<4月11日 23:21>
○ #1「高3!」感想 今季最大の注目作品。
昨年の4~6月に放送された第1期が大ヒットし、ミニアルバムがオリコン1位になったり、EDテーマが00年代最も売れたアニソンになったり。色々とムーブメントを起こし、自分も本当に大好きだったアニメの第2期が始まりました。
うん!
原作読んでいると先の展開知っているからアレだな!こうなることは予想していたけど!(笑)
そこに向かう描き方は違うのだけど、結論は知っているから細部の描写や演出を楽しむしかなくなって。犯人を知っている推理小説を読んでいるようなカンジでした。だからまー、自分はいつも「原作を読んでいるアニメは観ません」と言っているのだったと再確認。
ちょっと残念……これだけの作品なのだから何も知らない状態で観たかったなぁ。
作画は、第1話ということもあってトンデモなく凄かったです。
第1期の終盤は「5人揃うシーン」は若干抜いている部分もあって「流石の京アニでも苦しいのか」と思ったのだけど、この第1話は細かいとこまで一切手を抜かずに描かれていて流石の京アニでした。
ライブシーンはありませんでしたが(校歌斉唱はあったけど)、冒頭の唯が一人練習をするシーンは半端なくカッチョ良かったです。
演奏シーンを誤魔化すための後姿という発想なのかも知れないけど、それが逆にカッコ良くて。んでもって「必殺技を開発中!」に相変わらずアホなコだなぁと微笑んで。
校歌が出てきたこともそうですし(校長もいた!)、唯のセリフやさわちゃんの表情なんかもやっぱり第2期はこの方向なんでしょうね。
「アナタ達、1年なんてあっという間よ」
第1期のラスト(14話)は1月1日だったのに、第2期は4月からなので3か月分話をすっ飛ばしたワケです。その間の原作のエピソードも結構好きだったので残念ではあるんですが……多分、第2期は「高校生活最後の1年間」を集中して描くつもりなんでしょう。
4月の時点では「1年なんてまだまだあるよ!」と言っているし、アニメとしてもひたすら明るく希望に満ちたように描かれているのだけど。
いずれ来る別れと旅立ちをしっかりと描くつもりなんだろうって、それが分かっているからこそさわちゃんのあんな表情を描いたんだろうって思います。
いや、別にその辺を濁したままな可能性もあるんですけどね。第1期の11話とか13話を見る限り「目を背けたまま済ませてしまう」つもりはないんじゃないかって期待していますよ。
そういうこともあって、1期では描かれなかった学校の新たな側面なんかを見せてくれると嬉しいかなと思います。「オカルト研究会」みたいに(笑)。あれだけキラキラした女子高に「オカルト研究会」なんてあるんですね。
新OP&ED――曲は1期の2曲が象徴みたいになっちゃっているから、まだ慣れないなあ。
豊崎さんにあんな速い曲を歌わせるのか!とは思った(笑)。
絵はすげー。ひたすらすげー。OPは第1期を受けて描き直した“完全版”のようなクオリティ。今回はちゃんと最初から梓がいるし、最後に純ちゃんも出てきました。5人が演奏しているところをカメラでグルグル回るトコとか何だアレ。どんだけ物量かけて描いてんだろうと心配になるほどです。
EDはまたガラッと雰囲気を変えて、大人びた澪(だよね?)と、5人が手を重ねる不思議な内容でした。
OPは“現在の彼女達”で、EDは“未来の彼女達”のイメージなのは1期と共通なんですが。1期のEDは“可愛い”着こなしだったのに対して、2期のEDは“大人っぽい”着こなしという印象でした。ヘアピンのない唯に、ツインテじゃない梓とか。
ということで、トータルで見ればやっぱり「別格」の作品だなーって感想です。
「原作読んで内容知っている」うんぬんは、恐らく2期はオリジナル展開を入れるでしょうし、それほど心配はしていません。
しかし、それは1期を観ている人の感想で、2期からスタートの人はどう思ったろうなーとはちょっと感じました。
1期1話は西日が差し込む中で『翼をください』を演奏するシーンがひたすら美しくて(そして音がショボくて)、視聴者を惹き付けたのですが。
2期1話は「新入生勧誘」の方に焦点が当たっていて、1期1話の衝撃ほどではなかったかなーと思います。
いや、冒頭の唯のギターは超カッコ良かったですけどね。あそこだけ繰り返して何度も観ちゃいましたけどね!
でも、アレって1期1話の頃の唯を知っているからこそのシーンなんですよね。
2年前も唯は目覚ましを見間違えて早く登校しちゃった。しかし、あの頃と違って今の唯にはギターがある。あの短いシーンで1期を観ていた視聴者は「変わらない唯」と「成長した唯」の両方を感じることが出来る―――俺達の『けいおん』が戻ってきた!と思わせてくれるという。
※ 補足コメント
第1話の感想なので、随分と“ふわふわとした”感想になってますね(笑)。
2期が始まって、久々にこのキャラクター達に会えたことは嬉しいんですけど、この時点ではまだまだ本領を発揮していないために「1期の頃の方が凄かったよなー」という気持ちも否めなくて。ただ、これは「2期から観始めた人のためにキャラクターや作品世界を説明する」意図もあったのだから、仕方がないことだったんですけどね。<4月18日 23:59>
○ #2「整頓!」感想 新キャラってコイツのことかよおおおお!!
まさかの展開に大笑いしてしまいました。この第2期が始まる直前、
公式サイトのスタッフコメント欄にて構成の吉田さんが「まさかの新キャラ、」とコメントされていたんですよ(3月31日更新分)。
第1話・2話は「新入部員が入るか」という話でしたが、原作を読んでいる身としては「新入部員は入らない」ことは分かっているので、どう決着をつけるのかな?アニメオリジナルで新キャラ出すのかな?と思っていました。
そしたらまぁ、まさかの亀という(笑)。
文章にすると「くっだらねえ……」と思うのだけど、群像劇の技術としてはなかなか高度なことをしているなーと改めて思った今週。
原作を読んでいるとワクワク出来ないというのは確かにあるんですが、アニメ化の際に「足されている」部分がハッキリと分かるので、一つ一つの描写の意味は分かりやすいですね。このシーンはこういう意味だ、とか。推理小説を古本で買ったらマーカーで線引かれていたみたいな話なんですけど(笑)。
ア ニ メ ス タ ッ フ は ム ギ ち ゃ ん 好 き だ よ ね!!
原作では「百合が好きなお嬢様」くらいの特徴しかなくて、それほど目立たない“コアな人が好きなキャラ”だと思うんですよ。でも、アニメだと第1期の最終回でムギちゃんが見せ場を持っていったように、アニメスタッフにとっては一番“表現したいキャラ”なんだろうなーと思いました。
アニメ版のムギちゃんって、言っちゃえば『よつばと!』におけるよつばなんですよね。
何にもないような普段の日常が、よつばにとってはキラキラした大冒険の日々。
公園でおばあちゃんと喋るとか、コンビニにお使いに行くとか、夏の最後に「海に行きたい!」とワガママわめくとか、ああいう描写が読者にとってはキラキラした子どもの頃を思い出させるのです。「そうだ。日常ってこんなに楽しいものだったじゃん」と。
アニメ版のムギちゃんで描かれているのもコレなんですよね。
ジャンケン一つするのも楽しそう、ホームセンターで目をキラキラさせて、みんなとちょっと悪巧みしたり(という割には要領が悪かったけど)とか。こういう一つ一つの日常が物凄くキラキラしていたことを、ムギちゃんは思い出させてくれるのです。
第2期は第1期に比べて「日常」を描く意図があるんだろうし。
第1期の物凄いテンポと比べると密度が薄いって思う人もいるだろうけど、個人的にはこういうものをしっかり描いた先にあるものを見てみたいです。
今週「憂のセリフ、一文字かよ!」と思ったけど、Bパートの唯の妄想で出てきた。どっちにしろ出番もセリフもあんまりですけど(笑)。
唯が「憂に怒られるー」と言っていたのが印象的でした。
「憂が怒ることなんてあるのか!」と思ったら、超ニコニコしてたという。あれでも唯は「怒られた」と思うのか。この姉妹だと憂が母親のようなもので、「姉の威厳が皆無」だと言われているのだけど(そりゃ小さい頃からこんなだったし……)。
梓のことを気遣っているとことか、あの辺はやっぱりお姉ちゃんだよなぁと思うのである。
第1話は梓視点で「先輩達と“5人で”続けたい」という答えに達する話だったんだけど、よくよく考えれば唯達の視点では「それじゃダメかも…」なんですよね。どっちにしろ梓が一人になってしまう可能性は高いのだし。
梓は「それでイイ」と思っているのだけど、梓はツンでデレな人だからそれは周りには伝わっていなかったし。
だから、今週は唯達の視点から「梓のために何かをしなきゃ」って話だったのだと思います。そのために取った行動が「亀」だってアホさが唯ならではなんだけど、それも含めて全部梓は「唯を理解した」1~2話だったんだろうなって思います。
そんなことより、ホームセンターで「こんなところで抱きつかないで下さい」ってことは「誰も見ていないところならイイですよ」ってことだよなとハァハァしたり(笑)。ラストで唯が梓に抱きついていたのはそういうことか!
