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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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【告知】11月29日(水曜日)20時頃~「ファミコン全国一斉クイズ」+『ZADETTE』実況やります

【お知らせ】11月29日(水曜日)20時頃~YouTube Liveで、「ファミコン全国一斉クイズ」をの解答解説を読んだ後、『ZADETTE』を遊びながらダラダラしゃべる実況をやります!


配信ページはこちら

 日曜日の「ファミコン全国一斉クイズ」の解説を読みながらあーだこーだしゃべった後、『ZADETTE』を遊びながらあーだこーだしゃべる配信をやります。『ZADETTE』は1面をクリアしているので2面からです。
 『壺おじ』や『JUMP KING』とちがって1面からやり直させられるワケじゃないのがありがたい!


【現在、登録されている効果音コマンド】
・あけましておめでとうございます
・ええーっ、すごい!
・ごごごごめんなさーい
・しつこいなぁ
・スタジアムの大歓声
・マーベラス!
・また遊んでね!
・やっほー
・よ、よろしくお願いします
・頑張って!
・結果を発表します
・残念~
・不合格です
・バキューン


 生配信中にコメント欄でこれらの文字をコメントで打つと特殊効果音が鳴ります。効果音は基本的に効果音ラボさんで配布されているものを使わせてもらっています。「バキューン」のみ、『ウーマンコミュニケーション』の作者さんが配布されたものを使わせていただいています。

 この記事は「新作ゲームを序盤だけ遊ぶ配信ページ」の記事です。
 生配信の告知や、動画のログの格納などに、使いまわしていきます。

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『Super Box Delivery Beyond the Horizon』紹介/日本語はない、ブレーキもない、交通ルールなんかあるワケがない!

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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
ブレーキは壊れているけどハンドルが効くから問題ないね!→ どっかーん
この街に交通ルールはない! あらゆる車線で対向車が突っ込んでくるぞ
最後までブレーキはないが、バレットタイムがある! いっぱい走って強くなれ!


『Super Box Delivery Beyond the Horizon』
・開発・発売:Revulo Games
 Nintendo Switch版:2023年7月6日配信開始
 プレイステーション4版・5版:2023年7月28日配信開始
 Steam版:2023年7月29日配信開始
 XboxOne・Series X|S版:2023年9月29日配信開始
・奥スクロールランアクションゲーム
・セーブスロット1つ(プレイ終了時にオートセーブ)


 私が全実績解除にかかった時間は約3.5時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

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◇ ブレーキは壊れているけどハンドルが効くから問題ないね!→ どっかーん
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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 このゲームは、今年の夏に各機種で発売された低価格のダウンロードゲームです。

 何故か各機種で微妙に定価がちがっていて、Nintendo Switch版が699円、プレイステーション4&5版が770円、Steam版とXboxOne・Series X|S版が580円です。
 Nintendo Switch版だけゲームタイトルに「(スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)」という邦訳が付いていますが、どの機種にも日本語は入っていません。英語のみです。ゲーム中に「どっかーん」などの漫画的書き文字が出てくるのに!

 「日本語がなくて大丈夫?」と思われるかも知れません。
 私もそう思って警戒していたのですが、「日本語ないけど特に問題なく遊べたー」という声をSNSで見かけてセールの際に購入しました。『パックマン』や『スーパーマリオブラザーズ』だって日本語がなくても問題なく遊べるんだし、これもそんなもんやろーと思って開始すると……

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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 うぉおおおおおお!
 チュートリアルがしっかりあるゲームじゃねえかー!
 全く読めねえええええええ!


 まぁ、それでも「読まなくてもフィーリングで何とかなるやろー」とゲームを始めてみると……


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 ブレーキがどのボタンか分からーん!!と早々にクラッシュしてしまいました。


 ということで―――
 このゲーム、「低価格なりにそこそこ面白かった」んですけど、日本語がないために敬遠されたり遊び方が分からなかったりする人も多いと思うんですね。なので、チュートリアルなど、このゲームに出てくる英語を日本語に翻訳する紹介記事を書こうと思いました。

 「やまなしさん、英語読めるんですか? さっき読めないって言ってませんでした?」と言われそうだから、予め言っておきます。現代には「翻訳サイト」という便利なものがあるのです。チュートリアルの様子を動画に収めて、そこから1枚ずつスクショに撮って翻訳してもらいました。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「こんにちは!あなたは、新しい配達ドライバーですね! お会いできてうれしいです!」

 チュートリアルにしか登場しない謎の女性。
 可愛いんだし、せっかくならもっといろんなところで使ってくれ。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「私の名前はフェラです。配達ステーションの通信を担当しています」

 私の名前はフェラです……?

 まぁ、「フェラーリ」も人名だし、海外ではよくある名前なのかも知れない。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「私達は頻繁に会うことになるので、予めお互いのことを知っておくと良いでしょう」

 嘘つけ!
 オマエ、チュートリアルにしか出てこねえじゃないか!

 コイツ、俺が英語読めないと思ってテキトーなこと言ってやがったな。絶対に許さねえ。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「あなたの小さな車は確かに奇妙なデザインです……減速や停止について忘れていて、勝手に走り続けます」

 よく見ると立ち絵が変わった!?

 しかも、結構おっぱいが大きいじゃないか。
 いや……私はヒンヌー派なので別に大きいからってテンション上がりませんが、この立ち絵をショップ画像とかPVとかで一切見せないのは勿体ない気がしますね。


 というか、ブレーキないんかい!
 「ない」なら「ない」で別に良いんですが、このゲームのOfficial Trailerだと思いっきりブレーキ使って道路上で止まっているんですよ!



 PVみたいなプレイは実際のゲームでは出来ないみたいなことはたまにありますけど、この映像の一番の見せ場とも言えるシーンが「このゲームの全部を否定している」の凄すぎるだろ。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「良いところは、ステアリングホイールが正常に機能しているところです! コントローラーを使って左右に曲がってみましょう」

 「ブレーキは壊れているけど、ハンドルが効いているから良かったね!」じゃねえんだよ! どっちかが壊れてたらもうその時点で車としてダメなんだよ!


