の人も、「どうぶつの森」は全員共通のハート数なので、下手すぎる人がいるとすぐに終わってしまうところがあります。
そういう意味では、ピタリとハマれば物凄く面白い反面。
「楽しいメンツで遊ぶ」環境を用意するのが難しいゲームではあるかなと思います。『Wii Sports』みたいに「5歳から95歳まで」とは言いづらいかなぁと。
○ 「どうやって遊ばれるのか」 何度か書いていますけど、
『Wii Sports』というのは「このゲームはどうやって遊ばれるのか」を物凄くよく考えてあったゲームだと思っています。Miiの変更がしやすいとか、Miiを作っていない人のためにゲストMiiを用意しているとか。
同じスタッフが作っている『ニンテンドーランド』にも同様のことが言えて。
1回のプレイが終わるごとに「Miiの変更」が可能だし、「ゲームパッドの人だけ交代」みたいなことも出来ます。もちろんMiiを用意していない人のためにゲストMiiもちゃんと用意してあります。
ミニアトラクションで「アシストプレイ」が出来たり、その日の最高記録がゴーストとして一緒に走ってくれたり、「本日のトップ5」の記録が見れたりするのも。
「このゲームは家族全員で遊んでもらえるに違いない」と思って、1人プレイ専用のモードでもみんなで遊んだ時のために嬉しい機能を入れているんです。これはやっぱり「流石」ですよ。
あと、目立たないけど「ニンテンドープラザ」の仕様もイイです。
Miiverseを経由して、このゲームを遊んだ人が世界中から集まって歩いていて。その人がどのくらいスタンプ(実績みたいなもの)を集めているのかが分かるとか。その人のMiiverseに共感出来るとか。
アトラクションを遊んだ際にもらえるコインを使ってミニゲームをすると、プラザにどんどんオブジェが増えるとか。
タッチ1発で遊びたいアトラクションの入口まで飛んでいけるとか、そもそもプラザじゃなくてメニューからも選べるとか。
テレビ画面上に「この人を探せ!」みたいに出ていて、プラザの中からその人を見つけるとコインがもらえるなんて小ネタもあったりで。プラザをフラフラ歩いて他人のMiiverseを眺めているだけでも楽しかったりするんです。
細かいところまでよく作ってあります。
こういうところももっと注目されるとイイなぁと思います。
○ 総括 このゲームは「全方位を向きすぎて誰に売りたいのか分からなくなってしまった」『安藤ケンサク』に似ている―――というところから今日の文章を始めましたが。12コのアトラクションの紹介を書いて、
尚更分からなくなってしまいました。 「このゲームソフトはどういう人にオススメですか?」と訊かれても、「誰にでもオススメできる」ような、「特別にこのゲームにピタリとハマる人」が思いつかないような……
強いて言うならば、
まず
「新しいものに興味がある人にオススメ」です。
一人用のアトラクションも多人数用のアトラクションも、ゲームパッドとMiiverseというWii Uの目玉機能2つを使ったモードになっています。「Wii Uって今までのゲーム機と何が違うの?」ということを1発で分かるソフトになっていると思います。
あとは、
「DSiウェアのような小規模だけど光るアイディアを持ったゲームが好きな人にオススメ」です。
「ミニアトラクション」の6つは面白いんだけど、それぞれ1本ずつでパッケージタイトルにして売れるほどの強度を持ったアトラクションではないと思うんです。でも、一つ一つのアイディアは面白いから、変にボリューム過多にして5000円ずつで売るんじゃなくて、コンパクトにまとまったものをセットにして売ろう―――コンセプト的にはDSiウェアのソレに近いと思うんですね。
まぁ、そういう発想だとちょっとお値段高めに感じるかと思うのですが(笑)。
そして何より、
「3人以上でゲームを遊ぶ機会のある人に是非オススメ」です。
「対戦アトラクション」は2人以上で遊べますが、やっぱり「Wiiリモコン側」で協力して声を掛け合って「ゲームパッド側」に挑むのが面白いんですよね。なので3~5人でゲームを遊ぶ機会がある人、もちろんコントローラも用意できる人に強くオススメします。
「マリオチェイス」のマリオ役は、「これは凄いものを知っちゃったぞ……!」というくらいの衝撃があると思います。
自分が対戦アトラクションを遊んだ時には、もう既に
「2012年に自分が遊んだゲームランキング」は書き終えちゃっていたんですが。
今改めてランキングを作るならば「好きな順トップ3」と「面白かった順トップ3」には入れたいと思います。そのくらい時間を忘れて遊んでしまう破壊力がありました。
万人にオススメというつもりはありません。「人を選ぶ」のは間違いないと思います。
しかし、
「このゲームにはこのゲームにしかない魅力がある」とも思うのです。 こういうゲームを自分は応援したいなーと思います。
やまなしレイ(管理人)(01/23)
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