「第2期は第1期を観ていない人にもイチから楽しめるように」という意図で、序盤はキャラを紹介するためにどうしてもゆったりとした構成になるんでしょうけど、まず最初の2話を使って唯梓を描いたのは興味深いなーって思います。
原作のエピソードを活かして、ムギも梓も唯もしっかりそれぞれ動かして、新キャラ投入に説得力を持たせる。
結果だけ見ると凄くアホな印象しか残っていないのだけど、そこまでの過程は相当無駄なく絞り込まれていました。流石の脚本力。「このクオリティでこんなバカなことするな!」と言うのが相応しいでしょうか(笑)。
いやー、ということで第2話すごく面白かったです。
原作を知っていると楽しめないかなーと第1話では思いましたし、今週もそういう部分は多少はあったんですけど、最後の亀なんかは「原作を知っている」からこそ大笑い出来たのかもって思いました。
※ 補足コメント
第2話はオリジナルの場面が多くて、オチもオリジナルだったので堪能しました。
これは1期の頃からそうなんですけど、アニメって「原作と同じエピソード」を独自解釈で描くことで「アニメ独自の意味」を付けるんですよね。さわちゃんのギターを売る原作のエピソードに、他の部に新入部員が入るエピソードを足すことで、時間の流れと「いずれ一人になってしまう梓」を印象付けることが出来る――そういうこともあって、この2話は序盤ではお気に入りの回でした。<4月25日 22:38>
○ #3「ドラマー!」感想 ふーむ。こう来たか。第1期もそうだったけど、『けいおん』って本当に“手堅い”構成ですよね。
「完全オリジナル回」。原作にないエピソードをこうして入れるということは、“それが必要だから”ということ。1期のバイトエピソードみたいなものだと思われます。
1期の序盤よりも難しいのは、「2期から観始めた人」に向けてキャラやキャラ同士の関係をイチから見せなくてはならなくて、「1期から引き続き観ている人」に向けては1期よりも成長している彼女らの“時間”を見せなくてはならなくて。
その両方を描くためにはオリジナル回しかなかったってのは……当然だけど原作は1期と2期に分かれていませんでしたからね(笑)。
まず「2期から観始めた人」向けに。
1~2話のメインは唯梓でしたから、3話目は律澪ですよ。『けいおん』の要はこの2組(+観察者としてのムギ)ですからね。
唯憂姉妹がメインの話はもうちょっと先だろうなぁ……
律と澪が幼馴染として「二人で一緒に楽器を始めた」エピソードを入れつつ、「律は澪の楽器を奪わない」「澪は律がドラムに戻ってくると分かっていた」と描いたという。
もちろん律と澪の絆を描く一方で、「2期から観始めた人」にどのキャラがどの楽器をやっているのかとか、それぞれの楽器がどういう役目を担っているのかとかをしっかりと伝える意味もあったんだと思います。
1期の序盤は、何の知識もない唯が楽器を始めていく流れでしたから、知識のない視聴者も唯と一緒に勉強(上っ面だけとは言え)出来たのだけど――2期はもうみんなすげー上手くなっている時点で始まっちゃっていますからね。こういう回も必要だというアニメスタッフの判断だったのだと思います。
でも、1期の時に律っちゃんって唯に「分からないことがあったら私たちで教えるよ!」って言ってなかったっけ(笑)。ギターについて何も知らなかったことに驚愕。唯にはほとんど澪が教えていたのか……
んで「1期から引き続き観ている人」向けには。
このエピソードって、1期11話の「律っちゃんのいない部室」の逆サイドみたいな話だなと思いました。
あの回でムギちゃんが「律っちゃんの代わりなんていません!」と叫んだように、律っちゃんの他に律っちゃんの役目が出来る人なんていないのです。不在の空間に残った4人が何の決断も出来なかったように、軽音部の土台は律っちゃんが支えていなきゃダメなんです。
あの回でそれが分かった澪・ムギ・梓は、「ドラムは律しかいない」と最初から分かっているんです。
「律のドラムがないと…ちょっと寂しいかな。
私、走り気味でもさ、やっぱ活きが良くってパワフルな律のドラム好きなんだよ。」
でも、唯はよく分かっていませんでした(笑)。
「よく分かっていない」という表現はちょっと違うか。良くも悪くも唯は「みんなを喜ばす」ことしか考えていないんですよね。憂に雪をプレゼントしたように、梓に亀を後輩として連れてきたように。
律っちゃんが抱えている悩みを理解しようとして、律っちゃんが見てきた景色を見ようとして、律っちゃんが如何に自分にとって大切だったかを知って。「大好きな友達」なだけでなく、「大切な仲間」であることを―――
今更という気もするのだけど(笑)、結果として“バンドとは何か”を描けた回だったんじゃないかと思います。
しかし、さわちゃんのキラキラオーラと集合写真のエピソードはどういう意味なんだろう。集合写真は「みんなが揃うことに意味がある」ってこと?
そう言えば、2期1話目で唯が桜の花を集めて「1ダースまで1つ足りない…」と言っていたけど何だったんだろうアレは。普通の作品だったら、「高みを目指すためには私達にはまだ足りないものがある!」みたいな展開に使われそうですけど……『けいおん』だからなぁ(笑)。
さわちゃんのキラキラオーラは「スポットライトを浴びているばかりが幸せじゃない」ってことか?2期から観始めた人にとっては、まださわちゃんはすげー真人間ですよねぇ。いつ化けの皮を剥がすのか。
うーん……感想が『超電磁砲<レールガン>』脳になっているから、何気ないシーンでも「ここは伏線ではないだろうか!」と思ってしまうのだけど。『けいおん!』はそういう作品でもないか。何となく“定番なもの”を描いているだけな気もしますね。
※ 補足コメント
そう言えば、1期2話でも唯が他の3人を紹介するシーンがありましたね。
この2期3話もそれに近い回で、それぞれのキャラの特徴を描きつつそれぞれがどの楽器をしているのかを、「2期から観始めた人」に向けて紹介する意図があったのかもって思います。しかし、今から思えばこの辺りは悩みもなくて平和な回でしたね……<5月02日 22:59>
○ #4「修学旅行!」感想 修学旅行回。
自分は原作を読んでいるので、アニメ2期が発表された際この回のアニメ化が非常に楽しみでした。主に背景面で!京都の美しい寺社や街並みを京アニがどう描いてくれるのか―――ワクテカしていたのです。
しかし、一番「すげー!」と思ったのはホテルのロビーでした(笑)。
新幹線の座席は「なんでこんなスペースあるんだ……」と思ったけど、じゃないと立ち上がったりお菓子こぼしたり出来ないからですかね。
ホテルの和室はイイカンジに狭くて「流石!分かってらっしゃる!」と思わず。
修学旅行のチープさは寝室の狭さだよね!あと、工夫して布団敷くとことか!(笑)桜高って結構なお嬢様学校だと思っていたけど、それはそれ!「修学旅行らしさ」が大事!!