 ということで、このゲーム―――
 一見するとレースゲームとかドライブゲームに思えるかも知れませんが、ひたすら前に走り続ける車を、「左」「右」のライン移動で進めるランアクションゲームなんです。
 ゲーム的には『Temple Run』とかに近くて、更にあのゲームとちがって「ジャンプ」や「スライディング」もなし。操作が無茶苦茶シンプルだから、スマホゲーの移植かなにかだろうと思ったけどそうでもないみたいなんですよね。開発元のホームページを見ると、コンソール向けのゲームにこだわっている会社みたいなので、スマホには出していないようで。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「あなたの主な仕事は、紛失した荷物を集めて、私のステーションのどれかに届けることです」

 また立ち絵が変わりましたね。
 ここでしか出てこないフェラちゃんのイラストにどうしてこんな労力を割いているのだろう……


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「荷物を受け取るには、車でその荷物に乗り込むだけ、それで車の後部にそっと置かれます」

 マリオのコインやソニックのリングみたいな頻度で落っこちている荷物を車で轢くと、車の荷台に収納されます。そもそもこんなペースで荷物を落っことしている配送業者に配達を頼みたくねぇ~。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「一度に渡す荷物の数が多いほど、獲得できるスコアの倍率が大きくなります」

 この荷物は荷台に載せただけではスコアになりません。
 緑色に光っているステーションに届けることで初めてスコアになるのだけど、この際にたくさんの荷物を持っているほどスコアが上がります。

 どういう理屈か分かりませんが、大量の荷物を持ったまま走っているとスピードがガンガン上がっていき、それをステーションに届けると減速する要素もあります。もちろん、たくさんの荷物を持ったままクラッシュしたら0点になってしまうので、「高得点を目指すために荷物をたくさん積む」か「無難にさっさとステーションに届けてしまうか」のリスクとリターンの関係性になっているんですね。



↓boxdelivery2↓

◇ この街に交通ルールはない! あらゆる車線で対向車が突っ込んでくるぞ
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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 もちろん、ただ単に「荷物を拾って」「ステーションに届ける」だけではゲームになりません。障害物や対向車にぶつかるとそこでアウトですし、Official Trailerでは道からはみ出していましたが実際のゲーム内で道からはみ出すと一発アウトです。

 ふむふむ……
 海外のゲーム(開発元はポーランドの会社らしい)だから、右車線ルールなのかな……なんて思ってはいけません。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 コイツら、どの車線とか関係なく、猛スピードで突っ込んできますからね。
 こっちの車はブレーキは壊れてるけどハンドルは生きていたのに対して、対向車は多分ブレーキもハンドルもぶっ壊れてますね。躊躇なくこちらの車に突っ込んできますし。こんな街、絶対住みたくねえ!

 このゲームの地形や障害物は恐らく自動生成でしょうから、覚えようとしてもムダです。
 先の項目で書いたように高得点を目指して荷物をたくさん積んでいると車のスピードが上がっていきますし、意図的にカメラアングルを低くされて遠くが見えなくされることも多いです。道だけ見ていても障害物はかわせないんですね。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』を加工しました>

 そこで重要なのが、画面上部のレーダーです。
 対向車や障害物があるラインには赤い警告マークが表示され、距離によって大きくなるので、これを見ておけばどのラインを取ればイイのか分かります。何だよ、楽勝じゃーん……って思うじゃん?


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 画面上部のレーダーには、道の形が表示されないんですね。
 レーダーばかり見ていると、道路が細くなっていたり、道が2つに分岐したりしていることに気づかずに沿道に乗り上げてクラッシュしてしまうこともザラです。というか、舗装道路からちょっとはみ出しただけで大爆発を起こす車って何? Official Trailerだと思いっきり沿道を走ってたじゃん!!


 なので、このゲーム―――
 高速で進む車を、「画面上部のレーダー」と「実際の道」の2つを見ながら左右のライン移動でクラッシュさせないように進めていくゲームなんですね。ゴールがあるワケではなく、クラッシュしたまでの得点を積み重ねていきます。

 この「2つを同時に見なければならない」忙しなさにアタフタするのが楽しいゲームだと言えます。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 景色を堪能している余裕はあまりありませんが、カートゥーン調の漫画的な街並みは可愛いし、やらされてることの悲惨さをやわらげてくれている気もします。軽快なBGMも、なんか癖になってしまって、クラッシュしても「もう1回!」とやり直したくなる中毒性のあるゲームだと言えます。


 とは言え、低価格ゲームなだけあって底が見えるのも早くて、背景とかBGMとかはもうちょっとバリエーションが欲しかったなぁと思います。
 コースは自動生成だと思うのですが、地形は大体似たようなもので、ルート分岐みたいなものもありません(2つの分かれ道は、片方に荷物が並んでいるだけですぐに合流する)。遊ぶモードも1つしかないから、数時間で飽きる! でも、なんかついつい遊んでしまう魅力のあるゲームでした。


↓boxdelivery3↓

◇ 最後までブレーキはないが、バレットタイムがある! いっぱい走って強くなれ!
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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「どんだけ走ってもゴールがないなら、何のために遊ぶゲームなの?」と思われるかも知れません。ゲーム内に「ACHIEVEMENT(実績)」があって、これらを達成するのが目的のゲームで、これらの実績を目指すと自然と遊び方が分かってくるのだと思います。

 私がプレイしたのはNintendo Switch版ですが、Steam版の実績も一緒みたいなのでこちらも翻訳していきましょう。ネタバレと言えばネタバレなので、気になる人は読み飛ばしてください。


Graduated!
Complete tutorial
卒業しました!
チュートリアルを完了する」


Moving up!
Gain first coin
昇進!
最初のコインを獲得」


Car collector
Purchase second car
車のコレクター
セカンドカーを購入」


Looking good!
Buy cosmetic item
カッコいいですね!
化粧品(車の着せ替えパーツ?)を購入する」


Moneybags
Unlock everything from the garage for a single car
お金持ち
ガレージから1台の車のすべてのロックを解除する」


Pump it up!
Buy upgrade
気合を入れろ!
アップグレードを購入する」


Powered up!
Get one upgrade to the max level
パワーアップしました!
アップグレードをどれか1つ最大レベルにする」


Combo novice
Bring to delivery center 1 000 points worth of packages at once
コンボ初心者
一度に1,000ポイント分の荷物を配送センターに持ち込む」


Combo expert
Bring to delivery center 2 000 points worth of packages at once
コンボエキスパート
一度に2,000ポイント分の荷物を配送センターへ持ち込む」


Combo master
Bring to delivery center 5 000 points worth of packages at once
コンボマスター
一度に5,000ポイント分の荷物を配送センターに持ち込む」


Employee of the Month
Get 10 000 points in a single run
今月の従業員
1 回の走りで10,000 ポイントを獲得する」


Special packages hunter
Collect 10 special packages overall
スペシャルパッケージハンター
スペシャルパッケージを合計10個集める」


Super Box Delivery Champion
Get all the achievements
スーパーボックスデリバリーチャンピオン
すべての実績を取得する」



 難易度が高いのは、「荷物をたくさん積んでからステーションに持ち込む」コンボ系の実績と、純粋なハイスコア10000ポイントの実績ですね。初期能力でやろうとすると大変すぎる。
 手間がかかるのは、カスタマイズ系の実績と「スペシャルパッケージを合計10個集める」で……スペシャルパッケージについては後で説明します。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 このゲーム、実はポイントの累計などで「コイン」がもらえて、その「コイン」を消費することでアップグレードを得たり、見た目を変えたり出来るんです。『Vampire Survivors』みたいに、最初のプレイだと「こんなのすぐ死んじゃうじゃねえか」と思っても、くりかえし遊んでいる内に能力がガンガン上がっていって無双できるようになるゲームなんです。

