○ みっくみくにしてやんよ! 今回、1stステージの前半ラストということで……ババッと設定を出したことで驚いた人も多かったんじゃないでしょうか。自分としても、この件に関して質問されても「7話までは情報を出すワケにはいかない!」と濁し続けていましたもんね。
まさか、ムトくんが携帯電話を持っているとは誰も想像しなかったことでしょう……
ごめんなさい、ウソです。重要なのはそこじゃないです。
この回で一番のサプライズは
ムトくんが大学生だったことです。ムトくんの年齢は18歳なので、かたなさんは35歳ということです。
年齢相応に見えないとかはどうでもいいのです。この「ムトくんは18歳」という情報を踏まえた上で第6話を読み返すと、
コイツ18歳のくせに9歳の女のコにドギマギしてたのか、キモイなっ!ということが分かってもらえると思います(笑)。
ムトくんの大学サイドのお話が始まるので……新キャラも増えました。
ここでおさらい。
【教授】 
第3話でかたなさんが話していた「教授」がこの人です。
「教授」はコードネームなのかと思いきや、ホントに職業が「教授」だったよ!という裏の裏を突いたスペクタクルなオチ。こういうネタは笑ってくれる人が限られているので、使いどころが難しいですね。僕だけは大爆笑。
やまなし初の「マユゲがない人間キャラ」かな。
感情表現をマユゲに頼るクセがある僕にとっては、一つ一つが油断できない新鮮なキャラです。
【未来(みく)】 
このキャラは最後の最後まで名前を悩んだキャラで、ネームの段階で5~6回変わっているんですが……最終的には、最初に考えた「未来(みく)」という名前に落ち着きました。「みく」って響きの女性キャラで有名なキャラがいないし、新しくて良いかな?と思っていたんですが……
よくよく考えてみたら、ここ1~2年のネット界で1番有名な女性キャラが「みく」でした……ボケているのも程がある!
ちなみに、ムトくんが大学1年生の18歳で、未来は大学3年生の20歳です。
頭から生えているように見えるのはネコ耳なのではなく、後ろでまとめている髪の毛です。物理的にあんな風になるかとかを考えたら負けです。それを言い出したら亜弓さんの若々しさが一番ありえません。
【ひかり】 
ムトくんの幼なじみ。
“幼なじみ”というキラー属性を、こんなところで使ってしまう辺りがやまなしクオリティです。
【浅井景子】 
“大学生”としての側面しかムトくんを知らないキャラ。
「地味な女のコを描こう!」と色々と試行錯誤をした結果、割かし描いていて楽しいキャラになりました。この辺のポジションをどう使うのかが、群像劇フェチとしては一番の醍醐味だったりするんですよね。
この7話にて、とりあえずの「設定情報」は出しきりました。
むしろここからが本番です。 「設定を見せる回」「繋ぎの回」「タメの回」というのはどうしたって面白さに欠けてしまいますし、実際にこの7話は相当評判が良くなかったんですが……それは描いている段階から想像が付いていたことですし、でもここで我慢して描かなければ話が続きませんし、だからこそモチベーションがなかなか保てなかったんですけれども。
辛かったなりに、この7話まで描き終えておけたのは今後の好材料になるんじゃないかと今では思っています。月並みな言葉ですけど、挫折があるからこそ次に繋げられるのですしね。
○ 二つの面・二つの道 
後々の展開で詳しく分かることですが……それがいつになるのか分からないので、解説しておきます。
この“分類42”とは、羽佐間家(というよりは内務省)が“邪念”と呼んでいるものと同一です。
当たり前ですが……“邪念”とは「狩る側」からの呼称であって、本人達は自らを“邪念”だとは思っていません。
“分類42”というのは、(この作中世界での)犯罪心理学かなんかの分類上42番目に入れられている謎のカテゴリーであって。“分類42”に関係のある事件の加害者&被害者からの呼び名であるのを、教授達は使っているのです。もちろんこれらはフィクションね。現実の犯罪心理学がどうかなんて僕は知りません!