“修学旅行”としてのディティールがとにかく凄まじかったです。
見回りが終わった後に、廊下から聴こえてくる“騒いでいる部屋”の音の出し方とか。みんなが寝静まったかと思ったら、ちょっとずつ音がしてくるとことか。ブタ鼻とか(笑)。
この4人は合宿とかお泊りとか何度もしているけど、それとは違う修学旅行独特のあの感覚が上手く描かれているなーと感心しました。
さて……
で、この回の意味はと言うと。
第1期の頃からそうだったんですけど、元々は4コマ漫画な原作をどう意味づけしてアニメ化するかという話で――
この回は「澪視点での1期の全14話」を駆け足でなぞったような回だったと思いました。分かりやすく言うと、1期4話の合宿回の焼き直しっっちゃー焼き直しなんですけど。
思う存分ふざけまくってちっともマジメにやらない唯&律に、振り回される澪、裏切って一緒に遊んじゃうムギといういつもの構図。
澪は「いい加減にしろ!」と怒ってばかりなんだけど、でも何も考えずに突撃する唯&律によって、澪一人では開けられない扉を何度も開けてもらってきたのです。
猿山のエピソードなんかは分かりやすいですよね。一人では見られない景色を、仲間と一緒なら見ることが出来る。「猿に餌をあげる」ことだって怖がらなくて大丈夫。唯はああいうのも全く怖がらないんですよねー。
そして、そんな風に「仲間がいれば何も怖くないよね!」とひたすらポジティブに描いておいて。
唯に「軽音部もあと1年で終わり…」と言わせる。
そう。1期から描き続けてきた“このキラキラした時間もいつかは終わりが来る”の答えは―――という伏線を張っておいて、現段階では「また明日♪」で終わりました(笑)。
原作からカットされたエピソードに意味がありそうだけど、それはまぁ追々。
ムギちゃんの枕投げはホワホワしたなぁ。
聞きかじっただけの知識だから、やたら本気で投げてくるという(笑)。
そんなに目をキラキラさせて!あぁ、可愛いなぁ。
ということで、1話で梓、2話で唯、3話で律、4話で澪の物語をなぞって、ムギちゃんはそれらを観察する立場ですから。とりあえず「1期のおさらい」はコレで一先ず終わったのかなと思います。唯憂姉妹は後回しでもイイだろうし。
1期から引き続き観ている人は「1期に比べてテンポが遅い」と思っている人もいると思うんですが、2期から観始めている人も多いですからね。
こうやって「1期のおさらい」を、ダイジェストみたいな形にせず、新しいエピソードでしっかり描いたというのは勇気ある決断だったと思います。流石に来週以降も続いたら辛いけど、と先に書いておきます(笑)。
そう考えると1期の構成は凄かったんだなー。無駄な回が1話もなく詰め込まれて、描きたいものをコレでもかって描いてあった。それがライバルになってしまう2期は可哀想な気もしますね。
※ 補足コメント
とりあえず一区切り。
1~4話で梓唯律澪の1期の物語をおさらいしたので、5話からが本番なのです!
そして、このタイミングで2期のテーマである「軽音部もあと1年で終わり…」という台詞を入れる辺りがニクイですね。楽しい楽しいキラキラした時間も、いつか終わりが来ると視聴者に改めて思わせる。当然この台詞が、後々の「唯の物語」に繋がってくるという。<5月09日 22:38>
○ #5「お留守番!」感想 2年生トリオのターン!
2期は特に花田脚本のアベレージが高いですね……比較的、「好き勝手できる」回を任されているというのもあるのかもですが。しかしまぁ、こういう回を描かせると『けいおん』チームは凄まじいし、『けいおん』はこういう回があってこそナンボですよ。
3年生チームが修学旅行で不在の中、残された2年生達がどう過ごしていたかという回。当然、前回の4話とところどころでリンクしていました。セットでお楽しみ下さい。唯の謎の電話はこの伏線だったのか(笑)。
ところで。
イチャイチャ姉妹を応援する会会員の自分としては、「2期から観始めた人は憂のことをどう認識しているのだろう?」と思ってました。
1期の頃は、唯がいて、唯の妹に憂がいて、憂のクラスメイトに梓がいて――と、徐々にキャラを把握できるようにしてあったのですが。2期はいきなり3人が登場しているので「誰が誰やら」になっていないか不安でした。
なので、この回で「憂というキャラ」を描くとともに「唯・憂・梓の関係」を描きつつ、梓にとっての軽音部がどういう存在なのかを描きつつ、
1期の頃はあまり掘り下げられなかった純ちゃんを描くことで、「1期から観ている人」にも新鮮な描写を見せられたりで。
ケチの付け所がない構成だよなぁと、改めて感心しました。面白かったー。
“3年生不在の学校”。
素晴らしいね。これは盲点でした。言われてみれば、あんまり漫画やアニメじゃ描かれない部分ですよ。
前回の修学旅行回は、イイ意味で“ベタな”修学旅行描写でした。
新幹線の中でハシャいだり、お菓子食べ過ぎて夕飯食べられなかったり、枕投げしたり、先生の見回りをかいくぐってキャッキャッしたり、団体行動を乱すヤツがいたり。
でも、そんな風に3年生が修学旅行に行っている間、1年・2年が学校に行っているというのも誰もが経験したことのある“あるあるネタ”ですよね。
3年生がいないからパンが買えるとか、静かな3年生の教室エリアに恐る恐る踏み入れるとことか、3年生の教室に入る感覚とか――凄かった。キュンキュンした。「こんなんあったなぁ」と。
ノスタルジーはもう散々掘り返されて「正直ノスタルジーは飽きてきた」と思い始めていたんですけど、まだ掘っていない部分があったのかと。
1期の頃は描く余裕もなかったけど、友達の家にお泊りに行くあのディティールも凄いよなぁ。
憂のベッドを純ちゃんが使っちゃうとことか(笑)。歯磨きとか髪の話とか。梓、あんなに髪長かったのか!と驚いたり。友達の家で漫画読み始めるヤツとかいるよなぁと思って、あれ?これって1年前にも書いた気がするぞと思ったり(笑)。
そうか、純ちゃんは律っちゃんに似てるんですね。純ちゃんの方がもうちょっとシンプルな思考ではあるけど。この3人でも、何だかんだ引っ張っているのはいつも純ちゃんですしねー。
あと、純ちゃん目線だと唯は「友達のお姉ちゃん」だから、「友達のお姉ちゃん」の部屋に入る際のあの緊張感みたいのが良く描写されてたなぁ。
“3年生不在”で、梓や憂はどことなく寂しく物足りないように描かれていたのですが(雨の描写や夜の暗さはその暗喩)。
亀にエサをあげるためにやってきた休日の学校で、急造トリオで音を合わせるという、たったそれだけのことで風景が見事に美しく見え、雨が上がって光輝くという。
最後3人で写メを撮るところとかもジーンと来たなぁ。
この作品のメインは軽音部のメンバーであって、その関係というのは「掛け替えのない仲間」で、この回でも梓はそこに戻っていくと描かれていて―――
それに比べれば、この3人の繋がりは「高校のクラスメイト」という緩いものでしかないのだけど。でも、だからこそ今週の描写はグッときました。そんな関係であっても音を合わせることは出来るし、光り輝く一瞬が訪れるんだ、と。
特に、純ちゃんってのは「軽音部に入らない道を選んだ」キャラですからね。
彼女はもう軽音部とは交わらない道を進んでいるのだけど、でも梓とも、(楽器をやっていない)憂とも、音を合わせることが出来る―――今週は、何だか『かなめも』のラストを思い出してウルウルしてしまいました。
「2期は純ちゃんクローズアップするだろうなー」と思ってたけど、ここまでしっかり描いてくるとは!
堪能しました。やっぱ『けいおん』すげーわ。
あと、3人の私服も良かったよね!憂がニコニコしているだけでオイラは幸せだったよ!
そうそう。
憂とセッションということで、憂はギターをするのかなと一瞬思ったし、Twitterなんかでは「憂のギターを観たかった」という意見も見ました。1期でギター弾くシーンがありましたからね。でも憂が選んだのはオルガンでした。
そりゃまー、「ギター+ベース+ギター」よりも「ギター+ベース+オルガン」の方が音楽の幅は広がるって話なんでしょうけど。
それ以上に、結構深い意味があるのかもなって自分は勘ぐって観ていました。
憂がギターを弾いたあの回って「唯のコピー」としてだったんですよね。それでオリジナル以上の腕というのがアレなんですけど(笑)
でも、梓にとっての憂は決して「唯の替わり」じゃないんですよ。憂は「憂」でしかなくて、大切な友達なんですよ。だから、あのセッションで、憂がギターではなく自分オリジナルのオルガンを選んだというのはすげー深いシーンだったと思うのです。
ということで、個人的には“神回”でした。
1期・2期あわせても、かなりの上位に入るくらい今週は半端なく面白かったです。
メインキャラ不在でそう言いきっちゃうのもアレなんですけど……アニメの『けいおん』は少しばかりの陰を描いた方が光がまぶしく見えると思うんだ。1期13話のアレとか。
あと、イチャイチャ姉妹を応援する会会員の自分としては、憂が唯の席に座ってニコニコしているのがすげーなごみました。それを微笑ましく観ている二人にも。
※ 補足コメント
この辺りから、2期も本領発揮というカンジでしたね。
細かい描写にもこだわって、物凄い密度で、1話があっという間に終わってしまうのだけど、これが1話に収まっているのかというほど沢山のものが詰め込まれた回でした。自分はやっぱり、3人が唯の部屋に入るシーンが大好きです。憂は「お姉ちゃんの部屋」として、梓は「先輩の部屋」として、純ちゃんは「友達のお姉ちゃんの部屋」として、それぞれ違ったカンジに足を踏み入れるという。キュンキュンするなー。
と……素晴らしい回だったんですけど。
13話まで観た今振り返ってみると、「梓の物語」として非常に重要な回だったし、切なさを感じる回でもありました。ここまでしても、やっぱり梓にとって軽音部が一番だし軽音部のみんながいないとダメなくらい依存しているんですよね……これ、どうやって決着つけるんだろ。<5月16日 23:03>
○ #6「梅雨!」感想 前回の5話はアニメオリジナル回で神回すぎたので、原作準拠の今週は多少見劣りするかな……と思いきやっ!6話目にして、ようやくマトモに唯憂姉妹がイチャイチャしてくれたぞ!!