 特にこの「WORKSHOP」で出来る「アップグレード」は、「アップグレード」という呼び方のイメージでは収まらず「特殊能力を得る」くらいに遊び方がガラッと変わります。でも、これに気づかないでさっさとやめちゃう人もいそうなのがもったいないので、これも翻訳してもらいましょう。

 
 左から―――

「ボックスレイン」
 荷物を載せたままでいると、前方にたくさんの荷物が現れます

「アーマー」
 パッケージスタックがより強い衝突に耐えられるようになります

「デストロイヤー
 障害物に衝突しても生き残ることができます

「スロータイム」
 ボタンを押すと起動します。スキルをチャージするには、障害物をギリギリで避ける必要があります



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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 ということで、このゲーム―――
 車を減速させる「ブレーキ」はありませんが、自分も周りも世界中の時間の進みを遅くする「スロータイム」、通称「バレットタイム」が使えるのです。ブレーキの代用で使う能力か、コレ!?


 ゲージ消費なので乱発はできませんが、これがあるのとないのとでは大違いで、このアップグレードでゲームが一変します。例えて言うなら、弾幕シューティングで最初は「ボム」なしで遊んでたのが、「ボム」ありで遊べるようになるくらいにゲームが変化します。

 その他のアップグレードも凄いです。「デストロイヤー」は対向車や障害物に当たってもイイ回数を増やす「ライフ」の機能です。道から外れると一発アウトなのは変わりませんが、一撃死のゲームが最大3発まで耐えられるようになるんだから別ゲー過ぎる。
 「ボックスレイン」はコンボを継続しているとたくさんの荷物が現れるボーナスタイムが出るようになる機能で、「アーマー」はクラッシュするほどじゃない衝撃で荷物をちょっと落とすのがなくなるっぽい。


 「アーマー」だけ、能力しょぼくない……??


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 「GARAGE」は、コインを消費して別の形の車に乗り替えたり、パーツを変えたり、車の色を変えたりできる機能です。これは多分、見た目だけのカスタマイズで能力は上がらないと思います。特に説明もなかったので。
 実績コンプを目指すなら、「2台目の車を買う」のと「どれか1台のパーツを全部購入」が必要ですね。後者は特に時間がかかるので、恐らく最後まで残る実績はこれになるんじゃないかと思います。


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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 先ほど「後で説明する」と書いた「スペシャルパッケージ」は、レアな確率で出てくる黄色いパッケージです。実績コンプのためには、これを10コ取らなくちゃならないみたいですが……
 「お、なんか黄色く光ってるものがある」と近づくと、ほぼセットで猛スピードで突っ込んでくる対向車がやって来て殺しにかかってきます。「スロータイム」で避けるか、「デストロイヤー」でダメージ覚悟に突っ込むかすれば取れるので、ある程度「アップグレード」が集まってから狙うのがイイと思います。



◆ で、結局どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『Super Box Delivery Beyond the Horizon (スーパーボックスデリバリー:地平線を超えて)』より引用>

 数時間も遊んだら底が見えてしまうゲームだとは思うのだけど、成長させていく喜びは大きいし、「もう1回!」とついつい遊び続けてしまう魅力は持っているゲームだと思うんですね。深いことを考えずに、1日10分とか無心になってゲームを遊ぶ時間が欲しいって人にオススメしたい作品です。

 「気になるけど、日本語がないなら辞めておこうかな」とか、「ちょっと遊んだけどよく分かんないからやーめた」なんて言わずに、みなさんもこの交通ルールのない無法地帯の街のドライバーになってください!


 

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【告知】11月21日(火曜日)20時頃~『The Messenger』の初見実況を始めます!

【お知らせ】11月21日(火曜日)20時頃~YouTube Liveで『The Messenger』の初見実況やります!


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 いやー、難しい!
 このゲームのボス、攻撃パターンが幾つもあって、その攻撃パターンに合わせて特定の動きをしなければ避けられないのですが……その「特定の動き」が分からずに、この攻撃パターンの時は必ずダメージを喰らうみたいなのが続いてしまっています。

 一応、一晩経って思いついたことがあったので3日目はそれを試していこうと思います!



【現在、登録されている効果音コマンド】
・あけましておめでとうございます
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・よ、よろしくお願いします
・頑張って!
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・不合格です
・バキューン


 生配信中にコメント欄でこれらの文字をコメントで打つと特殊効果音が鳴ります。効果音は基本的に効果音ラボさんで配布されているものを使わせてもらっています。「バキューン」のみ、『ウーマンコミュニケーション』の作者さんが配布されたものを使わせていただいています。
 この記事は『The Messenger』を遊ぶ配信ページの記事です。
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いつ引退するか分からなくなったので、今までに回した『プロセカ』ガチャの数を数えて排出率を計算しました

 私はガチャのあるゲームを遊ぶ際、以下のように自分にルールを課して遊んでいました。

・石を使いきってもガチャで推しが出なかったらそこで引退する
・ガチャのための課金はしない、(課金すれば確実に手に入る)衣装のためとかアイテムのためとかなら課金はする
・ゲーム部分をやらなくてもストーリーが追えるゲームなら、ストーリーだけ追う(かも)



 昨年1月に始めて、約2年間続けてきた『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』ですが……現在、「2連続天井まで出なくて石がほとんどなくなった」「来月にでも行われそうなサンリオコラボで推しが☆4だと予告されている」事態に陥っています。

 『ハンター×ハンター』のスクワラのように、あ、これは多分来月引退だわと「修羅場をいくつか抜けてきた者だけに働く勘」で察してしまったので。今の内に出来ることはしておこうと、これまでに回した全部のガチャを集計しようと思います。


 本当に☆4が3%の確率で出てるんですかー?

 それを確かめるのが第一の目的ですが、自分がこのゲームを遊んできた痕跡を残す“終活”を今の内にしておこうかなと。
 排出率の異なるフェスは別集計ですが、バースデーガチャは「普段の☆4」と「バースデーレア」は同じ排出率なので同じ扱いにしています。ピックアップが出ないとか、持っている☆4が被っているとかは無視して、純粋に「☆4・☆3・☆2」が表示通りに出ているのかの答え合わせをしています。

 ちなみに、振り返れるのは「YouTubeにガチャを回した映像が残っているもの」だけです。始めたばかりの頃は確かTwitterにスクショをアップしていたのですが、TwitterがXとか名乗り出して連携サービスが使えなくなっていった結果、過去のツイートを上手く遡れなくなってしまったので(検索しても出てこなかった)、Twitterなど最初から存在していなかったこととします。