同じ物事を呼ぶのでも……ある立場からは“邪念”、ある立場からは“分類42”と分かれる。
立場が違えば見える側面も変わるというのが、この『ちのしあわせ家族』の根底にあるものなのです。
“居候”としてのムトくん、“大学生”としてのムトくん。
ムトくんを「明るそうな人」と評した景子と、そうでなかったひかり。
イズの行動で救われる人と、悲しむ人。
“みんな”を守ることと、“家族”を守ること――――――
全てに表があれば裏があり、二つの面があれば二つの道がある……
ムトくんにも、イズにも、“選択肢”は用意されていました。それはもちろん、海にとっても紗希にとっても椿にとっても悠真にとっても。
群像劇を描こうとした時から、絶対的な「正義」も「悪」もない物語にしようと思っていました。
それぞれのキャラの中に「正義」と「悪」があるので、非常に分かりづらいという指摘は否めません。主人公とヒロインでは向いている方向が違うのですから、どっちを応援したら良いのやらだとは描いている僕でも思います。
でも、現実ってそういうものじゃんというのが、僕の譲れない考え。どんなに仲の良い友達でも、愛し合っている恋人同士でも、長年一緒に暮らしている家族でも、価値観がイコールになることなんて絶対にないのです。
そんな中で、みんながみんな必死に生きている姿を描くことによって、伝えられるものがあったらなと思って描いています。『ちのしあ』とはそういった物語なのです。
○ 椿のロリ化が止まらない! 
若干、ペン入れ時のライン(こっちから見て右の頬)が乱れてしまったのが悔やまれる1枚……
それは置いといて、「椿を年齢相応に見えるようにしたいけど、今までの椿の印象とはズレちゃうよなぁ……」と葛藤していたのですが、最近自分で『ちのしあ』4話を読んでみたらイズも相当顔が変わっていました(笑)。
絵柄というか、漫画に対する考え方が変わったのは……やはり1年前の『Re:Survival』からです。
ぶっちゃけて言うと、僕は自分のことを「絵が描けないくせに漫画を描こうとしているヤツ」と思っているので、「ストーリーさえしっかり作っておけば絵は多少下手でも良いんだ!」と考えるようにしていたところがありました。そうとでも考えなきゃやっていけなかったって言い方も出来ますね。
ですが、「これは自分にとって生涯一の傑作になるぞ!」と意気込んで描いた『Re:Survival』を思ったカタチにすることが出来なかったことで、考えが変わりました。
「ストーリーか画力か」ではなくて、「ストーリーを伝えるためには画力が必要だ」――― 簡単に言えばこういうことです。
なので、そこからは「画力とは何ぞや?」「自分が描けるものとは何だ?」「自分の絵柄って何?」と苦悶が始まり……その後に描いた3本の話(椿陵辱漫画、『ちのしあ』6&7話)は、自分が進むべき絵柄の方向とそれまで描いていた『ちのしあ』の絵柄のギャップの落としどころを探り続けた日々とも言えました。
椿はロリキャラじゃなかったけど、自分が描くべきはロリキャラなのか―――
いや、本質的には「ロリか/ロリじゃないか」じゃなくてもっと細部に渡る話なんですけどね(笑)。
なので、1stステージの半分を終えたところで『ちのしあ』はしばらく冷却期間を置き、ネタのストックが溜まっている読みきりを描くことにして。自分の中での絵柄の葛藤にとりあえずの答えを見つけられてから、また8話から『ちのしあ』を再開出来ればなーと思っています。
その時にはもう誰も覚えていてくれはしないのかも知れないですけれど、そうだとしたらまた一から生まれ変わる気持ちでRe:Startしたいと思います。
これまで『ちのしあ』を応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。そして、出来るならばこれからも長い目で応援してくださると嬉しいです。
<余談> 「巨乳+ブレザー」は画面映りがよくないかなーと消極的だったんですが、次回作がブレザーヒロインという予定だったので、今回の椿のカラー絵はその練習&テストという意味合いもありました。思ったよりはイイ感触で、上手く次に繋げられたかな?
リアルかどうかなんて、最初から眼中にないぜ!
おっぱいが描ければ他に何も要らねえ!!
やまなしレイ(管理人)(01/23)
ああああ(01/23)
やまなしレイ(管理人)(01/22)
あ(01/22)
やまなしレイ(管理人)(01/19)
竜騎兵(01/19)
やまなしレイ(管理人)(01/11)