梓はギー太に嫉妬するけど、憂はギー太に嫉妬はしないのだ!憂は「ギー太が好きな唯」も丸ごと全部好きだからなっ!
唯がギー太にチューしても、ほら!憂は1期で「風邪を治すため」という口実で唯にチューした疑惑があるしっ!
とまぁ、ネジがぶっ飛んだことを書くのはこの辺までにしまして……
憂は当然ながら生まれた頃からお姉ちゃんと一緒にいるワケで、「ギターを始める前の唯」も「ギターを始めた後の唯」も知っている人物。
「アナタにも大切な何かが見つかるはず!」と変わった唯を、客観的に語れる数少ないキャラなんです。(和もそうなんだけど、こっちはどっちかというと「変わらない唯」について語ることが多いのが興味深い)。
あと、相変わらず風景がキレイね……
雨の描写も素晴らしい。
唯憂の「あめあめ降れ降れ♪」の歌をバックに各キャラの様子が描かれるのも美しかったのだけど、相変わらずムギちゃん宅は描かれないという(笑)。外観はもちろん、室内もダメなのか。
さてと……
実は結構、この回は「2期にとって重要な回」っぽい。
原作を読んでいた時は何とも思わなかったんですけど、アニメで再構築される際には“楽器”が象徴的なアイテムとして定義されているみたいです。
今週と対比させると、2話のさわちゃんの行動は分かりやすいですよね。
部室から出てきたさわちゃんのギターは「過去のもの」なんですよ。
「もう弾く時間がないし、カビ臭いし、どうせなら売っちゃって部費の足しにした方がいいや」って。それが“かつて唯達のポジションにいた”さわちゃんの現在なんです。
でも、当然ながら唯達の“楽器”は今のもの。
楽器があるからここにいるのだし、楽器とともに歩んできたから今があるという。
ギー太とともに写った唯の写真は、自分達の青春が現在進行形で進んでいるという証。3話で律っちゃんがドラムセットを買った頃のエピソードが入ったのも、この意味を強化するためにあったんじゃないかと思います。
ギー太と一緒なら雨の日だって楽しいよね!
楽器とともに彼女らの青春は始まっていて、逆に言えば彼女らの青春が幕を閉じるには……という含みを感じさせて一先ずこの辺で。
全キャラ紹介しきれたので、ようやく自由にキャラを動かせている感がありますね。
やっと本番に入れたというか。
・さわちゃんの「良い教師のイメージ維持」はいつまで持つのか!
・梓の根っから音楽一家っぷりが垣間見えてちょっと怖かった。ホントに頭の中がギターでいっぱいなんだな……ある意味では唯と似たもの同士な気も。
・唯のタイツと、それを隠す憂にエロスを感じるよりも……そんな憂の心境を把握している唯の発言に癒される辺りが、正しい姉妹萌えの作法です(笑)。
・律っちゃんが意外に女子力高かったり、ムギちゃんはアイロンがけするのも楽しそうだったり。
・唯の脚の描写が非常にフェティッシュだったり(笑)。アキレス腱!アキレス腱!!
原作準拠の回なので先の展開を知っているし、基本的にはテンション低めで観ていたんですけど――やっぱりキャラの動かし方はソツないなーという印象。相変わらずの安定感。さすがですね。
※ 補足コメント
楽器のエピソードで言えば、13話の梓の回も「弾かれないギター」のカットがありましたね。
楽器がキーワードになるんじゃないかと予想してから、あんまり取り上げられていないんですけど(笑)。象徴的なアイテムとしては使われているのかなと思います。10話で、ノリミさんからギー太を返してもらった唯の心境とか。
にしても、この回は結構なお気に入り回で何度も観返して元気をもらっているほどなんですけど……当時の感想は意外にもテンション低めですね。1回目を観た時の「面白かった!」と、2回目以降を「繰り返し観たい」気持ちはちょっと違うという話なのかも。<5月23日 22:51>
○ #7「お茶会!」感想 ココに曽我部会長の話を入れてきたかっ!
原作を読んでいない人のために、原作の解説&ネタバレ話をちょっとだけします。
アニメ1期のラストは(唯達の学年が)高校2年の初日の出(1月)で、アニメ2期の第1話は(唯達の学年が)高校3年に上がったところ(4月)から始まりました。つまり3ヶ月分、お話をすっ飛ばしているんですね。
原作はもちろん“アニメの尺”とは関係なく続いていますから、その間もしっかり話は描かれていまして……曽我部会長のエピソードはそこで描かれていたのです。
ということで、原作版の設定はこんなカンジ。
曽我部会長の学年→唯や澪の学年→梓や憂の学年、と。
しかし、アニメ版はこの設定に独自のアレンジを加えていたみたいです。
原作の設定のままだと、梓が1年の時に曽我部会長は3年なんですが……アニメ版の梓は曽我部会長のことを知りませんでしたよね。「曽我部会長への演奏」シーンに梓はいなかったし、曽我部会長のリボンタイの色は赤色でした。
桜高のリボンタイは赤→緑→青→赤→緑とループしているようなので、アニメ版の曽我部会長は唯達より2学年上ということなのでしょう。
曽我部会長の学年(赤)→(緑)→唯や澪の学年(青)→梓や憂の学年(赤)→新1年生(緑)
……と、言いたいのですが。そうすると1期との矛盾が生じるんですよね。
アニメ1期の頃、メインの出番はなかったんですが曽我部会長の姿がチラホラと描かれていたんですよ。6話の文化祭と、11話の講堂使用許可のシーンで。
恐らくは原作で出番のあった生徒会長をチラホラ出そうというファンサービスだと思われるんですが、そのおかげで面倒なことに。
11話は既に唯や澪が2年生になっているので、曽我部会長が2学年上だと卒業していなければならないはずなんですけど……
ということで、1期のブルーレイを観返してみました。ヒマなのか俺は。
6話の文化祭シーンで、舞台袖から澪を眺める曽我部会長らしき姿が描かれています。和の横にいるので生徒会関係者であることは間違いないでしょう。
リ ボ ン タ イ は 緑 色。
あ……れ…?
続いて11話。
ここでは横顔と声しか出てこないのでリボンタイは見えません。が……この時点で2年生の和が敬語を使っているので、恐らく3年生ですよね。なら緑色のリボンタイであって、6話の人物と同一人物のはず。
ちなみにこの回ではセリフがあるのでEDテロップに名前が出ているのですが「生徒会長」という名前でした。声は同じ人。
ど…ゆうこと?
ま、まさか……顔と声がものすごーく似ているだけで、別人だったのか。
曽我部会長の学年(赤)→曽我部会長に似ている人の学年(緑)→唯や澪の学年(青)→梓や憂の学年(赤)→新1年生(緑)
いや、むしろここは逆転の発想で捉えるべきか。
生徒会長&「澪ファンクラブ」会長になった人はみな同じ顔と声になってしまうという説です。そう考えると、これまでの矛盾は全て解決されます!きっと和もこれから顔と声が変形していくんだよ!!
本題に入ろう。
しかし、このエピソードを「本題」に絡んだ話に仕立ててくるとは思わなかったです。
先週&今週と効果的に写真が使われたように……2週に渡って、同じ題材を2人の視点から描いたのが6~7話だったのだと思います。先週が唯視点、今週が澪視点。
唯は心の底から光り輝く未来を信じていられるから、ギー太とともに歩んだ日々は現在進行形の青春で、ギー太さえいれば何も怖くない。
でも、澪はそうは思えないんです。唯のようにただ前だけを見て走れないので、今週のように「青春が終わった後」のことを考えてしまう。いつかこの仲間達と離れなきゃいけない時が来るのかも知れない……と。
でもでもでも、
スライドショーで映された写真達。
仲間と過ごしてきた2年とちょっとの思い出達。一人では開けることが出来なかった扉も、仲間と一緒だったから開けてこれたじゃないか――と、写真は澪に教えてくれたのです。
『けいおん』は1期の頃から“写真”が一つのキーアイテムになっていて。
それは、一つには「こんなに輝いている青春もいつか思い出に変わるんだ」という無常感を描いていたという側面は間違いなくあったと思うんですけど(さわちゃんの存在がそれを裏付ける)。
6話の唯、7話の澪と描かれたように――写真は決して「過去のもの」なだけじゃなく「現在と地続きなもの」なんです。2期になって「1期の頃に撮った写真が使われる」のも、曽我部会長が卒業した後も脈々と「澪ファンクラブ」が生き続けているのも、そういうことなんでしょう。
最後、「澪ファンクラブ」が過去のものになってしまったかのように思えた曽我部会長のところに、梓からのメールが届きます。「過去」ではない、「現在」の写真が――――
梓と曽我部会長は(アニメ版では)面識がないけれど、でも繋がっているんです。
今週の梓はやけにノリノリだったけど、恐らく軽音部の中で一番“今”にこだわっているのは梓ですものね。この辺は2期1~2話を観る限りの話。
ということで、この辺の描写は作品の終盤で“進路”を描くであろう時に覚えておくと面白そうな回でした。
原作では基本「ゲラゲラ」なエピソードでしたし、アニメ版の今話もやってることは物凄く下らないですし、「え?こんなところで新曲お披露目なの?」と正直思ったんですけど(笑)。
それをしっかりと深さのある話に仕立てているのが流石だなーって思いました。4話まではやっぱり「キャラ見せ」のために助走回だったんだなーって思います。5・6・7話と流石の面白さでした。
新曲『ぴゅあぴゅあはーと』も、相変わらずの澪らしい歌詞に、作中の「葛藤から開放された澪の心境」と上手くシンクロして曽我部会長へと届くという素晴らしい演出でした。メロディも好きだー。
そして、その新曲は6月2日に発売。相変わらず商魂もたくましい(笑)。
カップリングで、第1話に流れた校歌のロックバージョンが収録。こちらは多分来週金曜配信の『らじおん』にて初お披露目っぽいです。ボーカルは誰がやっているんだろう?