―運営が提示している排出率―
 ☆☆☆☆:3%
 ☆☆☆:8.5%
 ☆☆:88.5%



2022年3月・滲む色彩に溺れてガチャ
 150連
 ☆☆☆☆:6人(確定枠1人)
 ☆☆☆:13人(確定枠6人)
 ☆☆:131人


2022年4月・ミクの日お祝いキャンペーンガチャ
 39連
 ☆☆☆☆:1人
 ☆☆☆:6人(確定枠1人)
 ☆☆:32人


2022年5月・東雲絵名HAPPY BIRTHDAYガチャ
 10連
 バースデー:1人
 ☆☆☆:1人
 ☆☆:8人


2022年6月・セレクトリストガチャ
 10連
 ☆☆☆☆:2人(確定枠1人)
 ☆☆☆:1人
 ☆☆:7人


2022年8月・微睡みにたゆたう夜明けガチャ
 100連
 ☆☆☆☆:5人
 ☆☆☆:11人(確定枠4人)
 ☆☆:84人


2022年9月・セレクトリストガチャ
 10連
 ☆☆☆☆:1人(確定枠1人)
 ☆☆☆:1人
 ☆☆:8人


2022年9月・Colorful Paintガチャ
 100連
 ☆☆☆☆:4人(確定枠1人)
 ☆☆☆:10人(確定枠3人)
 ☆☆:86人


2022年10月・プレミアムプレゼントガチャ
 10連
 ☆☆☆☆:0人
 ☆☆☆:2人(確定枠0人)
 ☆☆:8人


2022年10月・メモリアルセレクトガチャ
 10連
 ☆☆☆☆:0人
 ☆☆☆:1人(確定枠0人)
 ☆☆:9人


2022年10月・2周年記念無料ガチャ
 120連
 ☆☆☆☆:2人
 ☆☆☆:15人(確定枠6人)
 ☆☆:103人


2022年11月・さすらう隠者の道程ガチャ(復刻)
 100連
 ☆☆☆☆:3人
 ☆☆☆:12人(確定枠5人)
 ☆☆:185人


2022年11月・portray yourselfガチャ
 200連
 ☆☆☆☆:8人(確定枠2人)
 ☆☆☆:20人(確定枠4人)
 ☆☆:172人


2023年1月・2023新春10連無料ガチャ
 70連
 ☆☆☆☆:5人
 ☆☆☆:6人(確定枠1人)
 ☆☆:59人


2023年3月・毒牙覗く暗影ガチャ
 120連
 ☆☆☆☆:3人(確定枠1人)
 ☆☆☆:11人(確定枠3人)
 ☆☆:106人


2023年4月・2.5周年70連無料ガチャ
 70連
 ☆☆☆☆:0人
 ☆☆☆:7人(確定枠2人)
 ☆☆:63人


2023年4月・東雲絵名HAPPY BIRTHDAYガチャ
 10連
 バースデー:1人
 ☆☆☆:2人
 ☆☆:7人


2023年7月・Where is ♥?ガチャ
 200連
 ☆☆☆☆:10人(確定枠2人)
 ☆☆☆:22人(確定枠2人)
 ☆☆:168人


2023年10月・3周年メモリアルセレクトガチャ+3周年記念無料ガチャその2
 100連
 ☆☆☆☆:1人
 ☆☆☆:11人(確定枠2人)
 ☆☆:88人

2023年11月・Heart in Waterガチャ
 200連
 ☆☆☆☆:4人
 ☆☆☆:21人(確定枠5人)
 ☆☆:175人


<合計>

 1629連
 ☆☆☆☆:56人(確定枠9人)
 ☆☆☆:162人(確定枠42人)
 ☆☆:1411人


 ここから「確定枠」を抜いて、割合を計算してみると……



<確定枠を抜いた分>

 1578連
 ☆☆☆☆:47人(2.97845%)
 ☆☆☆:120人(7.60456%)
 ☆☆:1411人(89.41698%)



 ほぼ排出率通りじゃねえか!
 セガさん、疑って申し訳ございませんでした。

 まぁ、☆3がちょっと少ない(排出率8.5%のところ7.6%しか出ていない)けど、このゲームだと☆3はハズレなので、☆4がほぼ排出率通りに出てただけで文句はないです。




 続いて、☆4の排出率が2倍のカラフェスでの集計です。

―運営が提示している排出率―
 ☆☆☆☆:6%
 ☆☆☆:8.5%
 ☆☆:85.5%


2022年7月・カラフルフェスティバルガチャ
 100連
 ☆☆☆☆:8人
 ☆☆☆:9人(確定枠2人)
 ☆☆:83人


2022年10月・カラフルフェスティバルガチャドリームピック
 200連
 ☆☆☆☆:14人
 ☆☆☆:18人(確定枠6人)
 ☆☆:168人


2022年12月・2023新春カラフルフェスティバルガチャ
 200連
 ☆☆☆☆:12人
 ☆☆☆:23人(確定枠2人)
 ☆☆:165人


2023年3月・2.5周年カラフルフェスティバルガチャ
 100連
 ☆☆☆☆:10人
 ☆☆☆:10人(確定枠2人)
 ☆☆:80人


2023年7月・カラフルフェスティバルガチャ
 120連
 ☆☆☆☆:5人
 ☆☆☆:11人(確定枠5人)
 ☆☆:104人


<合計>

 720連
 ☆☆☆☆:49人
 ☆☆☆:71人(確定枠17人)
 ☆☆:600人


 ここから「確定枠」を抜いて、割合を計算してみると……



<確定枠を抜いた分>

 703連
 ☆☆☆☆:49人(6.97012%)
 ☆☆☆:54人(7.68136%)
 ☆☆:600人(85.34850%)


 こちらは表示されている排出率よりも1%くらい高い割合で☆4が出ていました。ありがとう、セガさん!


 こういう確率は集計数が多くなればなるほど「確率通りになる」と言われているので、そう考えると次にフェスが来た際に「1%分の辻褄合わせ」で爆死しそうな……うわー、多分ここで俺は死ぬ!



 

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【告知】11月15日(水曜日)20時頃~『BLUE REFLECTION SUN/燦』のかんなちゃんガチャ配信を始めます!

【お知らせ】11月15日(水曜日)20時頃~YouTube Liveで『BLUE REFLECTION SUN/燦』のかんなちゃん目当てに回すガチャ配信やります!


配信ページはこちら

 元々今週水曜日は1時間だけの配信の予定で、そこに『ブルリフS』のかんなちゃんガチャが4ヶ月ぶりにやってきてしまったので、『The Messenger』はおやすみしてこちらを回す配信にします。サクッと出て時間が余ったら、『ZADETTE』の続きをやります。


【現在、登録されている効果音コマンド】
・あけましておめでとうございます
・ええーっ、すごい!
・ごごごごめんなさーい
・しつこいなぁ
・スタジアムの大歓声
・マーベラス!
・また遊んでね!
・やっほー
・よ、よろしくお願いします
・頑張って!
・結果を発表します
・残念~
・不合格です
・バキューン


 生配信中にコメント欄でこれらの文字をコメントで打つと特殊効果音が鳴ります。効果音は基本的に効果音ラボさんで配布されているものを使わせてもらっています。「バキューン」のみ、『ウーマンコミュニケーション』の作者さんが配布されたものを使わせていただいています。
  この記事は『BLUE REFLECTION SUN/燦』のガチャ配信なんかをまとめた記事です。 生配信の告知や、動画のログの格納などに、使いまわしていきます。

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『早咲きのくろゆり』紹介/これが新しい時代の「ノベルゲームのスタンダード」だ!