※ 補足コメント
問題の7話です。
この感想メモにあるように、曽我部会長の学年が1期と矛盾しているということで……自分は“生徒会長&「澪ファンクラブ」会長になった人はみな同じ顔と声になってしまう”説を唱えたのですが。話に聞くと、関東以外の地域の放送ではリボンタイが(1期と同じ)緑色に直されていたそうです。
それでイイの?
多分、「1期の頃に曽我部会長を出していたことを忘れていた」というのが真相なんでしょうが、この描写ってリボンタイの色を直せば済む話でもないと思うんですよ。
この回の肝は「梓は曽我部会長を知らない」ことにあって。「梓が入る前の軽音部・桜高」の描写と「曽我部会長が卒業した後の軽音部・桜高」を、曽我部会長を知らない梓からの写真メールが繋げてしまうってのが感動的だったと思うのです。
リボンタイを直してしまうと、その辺の機微が台無しになってしまうというか……まぁ、自分も「1期と矛盾しているぞ!」と騒いだ一人なのでアレなんですけど、1期と矛盾していたってイイじゃないかと貫いて欲しかったなーと思います。
<5月30日 21:08>
○ #8「進路!」感想 ロリっこで押し切ったような30分でした!これはこれで!
小学生ver.の唯が可愛かったなぁ。今とあんまり変わらないけど!
ああいう横から2つピョンと出ているような髪形が好きなんですよ。ロリっこ以外は許されない髪形ですよね。
幼稚園時代もイイね!オイラは豊崎さんの幼女演技が好きなんです。あの、なんか「デフォルメするとこソコかよ!」みたいな演技が(笑)。今週の唯も、歌ももちろん良かったんだけど、「のどかちゃん」の言い方が絶妙にドン臭くてツボってました。
澪&律の話もココに入れてきたかー。
しゅがりんはともかく、日笠さんのロリっこ声は聴いたことがなかったので新鮮でした。そしてまぁ、何だ、アレだ。澪ってとてつもなく正統派な美少女だったんですねぇ……律っちゃんにさえ出会わなければ(笑)。
さてと。
『けいおん』アニメは段取りを大事にするシナリオなので……
当然、この回で描かれた“進路”は2期の核となる部分でしょうし、この前の6~7話は“その前”に描かなきゃならなかったことなのです。(ちなみに原作では、今回の進路の話→修学旅行→梅雨の話という順番になっている)
6~7話は、“現在”と地続きの“過去”を顧みる話。
そして、8話は“現在”と地続きの“未来”に向かう話。
もちろん“未来”は“過去”とも繋がっていて、“進路”を考えるに自分のルーツはどこにあるのか―――を、ここ数週間で描いているのだと思います。
大人視聴者としては、さわちゃんの表情にグッと来ますよねー。
バカ正直に未来を信じて「進路希望:ミュージシャン」と書けてしまう唯や律を微笑ましく思いつつも、教師としてはちゃんとしたことも言わなきゃならない。
かつて同じように軽音部にいたさわちゃんだからこそ、その2つの感情のどっちもがウソ偽りない気持ちなんでしょう。
しかしまー、みんな見事にバラバラに大学に進もうとしているんですね。
高校から先の進路で「一緒の大学に行こうね」なんて人はあんまりいないし、自分も別にオススメはしないんですけど……アニメ版だと「ずっとみんなでバンドをやれたらイイよね!」と描いてきた分だけ、「あれ…急になんか現実的ですね…」と思わなくもない。
別に違う大学でも一緒のバンドを組めばイイんですけど、東京近郊以外に住んでいる場合は大学が密集していないので、地元を出ちゃう人とか色々と厄介というか。さり気なく、澪が今週「県で表彰された」みたいなこと言っていて「舞台は東京じゃなかったのか!」と思ったり(笑)。
1期の頃からオブジェクトとして描かれていた「階段の(ウサギと)亀」。
どう考えても他人よりドンくさいし、楽器を始めるのも遅かったし、熱血で練習しているワケでもない―――そんな主人公・唯が一歩一歩階段を昇っている姿を暗喩しているように、今週30分使っても「何も決まっていない」というのも実は大事な描写なんだろうなって思うのです。
何にも変わっていないように思える唯も、軽音部との出会いで成長できた。
「何にも持っていなかった」1期1話の頃は、自信がなくて、今以上にフラフラしてて、尻餅ついて……あの頃に比べれば、確実に成長している。
「お姉ちゃん、ギター始めてから毎日楽しそう」という2期6話の憂の台詞に表れているし、「子どもの頃から変わらない唯」を語る和にも「実は唯は成長している」ことは分かっているという。
周りからしてみると「何もしていない」と思われることにも、実は本人一生懸命で、そこに得るものはある……という。
進路については、普通に考えれば「それぞれの物語」の先に答えを用意しているんでしょう。
2期は1期で描いたものの向こうを描くつもりだろうと、6~7話から読み取れるので……ぶっちゃけ、唯の物語はもう答えが出ているようなものだと思うんですけど。まぁそれをここに書くような野暮はするめえ。
そう考えると、実は「最初から一番大人」だった律っちゃんの進路こそ一番難しい気がしますね。
他の4人は明確に「越えなくてはならない壁」があるのだけど、律っちゃんだけは最初から今の状態だったから……それこそ1期13話みたいな話を展開していくしかないのかな。
そーそーそー。ちょっと話変わって。
今までは気が付かなかったんですけど、2期になってムギちゃんの「百合好き」の設定ってなくなったんですかね?
原作では「女子大を受けるつもり」のくだりで入ったツッコミがカットされているし、原作では頬染めてウットリしている描写が普通になっているし。そう言えば、2期6話で唯が梓に「ヤキモチ?」と絡んでいるシーンでも、ニコニコはしてたけど頬は染めてなかったんですよね。
んーと。2期からなのか、1期の後半からそうだった気もするな。
それによって「キャラの路線変更」なのか「キャラが成長した証」なのかが分かれるので、時間が出来たら1期終盤を見返してみます。とりあえずつい最近観た1期7話では、唯と澪がキャッキャッしているのをウットリして観ている場面があったので……それ以降か。
※ 補足コメント
進路回キターーー!
この回から「唯の物語」が本格的に描かれ始め、少しずつシリアスになっていっていきます。
自分がボーっとしている間に、みんなが進路決めているとか寂しいよね。
みんな、それぞれが別の道に進むことを受け入れていて……この回の唯はまだ「大人になること」を受け入れられていなくて、だからか8~10話の唯はどこか寂しそうに描かれていて、観ているコチラとしても切なかったなぁ。この時点では何の答えも出せないまま終わっちゃっていましたしね。<6月6日 22:58>
○ #9「期末試験!」感想 こ、これはなかなか判断の難しい回だな……
これが2~3話目だったら「登場人物達の日常」を描きつつ、「唯や梓のキャラを掘り下げた」回という分かりやすい見方が出来るんですが。
進路の回の続きですからねー。
これは、この作品が描く“未来”を暗示しているようにも思えるというか……
ぶっちゃけた話をすると、2期のテーマは“自立”だと思うんです。
1期では、「仲間と出会って」「仲間との間で成長して」「この仲間とずっと一緒にいられたらイイよね!」と描いたのだけど。
2期では……もちろん結論としてどういうラストになるかは分かりませんが、そこに至るまでの過程として「仲間に依存しない人間」への成長を描くんじゃないかと予想しています。
分かりやすい描写が、2期5話の憂の描き方。
あの回って、「お姉ちゃんがいない世界」で憂が光を見出す回なんですよ。
「お姉ちゃんが大好き」で「お姉ちゃんがいないと寂しい」という憂だったけど、お姉ちゃんがいなくても憂は憂自身の仲間達の間で成長出来ているワケで。
そういう「自立」という一本の柱を頭に入れて2期を観返すと、「あー、ここもここも伏線っぽいなぁ」というところが出てくるという。唯が集めていた桜の花とか、来年の梓とか、ムギちゃんの弾き語りとか。6話・7話の写真もそうですね。
という解釈でこの9話を見ると、唯が「軽音部の仲間」に頼らず独力で頑張ろうとする(憂はそれを陰からそっと見守る)―――という大きな意味を持つ回だったのかなと思います。
試験勉強のくだりとか、そう言えば1期3話で唯が澪に勉強を教えてもらう回があったんだけど、原作でもチョコチョコ「誰かが誰かに教えてもらう」描写があるんですよね。律っちゃんが澪に教えてもらう回とか、唯が憂に教えてもらう回とか。
でも、アニメ版はそういう方向には進まなかった。「一人で何とかする」唯を描こうとしたのです。
まー、最終的には梓が力を貸したんですけど(笑)。
それも梓が「一人で頑張っている唯」を放っておけなかったからだし、
居眠りしてしまう唯に肩を貸しているシーンなんかも、単純に「萌えるね!」と思うよりも、「一人で頑張った」唯の努力を分かったがゆえのシーンなんだとちょっとジーンとしてしまいました。
とか言いつつ、別に何も考えずに「ゆい×あずでユニット組ませようぜ!」というスタッフの悪ノリで描かれただけかも知れませんが(笑)。にしても、梓は自分から「唯×梓」を言い出すなんてハァハァ。
「ふでペン~ボールペン~」は、いいところで打ち切られるという残念な結果に。
CD化の際にはフルバージョンで聴きたいけど……収録されるか、コレ?打ち切られた以降のメロディはどうアレンジするんだろう。そういや、本編で唯ボーカルの「ふでペン~ボールペン~」が使われたのは初なのか。1期のCDには入っていて、何十回と聴いたので今更という気もするんだけど。
2人の衣装はかあいかったね!唯あんまギター弾いてなかったけど、気にするな!
先週に引き続き、幼女姿も見られたし!憂の幼女姿は久々に見た!
あー、でもそうか。
子どもの頃から唯を知っているおばあちゃんに、「唯ちゃんも立派になったね」と言わせる意図があったなら、上に描いた自分の「自立」うんぬんの予想もあながち間違ってもいなさそうです。
普通ならこの手の話は両親目線で描かれるのだけど、『けいおん』には両親が出てこないので近所のおばあちゃんにそういう役回りをさせたのかな……てゆうか、近所の人も「あの家に両親はいない」が当たり前になっているのか(笑)。
今週はその他にも、ご飯食べるシーンとか自転車に乗るシーンとか。
図書館での勉強や、コンビニでノートコピーとか、あの変なTシャツを買って実際に着ているとことか。日常の描写をすごく大事に描いていましたね。唯憂姉妹って、向き合ってご飯食べているのか。ハァハァ。
こういう描写を京アニクオリティで描かれると、むしろスゴイシーンに見えてしまうというか。堪能しました。
そうそう。関東(TBS)だとAパートの直前に京都アニメーションのTVCMが入ったのだけど、アレは何(笑)。初めて見たなあ、物凄いクオリティだった。
「けいおんは見ているけど京都アニメーションのことは知らない」人も少なくないだろうし、宣伝の意味はあると思うんだけど、アレだと京アニを知らない人は「何だこの怪しい会社は?」と思わないかなぁ。
レコード会社もテレビ局もそれぞれ違うから「今までにこんな作品を作ってきましたよ!」みたいな見せ方も出来ませんしねぇ。アニメ制作の会社って、意外にアピール難しいのかもですね(京アニはまだヒット作連発しているからイイ方で)。
※ 補足コメント
10話を観た後だと、この9話の存在意義みたいなものも分かりやすいんですけどね。
当時は「こ、これは……本当にそういう意味なのか」と疑心暗鬼でした。
この回は、「自立しようとする唯」を描きつつ、唯に「実は自分も少しずつ大人になっているんだ」と気付かせる回でした。8話では「当分先のこと」と思っていた「大人」に自分もちょっと足をつっこんでいるんだ、と。ここで自覚をさせたから、↓の10話に繋がるワケですね。磐石。手堅い構成ですよね。
それはそうと、「梓→唯」という視点で考えると切ない話ですよね。
梓の中では唯は「手のかかる先輩」だったのだけど、どんどん唯は自立していく―――取り残されるのは梓の方で、この回に梓が唯に手助けしたのって、「梓の物語」としては実はネガティブな描写だったのかもなあと今なら思います。<6月13日 20:15>
○ #10「先生!」感想 みたび!花田脚本回!
2話、5話、そしてこの10話と……2期は花田さん担当回にハズレなしだなぁ。比較的“繋ぎの回”で、アニメオリジナル展開だから好き勝手出来るってのも大きいんだと思いますが。
尾行にしても、ファミレスにしても、おでん屋にしても、自習中に手紙を回しているシーンにしても、廊下で立たされているシーンにしても……やっていること自体は大したことないのに面白く思えるのは、キャラの立たせ方がしっかりしているからなんでしょうね。
唯律はいつもノリノリだけど、ベースはしっかりしている律っちゃんと、しっかりしていない唯(笑)。しっかりしているはずなのに実は一番ノリノリのムギに、ツッコミ入れているはずが一緒になって遊んでいる梓。そして、何故か最後イジラレる澪――――と、ちゃんとそれぞれに個性を見せているのが魅力なんだと思います。
もちろんそれをしっかり支える作画チームの凄さあってのことなんですけどね。5人のキャラをずっと動かすって地味に大変だろうに。
教室のシーンとかも作画チームの気持ちになると地獄。上手く誤魔化した構図も多かったけど、それでもしんどいよなぁ。唯の席は窓際だから描くのそんなに大変じゃないんだけど(他の席や生徒があんまり映らない)、澪やムギは教室の真ん中だからなぁ。
ファミレスでのやり取りも自習中のシーンも良かった。
しかし、唯憂姉妹の夫婦ごっこはもっと最高だった。
恐らく……「憂の物語」としてはものすごく重要なシーンだったと思うんだけど、それはさておき「今日はお茶にします」「はいはい」には癒されました。
さてさて。「唯の物語」としても重要だったであろうここ数週。
自分はこの辺は後回しにして進行させるんじゃないかと思っていたのですが、意外にキッチリ描いてきたなぁと驚きました。
まー、1期13話のあの回なんかを思い返しても、監督としてはこういう方向はマジメに描きたいんでしょうね。賛否両論あるかもですけど、自分は1期13話が大好きでしたからこの路線をしっかり描くことには賛成です。
8話で初めて「自分の未来」を考えた唯が、9話で「実は自分もちょっとずつ成長している」ことを知り、この10話では「ひょっとしたら自分達の未来の姿かも知れない」デスデビルと邂逅するという。
この流れを踏まえて観ていると、おでん屋でギー太を返してもらった後の複雑な表情も意味深く思えますよね。大人を意識して、「大人になること」を自覚してしまった唯はもう無垢なままの唯ではないのかも知れない。
「みんな、私を置いて大人にならないでね!」と言っていた1期13話の頃の唯では、もうないのかも知れない。
澪の恋愛話なんかも「大人になること」についての描写ですものね。
この流れならば、恋愛話を入れたとしても自分は歓迎だなあ。しっかり本題に沿って「マジメに描いている」証拠だし。
話を戻そう。
花嫁さんの横にいた女の人(川上さん?)は1期14話に出てきたライブハウスの人かな?デスデビルの一員ではなかったのか。
1期14話で、さわちゃんは川上さんに「変わったわよ。だって…私、あのコ達の先生しているんだから」と話していました。もう、あのステージの上には戻れない。それだけの時間が流れてしまった、と。
でも、変わらないものもあった。
時が経っても、どんなに外面を取り繕っても―――消えなかった思いと、仲間と、思い出と。
かつてのさわちゃんも、現在の唯達と同じように日々笑いあって一生懸命で悩んで(進路先にミュージシャンとか書いていて)別れを惜しんで……
2期のさわちゃんが比較的「しっかりした大人」として描かれていたのは、このためだったのか。多分、この3話を通じて唯は「大人になるのもそんなに悪くないのかも」と思えたんじゃないかと思います。
凄く良いシーンだったのに、さわちゃんの回想シーンに一瞬映った男性教師がアニメ版ではカットされていた原作に出てきた男性教師っぽくて。「あーっ!」と一人ウォーリーを探せ状態で感動どころではなかった実は(笑)。
面白かったなー。
「唯の物語」としては来週が最終回でも文句がないくらい充実したここ3話でした。
そう言えば、2期1話から唯は「何だか大人です」と繰り返し言っていたんですよね。分け目を変えて「どう?大人っぽい?」とか(笑)。
1期は「このまま大人になっちゃうのかなー」と言っていたし、2期1話の時点でも漠然としか「大人」を考えていなかったのだけど、今週「大人になること」と「大人になっても変わらないもの」を知ったんでしょう。
ただ、3週に渡って唯の話を描いてきたので、そろそろ別キャラの物語も描いた方がイイんじゃないかと心配になってきたりもする。自分は唯スキーなので幸せだけど、他のキャラのファンも多いでしょうしね。
ムギちゃんのフィンランドの話は伏線かな?