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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
与えられる選択肢なんてない! 自分で推理して物語に介入していくんだ!
クラウドファンディングによって実現した、フルボイス&E-moteで動くキャラ達
現代よりも「恋愛は男女ですべし」という風潮が強くなった近未来で描かれる百合


『早咲きのくろゆり』
・開発:1000-REKA、発売:1000-REKA、mirai works
 公式サイト
 Steam版:2023年10月24日配信開始(体験版あり)
・ノベルゲーム+アドベンチャーゲーム
・シナリオの「シーン」ごとにオートセーブ(再開はシーンの最初から)、セーブスロット1つ


 私がエンディング到達にかかった時間は約18時間でした
 DLCを除いた全部のシナリオを読んで約20時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(かわいいかわいい花ちゃんがありとあらゆる地獄を味わう話と言える)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(噛んだのをバカにされるくらいの話はある)
・寝取られ:○(バッドエンドにはそういう展開もある)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(最後まで読めばそうではないと分かってもらえるはず)
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:◎(これが主題のゲームですからね)
・BL要素:◎(これが主題のゲームではないですが、ある)
・ラッキースケベ:×(今後配信予定のDLCで水着イベントはあるらしい)
・セックスシーン:×

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◇ 与えられる選択肢なんてない! 自分で推理して物語に介入していくんだ!
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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 このゲームは2023年の10月に発売されたばかりのノベルゲームです。
 現在はSteamでのみ販売されていて、体験版もあります。私は「購入を決めているゲームの体験版」はわざわざ遊ばないんですが、どうやら体験版は「本編の序盤が遊べる」のではなく「この独自システムを体験するためのオリジナルストーリー」だったみたいです。慌てて体験版をダウンロードしたけど、本編を持っていると本編の方が起動されちゃうみたいで体験版が遊べませんでした……ぐぬぬ。


 このゲームを一言で言うと、イラストレーター:フカヒレさんが原案・原画を手がける「百合ゲー」ですが……私が発売前からこのゲームを楽しみにしていたのは、「ノベルゲーム」として革新的なことをやろうとしていたからです。


 このゲーム、ノベルゲームなのに「選択肢」が存在しません!

 かと言って、同人版『ひぐらしのなく頃に』のように一本道のノベルゲームというワケでもありません。そのまま遊んでいると物語は悲劇的な結末を迎えてしまうため、プレイヤーが介入して「物語を分岐させる」必要があるのです。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 そこで使われるのが、「割り込み選択肢」なる機能です!
 これは、この機能が解放されてからはプレイヤーの好きなタイミングで発動できて、プレイヤーが好きなワードを入れることで「物語を別の方向に分岐させられる」機能です。

 試しに↑の、寝坊して遅刻しそうになっているシーンを「割り込み選択肢」を使わずにストーリーを進めると……

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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 急いで待ち合わせ場所に向かった花ちゃんは、5分遅れで到着します。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 では、「割り込み選択肢」を使って「ゆっくり行く」と入力し、花ちゃんの行動を変えると……


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 大幅に遅刻して到着するようになります。
 プレイヤーの介入によって物語が変わったんですね。


 流石に、やたらめったらどこでも分岐するワケではなくて、基本的に「花ちゃんがどうしようか迷っている時」に「正しいワード」を入力した時しか有効でないのですが……こうやって「物語が分岐する場所」を自分で考えて、更に「分岐させるワード」を考えながら読むのが、ノベルゲームとして新感覚だったんですね。


 「え……コマンド入力式って革新的ですか?」と思った人は鋭い。
 そうなんです、ノベルゲーム……というか、テキストアドベンチャーゲームって黎明期である1970年代~1980年代中盤くらいまでは「コマンド入力式」という、コマンドを自分で入力して正解を探すゲームだったんですね。つまり、アドベンチャーゲームは元々このゲームのような「自分で打ち込むワードを考えるジャンル」だったのです。

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<画像はファミリーコンピュータ版『ミシシッピー殺人事件』より引用>

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<画像はWiiバーチャルコンソール版『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(前後編)』より引用>

 1980年代に入ると、そこからアメリカでは「キャラクター移動方式」のアドベンチャーゲームが生まれ、日本では「コマンド選択式」のアドベンチャーゲームが生まれて主流になっていきます。日本の場合、この「コマンド選択式」アドベンチャーゲームが“ストーリーを語る装置”として重宝され、1980年代後半は多くのメーカーが「コマンド選択式」アドベンチャーゲームを手がけていきました。今でも、『逆転裁判』シリーズなどに引き継がれていて生きているジャンルですね。


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<画像はスーパーファミコン版『弟切草』より引用>

 1990年代になると更にストーリー性が重視されて、「主人公に指示を出す」のではなく「小説の文章=ストーリー展開を選択肢の中から選ぶ」ノベルゲームが主流になっていきます。
 選んだ選択肢によってストーリーが分岐して「○○ルート」のようにフローチャートが枝分かれるこのシステムは、「恋愛ゲーム」と相性が良かったために次第に融合していき、現在「恋愛アドベンチャーゲーム」と呼ばれるジャンルはこの「ノベルゲーム」のフォーマットに則ったものが多いと思われます。

 そのため、現代のゲーム市場で展開されている「百合ゲー」も、ほとんどがノベルゲームじゃないかと思います。


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<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

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<画像はNintendo Switch用ソフト『神田アリスも推理スル。』より引用>


 この『早咲きのくろゆり』もノベルゲームの型に準拠していて、分岐の方法が「選択肢を選ぶ」のではなく「自分で入力するようになった」という点が新しいんですね。

 その「コマンド入力式」もアドベンチャーゲームの元祖からある古い形式のように思われるかも知れませんが、「ストーリーが分岐によって変化するノベルゲーム」に「自分で入力するワードとタイミングを探す攻略要素」を合わせたのはやはり新感覚で……物語を自分の介入によって本来進むはずだったストーリーとは別の方向に変化させていくのは、強いて言えば『街』や『428』に近いプレイ感覚でした。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 また、現代のノベルゲームなので、「コマンド入力式」が主流だった1970年代~1980年代中盤にはなかった便利機能がたくさんあって「正解のワード探し」をサポートしてくれます。その一つが「メモライズ」機能です。

 「気になった文章」をメモしておいて、後から見返せる機能で―――
 「割り込み選択肢」に使う固有名詞や、物語を攻略するヒント、後述するメモリーコールに使う言葉など、様々なことに使うので片っ端から記録していきましょう。