この辺は原作を知っていると、微妙にコメントしづらいところではある。
※ 補足コメント
個人的には、2期1クール目で一番お気に入りの回です。
「大人になっても変わらないものがある」という唯の結論は、「雨の日だってギー太があれば楽しいよね」に通ずる彼女の思想。それにたどり着くまでを、8話・9話・10話と丁寧に描いてくれたことにまず感謝です。堪能させてもらいました。ずっと寂しそうだった唯が、デスデビルの演奏中やっと笑顔を取り戻すんですよ!感動したなあ。
あと、それ以外の描写もイチイチクオリティ高くて良かったなぁ。
「お母さん?」とか尾行とかファミレスで頼むもの悩むとことか自習中に手紙回すとか。「あるある」といいたくなるリアリティと、尾行に気付かれないファンタジーの中間具合が凄く良かったです。こういう回を『けいおん!!』でやってくれるとはなぁ。<6月20日 21:36>
○ #11「暑い!」感想 久々に原作準拠のストーリーでした。
原作準拠だとテンションの下がるオイラが来ましたよ!オチを知っている話を30分観るというのは自分は苦手……まぁ、気にならない人には気にならないんでしょうけどね。
そうは言っても、原作のこの話は「他の話と組み合わせる」とか「他の要素を加える」とかしてくると思ったんですけどねぇ。2話や6話や8話はそうしていたし。こんな風にシンプルに「原作通り」の回をしてくるとは、というカンジです。
8→9→10と「唯の物語」を真剣に描いた分だけ、ここで箸休め、みたいなことなのかな。
さてさて、クーラー回。
3年目にしてようやく部室にクーラー置くとか、この2年は何をしていたんだって思いますよね(笑)。
んで、これに絡んで「トンちゃんが成長している」という描写があって、唯が「トンちゃん“も”成長したがってるんだよ」と発言。
これはここ3週間かけて、唯に自分が大人になっていることを自覚させたからこその台詞であって。とりあえず「唯の物語」はここで一旦小休止に入るんじゃないかと思います。他全員を描いた上で最終回付近でもう1回出てくるんだろうけど。
原作には出てこないトンちゃん登場はどういうことなんだろうと2話の時点では思っていたんですが、軽音部のそれぞれの成長を暗に描いているということだったんでしょうね。ゆっくりでも、みんなちょっとずつ成長しているんだという。
ということで、唯の次は誰メインで描くのかなーと気になっていたのですが。
第一候補はムギちゃんかなー。
唯憂の物語が「自立」の話だったから、ムギちゃんも「親からの自立」というのが一つのテーマになりそうな気がします。
ぶっちゃけ「ムギ親の財力」というのは『けいおん』世界での無敵チートなのだけど、少しずつ「それに頼らない方向」にシフトしているんですよね。
毎日、お茶やお菓子持ってきているけど(笑)。今日も水槽持って来てたけど(笑)。
でも、1期では唯のギター代金を肩代わりしたり、修理費をタダにしたり、夏に別荘で合宿したり。もっともっと依存率は高かったワケで(高校生なんだからソレも当たり前なんだけど…)。
2期はお菓子以外は、親の力に頼らず、自分の力で「世の中ってこんなに楽しいんだ!」と切り開いていると思うんです。トンちゃん購入もさわちゃんギターを売ったお金でだし、今回もムギちゃん家の財力に頼らずにクーラーを入れることに成功したし。
第二候補は梓か。
セオリーなら梓は最後の最後まで取っておくとは思うんだけど(彼女は一人で軽音部に残るのだから)。今週「軽音部は全然練習していないんだからクーラーは要らないと思います!」のくだり、
唯の「練習だけが部活じゃないと思うんです」の反論に、さり気なく微笑んだ表情が……あぁっ!とにかく練習練習言っていた頃の梓を知っていると、このコも世界を広げたんだなぁとキュンキュンしてしまった!
ということで、日常を描いた“繋ぎの回”ではあったのだけど。
今後に向けた布石はそこかしこに散りばめられた回だったかなと思います。
しかしアレだけ無防備に暴れまくっても決してパンチラしない律っちゃんの鉄壁っぷりったらスゴイと思う。
※ 補足コメント
トンちゃん=成長する軽音部メンバーの象徴、という説が。
書いた本人ですら忘れていたんですけど、これは結構当てはまっていることかもなあと思います。
「梓の物語」で言うと、1期の頃とは正反対に「唯のことを知れば知るほど」「澪のことを知れば知るほど」「律っちゃんのことを知れば知るほど」「ムギのことを知れば知るほど」軽音部が魅力的なものに思えて、どんどん依存していってしまうんだろうなーと切なくなります。
今回の唯の「練習だけが部活じゃないと思います!」という台詞は8~10話で唯が成長した表れで、ある意味では“いずれ部活から去る”ことを自覚したからこその台詞だと思うんだけど……梓はそれを微笑んで見てしまうんですよね。自分一人が取り残されることを意識しないまま、「そうだよ。その通りだよ」なんて思ってしまって。<6月26日 21:21>
○ #12「夏フェス!」感想 1クール目の山場です。
今まで描いてきた「唯の物語」の言語化と、これから描くであろう「みんなの物語」へと繋がっていく回でした。
相変わらず惚れ惚れする構成力。
このエピソードも原作にあるエピソードなんですけど、見事なまでにアニメの中に落とし込んで再構築しているなーと感心します。
面白かったー。8話「進路!」の時に自分が感じた物寂しさも、全部ここに持ってくるためのタメだったんですね。御見それしました。
今回、夏合宿を提案したのが唯だったのだけど―――
しっかりとその前に夏期講習の話が出ていて、「流石に今年は受験だし合宿はマズイんでない?」と視聴者に思わせ、澪や梓にもそう言わせていて……8話で「そろそろ進路をしっかり考えなくてはならない時期」「いずれみんながバラバラになることも受け入れなくては」と描いたあの時点では、確かにその通りだったのですけど。
でも、それまで漠然としか考えていなかった「大人になる」ということを、
唯は8話で突きつけられ、9話で実は自分も少しずつ大人になっていることに気付き、10話でデスデビルと邂逅したことで「大人になっても変わらないもの」を知り……今の唯はもう未来を悲観していないんですよね。
いずれ自分も大人になる、この高校生活も終わる、今のように軽音部のみんなとずっと一緒ではいられないかも知れない。
でも、変わらないものもあるじゃないかと考えられるようになった。だからみんなに夏合宿を提案したんですよね(原作には特に「唯が提案した」という描写はない)。
1期13話でも、2期1話でも、2期4話でも――唯は「大人になる」ことを「寂しいこと」のように表現していました。
「みんな、私を置いて大人にならないでね」
「1年はまだ365日もあるよ」
「もっとみんなでバンドしたいのになぁ」
でも、今の唯はそうは思っていないと思うのです。
「これからも、ずっとみんなでバンド出来たら良いね」
その言葉はかつての無邪気なだけの言葉ではなく、ゆっくりだけど必死に悩んで不安と戦って出した答えだと思うのです。すごくすごく重い言葉。
間にクーラー買う回が挟まっているので分かりにくいのですが(笑)。
でも、今考えれば11話の「練習だけが部活じゃないと思うんです!」もこの文脈の台詞だったんですね。唯にとっての軽音部の3年間と仲間は、ずっとずっと変わらないものなんだと思うのです。
10話の時点で暗に描かれた唯の答えが、この回で言語化され、それが他の4人にも伝わっていく―――
澪一人でも、梓一人でも開けないドアを、ウルトラポジティブな唯がどんどん引っ張って開けていってしまう。1期もそういう構造で進んでいたのが『けいおん』なんですけど、特に2期はそんな唯の内面を丁寧に描いた分だけ、その言語化がすごく心に迫るものがあって。
最後、みんなで「ずっとみんなでバンドを…」と言うシーンはジーンときてしまいました。
アニメには「夜、星空を見ながらずっとみんなで一緒にいようねと言った仲間はバラバラになる」というジンクスがあるんですけど、まー気にすんな(笑)。
最終的にどういう結論になるかはさておき、多分この時点で他の4人は「でも、私達の演奏の方がすごいよね」という唯の言葉の真意は分かっていないんじゃないかと思います――2クール目は、4人がそこに向かう話になるんじゃないかと推察します。非常に楽しみです。
梓はある意味では答えが出ているようにも見えるのだけど……
唯とはちょっと正反対に「軽音部に依存している」方向に進んでいるんですよね。この辺を「良し」とするのかで、最終的な結末が変わるような気も。