 ちなみに、難易度を一番下の「Beginner」にすると(メモリーコールに使う言葉以外は)重要な文章を自動的にメモライズしてくれるようになります。途中で進み方が分からなくて難易度を「Beginner」に下げても、それまでのストーリーで出てきた「重要な文章」は全部遡られてメモライズされます!
 そこまでやったら普通の「選択肢式のノベルゲーム」と変わらんのでは? と最初は思ったのですが、このゲームの文法(どういうとこなら割り込み選択肢が使えるのか、どういうワードなら表記揺れにならないのか)が分からない内は、難易度「Beginner」でも十分難しいです。

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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 この「気になるワードを片っ端から記録して、後から見返せるようにする」メモライズのシステムが、ストーリーの中で登場人物達が行っている「卒業を控えた高校生活で、やり残したことをみんなで単語帳に書いて1つずつ叶えていく」展開と絶妙にシンクロしているの良いですよね。システムとストーリーがマッチしたゲームが私は大好きです。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 難易度「Casual」「Beginner」だと、分岐可能な場所で花ちゃんの心音が鳴って教えてくれる機能があります。「ここで割り込み選択肢が使えますよー」と教えてくれるんですね。

 難易度「Beginner」だとクリアに必要な分岐箇所は全部教えてくれますが、逆に「バッドエンドへのルート分岐」などは教えてくれません。
 難易度「Casual」は発売当初は「全部教えてくれるワケではなかった」のですがアップデートで心音の鳴る箇所が増えたので、結果的に必要な分岐箇所は全部教えてくれるようになったのかな? この難易度だと「バッドエンドへのルート分岐」でも心音が鳴るので、シナリオチャートを完成させたい人には「Beginner」よりもこっちの方がありがたいかも。

 難易度「Expert」だと心音は鳴りません。どこで割り込み選択肢が使えるのか分からないなんて、そんなの無理ゲーやろと思うし、最初の難易度選択の際に「初めから使いこなせた方には称賛が贈られます」と書かれているほどなのですが……割り込み選択肢は「他の人が喋っているところに花ちゃんが割り込む」のではなく、「判断を迷っている花ちゃんの思考にプレイヤーが割り込む」イメージを持てればタイミングが分かるようになるかなと思います。

 私は今回「Casual」スタートで、どうにもならなくなったら「Beginner」に下げていたのですが……終盤はこのゲームの文法が分かるようになってきたので、同じシステムのノベルゲームを出してくれるなら次は「Expert」で遊びたいなと思っているほどです。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 現代のノベルゲームなので、「バックログ」や「シナリオチャート」も当然のように完備されています。「今重要なことを読み飛ばしちゃった」って時に読み返したり、「ここのヒントは序盤にあった気がする……」って時に一度序盤に戻って読んで来たりできます。

 結構面白いのは、「バックログ」からでも前のセンテンスに戻ることが可能な点です。
 普通のノベルゲームだったらあんまり必要じゃない機能だと思うのですが、このゲームの場合は「話の流れを見るに、割り込み選択肢を使えるのはさっきだったか!」ってことがしょっちゅうなので、「バックログ」からのワープはかなりの頻度で使います。開発側が遊ぶ人の気持ちに立って、必要な機能をちゃんと考えて付けていることが分かります。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 一般的なノベルゲームだと「次の選択肢まで高速スキップ」のようなことが出来ますが、選択肢の場所が決まっていないこのゲームだと、「割り込み選択肢が使えそうな場所」に栞をはさんでおいて、そこまでワープといったことが可能です。これも地味によく使う機能です。

 新しいシステムのゲームを作るんだ、だけに留まらず。
 新しいシステムで遊ばせるためには、必要な機能がコレとコレとコレだからちゃんと実装しようって分かっているゲームなんですね。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 ということで、新しいシステムの革新的なゲームなので応援したいのですが……
 新しいシステムゆえに、どうしても不満点もあります。

 「割り込み選択肢」が失敗判定になった際、プレイヤーには「間違ったワードを入れている」のか、「ワードはあっているけどこのタイミングではない」のか、「タイミングはあっているけどワードの表記揺れで一致していない」のかが分からないんですね。

 例えば、「タイミングはあっているけどワードが間違っている」場合は「この言葉ではない気がする」みたいに表示されて、「ワードはあっているけどタイミングが間違っている」場合は「今言うことじゃないよね」と表示されるとかだったら分かりやすいのですが、現状はそうではないので……初めてこのゲームを遊ぶ人は、「自分の何が間違っているのか」が分からないまま詰まってしまいがちだと思うんですね。

 また、「表記揺れ」の問題は、日本で「コマンド入力式アドベンチャーゲーム」が早々に「コマンド選択式アドベンチャーゲーム」に取って代わられた要因の一つなのですが……日本語って、同じ意味の言葉がたくさんあるので、プレイヤーには答えが分かっているのに「正解判定にならず」→ これは間違ってたのかーって袋小路にハマりがちなんですね。

 このゲームの場合「部分一致」ではなく「完全一致」じゃないとダメみたいで……
 ネタバレにならないように今テキトーな言葉をでっちあげますが、「お姉ちゃんのお味噌汁」が正解だったら、「お姉ちゃんの味噌汁」と入力したらアウト―――くらいのシビアさなんですよ。意味は一緒じゃん!みたいなのは通りません。

 基本は「作中に出てきた言葉をそのまま打つ」「文章ではなく単語にして、余計なワードを足さない」がコツなんですが、それでも何箇所かそれだけではどうにもならない場所があって……4章の終盤のあのシーンは表記揺れに特に厳しくて、同じ意味の単語を連続で10コくらい打ってやっと通ったほどでした。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 とは言え、一般的なノベルゲームが「選択肢が出るまでAボタンを押すゲーム」になっちゃっていたところ、選択肢が出ていない箇所でも注意深く読んで、怪しいところはメモライズに登録していくゲームに変えたのは大きいと思っています。


 ストーリーを分岐させる「割り込み選択肢」とは別に、夜寝る前の花ちゃんの記憶を呼び覚まして短編の話が読めるようになる「メモリーコール」という機能もあります。本編とは関係ない話ですし、コンプリートしないと実績が解除されないとかでもないのですが、登場人物達の別の日常が読めて楽しい機能です。

 この「メモリーコール用のワード」も作中に出てくるものなので、これを探すためにも「選択肢のない箇所」もしっかり読まなくちゃなりません。「メモライズ機能があるからにはこういう遊びも取り入れよう」ってのが分かっているんですよね。


 このゲームの発売は、ノベルゲームが「読むノベルゲーム」から、「遊べるノベルゲーム」に変わった瞬間だったと思います。
 これが新しい時代のノベルゲームのスタンダードになって欲しいなぁと私は思っています。このフォーマット、「百合ゲー」に留まらず「推理もの」とか「ホラーもの」とかでやっても絶対面白いですもん。

 「難しくてクリアできないよ」って人は、攻略情報をまとめた記事を書いたのでそちらをどうぞ!


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◇ クラウドファンディングによって実現した、フルボイス&E-moteで動くキャラ達
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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 このゲームの定価は2200円です。
 DLCはありますが、現在配信中のDLCはサウンドトラックや本編とは関係ないショートストーリーが読めるくらいなので2200円でしっかり完結していると言えます(一応11月14日に配信予定の最後のDLCは「エンディング後」の話が入っているみたいですが)

 それで、2200円という手頃なお値段の割に……
 スクショでは分からないと思いますが、キャラクターはサブキャラまで含めてフルボイスで喋り(地の文やモノローグにはボイスはありません)、立ち絵もE-moteでヌルヌル動きます。ノベルゲーとしてのボリュームもしっかりあります。

 私は低価格のダウンロードゲームをよく遊んでいるので、そうした作品達と比べて、旧作の移植とかでもないのに2200円でこんな作りこんでて大丈夫なのか!?と驚いてしまいました。


 【フカヒレ原案・原画×百合ADV】「早咲きのくろゆり」製作プロジェクト

 というのも、このゲーム……「CSゲームでは作れない尖った設定とシステムの百合ゲー」を謳ってクラウドファンディングで資金を集めたところ、目標金額65万円だったのが525万円も集まった800%越えを達成していたんですね。


 この資金により、クラウドファンディング前にはなかったボイスがフルボイスで入り、全キャラクターの立ち絵がアニメーションで動くようになり、エンディング後の話も大量に作られていき、その他いろんなところのクオリティが跳ね上がったそうです。
 私はこのゲームの存在を数ヶ月前に知ったばかりだったので、去年の時点で応援してクラウドファンディングで支援していた方々には感謝しかありません。

 ちなみに、このクラウドファンディングで資金を集める広報も兼ねて、Twitterで4コマ漫画が連載されていたそうです。
 時間軸はゲームより前で、受験生だった頃の花ちゃん達の姿が読めます。今でもTwitter(X)で検索すれば読めるので、私と同様に最近このゲームを知ったという人も、本編を読んでいると「あーっ……」と思える構成になっているので当時も読んでいたけどゲームを遊び終わった人も再度、一読あれ。

放課後の花束(新しい順に表示されるので、下から読んでください)


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 声優さんはINSPIONエージェンシーという事務所に所属している、キャリアが浅めの人が多いみたいなんですが……みんなしっかり上手かったし、「○○さんの声だ!」的な先入観もなかったので、キャラクターそのものの声って感じで受け取れて良かったです。

 というか、「声優志望者」や「若手声優」の数がトンデモなく増えたからか、近年は「キャリアが浅い新人声優」さんもむちゃくちゃレベルが高いですよね……


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 スクショだと本当に伝わらないと思うのですが、キャラクターの立ち絵は目パチや口パクだけでなくE-moteによってヌルヌルと動きます。

 「E-moteって何?」という人に簡単に説明すると、Live2D的な「2Dの絵のパーツを使ってアニメーションで動かす技術」なのですが……Live2DとE-moteは全然ちがう仕組みで動かしているらしいですね。私は正直、どっちがどっちだか分かりません!!!



 原案・原画・キャラクターデザインはイラストレーターのフカヒレさんです。一番有名なお仕事は、恐らく戌神ころねさんのキャラクターデザインかなぁ。

 

 私は以前からフカヒレさんの暖かみのある絵が好きだったので、このゲームで「おぉ……フカヒレさんの絵が動いている」と感動しました。元々フカヒレさんありきのプロジェクトなので、イベントスチルも豊富なのが嬉しかったですね。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 個人的に驚いたのは、同じ制服のシーンでも、「制服のみ」、「制服+カーディガン」、「制服+カーディガン+マフラー」といったカンジに状況に合わせて変化するところです。
 Live2DやE-moteなどの「動く立ち絵」が普及して以降は特にそうなのですが、どうしてもコストの問題があるのでアドベンチャーゲームの立ち絵の服ってバリエーションを作れず、「想像で補ってね」というところがあるんですね。なので、ここまで細かくストーリーに合わせて変化するのには感動しました。


 本編だけでも結構なボリュームですが、メモリーコールで解放されるショートストーリーも22本も入っていて、それとは別にエンディング後に解放されるシナリオもあります。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 別売りの有料DLCは、11月9日現在3本が発売されていて、来週の11月14日の4本目まで予告されています。

・サウンドトラック 1200円
・1イベント収録「樹ちゃんのお弁当」 120円
・5イベント収録「もしも~シリーズ」 470円
・3イベント収録「花と樹の後日談」 まだ発売されていないので価格未定

 「樹ちゃんのお弁当」は“メモリーコールで解放されるショートストーリー”くらいの内容とボリュームでした。「もしも~シリーズ」は本編では出来ないようなぶっ飛んだ展開で、コメディ色が強めです。いずれも、本編を遊んだ上で「このコ達の日常をもっと見ていたい!」って思った人向けのDLCかなと思います。

 んで、最後の「花と樹の後日談」は……発売前なので当然まだ遊んでいないのですが。本編にはなかった「水着」の立ち絵が公開されていますし、エンディング後の話をやるみたいなので、本編を遊んで満足した人はマストで買わないとダメなヤツ! 立ち絵が追加されてるってことは、価格もちょっと上がっちゃうかな。買いますけど!

 個人的には、先ほど紹介したTwitterで連載されていた4コマ漫画もゲーム内で読めるようにして欲しいです。ほら、Twitter(X)なんていつ消滅するか分かんないしさ。他の場所で読めるに越したことがないし、ゲームとリンクした前日譚になっているんだからゲーム内で読めた方がありがたいかなぁと。

 自分には何故かもう起動できない体験版もゲーム本編に収録して欲しいけど、「体験版も本編に収録して欲しい」って文言は謎すぎるな……


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◇ 現代よりも「恋愛は男女ですべし」という風潮が強くなった近未来で描かれる百合
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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 ここからはキャラクターや、ストーリー、世界設定について語ります。

 主人公は笹森ちゃん、卒業を間近に控えた高校3年生です。
 運動は苦手、勉強はそこそこ得意、ちょっと優柔不断なところはあるけれど真面目でいいこな、癒し系の美少女です。ちょっと舌足らずなボイスが可愛すぎる。

 親友の樹ちゃんに特別な感情を持っているけど、それが「恋愛感情」だとはまだ気づいていません。百合ゲーは、プレイヤーが主人公の女のコに好感を持てるのかどうかが大事だと思うのだけど、このコは秒で「幸せな結末に導いてあげなくちゃ……!」と思わせられました。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 そんな花ちゃんが想いを寄せる相手は近江谷ちゃん、花ちゃんと同じ大学進学が決まっている高校3年生です。花ちゃんとは対照的に、元陸上部で運動が得意、勉強は苦手だった(ので死ぬ気で受験勉強をガンバった)、元気が取り柄のムードメーカーです。