そうそう、修学旅行の回もそうだったけど背景作画が流石ですよね。
ドライブインの描写とか、もっと尺を取って欲しいと思ったほどに(笑)。
川原のシーンも美しかったなぁ。1クール目の山場だろうから、京アニの本気を見た!って回でした。毎回な気もするけど。
面白かったなー。
2期が始まったばかりの頃は「1期に比べると…」とブーたれていることも多かったんですけど、今や「2期は2期ですげえな」って思っています。特に自分は唯スキーですから、6話・8~10→12話と、じっくりと彼女の内面を描いてくれて嬉しかった。キュンキュンしながら観ていました。青春だなー。
※ 補足コメント
物語としては一区切り。
恐らくは、ここから先は「唯以外の4人の物語」を描いていくんだと思います。1期ではメイン回を与えられず“視聴者目線”に徹したムギちゃんはどうするんだろう。2期でもスルーしたまま終わるという可能性もありつつ、やっぱりちゃんと描いて欲しいなあとも思います。「親からの自立」を。
この回のラストと同じように、“軽音部の未来”を語った1期13話のラスト―――
実はあの回では唯と一緒に「武道館へ!」と言っていた律っちゃんが、今回では一番大人な意見を言っているんですよね。梓の依存率が強くなったのと、澪は7話のスライドショーで「私達はすごい」と思ったというのもあるんだろうけど……
逆に、律っちゃんは現実主義な方向に転がって。でも、唯の前向き過ぎる言葉に、前を向くようになって……あの辺の表情の真意は「律っちゃんの物語」を描いた時に意味が分かるんだと思いますが、なんだかちょっと切ない(ただ単に前向きなだけではない)なぁと思ってしまいました。
それは唯の言葉の意味も、そうなんですけどね。
かつての無邪気な言葉とは違って、「大人になってもバンドを続けること」の意味を分かっているからこその台詞。さて、この言葉が2クール目にどう活きてくるのか期待しています。<7月4日 22:23>
○ #13「暑中見舞い!」感想 う……うわぁ。
途中まで「何の意図があってこんな回を?」と思いながら観ていたのだけど、ものの見事にやられました。「梓の物語」を描くためにはある程度残酷なこともしてくるとは覚悟していましたけど、真正面から描いてきましたね。
先週だか先々週だかに、この日記で「梓が最も軽音部に依存している」のをありと描くかどうかと書いたんですけど……今回で見事なまでに「なし」と描く意図を感じました。切ない話だったなぁ……
いや、別にそれだけなら残酷でもないんですけどさ。
5話の時は「あり」のように(見せかけて)描いていたじゃないか―――と。
あの回は、「3年生のいない学校」で梓や憂は寂しそうにしていたのだけど。2年生トリオだけでも物語は構築できたし、光は感じられたように描かれて―――でも、そうした空気から一転、「3年生が帰ってきた学校」で梓は軽音部の存在の大きさを噛みしめてしまって。
そこから先、アニメでは8~12話で「唯の物語」に話がシフトして、唯の軽音部からの自立を描いてしまって。
梓はすっかり置いてけぼりを喰らってしまったんですよね。
よくよく考えれば、9話で唯が「一人で頑張る」姿を描いたのに、梓が手助けしたのって……唯視点で見ればポジティブな描写だったのだけど、梓視点で見ればそんなにポジティブな描写でもなかったんですよね。
依存していたのは梓の方だったというか。
憂 の ビ キ ニ 姿 ま ぶ し か っ た ね!
話が重くなってきたのでアホな一文を挟んでみた。
この13話でも、「3年生のいない夏休み」に梓は退屈していて、夢の中でまで軽音部の4人を求めていて。実際にバッタリ会った軽音部とのひと時は夢のように楽しくてキラキラしてて。
でも……光に向かって走っていく4人からは置いてけぼりを喰らってしまって。
唯の手が離れた後、空を見上げても花火は止んでしまっている……
一瞬だけのきらめきを見せる花火のように、軽音部とのキラキラした時間もあっという間に終わってしまって……
手を差し出してくれた唯の手をつかめないくらい、梓の「依存」と「孤独」は重症だったのか……
これだけ「仲間って素晴らしいよね!」と描いた作品だからこそ、実はその仲間が永遠には続かないと気付かされた時の寂しさと言ったら。
1期の時はそれでもそういう寂しさを全部唯が無化したのだけど(13話)、その唯自身が既に「大人になること」を受け入れたからなあ。
「梓の物語」は実は『かなめも』のそれに近いのかも知れませんね。
自分がいなかった時の話と、自分以外のみんながいなくなってしまう未来と、自分もまた違う場所に行かなくてはならないという現実と。『かなめも』の場合はマリモ姉さんがかなを導いてくれたけど……ということは、ハッ!梓と曽我部先輩にフラグがっ!!!?
というのは冗談なんですけど。
ここまでしっかり描いたということは、ちゃんと答えを描くつもりなんでしょうね。
そもそも2期1話は、梓が「この5人のままでいたい」と結論を出したところから始まっているので。物語の中核としてコレを描いていると言われれれば、確かに2期の梓関係の描写は全部そうだった気もしますね。
1話も2話も5話も7話も9話も11話も。
梓にとって「今」が大事過ぎるので、「来年」をどうするのか―――
切ないけれど、8話を観た直後も寂しさに押しつぶされそうになったので……
「梓の物語」もここから這い上がってくれると信じて楽しみにしたいと思います。
そうそう。
梓と憂が部室でゼリーを食べるシーン、憂は唯の席に、梓は澪の席に座るんですよね。
なかなか興味深い描写でした。もちろん「絵的に見栄えがイイ」とか「斜めの関係が二人の寂しさを表している」とかの要素もあるんですが……
梓が自分の席ではなく澪の席に座る――というのは、そこに澪は来ない=先輩達のいない現実を受け入れる(諦める)意識が暗喩されているのかもなぁと。そこで見た夢は澪の夢だったのだけど、澪は梓に気が付かなかったし。
あの辺の心理も考えていくと切ないものがある……
あと、梓のスカートが長かったとか(11話では普通の長さなのに、この13話では明らかに長くなっている)。ムギ夢での「夢でも良いじゃない」という台詞だとか、気になるところが結構ありました。
この演出はどういう意図なんだろう?というところは、最終話まで観た後に見返すと分かるようにしてあるのかもですね。1期ではそういうシーンも多々ありましたし。
※ 補足コメント
ようやく追いついた13話の感想。流石に13週分全部にコメントするのは疲れました。
この13話、4度「夢オチ」をやるという不可思議な構成でワケ分からない回と言えばワケ分からないんですけど、演出としては各所で面白いことをやっていたなぁと思います。「弾かれないギター」とか「澪の席に座る梓」とか「手を離した途端に止んでしまう花火」とか……
あと、梓の肌の色を使って「夢」と「現実」を区別させるところもそうだし、軽音部の連中だけは梓に「誰?」と言わないとことか。だからこそ切ないんだけれども……
まぁ、それはさておき、憂の色んな服が見れて幸せだったよね!
私服1(梓宅を訪問する)、制服(学校に行く)、ちゃんちゃんこ?(福引のアルバイト)、私服2(プールに行く)、ビキニ(プール)。梓グッジョブ!!
ここまで全部読んだ人がいらしたら偉い!
自分はいつも書き上がった文章を読み返して推敲してから公開するのですが……「読み返して推敲する」手順だけで1時間が経っていました。そりゃ3か月分の文章ですからね。長くなるわっ!!
ここまで書いておいてアレなんですけど……
『けいおん』って物語を読み解かなくても面白いアニメだと思うんですよ。 可愛いキャラがアホなことをしているのを漠然と眺めていても楽しいし、そういう楽しみ方をしている人も沢山いるし、そういう楽しみ方が出来なくて「何が面白いか分からん!」と批判する人もいる―――それで構わないと思うんです―――
なのに、自分はやっぱり、このスタッフが「物語に込めた意味」をじっくりと堪能したいんです。
だからまぁ、アレやコレやと色々と考察をするんですけど、それは単に僕が「そうした方が楽しいから」であって。それを全員がやる必要はないし、こういう記事を読んで「やまなし、それは考えすぎだろ」と思われたならそれはそれでイイです。
楽しみ方というのは人それぞれですからね。僕は僕のやり方を押し付けないし、アナタはアナタのやり方を押し付けない、ラブ&ピース!(謎)
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