 女のコ同士だから……というか、花ちゃんに対してだけ過剰なスキンシップをしているのだけど、樹ちゃん→ 花ちゃんは小動物を愛玩しているような「大好き」で、花ちゃん→ 樹ちゃんはガチな「大好き」というギャップが良いよね! ビジュアルは全然ちがうけど、関係性は『プロセカ』の杏こはに通じるものがあります。

 ちなみにこのゲームは「分岐のあるノベルゲーム」ですが、ヒロインごとに「○○エンド」が用意されているワケではなくて、カップリングは固定です。平たく言えば、樹ちゃんのことが大好きな花ちゃんを幸せな結末に導いてあげるのが目的のゲームですね。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 花ちゃん、樹ちゃんといつも3人でいっしょに行動しているのが二色ちゃん、「青」と書いて「あおい」と読みます。
 精神年齢高めのしっかり者で、アホなことばかり言っている樹ちゃんに鋭くツッコミを入れるポジションで、このコがいるから「女子高生の生っぽい会話」になっているんですよね。でも、彼女は彼女で抱えているものがあって……


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 そんな青ちゃんの家の隣に住んでいるのが、一つ下の後輩である一色ちゃんです。花ちゃんも十分に「ロリ」「小柄」枠ですが、藍ちゃんの方がより「ロリ」「小柄」枠なので、ポジションを奪われていますね。まぁ、花ちゃんは「大人しいロリ」枠で、藍ちゃんは「元気なロリ」枠と言えるからイイか!

 表情がコロコロ変わって、見ていて飽きないキャラです。
 「百合ゲー」の感想でこういうこと書くのもアレですが、櫻井くんとの絡みが好き。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 蛎崎くんはクラスメイトの男子。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 櫻井くんも、クラスメイトの男子―――――



 ということで、そうです。
 このゲームは、「男子も登場する百合ゲー」なんですね。

 百合には「女のコしか出てこない百合」と「男のコも出てくる百合」があるのですが、ことゲームに関しては「男のコも出てくる百合ゲー」ってあんまり見ないと思うんですね。そもそも絶対数がそんなに多くないからってのもあるんでしょうが。

 元々このゲームは「男の子も女の子もいる世界の百合モノ」という企画から始まっていて、「男のコも出てくる百合ゲー」に本気で取り組んだ作品になっているのです。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 このゲームの時代設定は、恐らく2050年辺り―――
 2025年に「15歳未満にだけ感染する高い致死率のウイルス」が大流行してしまい、こどもの人口が1512万人→ 532万人へと激減、そこから産み控えが続いて2035年には198万人にまで下がり、経済活動もボロボロ、犯罪率も上昇という時代があったそうです。

 国はそこから立ち上がるために「はぐくみ政策」という、「産めや増やせや」方針を立ち上げます。高校生の内から男女の恋愛を推奨し、結婚・出産・子育てをする夫婦には税金の優遇が図られ、2049年にはこどもの人口が409万人まで回復したそうです。


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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 その反面、独身者には「独身である」というだけで独身税が課せられる厳しい時代です。


 要は、私達が生きている現代以上に「恋愛は男女でして、結婚して、こどもを産んで育てなければならない」なる社会通念が強い時代に「女のコを好きになってしまった女のコ」を描いているんです。

 そのため、「百合ゲー」でありながら男子のキャラも登場するんですね。



 百合好きの人の中には、男子が混じることに抵抗がある人も少なくないと思いますし、私もプレイ前はすっごい不安でしたが……最後まで遊んでみたところ、あの男子2人がいなければこのゲームは名作にはならなかったろうと思うくらいに納得感がありました。
 特に櫻井くんは、あの見た目でシュールなキャラで、このゲームのキャラクター人気投票をやったら男子のくせに上位に入ってしまうんじゃないかというくらいに魅力的なキャラクターでした。


 「恋愛は男女でするべし」な時代設定だからこそ、「女のコ同士の友情」と「女のコ同士の恋愛」の境界線を描くことが出来たし、「百合とは何か」以上に「恋愛とは何か」をしっかり描いてくれて―――今まで見てきた漫画・アニメ・ゲーム・映画・小説の中でも、私にとって、「恋愛」を主題とした作品で一番好きかもくらいに面白かったです。

 私は現代で生きていても、恋愛を「して当然」だとは思えなくて、「して当然」な価値観の恋愛もののストーリーには共感できずに生きてきたので……「してはいけない」恋愛をしてしまった花ちゃんが、「どうしてしてしまうのか」と向き合ったストーリーは初めて共感できた恋愛ものだったかも知れません。



◆ で、結局どういう人にオススメ?
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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 「百合ゲー」としても「ノベルゲーム」としても革新的な1作でした。
 「百合ゲー」好きには、マストで買って欲しい“百合ゲーの到達点”くらいの作品だったと思います。

 「ノベルゲーム」としては、システムが革新的すぎてまだまだブラッシュアップする余地はあるだろうとは思いますが、この作品でしか味わえない感覚の楽しさがあったと思います。このシステムを踏襲して2作目、3作目と出してほしいですが、どうしたって1作目の「どうしていいか分からないから手探りで遊ぶ」ワクワク感は味わえないでしょうから……新しいシステムのゲームを遊びたい人は、是非遊んでおきましょう!


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『早咲きのくろゆり』の攻略情報がどこにもなかったので、自分で書きました

 10月24日にSteamで発売になった、「新しい形のノベルゲー」で「新しい百合ゲー」である『早咲きのくろゆり』をクリアしました!

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<画像はSteam用ソフト『早咲きのくろゆり』より引用>

 Steam:早咲きのくろゆり


 しかし、クリアはしたものの「メモリーコール」で解放される「想い出」がいくつか残ったままで分からなかったので、ネットで検索して調べてみたところ……2023年11月4日現在、このゲームの攻略情報が書かれているところが(少なくとも日本語で書かれているものは)どこにも見つかりませんでした。

 私はなるべく「攻略情報」を入れずに自分の力だけで遊びたいと思っていますが、世の中には「攻略サイト」を見ながらゲームを遊ぶという人がたくさんいるのは分かっています。『早咲きのくろゆり』、とても面白かったから今後ブログでも推していきたいゲームなのですが、「進み方が分からないからもういいや」とぶん投げてしまう人もいそう……!

 ということで、自分で書くことにしました!
 当然、まだプレイしていない人は読まない方がイイと思います。プレイして、詰まってしまった時の参考にしてもらえれば幸いです。

 そして、私もまだ「メモリーコール」で解放される「想い出」が全部埋まっていないので、ブログに記事を書けば誰かやってきて教えてくれないかなという欲もあります(笑)。よろしくお願いします。

※ 11月7日追記:無事に最後のメモリーコール解放できました!情報くださった方、ありがとうございました!

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